1973_12_とん平のヘイユウブルース_左とん平


今回の1曲セレクトは、「とん平のヘイ・ユウ・ブルース」左とん平です。

まずはデータです。

・タイトル    とん平のヘイ・ユウ・ブルース
・アーティスト  左とん平
・作詞      郷伍郎
・作曲      望月良造
・編曲      深町純
・リリース日   1973年11月21日
・発売元     トリオ
・オリコン最高位 73位
・売上げ枚数  2.1万枚

1曲セレクトを書いてると、時々ヘンな曲を書きたくなる時があるんだよな。・・・なんてゃおら書いてみる
それが、今回だったりしてね。 うん、最近、結構「マジメ」にヒット曲を書いてきたからなぁ。。って言うのもあってね。

なんて、今回の曲のマクラをどう書こうか・・なんて全然思い浮かばなかったんで、なんか訳分かんない書きだしになってしまいましたが・・・。

なにを引っ張って来たかって   この曲デス。。

左とん平「とん平のヘイ・ユウ・ブルース」。

果たして・・・、こう書いても、この曲でどの位の方が反応していただけるか・・・めちゃくちゃ不安だったりして。

左とん平さんって言ったら、ワタシらの世代からすると、コメディタッチの役をやっていた俳優・・、そうね、今で言えばバイプレイヤー的立ち位置の俳優さんって言うイメージの方ですよね。

いやバイプレイヤーなんてかっこいいもんじゃなくて、やっぱコメディータッチの俳優って言う方が強いかなぁ。

そんな方の曲・・しかも、タイトル「とん平の・・・」なんてついたあかさきにゃ、俳優が余力で出した「お笑い系の曲」か なんて素通りしちゃう方も多いかもなぁ。

いや、おそらく、この曲がリリースされた当時もそんな感じだったんじゃないかなぁ・・・なんて思えたりしてね。

なんせ、オリコン最高位73位。 売り上げ枚数2.1万枚ですからねぇ。 業界用語で言えば「左ページ」にも入らなかった訳で、ヒットと呼べるかどうかも微妙な売り上げだった訳ですわ。

つまりは、本当に知ってる人しか知らないって言う曲だった訳ですわね。


BUT BUT BUTですよ。 そんなじゃ、なんでそんな曲をワタシが知ってるの って事ですわな。 
当時、ワタシゃ、4才。 「大人」の曲なんぞ、まーったく知らなかった・・というよりも、まだ物心もついたか付いてないか・・・って頃ですわ。、そんなワタシが、当時は、当然この曲を聴いたって言う記憶も無い。

でも、知ってるんだよね。

まあ、タネあかしは簡単で、90年代中ごろ、いわいるクラブで、この曲が注目された事があるんだよね。

wikipediaによると、スチャダラパーがサンプリングしたことで再注目、一躍脚光を浴びた事になっている。

個人的にも、その時ですね、この曲を初めて聴いたのは。

タイトルからして、個人的にも、当然、「お笑い系」の軽いノリの曲が出てくるんだろう・・・と思ってたら・・・

ビックリしましたねぇ、イントロからして、めちゃくちゃ本格的なR&Bで。 

まあ、♪ 祇園精舎〜 ♪ っていう出だしの詞にもずっこけましたが・・。というか、その辺はとん平氏らしいなっていうところなんだけど。。

兎も角、ビックリしたのが、その黒っぽいサウンドなんだよね。 これは、完全に「歌謡曲」っていう範疇を超えてるよなぁ、本格的なR&Bですよ。

当時で言えば、ゴッドねぇちゃんの和田アキ子様が好んで歌っていたような。

そんな本格的R&Bのサウンドに、とん平氏のここの内面を叫んだ歌詞が、妙にマッチしてたりする。 こんな本格的な曲が70年代にあった・・・っていうのが凄いな・・・っていうのが、まずもっての感想でしたねぇ。

個人的に言うと、70年代前半のヒット曲って、やっぱりどうしても歌謡曲が中心であり、しかもまだまだ曲のクオリティ自体も発展途中でありって言うイメージがあったんだよね。

この辺は、70年代前半のヒットポップスを聴くと、今でも感じるんだけど、メロディにしてもコード進行にしても、どっかヘンなんだよね。 自然体じゃないっていうか、不自然と言うか・・・、前時代の歌謡曲の王道だった4-7抜きのメロディからの脱却がウマくいって無い・・というかさ。メロディのフレーズ自体まだまだ少ないし。。。
結局は、発展途上の時代だったんですよ、70年代前半のヒット曲って。

でも、この曲はといえば、そんな、発展途上のヒットポップスからみても、遥か先を行っている・・・そんな感じを受けたんだよなぁ。

ま、歌ってるヒトがヒトだし、「トリオ」っていう歌謡曲専門レーベルからのリリースってこともあるんで、一般的に言っちゃうと、歌謡曲なんだろうけどさ。

でも、個人的に言うと、この曲を単純に「歌謡曲」って一括りされちゃうと、やっぱ違和感を感じますね。

いずれにしても、当時としては楽曲的にハイパー過ぎて売れなかったってところはあるかもな。
日本でもこんな本格的な曲があったんだ。しかも70年代前半に。それがまずびっくりなところなんだろよね。
90年代でも通用した訳だから、20年後位にリリースしていれば、もっと売れただろうに。

プロデュースは、ミッキーカーチス氏。 
その昔は、ロカビリー3人男として、ウエスタンカーニバルのスター。最近では、テレ朝のドラマ「やすらぎの郷」に出演されたり、完全な俳優となった氏は、音楽プロデューサーとしての手腕も凄かった訳なんだよね。
この「ヘイ・ユウ・ブルース」の前年には永ちゃんの「キャロル」をプロデュースしデビューさせたり。

こんなハイパーな曲が当時リリースされたのは、確かにアレンジャーの深町氏のアレンジ力っていうのもあるけど、やっぱりミッキーカーチス氏の力量のおかげなんだろうなぁ。







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