
今回の1曲セレクトは、「出航」寺尾聰です。
まずはデータです。
・タイトル 出航(SASURAI)
・アーティスト 寺尾聰
・作詞 有川正沙子
・作曲 寺尾聰
・編曲 井上鑑
・リリース日 1980年10月21日
・発売元 東芝EMI
・オリコン最高位 11位
・売上げ枚数 30.7万枚
・THE HITCHART HOT30最高位 7位
・ベストテンランクイン期間:1981年6月1日~6月15日付
・タイアップ:YOKOHAMAゴムCM曲
いつかも書いたかもしれないけど、ヒット曲には、例えば半年前までは全くヒットの予想も出来なかった曲ってあるんだよね。
これは、昔は良くあることだったけど、音楽業界がシステマティックになり「売れる曲」しかリリースしなくなった昨今でも、年に1~2作は、そんな曲ってあるよなぁ。
ハイハイ、今回セレクトしてきた曲のフリですねぇ


寺尾聰 「出航」。
うむ、タイトルが読めない

81年と言えば寺尾聰の年・・・・と言っても過言じゃないくらい、当時リリースしたシングル、アルバムが悉く「当たった」寺尾氏だけど、果たして、81年の元日にこんな寺尾氏ブームが来るとは、誰が予想していたでしょうかねぇ・・・ってくらい「予期せぬ出来事」でしたよね。
うん、丁度、当時リリースして空前絶後のミリオンセラーを記録した、アルバム「Refrections」にも同タイトルの曲が収録されているけど、本当に「予期せぬ出来事」でしたよ。
まあ、当時「西部警察」を見ていた方には寺尾氏の存在も浸透していただろうけど、ワタシん家は、同時間帯はデフォルトでNHK大河ドラマだったんで、「西部警察」は全く見てなかったからさあ、寺尾氏の存在すら知らなかったもの。
それは、メディアでもそうだったようで、この年の2月5日にあの「ルビーの指環」がリリースされたんだけど、明星付録の「YOUNG SONG」では、新曲情報で「寺尾聰」に読み仮名のルビが振ってあるんだけど、間違って「てらおさとる」になってたりしてたもの。
ま、それだけ当初はあまり注目もされていなかった訳ですね。
でも世の中分かんないものなんですよ。当時、関西から火がついた楽曲は大ヒットになる・・・っていう一種のジンクスがあったんだけど、「ルビーの指環」も「神戸」から火がついて、あれよあれよという間に特大ヒット。
それにつられて、「ルビーの指環」よりも前にリリースされていた「シャドーシティ」(1980年8月リリース)、そして、今回セレクトしてきた「出航」(1980年10月リリース)と、同時にチャートを駆けあがってきた・・・と言うわけですね。
つまりさ、これら本来前年の1980年にリリースされていた、「シャドーシティ」も「出航」も、リリース当初は、全くヒットの気配すら無かったわけなんですよね。
でも、最終的には「ザ・ベストテン」では3作とも同時ベストテン入りという快挙を達成

それが、1981年5月21日放送分でしたね。 今から、丁度35年前の今頃ですわ。
だから、この曲なんかは、リリースから7カ月もかかってベストテン入りしたって訳ですねぇ。
それにしても、いやはや、気がつけば、あれから35年も経ってしまいましたか。。。。






でも、あの時は随分騒がれましたよね。「3曲同時ベストテン」入りっていう前代未聞の記録を達成したって事で。
ちなみに、オリコンでは、この「出航」は最高11位止まりなんで3作同時ベストテン入りとはなっていない。
だから完全なる「3作同時ベストテン入り」は、それから丁度3年後のチェッカーズまで待たなきゃいけない訳だけど、なにせ当時のベストテンの視聴率は、毎週常に35%前後を推移していた、まさに「ベストテン全盛」の時期で影響力はハンパじゃなかったですからねぇ。
あー、前置きが超長くなっちまった。。。
ところで、個人的にこの3曲の中で、当時一番好きだったが、正直言えば、この「出航」だったりするんだよね。
3曲の中では、なんか一番変わった曲調だったじゃないですか。
Aメロの途中でメロディが止まってしまったり、リズムが3/4拍子だったり。 そそそ、当時、やはり明星「YOUNG SONG」の記事にもあったけど、3/4拍子のヒット曲って当時、ほとんど無かったですからねぇ。 ま、皆無じなかったけど、ほとんど聴いたことが無い。だから、余計新鮮に感じたんだよなぁ
それと、3曲の中では一番、コード進行が易しかったのも、曲に入りやすかったのかもしれない。
それ以上にこの大人の色気にシビレたっていうかねぇ、憧れましたね。その後のチョイワルおやじぢゃないけど、あの頃は「大人」が聴くに堪える曲が、まだ多かったからな。そして、歌詞にもあるように「自由」を感じるんだよね
そうか大人になったら、もっと自由に生きられるんだ・・・・なんて感じたりして、当時は早く大人になりたかったんですよ。
でも、実際大人になってみたら、ヒット曲は「コドモ」向けばかりになっちまって、幻滅しちゃったってのはあるな。
そうだ、この「出航」の「B面」は、「ダイヤルM」って曲なんだけど、個人的に、この曲も好きなんですわ
↓ コレ
この気だるい雰囲気。これこそが「元祖」シティポップスなんじゃないか・・・なんて思うんだよな。
「シティポップス」っていうキーワードは、この後オメガトライブに代表される、この硬質でクリスタルな格好いいミュージックっていう印象が強いかもしれないけど、そうじゃない気がするんだよね。
この気だるさ、ジトーっ蒸し暑い温度感があるようなこの雰囲気っていのうが、本当のシティポップス・・・否、TOKYOを表しているんじゃないか・・・なんて思ったりするんですよね。
だから、この曲を聴くと、蒸し暑い夜の東京を想像してしまう、ワタシだったりします。
それにしても、タイトルに時代を感じますよね。今、電話にゃ「ダイヤル」なんてないしなあ、この曲のイントロにかぶさってる「黒電話」のダイヤルの音を知ってるヒトも、今や40代以上だよなぁ。
このサウンドこそ、1981年って感じだよなぁ。
今のようにスーパーに音がいいわけじゃないんだけどさ。でも、味があるんですよ。1981年って言う時代の匂いを感じる。
だから、いつ聴いても、1981年に戻れるんだよなぁ。
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