今回の1曲セレクトは、「雨だれ」太田裕美です。
まずはデータです。
・タイトル 雨だれ
・アーティスト 太田裕美
・作詞 松本隆
・作曲 筒美京平
・編曲 萩田光雄
・リリース日 1974年11月1日
・発売元 CBSソニー
・オリコン最高位 14位
・売上げ枚数 18.1万枚
またまたお久しぶりーな、1曲セレクトどぇす。
もうね、こんな書きだしのマクラが定番になっちゃいましたね、最近は。
相変わらず、書こう書こうと思ってなかなか筆が上がらない自分だったりしてなぁ・・・。
ここ暫くは「時代の転換点」な曲って言う感じで曲をセレクトしてきたりしてるけど、今回の曲も、そんなヒット曲の転換点な時代の1曲って言えるのかなぁ。
太田裕美「雨だれ」
そそそ、太田裕美さんの「デビュー曲」ですね。 リリースは1974年(昭和49年)11月っていうから、ワタシャ5才。
当然、リアルタイムではないよなぁ、この曲は。
でも、11月リリースなのに、なんで今頃書いてるの? とも思う方もいらっしゃるかなぁ。うん、この「1曲セレクト」は原則、「ヒットしていた時期」に書いてるからさ。
But But、ご安心あれ、この曲のヒットのピークは、1975年の丁度今頃なんですねぇ。(オリコン最高位14位を記録したのは、1975年3月3日付)。なので、リリースからヒットのピークまでは4カ月要した、いわばロングヒットでもあるんだよね。
ただ、ワタシらの世代と、太田裕美さんっていうと、どうしても次の年の「木綿のハンカチーフ」だったりするんだけどさ。。
いや、恐らくこれ読んでいただいている多くの方が、そうじゃないのかなぁ。
個人的にも、後年、時代を遡ってこの曲を聴いた訳なんだよね。
で、ちょっと迷ったのが、果たしてこの曲は、単純に「アイドルポップス」っていうカテゴリーに入れていいのだろうか・・って事なんだよなぁ。
たしかにこの曲では太田裕美さん本人がピアノの弾き語りで歌っていたこともあった。 そのスタイルからしてアイドルポップスって言う範疇では無かったように感じたところも大きい。
けどさ、それ以上に、甘美なピアノのイントロから始まるこの曲は、やっぱりアイドルポップス・・・って言うイメージじゃないんだよねぇ。どちらかと言えば、当時、広がりを見せつつあったニューミュージックの世界観に近い。
あ、これは、その時点までの一連のアイドルポップスと比べると・・・と言う事だけど。
「雨だれ」っていうとショパンのプレリュードを思い浮かべる方もいらっしゃるかと思うけど、そんな世界観を想像してしまうようなイントロのピアノの旋律は、流石は萩田光雄氏のアレンジだよなとは思わずにいられなかったりしてさ。
それまでの70年代アイドルポップス・・・いや、アイドルポップスに限らず、いわいるヒット歌謡って言う部類の曲、全般的にですね、どちらかと言えばメロディライン優先で、バックのサウンドは添え物って言うところがあった。 まあ、大まかに見るとよ。
でも、この曲あたりから、メロディラインだけではなく、バックのサウンドのクオリティも上がってきているんだよね。トータル的に音楽を感じるられる曲って言うのかなぁ
それは日本独自の流れというよりは、ヨーロッパを初め世界的にそんな流れになってきては居たんだけどね、当時は。
リズム重視というよりもサウンド重視っていうのかなぁ。そんな流れに日本のポップスも追いつきつつあった。
この曲はそんな流れの象徴の一つなんじゃないかなぁ・・・なんて思ったりするんですよね。
そんな世界的な流れのトレンドにいち早く移行したのが、後のニューミュージック勢の方たちであり、歌謡ポップスでは筒美京平氏なんじゃないのかなぁ。
筒美氏一人で・・というよりもそれを支えたブレーン達の才能って言うのもあるんだろうけどね。そのトップバッターだったのが、この曲のアレンジをした萩田光雄氏ですよね。
まあ、丁度ヨーロッパ・・特にクラシックの流れを汲んだような曲調のフレンチポップスが流行っていたって言うのも追い風だったのかもしれない。
以前も何回か書いたような気がするけど、フレンチポップスと日本の土着的なメロディって相性が良いからさあ。
なんで相性がいいのか・・・正確では無いかもしれないけどさ、日本の方言、特に東北地方の方言ってフランス語的って言われてるじゃん。
寒くてあんまりはっきりとしゃベれないんで、ボソボソっとした発音と省略語が多いところがフランス語の発音に似てるってさ。
そんなフランス語に似てる発音で歌われる民謡・・・これってやっぱりフレンチ的になるんじゃないのかなぁ・・・なんて思う訳なんだよね、個人的には。
ゆえに、フレンチソングと日本の土着的な音楽って相性がいいのも、ある意味必然的なんじゃないのかな・・・なんて勝手に思ってたりするんだけどさ。
ま、蛇足と言う事で・・・
あ〜、話が脱線した。。。。元に戻す。
それらの「いいところどり」・・っていうかさ、上手い具合に融合し発展し始めたのがこの頃の曲だと思うし、その1曲が、この「雨だれ」なんじゃないのかなぁ・・・なんて思ったりするんだよね。
筒美氏もこの曲に関しては、納得する出来だったのかもしれない。 何年か前にNHK BSの「筒美京平」ご本人が出演された特集の最後に、筒美氏本人がピアノ弾き語りで演奏した曲がこの曲だったわけだから。
ヒット曲は、納品した瞬間から自分の手を離れるって自ら語っていた本人なわけだから、その本人が自ら弾き語りで選んだ曲っていうことは、それほど納得が行って愛着を持っている曲なんじゃないのかなぁ。
そう言う意味でも印象的な曲なんだよね、この曲は。
まあ、売り上げ的には大ヒットと呼べるほどではないんだけどさ。
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