今回の1曲セレクトは、「狙いうち」山本リンダでする。
まずはデータでする。
・タイトル 狙いうち
・アーティスト 山本リンダ
・作詞 阿久悠
・作曲 都倉俊一
・編曲 都倉俊一
・リリース日 1973年2月25日
・発売元 キャニオン
・オリコン最高位 14位
・売上げ枚数 17.7万枚
WBCが感動のうちに終わりましたな。
いやいや、「日本野球」は強かった。正直、準決勝の対メキシコ戦では「負けた・・・」と思って途中で中継見るのやめちゃったワタシだったり。。。
最後まであきらめない心、がむしゃらさ、ひたむきさ。。。
ワタシねぇ、今回のWBCがこんなに注目集めたのって、ゲーム展開とかチームワークもそうだけども、ココが一番だったと思うのよ。
最近のニッポン人が忘れかけたモノを改めて気づかせてくれたような気がしたんだよね。
さてさて、WBCが終われば、プロ野球が開幕までは高校野球ですかね。春の選抜。
高校野球と言ったら、応援合戦がつきものなわけで。。。
特にブラスの応援だよね。
最近は、市立習志野の「美爆音」とか、とかくクローズアップされていますな。
かくいう、中学、高校と吹奏楽やってたワタシも、やりましたねぇ、野球応援。
あれ、結構大変なんだよね。うちらの高校は春の選抜まで出られるほどではなかったので、夏の大会中心だったけども。。。
とにかく暑い。まあ、のどは乾くは、汗びっしょりになるわ。。。
そういう意味では、文化系じゃなくて、体育会系だったよなぁ吹奏楽も。
一番つらいのは、なんせ常に大音量でやるもんだから、唇が大音量用に固まっちゃって、pとかmpが出なくなっちゃうのよ。なんちゅうのかな、ブラスオリジナル曲の微妙なニュアンスを出しにくくなる。
特に私らが高校2年の時の夏の大会は、千葉大会でノーシードからベスト4まで勝ち上がったもんだから。。。あの夏は5回くらいやったのかなぁ、野球応援。
高校野球と、全国吹奏楽コンクールって大体、日程が重なっているし、野球応援やってすぐにコンクールっていう訳にもいかなくて、この年は出場辞退したんだよなコンクール。
高校はワタシらの代が開校3期生っていう、ワタシらが入学してやっと3学年が揃ったっていう、まだ新設校に数えられていたし。。 だから、部活も手策りしながらの活動だったのよ。
部員も少なかったしさ。 野球応援用とコンクール用、2つの編成に分けられるくらいの部員がいるならばコンクール辞退ということにならなかったんと思うんだけども、新設校で、しかも名目上は「進学校」となっていて、全体的に部活動は低調だったんでねぇ。そういうわけにもいかなかったしな。
当然、野球応援用の曲も決まってなかったし。。。 あんときは、音楽の先生がプロ野球の応援歌を耳コピで譜面に興してきてくれて、それでやってたんだよな。
でも9人分もなくて、急遽、ワタシが、ポーターサウンド片手に、テレビの前に座り込んで野球中継を見ながら足りない分の曲を耳コピーして譜面に興したりして。。。それで結構曲数はそろったんだけども。。。
ただ、今回引っ張ってきた、高校野球の野球応援では、切っても切れないこの曲は、まだ含まれてなかったなぁ。
山本リンダ 「狙いうち」
この曲って、いつから高校野球とかプロ野球の応援曲に使われてたんだろ?
wikipediaによると作詞の阿久悠の母校、明治大学の野球応援で使われ始めたってことになっているけども、ワタシらが高校の頃は、高校野球の応援では、まだ使われてなかったような気がする。
うーん、もしかすると使ってたところもあるんだろうけども、今ほど大々的には使われてなかったよな。
でも、今はいいよね、この「狙いうち」にしろ、真心ブラザーズの「どかーん」にしろ、野球応援にぴったり嵌るような曲がいっぱいあってさ。
ちなみに、やっぱり、野球応援で頻繁に使われている「アフリカンシンフォニー」。あれは、ワタシらの頃は吹奏楽オリジナルの曲だったんだよね。吹奏楽の定期演奏会では、大抵の学校でやってたよな。
ただ、野球応援に持ち込むっていう発想はまだなかったと思うんだよね。あれを野球応援に持ち込むっていう発想した人はすごいよね。
ということで、山本リンダさんの「狙いうち」。
この曲さあ、おそらく、私の中では、「リアルタイム」で聴いた記憶がある最古に近い曲だと思うんだよなぁ。
1973年2月リリースでしょ。 わたしゃ3歳6か月。
うわっ、今年でちょうど50年になるんか、リリースから。。。。
ワタシなんかでは、この曲とか、桜田淳子さんの「わたしの青い鳥」とか、仮面ライダーV3とか、あの辺とゴッチャになって記憶しているのよ。
♪ うらら〜 うらら〜 ♪ なんて、ちゃぶ台の上で踊ってたかすかな記憶があるんだよなぁ。
そそそ、「ちびまる子ちゃん」と同じ世界ですよ。
まあ、当然、歌詞の意味なんて、全く理解せずにやってたんだけどさ。
それにしても、あの当時の阿久悠氏って、「擬音」を取り入れた歌詞って多いんだよね。
この「狙いうち」の ♪ うらら〜 うらら〜 ♪ 、↑にちょろっと出した、桜田淳子さんの「ワタシの青い鳥」の ♪ クッククック〜 ♪
ちょっと後になると、78年の「林檎殺人事件」の ♪ フニフニ フニフニ〜 ♪ とかさ。
極めつけは、フィンガー5の「恋のダイヤル6700」の ♪ リンリンリリン リンリンリリンリン〜 ♪
だよね。
これらの曲って、曲先なのか、詞先なのかは、よくわかんないんだけども。。。 いや、あの時代だから、曲先なのかなぁ・・・。
例えば、「恋のダイヤル6700」の ♪ リンリンリリン リンリンリリンリン〜 ♪ のメロディがあるとしたら、通常ならばコトバを入れたくなるってもんじゃないですか
それなのに、あえて ♪ リンリンリリン リンリンリリンリン〜 ♪ なんて、擬音を入れてしまうっていうのが、阿久悠の阿久悠たる仕事だと思うんだよなぁ。
場合によっては、なんだ? コノ手抜きの仕事は・・・ なんて思われちゃう可能性もあるわけじゃん。それなのに堂々と使ってくる。
でも、これらの「擬音」を使うことによって、インパクトは大きくなるよね。
「恋のダイヤル6700」の ♪ リンリンリリン〜 ♪ だって、これがあるから、「なんだ? コレ?」って思いたくなるし。。。
今回の「狙いうち」にしてもそう。 ♪ うらら うらら〜 ♪ なんて、本編の歌詞とは全く関係ない、意味不明のフレーズがあるから、「なんだこれ?」って引っかかるわけでさ。
本編の歌詞だけだと、いまひとつインパクトが弱いわけで。
当時3歳のガキんちょだった、ワタシみたいなコドモも引っかかったわけだからさ。
こんな感じで、歌詞っていう文字通りのコトバだけでなく、擬音っていう「音のコトバ」から、それらの曲に引っかかりを持つようなヒット曲を「開発」した阿久悠氏ってやっぱ偉大だと思うんだよね。
すくなくとも、これ以前には、こんな「擬音」を多用した曲ってあんまりなかったと思うのよ。
あとは、本編の歌詞だよね。
最後の ♪ 世界中の贅沢を どれもこれも身にまとい 飾り立てた王宮で かしずく男を見てみたい〜♪
ってのは、すげえ歌詞だよなぁ。
まるで劇画の世界だよね。 いまは、こんな劇画チックで、かつ2.5次元な歌詞の曲ってあんまないからさあ。 もっとも、今は、アニメであったり、ゲームであったり・・この世界観はそっちに移行されてしまい・・・。ウタは、より「リアル」な世界に終始しているっていうような感じになっちゃっているような気がするんだけどね。
まあ、この「狙いうち」って曲の歌詞の世界観は、ばかばかしいっちゃばかばかしいんだけども、こういうばかばかしい世界観の曲っていうのも、もっとあってもいいと思うのよ。
日常のリアルの世界を表現するだけがウタじゃないと思うし。。。
もっとも、見方を変えれば、この曲の歌詞の世界観は、70年代前半の「ウーマン・リブ」、女性解放運動の時代を反映したものともいえるんだけども。
うん、それまでの女性って、男に尽くすものだったわけじゃん。
うたの世界だったら、男に尽くし、すれてられ、 酒場の隅で「ヨヨヨ」・・と泣き崩れる ・・・なんて、まるで「演歌」の世界・・・っていうのが世の中の常識だったわけじゃん。
それが「ウーマン・リブ」によって、女性ももっと自立を・・・っていう考え方が世界的にひろがってきたのもこの頃だったしさ。
まあ、この曲の場合は、いささかドラスティックな世界ではあるんだけども、それでも、そんな時代を象徴した曲の一つではないんかなぁ・・・ なんて思ったりしてね。
そんな「狙いうち」だけども、ヒットチャート成績は思ったほどでもなかったんだよね。
↑のデータを見てもわかるように、オリコンではベストテン入りを逃している。
1965年の「こまっちゃうな」から低迷を続け、前年1972年の「どうにもとまらない」で再ブレイクしてから、3曲連続でベストテンをキープした山本リンダさんだったけども、この曲はベストテン入りから外れたわけで。。。これが意外でね。
だって、↑でかいたように、「ちびまる子ちやん」にも出てくるほど、ワタシらの世代(少なくともワタシもそうだけど)、 この「狙いうち」のイメージの方が強い山本リンダさんだからさあ。
当然、オリコンでも上の方にいた・・・ようなイメージが強かったんでねぇ。
まさか、ベストテン入りもしてなかったとはね。。。。
イメージと、現実ではちがう。 オリコンの過去のランキングを見てると、そんな曲がいろいろと出てきたりするんだけどね。
まあ、それがオリコンの面白いところではあるんだよね。
うわっ、めっちゃ速い「狙いうち」。
これ紅白だよね。1973年。第24回紅白歌合戦。
おそらく「巻いてた」と思うんだけども。。。
紅白って時々、こんな感じで「超高速」なテンポの時があるんだけども、この頃すでにあったんだな。
それにしても、この曲のジャケ写、インパクトあるよねぇ〜、
いかにも1970年代前半。
ザンバラの長髪に、めっちゃ長いつけまつげにパンタロン。
今見たら、「あばずれ」って感じだけども、あのころは、これがトレンドだったわけね。
かくいう、ワタシの母親も、こんな感じの「ファッション」だったの覚えてるわ。
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