202108_U_millenium parade




久しぶりの「キニナル曲」レビュー。 今回はこの曲だ

millennium parade × Belle 「U」

まずはデータから

・タイトル     U
・アーティスト   millennium parade × Belle
・作詞       常田大希
・作曲       
常田大希
・編曲       millennium parade
・リリース日   2021年7月12日(ネット配信)
                                2021年8月18日(シングルCD)
・発売元     ソニーミュージック

ここの所、いわいるヒット曲は言われる曲の勢いが感じられなくなって来たところもあって、キニナル新曲も少なかったんだよね。
いわいるヒット曲系のアーティストにしても、BTSであったり、YOASOBIであったり、固まってきているようにも感じるし。

なんていうんですかね、やや「新鮮味」に欠けるなぁ・・・と思っていたわけですわ。

少し前に、時代は、楽曲志向からアーティスト志向に移りつつあるって書いたように、個々の楽曲については、やや軽視の傾向が広がりつつあるのかもしれない。

・・と少々、嘆いていたわけなんだけども。

でも、久々に来ましたね。「ビビビッ」と来る曲が。

それが、今回引っ張ってきた、
millennium parade × Belle の「U」っていう楽曲。

先月から全国公開されている 細田守氏の最新作、映画「竜とそばかすの姫」の主題歌。 映画公開に先んじて先月12日から、ネット配信が開始されているこの曲が、いま話題になってきている。

オリコン配信ダウンロードランキングでは、7/26〜8/2付ランクで、2週連続の首位。

これに呼応して、動画配信チャート、有線、ラジオ等の各メディアチャートでも、上昇気流で、不肖ながら、ワタシメのランキングでも、最新チャート(8/5付)で、総合3位までジャンプアップしてきている。

さすがに、細田守監督の最新作主題歌ということもあって、人気が出てくるのも当然か・・とも思えるけど、この曲、通常の映画主題歌とは少し違うイメージがあるんだよね。

楽曲自体は、壮大なオーケストレーションを前面に押し出した、いかにも「映画音楽」、あるいは「ゲーム音楽」と思えるような曲調。

たださ、そういう、オーケストレーションを前面に押し出したような音楽が、通常のいわいるヒットチャート系の、しかも上位に上がってきている・・というのが、驚きなんだよな。

この手の音楽、↑で書いたように、映画音楽であったり、ゲーム音楽の世界では、これまでも様々あった。
でも、通常、この手の曲っていうのは、いわいる「サウンドトラック」の世界の曲であって、シングルとしてのヒットチャート系には、あまり上がっこないのが通常だったんだよね。

まあ、これは、あくまで近年の傾向であって、昔から無かったわけではないんだけどもね。

例えば、80年代だったら「E.Tのテーマ」、それ以前だったら、ニノロータの「ロミオとジュリエット」とかさ。 もっと前だったら、ビルボードで、「夏の日の恋」が首位を獲得してるし。

それこそ昔は意外と、このようなのオーケストレーションを主体とした映画主題曲でもヒットチャート系に登場することはあったんですよ。

ただ、近年では、ほとんど見かけなくなってきたからさ。 突然こういう曲が出てくると、キニナッテしまう。

今月、18日にはシングルCDとして、パッケージでもリリースされるようであり、暫くは、この曲に注目が集まりそうだ。


それにしても、なんて雄大な曲なんだろうね。
Belleこと、中村佳穂さんのボーカル抜擢というのが、話題になっているけど、個人的には、それに加えて、石若駿氏による、さんざめくティンパニにどうしても惹きつけられてしまう。

それ以外にも、スネア、マリンバなど、パーカッションを石若氏一人で操り、それらパーカッションが主体となって、生楽器同士の壮絶なバトルを繰り広げるのは「millennium parade」ならではだと思う。

まあ、一聴すると、アイドル系とか通常のいわいるヒットチャート系の曲とは、サウンド自体の形式が全く異なるし、やや小難しいところを感じる人も居るかもしれない。

でもさ、これからは、既存の決まった形式でヒット曲を作るという所に固執しないでもいいような気がするんだよね。

現に、そういう既存の形式ではなくても付いてきて来ている人がたくさんいるからこそ、ヒットチャートで上がってきているわけだし。

スマホのアプリを使えば、だれでも作曲やサウンドクリエイト出来てしまう時代。 これから音楽界で求められるのは、ホンモノのクリエイターだと思う。

それは、既存の形式の音楽にこだわらない、全く新しい音楽、クオリティの高い音源をクリエイト出来るヒト。 アプリでは表現できないような音楽をクリエイト出来るヒトたと思う。
そういう人こそがお金を払う価値がある人達になっていくんじゃないのかな と思うし、世間の人たちもそういう人を求めているように思いますね。

昔ながらの形式にこだわるならそれでもいい。 
でも、時代は刻々と変わってきているわけでさ。 新たな時代を切り開くには、既存の様式をぶち壊すくらいの、実験、冒険も必要だと思うんだよね。

常田氏をはじめ、そういう既存の形式をぶち破ろうと思えるアーティストって、少しずつ増えてきていると思う。いい傾向だと思いますよ。

私みたいな古い人間にとっては、昔ながらの様式に沿った曲の方が聴いてて楽なんだけども、どんどん新しくしていってほしい。オジサンとしては、頑張って付いていきますわ。





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