かじやんのヒット曲&チャートレビュー

ヒット曲を聴き続けて40数年! かじやんがお送りする、「今」のヒット曲&ヒットチャートから、「あのころ」のヒット曲&ヒットチャートまで、ヒット曲について幅広くご紹介するブログ。 自主チャートサイト"THE HITCHART NOW AND THEN"の支店ページという位置づけにいたします。

定額制

定額制配信リクエストランキングが総合チャートの要素に使えない訳

オリコンも「総合チャート」設立へ

https://www.asahi.com/articles/ASL1T7HQJL1TUCVL02L.html

1か月前の記事なんで、今さら・・・って言う感じなんだけども。。

それにしても、ネット中にコメントが溢れてるけど、オリコンが「総合チャート」なんて今さらだよなぁ・・・っていうのは当然だよね。対応が遅すぎる。
こちとら3,4年前から言ってるじゃん。

 記事には総合チャート設立の理由が云々書かれてるけど、結局は「ビルボード」チャートのここんところの躍進が気になってるだけだよな。もし、ビルボードの躍進が無かったら、今回の総合チャートもやんなかったんじゃないか



それにしても総合チャートについて気になる点がいくつか。最大の懸念点はappleやSpotifyなどの「定額制」音楽配信の再生回数を加味すると言う点。

これはダメよ。

 理由は、現在、特に日本の曲では定額制に配信許諾を与えていない・・・つまり配信していない曲が多過ぎ。現状では正当にヒットを比較する要素になり得ない・・と言う点。

もうひとつの懸念点は、定額制のリクエスト回数は、CD以上に「組織票の温床」になりやすい事。っていうか、表では見えないけどウラでは、かなりの無法地帯になってるんよ、定額制音楽配信のリクエストは。

例えばさ、1日中同じ曲を何度も再生すればするだけ、再生回数は上がる訳さ。1日24時間中、同じ曲を繰り返し再生するとする。
1曲5分として1日に280回は再生できる訳さ、一人で。 これが組織的にやられてみてごらんよ・・・大変な再生回数になりーの、当然再生ランキングもあがるってもんよ。

・・・んな、1日中曲聴いてられる訳無いじゃんって思われるかもしれないけど、べつに聴いて無くてもいいのよ。再生するようにリクエストを送れば。

つまりさ、曲が終わると同時に再度、再生するように曲に「機械的」にリクエストを送り続けさえすればいい訳なんで。

実は、業界的に定額制の各配信サイトで密かに頭悩ませているのが、この現象なんだよね。

最近シロートに毛が生えたような人向けに、「あなたの曲が世界中に配信されます」みたいなサービスがあるじゃん。
有名な某「t」って言うサービスとか、超メジャーな某「a」っていうレコード会社が運営している「b」っていうサービスとか

そそそ、登録すれば、あなたの曲がメジャーな定額制音楽配信サイトに自動的に配信されますみたいな謳い文句でさ。

これらのサービスでタチが悪いのは、リクエスト回数が増えれば増えるほど、還元される使用料が増えるってこと。これはサービス会社にも、実際に音楽(コンテンツ)を上げてるユーザーにも。

まあ、ちゃんと「音楽」を健全に広めたいっていうユーザーばっかりならいいんだけど、世の中「良いヒト」ばっかじゃないんでね。
「金さえ儲かりゃ何でもいい」って言う輩もいる訳でさ。

そう言う人たちがどうしてるか・・・

簡単。 こういうサービス利用して、自分の楽曲にエンドレスで機械的に再生リクエストを送り続けているってこと。↑で書いたようにリクエスト回数が増えれば増えるほど還元される金額が増える訳だからさ。
酷いのになると、一つのサイトに機械的にリクエストを送り続けて1カ月で20万回以上も再生いる輩もいるんよ。
まあ、それだけアクセスして使用料がいくらくらいになるのかはよく分かんないけど。。。

そう言う輩がやる作戦。。1曲の尺を短くするんよ。尺が短いほど、再リクエスト回数が増えるじゃん。
1曲30秒とかさ・・・。 こんなもん曲じゃないじゃん・・・って感じなのよ。
酷いのになると、庭に録音機置いて、適当に周辺の「音」を録音したものとか、ベースを30秒、ひたすらベンベン・・・と音を鳴らしたものだけとか・・・。

なんで、こんな「雑音」にこんなにリクエストがあるんじゃ ってもんばっかなんだよ。はっきり言って音楽じゃなくてゴミですよ、ゴミ・・・。

業界的には「CHEAT楽曲」って呼ばれてて最近問題になってるんだよ、これが。
「不正アクセス」でリクエストされた楽曲ってわけでさ。

最近、主要な定額制音楽配信サイトのリクエスト上位では、こんな曲ばっかだもん。
もうね、こんなゴミコンテンツにお金を払っているようじゃ、日本の音楽業界の未来は無いね・・・って思えるようなもんばっかなのよ。

定額制の配信リクエスト回数も加味するということは、そんないい加減な態度で配信されている音楽までヒットの対象にするって事なんだよね。

オリコンさん、これはどうするんですか って逆にこっちから聞きたい気分だよなぁ。



 個人的には、オリコンさんには「水戸黄門」のままでいて欲しい。 つまりさ、新たに総合チャートを作るんではなく、これまで通りCD売り上げや、配信ダウンロードランキングなど、「個別」のランキングからヒットを俯瞰して行って欲しいということ。

特に、個人的には配信ダウンロードランキングは、もっと充実させてほしい。
今まで、各配信サイトを横断して、ダウンロード実数を一般に公表しているサービスって無かった訳だからさ。
今は「YOU大樹」で30位までしか出ていないでしょ。せめて100位まで載せて欲しいわ。

オリコンさんには、ランキング調査会社の老舗として、こういう、どこもやって無かったランキングの公表に回って欲しいんだよな。

結局、総合チャートは「ビルボード」の2番煎じって見られる訳でさ。2番煎じは成功しないっていうのは業界の常識なわけじゃん。
(厳密に言えば、「総合チャート」って概念でチャートを作ってるのは、ビルポートよりも「ワタシ」のランキングの方が先だ・・・って自負してるんだけど。。。)
 これまで半世紀にわたるヒットチャートの集計とチャートアクション分析から、その辺は痛いほど知っているとおもうんだけどね。。。。


 

サブスクリプションに御用心

最近Spotifyの広告を良く見るな。日本でもいわいるサブスクリプションって言われる定額制音楽配信が本格的になって来た証拠ですかねぇ。


 サブスクリプションって言うと、配信曲数が「何千万曲」!なんて言うのが売りにしてるけどさあ、オリジナルじゃなくあんた誰? って言うヒトがヒット曲のカバーしてるコンテンツがめちゃくちゃ多いんだよね。
 
いわいる「バッタモン」ってやつで・・・

ほら、昔、よく駅の端っこの方で、格安のカセットが売られてたじゃん。オリジナルのヒトが歌っているんじゃなく、誰だかよく分かんないヒトがヒット曲とかアニメの曲を歌ってる、オムニバスのカセットで1本980円とかさ。あれですわ。

最近は100円ショップでも売ってますね、この手のカセットというかCD。
または、いわいる動画サイトの「歌ってみた」に近い奴ですな。

原盤使ってないんで、原盤使用料を払わなくてもいいんで、売り手としてはめっちゃ安上がりで、儲けもいいんだよね。

 なんせさ音楽配信で一番コストがかかるのが原盤使用料なのよ。原盤っちゅうのは簡単に言えばオリジナル音源のことね。いわいるマスターテープってやつで、簡単言えばオリジナルのCDで使われている音源のこと。

音楽配信の場合、例えばCDと同じオリジナル音源を配信する場合、この原盤音源を原盤管理会社(例えば音楽出版社やレコード会社、音楽プロダクションなどなど)から、原盤使用許諾を得て配信しているって訳なんですわ。 

原盤を管理している会社によって使用料は異なるけど、大体1曲売値の60〜70%が相場かなぁ。1曲100円とすると60〜70円が原盤使用料。

これが配信業者からするとキツイ。

よく著作権料が悪者にされているけど、著作権料なんてJASRACでは7.7%(割引適応で5%)なんよ。原盤使用料に比べると「屁」みたいなもんなんだよ、音楽配信業者からしてみると。

だからねぇ、配信業者は着メロがブームの頃はバカみたいに儲かった。着メロは原盤使ってないんで、著作権料だけで配信はOKで、原盤使用料も、原盤使用に当たっての許諾も必要ないんで。

それが原盤使用の音楽配信となると、著作権料と併せて80%近く持ってかれる訳でさ。

しかも、特に日本の原盤管理者は音楽配信に消極的で、原盤使用の許諾を出したがらないところも多いんだよ。(ジャニーズのように頭が硬いところもあるしさ)。だから交渉も大変だし、儲からないのにそんな大変な思いまでしてオリジナルを配信したくもないって事にもなる訳なんだよな

そんなことで、オリジナルの原盤使用の曲が少なくなる訳ですわ。特に日本の曲の場合。

だからバッタモンでお茶を濁す事が多くなる訳さ。
他にもオルゴールとかさあカラオケとかさあ、効果音とかさあ。。

酷いのになると、「風景音」とか言って、家の庭にレコーダーを置いて、それを録音したようのものがあったりして・・・。遠くで子供が遊んでる音が入ってる様な奴。
「なんじゃこれ?」っていうコンテンツがやたらとあるんよ。



でもさ〜、そんなもん聴きたい人ってどれだけいる?

総計すると原盤を使用したオリジナルの音源は少ないよ、かなり・・・っていうのが現状なんだよね。


だからね、サブスクリプションの「配信曲何千万曲〜」なんて売り文句に騙されるな・・・って言いたい訳なんですねぇ。

まあ、外国曲フリークの方は別だけど。。。

そもそもSpotifyにしたって、Appleにしたって向こうのサイトだからさ、向こうの曲は充実させるさ。
でも、向こうからしてみれば、Far Eastって言われる程「僻地」である日本の曲なんて、もともとさらさら興味がある訳がない。
それも、サブスクリプションで日本の曲が充実しない要因でもあるんだよな。


ぢゃ、なんで日本でサービス展開するの? ・・・っつたら日本の音楽市場のデカさから。 
なんせ日本の音楽売り上げ高は、アメリカについで世界2位だからねぇ、ここでサービスをやらない手はないわけで。。。

ただね、これらの「向こう」のサブスクリプションサービスの会社で誤算しているのは、日本の音楽市場の中身だろうなぁ。

日本の音楽売り上げの大半は「日本の曲」なのよ、外国の曲じゃない。

だから、いくら向こうの曲を充実させても日本の曲が充実しない限り無駄なのよ。
果たしてそこをきちんと計算してサービスを展開しているのかは疑問なわけなんだよね。

おそらく、サービスは展開してみたのは良いけど、余りの売り上げの低さに驚いている・・・そんな所ぢゃないんですかねぇ。。。

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