かじやんのヒット曲&チャートレビュー

ヒット曲を聴き続けて40数年! かじやんがお送りする、「今」のヒット曲&ヒットチャートから、「あのころ」のヒット曲&ヒットチャートまで、ヒット曲について幅広くご紹介するブログ。 自主チャートサイト"THE HITCHART NOW AND THEN"の支店ページという位置づけにいたします。

岩崎宏美

想い出の樹の下で / 岩崎宏美

1977_03_想い出の樹の下で_岩崎宏美




今回の1曲セレクトは、「想い出の樹の下で」岩崎宏美です。

まずはデータです。

・タイトル   想い出の樹の下で
・アーティスト 岩崎宏美
・作詞     阿久悠
・作曲     筒美京平
・編曲     筒美京平
・リリース日  1977年1月25日
・発売元    ビクター
・オリコン最高位 7位
・売上げ枚数  23.3万枚
・THE HITCHART HOT30最高位 9位
・ベストテンランクイン期間:1977年2月14日〜3月14日付



またまた、久々の1曲セレクトです。
・・・って、前回はここから長々とマクラを書いちゃったんだよな。
なので今回は、すんなり本題に入りますぞ。

さてさて、今回引っ張ってきた曲は、岩崎宏美さん、1977年1月にリリースされた8枚目のシングル

想い出の樹の下で

この曲さあ、いっつもヒット時期間違えるんだよな。

曲の内容からして、卒業、新たな旅立ちを想像させるし、曲調からも「春」を連想させるんで、3月頃のヒットだとばっかり思ってたのよ。

でも、実際は、リリースが1月で、ヒットのピークは2月なんだよね。

曲のイメージからすると、実際は1か月ほど早い。 で、3月の今頃はヒットのピークは過ぎて下降線に入ってた頃なのよ。

だから、いっつも書く時期を逸するんだよな。 

まあ、今回もややヒット時期からすると、ずれ気味ではあるけど、ここで書いとかないと、また書く時期を逸するんじゃないかと思いーの、ひっぱってきちゃいました。。。


個人的に、この曲嫌いじゃないんですよ。 むしろ、宏美さんの初期の曲の中では好きな曲の部類なんだよな。

この曲も、デビュー以来携わってきていた、筒美京平氏の作曲だけど、明らかにここまでの曲とはサウンドが違ってたからさ。

モノの本では、初期の宏美さんの曲は、ディスコサウンドと言われる。まあ、これは、当の筒美氏も公言しているから間違いないところなんだけども。

そそそディスコといっても、70年代終盤のサタデーナイトフィーバーではなく、バンプを経た後の、フィラデルフィアサウンドがベースとなったディスコですね。ヴァンマッコイの「ザ・ハッスル」などの黒っぽいサウンドのディスコ。

榊ひろと氏の「筒美京平ヒットストーリー1967-1998」によると、これらのディスコサウンドがベースとなっているが、うわもののストリングスなどは、それまでの歌謡曲を踏襲した・・とある。

そそそ、だから、ぱっと聴きは、それまでの70年代のヒットポップスと大きくは変わらないんだよね。
でも、リズム体は明らかにそれまでのポップスとは一線を画す。それを榊氏は「過渡期」と書いてるけど、まさにそんな感じですね。

いつかも書いたけど、70年代って前半と後半では、サウンドが全然違うって書いたことがあったけど、宏美さんの初期の一連のヒットって、まさにそんな時代の変革期真っ只中の時期のヒットなんだよね。

ただ、個人的には、大ゼッサンしたくなるほどではなかった。まあ、もともと70年代中期のディスコサウンドって、大得意ってわけじゃないからなぁ。

たしかに、大ヒットの「ロマンス」は別格だけども、その他の初期のヒットはそれほど引っかかってこなかったんだよね。 

でも、この曲では、ディスコから、ソウルへ、本格的なフィリーソウルを見せてくれたじゃん。 それが良かった。

いや、個人的には、フィラデルフィア・ソウルのほうが、ディスコよりも全然好きだったから。

あ、これは、子供頃から。

透明感のあるストリングスに、キラキラとしたブラスが絡まってくる。 

ヴァンマッコイのディスコサウンドは、黒っぽさが際立っていたけど、ソウルになると、黒っぽさは薄れ、もっと洗練されたサウンドに昇華してくるというかさ。
そんなフィリーソウル・サウンドが大好きだったんだよな。

77年は個人的には、ポールモーリアな嵌ってた頃なんだけども、そんなフレンチ・ヨーロッパ系のサウンドに対しての、もう一つの心のよりどころだったのが、実は、フィリーソウルだったりするんだよね。 多分、その二つのサウンドが個人的な音楽の根っこに今でもなっていると思うんだけども。。

うん、わが心の70年代ですよ。これらのサウンドは。

ちなみに、筒美京平氏は、この年1977年、この「想い出の木の下で」でフィリーサウンドを、秋には太田裕美さんの「九月の雨」でポールモーリアを下敷きにしてきている。
個人的な音楽の根っこのサウンドを両者とも取り入れている。だから、筒美サウンドはやめられないのよ。


・・・で、この「想い出の樹の下で」は、そんなフィリーサウンドを取り入れたっていう所が、それまでのシングルとは違うし、だからこそ、新鮮味も感じるんだよなぁ。

取り入れたというか、イントロ出だしのホルンの響きは、バリーホワイトの「愛のテーマ」の間奏部のホルンの響きを彷彿とさせるし。 「愛のテーマ」は下敷きにしてるよね、間違いなく。

↓ コレ





ただ、個人的な思いとはウラハラに、どうも、一般的な評価は、それほど高くなかったりするんだけどさ、この曲。

B面の「わたしの1095日」のほうが、業界的な評価が高かったりするし、こっちの方が好きだっていう人も多くて、ちょっと悲しいかな・・と個人的には思ったりするんだけどさ。。。

そんな業界的な評価の低さが、売り上げにも反映されているのか、売り上げを見ても、大ヒットとは言い切れなかったんだけどね。




やっぱり、間奏のトランペットは気持ちいいよね。 
榊ひろと氏は、フィリーソウルから、スタイリスティックスの「愛がすべて」のイントロのトランペットを彷彿とさせるとおっしゃっているけど、個人的にはメイナード”・ファーガソンの「Theme From Star Trek 」を思い起こしちゃったりして・・・。

そそそ、「アメリカ横断ウルトラクイズ」のテーマ曲の。。。




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家路 / 岩崎宏美

1983_09_家路_岩崎宏美

今回の1曲セレクトは、「家路」岩崎宏美です。

まずはデータです。

・タイトル    家路
・アーティスト  岩崎宏美
・作詞      山川啓介
・作曲      木森敏之
・編曲      木森敏之
・リリース日   1983年8月21日
・発売元     ビクター
・オリコン最高位 4位
・売上げ枚数  32.0万枚
・THE HITCHART HOT30最高位 7位
・ベストテンランクイン期間:1983年9月12日〜10月17日付
・タイアップ:日本テレビ系ドラマ「火曜サスペンス劇場」エンディングテーマ

最近はタイアップと言えば「アニメ」が圧倒的に多く、ドラマのタイアップは昔に比べるとかなり「下火」になりましたよね。
まあ、昔はドラマタイアップというだけで、「大ヒット」が約束されていた訳だけど、最近はドラマの視聴率が下落する一方で、タイアップだからって売れるとは限んなくなったからなぁ。 それよりはアニメタイアップの方が「売れ筋」という点では動きが良い・・・・っちゅうことですわな。
 うん、タイアップの数は変わんないと思うんだよね。昔ほどヒットしなくなったったんで少なくなったような錯覚になるだけでさ。

 ドラマタイアップも、ドラマの方が好調で、タイアップ曲の方も「第1弾」が大ヒットとなると、続けて第2弾も同じアーティストが担当する・・・って事は少なくない。
たださ、 第1弾よりも、第2弾タイアップの方がヒットする・・・ってことは、これは少ないんだよね。 いや、今までそういう事例って無いような・・・。 あれ? あったっけなぁ・・・。 ちょっとすぐに浮かんでこない。。。

やっぱり、第1弾のイメージっていうのは深いからねぇ。 これを払しょくするのは並大抵じゃないですからね。

今回は、そんな、第1弾タイアップが大ヒットし、続けて第2弾タイアップも・・・となった曲を一つ。

岩崎宏美「家路」。

はいはいはい、そうですねぇ。 この曲は、日テレで80年代絶大的な人気があった、「火曜サスペンス劇場」のエンディング・テーマ。
で、もって「火サス」、「岩崎宏美」と言ったら、第1弾タイアップの「聖母たちのララバイ」ぢゃないですか。

この曲は、その「聖母たちのララバイ」の後を受け、83年5月から「火サス」のエンディング・テーマとなった曲ですわ。

でもねえ、やっぱり難しかったですよね。 兎に角「聖母たちのララバイ」のイメージがあまりにも強烈だったじゃないですか。

かく言うワタシも「火サス」は見てたんだよね。
あ、そそそ、この頃自分の部屋に「テレビ」が来てさぁ、だからそれまで見てなかったドラマもこの頃は大分見てたなぁ。
「火サス」も「聖母たちのララバイ」から、この「家路」に変わったころも見てたんだよね。

当時、中学2年の・・今からして見ればまだまだガキだった訳だけど、当時からしてみても、「軽くなっちゃったなぁ」・・・って言う印象が拭えなかったな。

っつか、何度も書くように「聖母たちのララバイ」の印象があまりにも強かったんだよね。

まあ、「聖母たちのララバイ」の頃は個人的に・・・というより家庭環境的に大分色々あったからね。その分余計印象に強いんだよね、少なくとも他の方に比べると。 そう言う印象もプラスされているからなぁ。

それより何より、曲調がね、いかにも「ドラマの主題歌」っぽくなっちゃったな・・・っていう印象が強かったんだよね、この「家路」については。


当時・・というか、それ以前も含めてだけど、ドラマ主題歌って独特な感触があったんだよな。

ドラマ主題歌って、華やかでヒットの「主軸」で、時代を作って行く・・・っていうイメージが強いと思うんだけど、それはあくまで80年代中盤以降の話であってさ。 そそそ「金妻」とか「毎度おさわがせ〜」とか、もっと言えば「トレンディドラマ」以降の話なんだよね。

それまでのドラマ主題歌ってさあ、ま、確かに大ヒットした曲もあったけど、大抵はなんか垢抜けなくてさ、ジミーな印象の曲が多かったんだよね。「洋モノ」よりのポップスというよりも「和」がかったB級歌謡的な、コトバ悪く言えば「安全パイ」な曲っていうのかなぁ。特に日テレのドラマの主題歌ってそう言う曲が多かった。

ま、早い話がそう言う曲になっちゃったなぁ・・・って言う印象だったんだよなぁ、「聖母たち〜」から変わった頃の印象って。

だからねぇ、これは売れないだろうな・・・っていうのが当初の大方の見方だったんだよね、個人的には。

そもそも、♪ワインカラーの黄昏は〜♪っていうAメロからして弱く感じたんだよなぁ。 「聖母〜」の時の出だしAメロの ♪さあ 眠りなさい〜 ♪っていうメロディの、あのゾワゾワッとした独特の小悪魔感、それから曲に引き込まれていく・・・っていう感覚が感じられなかったし。 


・・・とは言うものの、実際はオリコンでは最高4位。32万枚っていう、当時のヒット基準から言っても「大ヒット」の部類に入った訳なんだけどね。

それでも個人的には、クリスタルキングと同じだよなぁ・・・って考えだったなぁ。 

クリキンもデビュー曲の「大都会」でいきなりのミリオンなんちゅう超大ヒットを記録したじゃん。そそそ、あの独特のアクの強さがあった「大都会」。 でも、第2弾の「蜃気楼」では、そんなアクの強さは無かった。
当然「一発屋」だろうな・・・という見方が強かったところ、第2弾の「蜃気楼」も50万枚オーバーの大ヒットを記録した。

・・・つまりさ、第1弾の大ヒットの「余熱」が、第2弾のころもまだ残ってた、それで引きずられるように第2弾もヒットした・・・ってあれですね。

この曲についてはこの現象と全く同じ・・・ だからね、曲の出来不出来云々ぢゃない・・・ってずっと思ってたんだよな、ワタシ。




でもさあ、あれから34年の月日が経ち・・・。 今あらためて聴くと、これはこれでアリだったな・・・って思えたりして   ・・・なんて自分も大分丸くなったよなぁ。

やっぱさ、なんやかんや言う手も、この手の「歌謡曲」が自分の一番の原点なんだよな。 うん、これはどうしても切り離せない訳でさ、やっぱり聴いてて「安心」なんだよね、なんにも考えなくていい分。

でも、当時は若かったからさあ、尖がってたし、常に新しい曲調を欲してた部分が強かったからなぁ。 だから、こういう「安心感」が強い曲では、物足りなかったんだよね。




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シンデレラ・ハネムーン / 岩崎宏美

1978_09_シンデレラハネムーン_岩崎宏美


今回の1曲セレクトは、「シンデレラ・ハネムーン」岩崎宏美です。

まずはデータです。

・タイトル     シンデレラ・ハネムーン
・アーティスト   岩崎宏美
・作詞       阿久悠
・作曲       筒美京平
・編曲       筒美京平
・リリース日    1978年7月25日
・発売元      ビクター
・オリコン最高位 13位
・売上げ枚数  14.6万枚
・THE HITCHART HOT30最高位 11位

さてさて、昨日のLINDBERGに続いて、複数のオリコン1位獲得曲を持っているアーティストの小ヒットだった曲どえす。

岩崎宏美「シンデレラ・ハネムーン」。

う〜む、この曲まだ書いてなかったんだ。昨年書いたとばっかり思ってたんだけども。。。

まあ、未だに時々巷に流れているし、恐らく知っている方も多いであろうこの曲を「小ヒット」なんて呼ぶのもちょっとおこがましいけど、ま、ヒットチャート上の記録では、オリコンでベストテン入り出来なかったし、売り上げも15万枚弱と、お世辞にも大ヒットとは呼べない状況なんでね。
そそそ、俗に言う「スマッシュ・ヒット」ってやつですね。

まあ、この曲がリリースから38年経った今でも、巷に流れ、知っている方も多いっていうのは、やっぱ「コロッケ」の「ものまね」によるところが大きいよな。 それに最近じゃ高橋真麻も歌ってるからな。
 
wikipediaによると、コロッケのものまねがあまりに強烈なんで、本人がこの曲を歌うと失笑が飛ぶってことで、一時期この曲を封印していた事もあったけど、でも、コロッケや高橋真麻の影響もあって、最近では本人もまた歌うようになって喜ばしい事ではあるよね。

作詞は阿久悠、作曲は筒美京平・・・っちゅう70年代の黄金コンビは、岩崎宏美さんでは前年の「想い出の樹の下で」以来6作振りってことなんだけど、そうか、そんなに離れてたんだ。
 作詞の阿久悠氏は、その間も岩崎宏美さんへの詞の提供をしていたけど、筒美京平氏がずっと離れてたんだよね。

・・・そんな岩崎宏美さんへの黄金コンビ復活と言う事もあってか、曲調も初期のディスコサウンドが復活。
まあ、初期の「ロマンス」あたりは、ディスコと言っても当時流行だったフィラデルフィアサウンドの匂いが強く、ディスコというよりもソウルっぽいテイストだったんたけども、この曲は「正調」なディスコでしたよね。

まあ、当時は「サタデーナイトフィーバー」を軸とした超ディスコブームな時代。猫も杓子もディスコでフィーバってる時代でしたからねぇ。
 流行り物を下敷きにするのがウマい筒美氏としたら、当然の路線だったろうな。 しかも、この曲はディスコに若干ロックテイストもプラスして、全体的に激しさもあったしね。 その辺が今でも通じる所以なのかもしれないですね。

ちなみに、下敷きにした曲は、Donna Summer 「Once Upon A Time 」・・・ということで。。。
↓コレ


なるほど、モノの本で言われているようにイントロやリフは、この曲からいただいているようですねぇ。。。
似てる。。。

筒美氏ってドナ・サマー好きなんだよね。後年、80年代に入ってから、河合奈保子さんの「UNバランス」もドナ・サマーの「情熱物語」だったもんね。

プラス 間奏とCメロの ♪ワタシは一人爪など切りながら〜♪ の部分がVillage Peopleの「San Francisco」

↓コレ


この2曲が下敷きになってるんですよね。
ふむふむ、筒美京平氏の場合、大体は下敷きになってる曲が存在するんで、それらを発掘しながら聴くのも面白いんだよな。

ま、いずれにしても当時のディスコですよ。

いつも岩崎宏美さんとディスコって、今一つ結びつかないなぁ・・・なんても思うんだけど、そう言うところを微塵も見せず、躊躇なくディスコサウンドを提供した筒美氏って、一体、岩崎宏美さんのどういうところを見てたんでしょうねぇ。

岩崎宏美さんというと、「すみれ色の涙」とかどうしても「日本的」な匂いが先に立つもんなんだけどなぁ。

その辺が普通のヒトとは見るところが違うんでしょうね、筒美氏は。



えー、冒頭に久米さんと黒柳さんが映ってるんで「ベストテン」のようにも感じるけど、「レコード大賞」ですね。
そそそ、1978年のレコード大賞は、ベストテンの成功もあって、久米さんと黒柳さんの司会だったんだよね。

ところで、Aメロの ♪シンデレラハネムーン〜 ♪の部分のヘンチクリンな振りは、いつからやってたんでしょうねぇ。この曲リリースした頃は、こんなヘンチクリンな振りは無かったような気がするんだけどなぁ。
でも、レコード大賞の時にやってるんだから最初から振りはあったんですかねぇ。。。

このヘンチクリンな振りを見る度、何か曲とあってねぇな・・なんて違和感を感じるワタシデス。。


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思秋期 / 岩崎宏美

1977_10_思秋期_岩崎宏美






今回の1曲セレクトは、「思秋期」岩崎宏美です。

 ますはデータです。

・タイトル     思秋期
・アーティスト   岩崎宏美
・作詞       阿久悠
・作曲       三木たかし
・編曲       三木たかし
・リリース日    1977年9月5日
・発売元      ビクター
・オリコン最高位  6位
・売上げ枚数    40.4万枚
・THE HITCHART HOT30最高位 
・ベストテンランクイン期間:1977年9月26日〜11月14日 11月28日〜12月12日付

 この間から「秋」っていうイメージの曲をちょくちょく書いてきてるけど、  「秋」が付く曲って、悲しい歌が多いですね。楽しい「秋」の歌ってないもんですね・・・

 アリス「秋止符」、ハイファセット「燃える秋」、山口百恵「秋桜」・・・etc そういえば、そうだな。

 「ふたりの愛ランド」にかこつけて

♪秋 秋 秋・・・♪

なんて曲は、ないね・・・。どうしてかいな? 

天高く馬こゆる秋 なんて故事があるように、秋の空は気持ちいいし、食べ物もおいしい、「実り」の季節なのにねぇ。

・・・ということで、今回は1977年の「秋」の曲を持ってきました。

 岩崎宏美「思秋期」

 この曲は、岩崎宏美の曲としても、初期の名曲中の名曲ですよ。
 岩崎宏美って、それまでは、阿久悠−筒美京平 コンビでどちらかというと、アイドルでもソウル的な味をいれたポップス系の曲が多かったんだよね。
 最もヒットしたのは、お馴染みの、デビュー2曲目の「ロマンス」の88.7万枚。
 そして、デビュー2曲目で大ヒットを飛ばした「アイドル」は、大成するっていう、ゲーノー界のジンクスどおりになったわけですね。

 ただ、そのあとは、次の「センチメンタル」など名曲があったのにもかかわらず、尻つぼみになってしまう。


・・・で、新たに、三木たかしっていう、当時の「歌謡曲」路線の第一人者に白羽の矢を立てて、勝負をかけてきたのが、この「思秋期」なわけですね。
 詞は、それまで、ずっと担当してきた阿久悠氏を引き続き起用。

 まあ、あのころの阿久氏は、それこそ、飛ぶ取り落とす勢いだったかんねぇ、ここに岩崎宏美の「歌謡曲路線」っていう、新たなステップを開拓する。

・・・・なんて、かたーく書いちゃたけど、ホントにニュー岩崎宏美が誕生した瞬間でしたよね、この曲によって。

 もし、あそこで、一ポイント置かないで、そのままポップス路線を進んでたら、それこそ、尻つぼみで終わってたかもしれない。

 やっぱり、長く一線で活躍するアーティストっていうのは、それぞれの時期にターニングポイントがあって、そこをうまく見極めて、新境地を開くっていうのがポイントなんだよね。

 まあ、それには、アーティスト側にも、それだけの対応能力っていうか、「何でも来い」の実力がないとダメなんだけど・・・。

 あとは、そのターニングポイントを見極められる、プロデューサーの存在ね。

 CBSソニーの酒井政利氏に対して、ビクターには飯田久彦氏がいたからなぁ。

 もちろん、岩崎宏美もピンクレディーも飯田氏が担当していたわけで・・・。

 裏側をみると、丁度、この時期、このお二人でのガチンコバトルを転回してたような気がするなぁ。まあ、リリース時期が重なってたってこともあるだろうけど・・。


 ともかく、この思秋期の岩崎宏美は凄かったよね。当時18歳とは、思えないような、感情の入れ方、歌いっぷり。
 もちろん、それをフォローするだけの曲展開や、アレンジのオーケストレーション、詞の世界も凄かったんだけど・・・。

 まさに「歌謡曲」のゴールデンエイジのような曲だよね。

 歌う度に、つい思い入れすぎて、泣いてしまう岩崎宏美の心情もわかるってもんですよ。
 それだけの「力作」だとおもいますよ。

 だから、この曲で、売上げ40万枚強・・・と、それまでの数曲が10万枚台で固定化してた売上げが、完全に「浮動票」を巻き込んだヒットになったってことは、よくわかるんだよね。

 いい曲は、だれでも聴けばわかるんだよね。たとえ、そのアーティストのファンでなくても、思わず買ってしまいたくなるような曲・・・っていうのは、大事なんですよ。

 そういう曲(業界的にいう「勝負曲」)っていうのは、絶対に必要だと思うんだよね。
 アーティストを育てる・・・っていう意味でも。

 もちろん、勝負だから、ある意味実験性があるわけで、出して見ないと売れるかどうか、わからない・・・っていう「賭け」な部分も多い訳だけど・・・。


 最近の曲で物足りないのは、そういう「勝負曲」をもつアーティストが少ないこと。だから、いつも「固定ファン」ためのだけの曲・・・って書くじゃん。

 それじゃダメなんですよ。たしかにビジネスとしては、採算のメドが立てやすいっていうところもあるけど、なにより、それではアーティストが育たない。

 いつぞや谷村新司氏が苦言を呈したのは、そこなんだよね。



18才で、この色気はマズいでしょう 大人っぽいですよねぇ。
これに比べたら、最近のアイドルの18才は「くそがき」みたいなもんだよね。

それにしてもいつも思うんだけど、「夜ヒット」のバックバンドって、なしてこうもヘタだったんだろう。
ミストーンの多い事。 こういう「ピシッ」した曲では、もっとピシッとした演奏をしてくれないと。。。



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思い出さないで / 岩崎宏美

1982_09_思い出さないで_岩崎宏美






今回の1曲セレクトは、「思い出さないで」岩崎宏美です。

まずはデータです。

・タイトル    思い出さないで
・アーティスト  岩崎宏美
・作詞      中山大三郎
・作曲      中山大三郎
・編曲      青木望
・リリース日   1982年9月21日
・発売元     ビクター
・オリコン最高位 18位
・売上げ枚数   8.4万枚
・THE HITCHART HOT30最高位 19位

 少し前に、「リリース日を間違えてたので、また後日書きます」って書いたことあるんですが、その曲って、実は、今回引っ張ってきた岩崎宏美の「思い出さないで」だったんですよね。

 たしか、初めて聴いたのが、1982年の8月の終わりごろだったと思うんだけどなぁ。。。
 千葉に引っ越してきて、ちょっと経った頃、家族で「富津岬」までドライブに行った事があるんだけど、その時、「全日本歌謡選抜」で流れたのだけは、よく覚えてる。この曲と中森明菜の「少女A」、たしか、並びでかかったような記憶がある。

 だから、てっきり、1982年の8月21日だとばっかり思ってたんだよね。

 で、実際調べたら、9月21日リリースだったんだよね。なので、1ヵ月先延ばしにしたわけです。

33年も経つと記憶なんて、あやふやなもんだよね、ホント。


 この曲を聴くと、しみじみと「夏の終わり」を感じるんだよなぁ。
 昨日の「守ってあげたい」もそうだけど、この曲は、その色が一層濃いんだよね。

 個人的にはそう思っている。

 上で書いたように初めて聴いた時が、天気があんまりいい日でない曇天の日でさ。シトシト小雨が降ってたなぁ。
 
 夏の終わりの・・・・ちょっぴりセンチメンタルな気分に浸るには打ってつけの日だったんだよなぁ。

 だから、この曲、後々まで、ずっと脳裏から離れなかったんだよね。


 この前の曲が、あの「聖母たちのララバイ」だったから、完全に、「聖母たちのララバイ」の陰に隠れちゃって、死角のスポットにすっぽり入っちゃってたような曲なんだけどさ。

 これが、ほんとにシミジミ来るいい曲なんですわ。

 ほんと、死角に入っちゃっているのが、ホントにもったいない。だれかカバーしませんかね〜(水森かおりさんがカバーしてるようだけど、やっぱし、ポップスアーティストでないと。。。)


 ただ、たしか、この曲はもともと、岩崎宏美オリジナルではなくてカバーなんだよね。
・・・で、オリジナルはだれが歌っていたのか、いつごろがオリジナルなのか・・・っていうのが、ちょっと判然としない。

 JASRACの作品データベースを調べると、シマザキケイコ っていう方の名前が出てくるんだけど、このヒトがどういう人なのかは、よくわからない。
他に、ブレンダ・リーの名前も出てきた。ブリンダ・リーが日本語で歌ったバージョン。

 ただ、これがいつ頃なのかもよくわからない(オリコンにランクインしてないし。。。)

 恐らく、メロディラインからすると、70年代前半とは推測されるんだけど。。。

 うん、トワ・エ・モアの「誰もいない海」を彷彿させるところもあるんだよね。この曲。
 おそらく、下地にしていることは間違いないかと思うんだけどさ。


作詞。作曲の中山大三郎氏っていうと、どうしても「演歌」っていうイメージが強い(千昌夫の「味噌汁の詩」とか・・・あせあせ
だけど、意外にも、こんなメロディラインの綺麗なポップスも作っていたんですよね。




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ロマンス / 岩崎宏美

1975_09_ロマンス_岩崎宏美








今回の1曲セレクトは、「ロマンス」岩崎宏美です。

まずはデータです。

・タイトル     ロマンス
・アーティスト   岩崎宏美
・作詞       阿久悠
・作曲       筒美京平
・編曲       筒美京平
・リリース日    1975年7月25日
・発売元      ビクター
・オリコン最高位 1位
・売り上げ枚数  88.7万枚
・ベストテンランクイン期間:1975年8月18日〜11月3日付

音楽界にはジンクスが付きものだけど、アイドルには「デビュー2作目が大ブレイクしたアイドルは大成する」っていうジンクスがあるんだよなぁ。
 まず松田聖子がそうでしょ? たしかにデビュー曲「裸足の季節」も売れたけど、実質のブレイクは2作目の「青い珊瑚礁」だったわけだし。
 それから、中森明菜もそうね。このヒトも、デビュー2作目の「少女A」の大ブレイクで一躍時のヒトとなったわけでさ。
 今回の1曲セレクトは、そんなデビュー2枚目で大ブレイクの一人をセレクトしてきましたぞ。

 岩崎宏美「ロマンス」

このヒトの場合、パターンとしては松田聖子と同じで、デビュー曲の「二重唱(デュエット)」もそこそこ売れたんだよね。オリコンで最高19位。売り上げ枚数14万枚と記録されているから、デビュー曲としては上々の実績だったわけで、でも、デビュー2作目のこの曲が約89万枚っていう大ブレイク。
 ちなみに、「アイドル」というカテゴリーが一般的になった1971年以降、「女性アイドル」としての売り上げは、この時点では最高売り上げだったんだよね。まあ、ピンク・レディーが「モンスター」になった2年余りの間の記録ですが・・・。

 なんで、ここまで売れたのか・・・っちゅうと、やっぱり単純に曲の良さなんだろうなぁ。誰が聴いても分かりやすいんだよね。この誰が聴いても・・・っていうのが重要で、当時6歳だったワタシでも、この曲はすぐ覚えちゃいましたよ。
 でも、ただ分かりやすい・・・っていうだけじやなく、サウンド面では、当時、日本でも盛り上がっていた「ディスコ」を取り入れたりね。
 まあ、ディスコといっても、後のサタデーナイトフィーバー的というよりは、当時の流行だった、ヴァンマッコイやスタイリスティックスなどの、フィラデルフィアサウンド的・・・そそそ、ディスコというよりはソウルに近いんだけどさ。 
 そこに、スティービーワンダーの「迷信」でおなじみのクラヴィネットが絡んできたりして、アイドルらしからぬ斬新なサウンドを取り入れていたことは間違いないんだよね。

 たとえアイドルの曲でもサウンドの面で、最新の流行を取り入れるっていうのは、筒美氏ならではだよね。
まあ、それだけ、岩崎宏美ってヒトが如何に期待されていたかってのがよく分かるなぁ。

 70年代の特にアイドルの曲って、筒美と、他の作曲者、例えば70年代前半のヒットメーカー、森田公一氏の曲を比較すると、違いがかなり分かりやすいんじゃないかなぁ。
 兎に角、筒美氏の曲、特に筒美氏本人がアレンジも行っている曲ってバタ臭いんだよね。でも、流行に敏感な当時の「ヤング」にとっては、それが一番ホットな感覚だったりしてね。 そこが良かったんですよ。

 でも、だからこそ、筒美氏の曲はサウンド面で難しいとも言われてたりするんだけど・・・。

ちなみに、この曲のB面の「私たち」って言う曲と、最後の最後までどちらをA面にするか、かなり揉めたらしいけど、最終的にはこの「ロマンス」が推されたわけですね。
 筒美氏本人は、もし「私たち」がA面になっていたら、後の「思秋期」のような、「聴かせる」曲の路線がもっと早く来ていたはずとおっしゃてますね。
 「ロマンス」が売れて、ディスコサウンド路線が続いたんで、そういう「ウタのうまさ」を引き出すような「聴かせる」路線への転向が遅くなったっていう意味なんだけど、でも、アイドルとしては、ウタの上手さよりも、まずはたくさんのヒトに認識してもらう方が先決だと思うし、この判断は成功だったんじゃないのかなぁ。

まあ、振り返って、今思うと・・・ってことなんたけどね。




なんか、すぐに消されそうな雰囲気。。。 
動画を見たい方は出来るだけ早めにどうぞ


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すみれ色の涙 / 岩崎宏美

1981_08_すみれ色の涙_岩崎宏美






今回の1曲セレクトは、「すみれ色の涙」岩崎宏美です。

 まずはデータです。

・タイトル    すみれ色の涙
・アーティスト  岩崎宏美
・作詞      万理村ゆき子
・作曲      小田啓義
・編曲      萩田光雄
・リリース日   1981年6月5日
・発売元     ビクター
・オリコン最高位 6位
・売上げ枚数   31.7万枚
・THE HITCHART HOT30最高位 5位
・ベストテンランクイン期間:1981年7月13日〜8月10日付

 昨日は70回目の広島での原爆記念日でしたね。
終戦から70回目の節目にあたる今年は、ま、いろんな意味で今後の日本の在り方を問われる記念日になったような気がしますが、いかがでしょうかね。

 ところで、広島の原爆記念日といえば、こんな曲と印象に残ってる曲があるんですよね。

・・・ということで、本日はそんな曲を一つ。

 岩崎宏美の「すみれ色の涙」

なぜ、この曲と広島の原爆記念日? と思われる方も多いと思うけど、1981年8月6日は木曜日で、「ザ・ベストテン」の日だったんですが、広島の原爆の日と重なっていることもあり、この曲は、広島からの生中継で歌ってもらったっていう事がありましたね。
 そう言う特別に日だから・・ということで、極力余分なMCはカットして、曲自身から、広島を忍ぶという演出が印象的だったよなぁ。

当時は、ベストテンは社会的事象にもリンクした演出もしていたし、それに応えるだけの曲もあったってことなんだよね。

 まあ、この曲というば、「夏」にヒットした曲なんだけどね。それでも雰囲気的には、それっぽくないのもありますね。
 寂しいですねぇ、悲しいですねぇ・・・っていうのが頭に浮かんできたりして。曲もマイナーテンポだし、スローだし。

 なにより、

 ♪ 寂しかったからあなたを愛して 寂しかったからあなたを憎んだ 寂しかったからあなたにさよならを〜 ♪

 ・・・・と、歌詞だけ読むと、よもや「晩秋」の曲じゃねーか・・って思うほど、重たい雰囲気があったりして。。。

 それでも、そんな「マイナー」調の曲でも、アレンジがね、わりとすっきりとしているんで、この時期でも「重たい、暑い」っていうイメージは全く無い。そうねぇ、水羊羹を食べるときくらいの清涼感はありますな(ってなんのこっちゃexclamation & questionあせあせ

 ただね、この曲、当時、個人的にはあんまり好きじゃ無かったんだよな。かなしいねぇ、さみしいねぇ・・・、時期的に幽霊でそうだねぇ・・・って感じがしてさぁ。
 蛇足だけど、「ジャケ写」からして、そんな感じに思えません?

 当時、ワタシャ、ガキだったからさ、やっぱ、夏場は、はじけるような曲がよかったのよ、単純に。


 ただ、そうは言っても、随分聴いたよなぁ、この曲。で、もって、なぜか、あの当時「好きだ〜」って思ってた曲よりも、印象には残ってたりする。なぜなんだろうねぇ、ふしぎなもんだよね。

 まず一つが、Aメロのコード進行だろうな。

 出だしの ♪ すみれって すみれって〜 ♪ のコード進行。

 Bm → Bmmaj7 → Bm7 → Bmmaj7

っていう動き。 
 まあ、何の変哲もなさそうな動きなんだけど、「お化けでそう」っていうイメージにさせる、元凶ですなふらふら 

 ベース音に対して対抗軸になる音が B→A♯→A→A♯ って動いているところが・・。
なんて、文字で書くとイメージわかないけど、実際の音にすると、ああいう感じになるわけです。。。

 それと、サビの ♪ 寂しかったから あなたにさよならを〜 ♪ のメロディ進行ですかねぇ。特に♪さよならを〜♪の件の部分とか。
まあ、西洋的であり日本的であり・・・っていう感じ。まず、アメリカでは、こんなメロディはでてこないだろっていう、メローな感じですな。
 結局さ、キライキライ・・・と表面では思っても、日本人なんだよね、ワタシャ。 やっぱ、日本的な部分にどっか惹かれているんだよな・・・なんて思わせる1曲だったりして・・

 ところでさ、この曲、カバー曲だったことは、意外と知られない?
うん、もともとオリジナルは、「ジャッキー吉川とブルーコメッツ」の曲だったのよ。そそそ、井上大輔氏や三原綱木氏が在籍した、G.Sの代表的なグループだわな。

 で、1968年1月にリリースしたシングル「こころの虹」って曲の「B面」だったのがオリジナル。

まあ、作曲の小田啓義氏は、ブルーコメッツのキーボーディストですからねぇ、この当たりからも推測は出来ちゃったりするんだけど。。。
 ちなみに、81年は、意外と小田啓義氏のあたり年で、前、書いた、コスミックインベンションの曲も書いてたりしてさ。っていうのは蛇足です。。

 ちなみに、ブルコメの方の売り上げデータは、おりこん最高位5位 売上げ枚数27.5万枚。
 ・・・・といっても、所詮はB面の曲だったわけだからねぇ、知ってるヒトは極端に少ないでしょうな。




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聖母たちのララバイ / 岩崎宏美

1982_05_聖母たちのララバイ_岩崎宏美






今回の1曲セレクトは、「聖母たちのララバイ」岩崎宏美です。

 まずはデータでーす。

・タイトル      聖母たちのララバイ
・アーティスト    岩崎宏美
・作詞        山川啓介
・作曲        木森敏之,John Scot
・編曲        木森敏之
・リリース日     1982年5月21日
・発売元       ビクター
・オリコン最高位   1位
・売上げ枚数     80.4万枚
・THE HITCHART HOT30最高位 1位
・ベストテンランクイン期間:1982年5月31日〜9月6日付
・タイアップ:日本テレビ系「火曜サスペンス劇場」エンディングテーマ


 うーん、できれば、この曲は避けたい気持ちが強いんだけど、ヒット曲史上、この時期のヒット曲としては代表曲と言えるし、さらに1982年でも重要な曲と言えるので、どうしても外す訳には行かないんだよね。
 なので、後ろ髪がひかれる思いで引っ張ってきました。

 いや、別にこの曲がキライというわけではないんだけど、スキキライの前に、この曲がヒットしている頃、当時、住んでた福島の「いわき」から千葉に引っ越してくることになったんだけど、これが結構大変な思いの末の引越しだったんですよ。
 まあ、ヒトに説明することでもないので、詳しくは書かないけど、当時、家庭内不和がありまして、一家離散の危機の末での引越しだったんですよ。

 そんなこともあったんで、この曲は、ワタシにとっては、一種の「トラウマ」なんですよねぇ。


 この曲は、メロディラインはややメランコリックなというか、ちょっと怪しげな不思議なイメージを持った感じじゃないですか。この感覚が「トラウマ」に感じるにはうってつけだった・・・とも言えるんだけどねぇ。


  誰でも知ってることだけど、この曲は、今は無き、日テレ「火曜サスペンス劇場」のエンディングテーマだったんですよね。
 「火サス」は、この曲が発売される前年の1981年10月から放送開始された、2時間ドラマだったわけだけど、最初から、この曲が「エンディング」だったんですよ。

 で、もともとは、レコード化される予定は無かったんだよね。ただ、当初から視聴者の反応がよかったことから、視聴者抽選で何百人かにプレゼントという企画でレコード化したところ、数万通にもおよぶ応募があったことから、風向きが変わる。

 その頃には、有線で早くもベストテン入りしていたし、日テレにレコード化を要望するリクエストが殺到するわで、急遽、レコード発売されたという、かなり曰くつきの曲でもあるんだよね。

  そんな大変な反応から、当初はミリオンセラーは硬いって言われてたんだけど、最終的には80万枚で止まってしまう。 ま、80万枚でも大ヒットは間違いないんだけど、当初の反応からしてみれば、意外だったんだよね。
 これは、当時、広まりつつあったレンタルレコードのせいだ〜! って騒がれたなぁ。
 現に、前年まで、年に3枚ほどあったミリオンセラーが、この年は1枚(あみん「待つわ」)のみ。レコードの売り上げが右肩下がりになってきてたんだよね。
 今でこそ、レンタルにも著作隣接権がかけられて「合法」になったけど、この当時はレンタルには、著作隣接権が確立されておらず、著作権使用料が徴収できなかったんだよね。そんなこともあって、レコード業界からは目の敵にされていて、騒がれてたんですよねぇ。


 しかし、どうして、この曲にあれだけの反応があったんだろう?

 まあ、単純に曲がいいからなんだけど、どこがというと、正直、ワタシとしては答えにつまっちゃうんだよね。何分、「トラウマ」の曲だから。。。

 ひとついえることは、優しくもあり情熱的でもある1曲中での変化っていうのかなぁ。
 まさに喜怒哀楽を表しているような曲だとおもうんですよ。
 そこに岩崎宏美のソフィケートされた伸びやかなボーカルがからまって・・そういういろんな表情が見えるこの曲に、魅かれるんだろうなぁ。


 そんな1982年を代表するこの曲だけど、当時を知っている方には、知られすぎた事実だけど、この曲はレコード大賞はとってない。
 作曲者が外人だから、レコード大賞ノミネート条件の規定にふれて、ノミネートさえされなかったからなんだよね。
 結果的に、この年は、細川たかしの「北酒場」が大賞をとるんだけども、たださ、変化球が好きなレコ大のこと、仮にこの曲がノミネートされてても、大賞をとったかどうか・・・・。個人的には疑問だとおもうなぁ。

 ちなみに、レコード大賞とならぶ、当時の日本の2大音楽祭のもう片方の「日本歌謡大賞」は、この曲がグランプリを受賞しておりまする。



 個人的にいろいろあった、1982年なんだけど、唄は世につれ、世は唄につれ・・・いろいろあったからこそ、今でも色褪せない思い出となっているんだけどさぁ。。。





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センチメンタル / 岩崎宏美

1976_01_センチメンタル_岩崎宏美 






今回の1曲セレクトは、「センチメンタル」岩崎宏美です。

まずはデータです。

・タイトル     センチメンタル
・アーティスト   岩崎宏美
・作詞       阿久悠
・作曲       筒美京平
・編曲       筒美京平
・発売元      ビクター
・発売日      1975年10月25日
・オリコン最高位 1位
・売り上げ枚数  57.3万枚
・THE HICHART HOT30最高位 1位
・オリコンベストテンランクイン期間:1975年11月10日〜1976年2月2日付

昨日から、このブログでも書いているように、ブログの「本店」として、ワタクシめが運営しております、「THE HITCHART NOW AND THEN」というサイトのヒットチャートが、開始以来、今週のランキングで2000回目のランキングとなりました。
 開始が1976年1月12日付なので、約40年分のチャートデータベースが出来上がったことになります。

 その第1回めランキングで、「1位」だった曲が、今回セレクトしてきた、岩崎宏美さんの「センチメンタル」なんですよね。

この曲は、岩崎宏美さんにとっては、前年のデビュー曲「二重唱」から、3作目。 この前の曲が本格ブレイクとなった「ロマンス」で、「ロマンス」の大ヒットを受けてのシングルという訳ですわね。

 で、まあ、前作「ロマンス」が88万枚の大ヒットとなったことから、この曲も同じような「路線」継承という感じで、当時流行ってた、ヴァンマッコイの少し黒っぽい、ソウルフルなディスコサウンドを下敷きにしたポップスに仕上がってたりします。
 まあ、この手の流行りのサウンド取り入れることには天才的だった、筒美京平氏らしい作品と言う感じですかね。
 ただ、前作の継承ということで、必ずしも前作から「新しい」エッセンスを取り入れたわけではないんですけどね。
 そういうことで、この曲に関しては、あんまり新鮮味は感じず、逆にいえば、「ロマンス」に比べるとあっさりしてるな・・・っていう印象が強いかな。

 当時、幼稚園年長組だったワタシだけど、確かに「ロマンス」は、よく覚えてるけど、この曲は、後年にいろいろとヒット曲の事を遡って調べるまで、知らなかったんだよね。

 まあ、たしかに、デビュー曲から続けて聴いてくると、当時のアイドルポップス・・・例えばね山口百恵とか桜田淳子の曲に比べると、ちょっとバタ臭いところは、筒美氏らしいなとは思えますけどね。


ちなみに、こちらが、「センチメンタル」が1位を取った時の第1回目、1976年1月12日付のランキング

今週タイトルアーティストトータルポイント
1センチメンタル岩崎 宏美9281
2あの日に帰りたい荒井 由実9148
3なごり雪イルカ8357
4白い約束山口 百恵7987
5俺たちの旅中村 雅俊7801
6めまい小椋 佳7137
7傾いた道しるべ布施 明7060
8ゆれてる私桜田 淳子7027
9青空ひとりきり井上 陽水6859
10バイバイベイビー郷 ひろみ6650

今のヒットチャートに比べると、実存的な感じがしますね〜。
いかにもヒットチャート・・・という感じで。。。







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万華鏡 / 岩崎宏美

1979_10_万華鏡_岩崎宏美







今日の1曲セレクトは、「万華鏡」岩崎宏美です。

データでーす。

・タイトル     万華鏡
・アーティスト   岩崎宏美
・作詞       三浦徳子
・作曲       馬飼野康二
・編曲       馬飼野康二       
・リリース日    1979年9月15日
・発売元      ビクター
・オリコン最高位  10位
・売上げ枚数    27.8万枚
・ザ ベストテン最高位 6位
・ベストテンランクイン期間:1979年11月1日〜11月15日、11月29日
・タイアップ 富士重工業「スバル・レオーネ」CM曲


 いよいよ問題作、岩崎宏美「万華鏡」の登場です。
 もう少し前に書いてもよかったんだけど、マイミクのセイ・アレイさんのところで、先日、この曲のトピがたったので、チョッと躊躇しておりました。
 ただ、やっぱり、この時期にこの曲は、はずせないわけで、
あえて、書かせていただきます。

 最初に「問題作」って書いちゃったけど、この曲は、なんと言っても最後の、大サビの部分に出てくる「幽霊ボイス」で有名ですよね

 ♪ 夢だといって (夢だといって)
   嘘だといって (嘘だといって)
   幻だよと   (幻だよと)〜 ♪

の続きで、幽霊ボイスが入るんですけど、これ、一説にはバックのコーラスの低音でのフェイクだという説もあることはあるんですよね。

 ただ、コーラス歌ってる方に言わせれば、こんなコーラスは入れた覚えがない・・・という話があり、そちらが優先となって、これば「幽霊ボイスだ」という説が大きくなっているって言うのが現状のようです。

 ただね、この曲が録音された「ビクタースタジオ」は、丁度、青山墓地に隣接していて、昔から「(幽霊が)でる」っていうことで、有名なスタジオだからね。
 私は、「幽霊ボイス」説のほうを取りたいね。

 昔からよくあるじゃん、レコードに摩訶不思議な音が混じること。 この曲は、それが一番はっきりとした形で残った、貴重な1曲なんなんぢゃないかなぁ。

・・・ということで、どうも、この曲幽霊ボイスの話題が一人歩きしてヒットしたような見方をされちゃうこともあるけど、曲の出来のほうもすばらしいのですよ。

 うん、確かに、霊が出てもおかしくないような、妖艶な雰囲気は全体的にあるけどね。
 イントロ出だしの、キーボードが4オクターブ駆け上がるところからして、妖艶な雰囲気が漂ってるし、それに続く、ギターのリフもそんな感じがしますよね。

 それに負けず、岩崎宏美の歌唱がしっかりしてますね。バックとボーカルの壮絶なせめぎあいっていうと大げさだけど、バックに負けない歌唱が印象的です。

 それと、どうしても詞も妖艶なんだよね。 上に書いた大サビの部分からしても、いろいろなイメージがわいてきて、まさに「万華鏡」っていうタイトルにピッタリな仕上がりになっていますね。

 チョッと前にも書いたように、この頃はアイドル勢はほとんど奮わなかった時期ですが、この曲のようにイメージの難しい曲をこなしたところからも、岩崎宏美もアイドルからシンガーヘ進化していった時期ぢゃないかなぁと思います。色っぽさを身につけたというかねぇ。
 苦しさゆえの進化って言うのかな。

 まあ、曲全体を通して、いろいろ考えさせられる1曲ですね。
 だからして、「問題作」なんですけど、個人的には大好きな1曲ですね。 1979年の秋といったら、この曲が浮かんでくるって感じだなぁ。



※2005年10月に書いたものの再掲載です。
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