かじやんのヒット曲&チャートレビュー

ヒット曲を聴き続けて40数年! かじやんがお送りする、「今」のヒット曲&ヒットチャートから、「あのころ」のヒット曲&ヒットチャートまで、ヒット曲について幅広くご紹介するブログ。 自主チャートサイト"THE HITCHART NOW AND THEN"の支店ページという位置づけにいたします。

太田裕美

ドール / 太田裕美

1978_09_ドール_太田裕美


今回の1曲セレクトは、「ドール / 太田裕美」です。

まずはデータです。

・タイトル     ドール
・アーティスト   太田裕美
・作詞       松本隆
・作曲       筒美京平
・編曲       筒美京平
・リリース日    1978年7月1日
・発売元      CBSソニー
・オリコン最高位 22位
・売上げ枚数   9.2万枚
・THE HITCHART HOT30最高位 18位

大々的にと言う訳ではないですが、太田裕美さんが「乳がん」告白と言うニュースが、先日からネットに流れてますね。
7月に手術、8月から抗がん剤治療を開始しているとのこと。
年齢的にと言う事もあるのかもしれないけど、太田裕美さんあなたもか・・って言う思いもあるなぁ。
来年春までのスケジュールが決まっているので、休養はせず歌いながら治療していくとのことで、現在のところ重度な症状ではないと思われますが、無理せずに治療して行って欲しいですね。

・・・ということで、今回の1曲セレクトも、太田裕美さんの曲で行きたい

・・と思ったものの、毎度毎度のことながら、今頃の太田さんのヒットでまだ、書いて無い曲が、あんまりないんだよな。。。。

9月なんで「九月の雨」・・・と行きたいところでもあるんだけども、何分、太田さんの代表曲の一つ。まだ書いて無いわけが無く・・・・。

うーん、 と考えた・・すえに、この曲でいいかな・・と引っ張ってきたのが、「ドール」


この曲、厳密に言えば、9月の今頃はは既にヒットのピークは過ぎてたんだよね。

リリースは1978年7月1日。 78年「夏」のヒット曲と言う事になる。 9月の今頃はヒットチャート上でも既にヒットのピークは過ぎ、オリコンでも「右ページ」(51位以下)まで下がって来ていたのが、丁度今頃の時期だ。

個人的には、既にピークは過ぎていたものの、まだオリコン30位くらいには残ってた頃かな・・・と思ってたんだけど、意外とタンパクなヒットチャートの動きだったんですよね。

まあ、最もオリコンでは最高22位 10万枚も売れなかったんでねぇ。


唐突だけど、太田さんと「ザ・ベストテン」というと、どうしても「不運」と言うコトバが付きまとってしまう。

ベストテンが後3カ月早く始まっていたら、当然、太田裕美も「ザ・ベストテン」ランクイン歌手の仲間入りだったのに。
いや、当初はそれが濃厚だったんだよね。 ・・というのも、もともと「ベストテン」は1977年10月スタートの予定だったんですよ。
でも、Wikipediaによると、ベストテンのランキング方式の意見の対立によりスタート時期がずれ込んだとある。
また、キャンディーズ解散にも密接に関係しているともある。
まあ、キャンディーズの解散コンサートの放送権はTBSが持っていた事もあり、いろいろ「大人の事情」が絡んでいたものとは思うが。。。

いずれにしろ、その事が、太田裕美には不運の一つだったんだよな。

1977年9月リリースの、件の「九月の雨」が36万枚の大ヒットとなったものの、次の「恋人たちの100の偽り」から、いきなり10万枚以下という大幅売り上げダウン。 もちろんオリコンでもベストテン入りはせず、以後、ベストテン入りには縁が無くなってしまう。

その中でも、今回引っ張ってきた「ドール」って曲は、その曲調からして、恐らくは売り上げ巻き返しの1曲だったのかもしれない。

作詞 松本隆  作曲 筒美京平

っちゅう、超ゴールデンコンビは変わりないものの、 それまでの太田さんのシングルでは見らなかったようなちょっと、とっぽい感じのアップチューンからも、起死回生を狙ったよな・・って言う意気込みは感じ取れるんだけどね。

でも・・・・、思ったほど売れなかったんだよなぁ。

賞味期限・・・と言っちゃ失礼だけど、以前も書いたように、一度売り上げが右肩下がり傾向に入ったアーティストを巻き返すっていうのは、並大抵のパワーじゃダメなんだよね。 その辺にアーティストマネイジメントの難しさがあるわけで。。

今、改めて曲を聴いても曲自体は悪くはない・・・。 というか、松本隆-筒美京平っちゅう、ヒット曲請負人の超ゴールデンコンビ、駄作な筈もない。

ただ、ひとつ、この曲の中国音階的、かつ、日本的情緒・・という、いわいる4-7抜き的なアジアンテイストな曲の味付けはどうだったんだろう? っていう疑問は残るんだよ。

個人的に、太田裕美さんと言えば、田舎の(←失礼)の素朴で、アジアンテイストというよりもヨーロッパ系が似あう、ちょっと綺麗なお姉さんって言うイメージ強い。

まあ、デビュー曲の゜雨だれ」、「最後の一葉」、「九月の雨」のようなヨーロッパ系、「木綿のハンカチーフ」「赤いハンカチーフ」のような素朴系 ・・・このイメージなんですよ。
「しあわせ未満」はカントリーががってちょっと毛色が違うけど、それでも素朴ではあった。

それら、それ以前のヒット曲からみても、この曲はちょっとテイストが違うんだよね。

そもそも、ヨコハマっていう土地柄や、中国音階っぽい味付けが太田裕美さんのキャラクターにあっていたんだろうか・・・っていうと、個人的にはちょっとしっくりこないところがあるんだよね。

この曲のすぐ後に、ゴダイゴの「ガンターラ」を初めとした、「西遊記」による一連のヒットから、アジアンテイストを持ってきた方向性が間違ってたとは思わないんだけど、あくまで太田さんにその方向性の曲があっていたかと言うところだよね。

まあ、これも後の結果から感じ事かもしれない訳で、それなりにベストテン入りほどのヒットらなっていたら、そうは感じなかったのかもしれないけどさ。

ちょっと肩に力が入り過ぎたのかな・・・っていうキライはあるな。 オーバープロデュースっていうかさ。 今は、そんな風に感じられるんだよね、この曲からは。




ちなみに、個人的に、この後、太田裕美さんの曲でしっくりきた・・というか、引っかかったのは80年の「南風」でしたね。
↑で書いたようにヨーロッパ系テイストの他、ウエストコースト風な「からっ」とした空気もあってるんだ・・っていうの発見だったな。



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最後の一葉 / 太田裕美

1976_11_最後の一葉_太田裕美


今回の1曲セレクトは、「最後の一葉」太田裕美です。

まずはデータです。

・タイトル     最後の一葉
・アーティスト   太田裕美
・作詞       松本隆
・作曲       筒美京平
・編曲       萩田光雄
・リリース日   1976年9月21日
・発売元     CBSソニー
・オリコン最高位 5位
・売上げ枚数  30.6万枚
・THE HITCHARTHOT30最高位 5位
・ベストテンランクイン期間:1976年10月11日〜11月15日付

つい1ヶ月くらい前まで、「暑い〜」なんて騒いでいたように思うけど、いつの間にか季節は「冬」支度ですわな。
ウチも朝晩は「ストーブ」が欠かせくなっちゃいましたわ。 ・・・ってか、今もストーブ、ガンガン効かせた部屋でこれ、書いてるんだけど。。。

ふむ、個人的にはエアコンの暖房風がダメなんで、未だに「石油ストーブ」ですわ。 石油ストーブのちょっと灯油臭い独特の温もりがいいんだよね。 ストーブの上にやかんのせれば乾燥はバッチリ防げるし。腹減ったらモチ焼けるし、やっぱストーブは冬の万能の暖房アイテムなのです。
まあ、最近は灯油代が高いのが痛いけど・・・・。

で、こんなストーブの季節になると、やっぱ「晩秋」なイメージの曲が聴きたくなるよなぁ。 今回は、そんな晩秋な1曲を一つ。

太田裕美「最後の一葉」。

秋は「別れ」の季節。 誰が言ったか分からないけど、そういうシミジミとした季節な訳です。特に冬まぎわの、「晩秋」ともなると、一段とシミジミとした気分になるものです。

最近・・というか、特に2000年代以降は、曲に「季節感」なんぞ、とんと無くなっちゃったけど、昔は、この時期、特に10月、11月ともなると、そんなシミジミとした別れの曲・・・、まあ、端的に言えば「失恋ソング」ですわな・・・、そんな曲、多かったよなぁ。

そんな失恋ソングを聴いて、よよよよ・・・と泣き崩れる方も多かったんでしょうか。

今回のこの曲も、タイトルからして、そんな分かれを予感させるということは、すぐにお分かりになると思いますが・・。
・・・というか、この曲はO・ヘンリーの「最後の一葉」をモチーフにされた・・っていうのは、よく知られた事実ですわね。

失恋というよりも、この詞の主人公の女性は病気なんでしょうね。
もうすぐ、死にゆく運命の自分、そんな自分であるとは別れた方が彼氏にとっては幸せなんじゃないか と思い悩む自分。

そして、冬、そんな自分に生きる勇気をくれた、林檎の木の枝葉も、最後の一枚になりました・・。

そんな悲しい内容を訥々と歌い上げる太田裕美さん、渾身の1曲・・・と言えるんじゃないのかなぁ・・この曲は。

なんて、如何にもヒット当時、この曲に入れ込んだように書いてるワタシなんですが・・・。

実は、ヒット当時は、まったくこの曲の存在すら知らなかったんだよね。

・・・と言うように、今となっては殆ど、埋もれてしまっている太田裕美さんの1曲じゃないのかなぁ。

いや、その前の2曲の存在感が、あまりにも大きいんだよね、1976年の太田裕美さんは。

なんせ、2曲前が太田裕美さんの「代名詞」と言うべき存在の「木綿のハンカチーフ」であり、次が「赤いハイヒール」ですからねぇ。  それを受けてのこの曲。

曲調としても、ポップな1曲ではない、ミディアムバラード。 どうしても存在感的としては、前2曲には勝てなかったわけです。

それは、チャートアクションにも如実に出て、前2曲がオリコンで連続最高2位だったのに、この曲では5位止まり。 売り上げも前曲「赤いハイヒール」の48.7万枚から、この曲では30.6万枚に落ちてしまっている。

30万枚売れれば大ヒットと言われた時代、それでも30万枚オーバーとしているということは、当時の太田裕美さんの人気を証明している訳なんだけども、チャートアクション的にはベストテン内には1カ月ほどしか留まれなかったし、だから、売り上げも急激に落ちたしね。

その辺りの最大の理由としては、この曲の存在感って言うのが大きかったんだろうね。


ちなみに、この曲は1976年9月リリース。 当時の感覚から言えばリリース時期として、ある意味「賞取り」用の曲とも言えたんですよね。 例えば、秀樹のこの年1976年の賞レース用の曲は、やっぱり9月リリースの「若き獅子たち」であったように。

そういう風潮もあって、太田裕美さんも、この年の賞取りレースは、この「最後の一葉」で行くものと思っていたらしい。 まあ、「木綿のハンカチーフ」は確かにヒットは76年だけど、リリースは前年の75年暮れって事もあり、「木綿〜」は前年の曲・・・って言う意識もあったようで・・・。

なので、どうも、今一つ76年の賞取りレースのノミネート曲も、紅白も「木綿のハンカチーフ」であることに納得がいかなかったらしく、だから、せめてもの反抗として、衣装は、この「最後の一葉」の衣装で出演したようですね。


たださ、あくまで、楽曲としての存在感の話であって、だから「駄作」であるのかと言うと、そうじゃない。

楽曲的には、デビュー曲の「雨だれ」の続編のようなイメージですね。 ショパンのエチュードを彷彿させるような美しくソフトなメロディラインとピアノ。

レコードでは、羽田健太郎氏が弾いていたようだけど、テレビでは、太田裕美さん自身が弾いてましたよね。
でも、「雨だれ」はそうでもなかったようでずか、この「最後の一葉」のピアノは相当難しかったらしく、かなり練習したとか。

・・・というか、本来がギターが本職で、ピアノを弾いた事が無かった萩田氏が、このピアノアレンジをしたっていうのが、スゴイんだけど。。。

でさ、アイドル曲の変遷を年代を下って聴いてると、この辺り(1975後半〜1976年)を境にサウンドが変わって行く事に気がつくんだよね。

なんていうのかなぁ、歌詞で言えば七五調の脱却、メロディラインでいえば四七調の脱却ってやつですよね。
いわい。それまでの「歌謡曲」臭からの脱却っていうのかなぁ。

より洋楽的・・とくに70年代中盤あたりは、ヨーロッパ系の匂いですよね、それにより近くなってきたような印象が強い。 特にサウンド面・・・実際の音質だよね、それはこの頃が劇的に変わったような印象が強いなぁ。

まあ、実際の録音面で、それまでの8チャンネルから16チャンネル、さらに24チャンネルへ・・・と日々進化して行ったのも大きいだろうけど。

特に、この「最後の一葉」あたりを聴くと、そんな印象があるなぁ。

もっともCBSソニーは、それ以前から音質面は、他のいわいる「老舗」メーカーに比べると良かったけど。。


それにしても、このピアノっていうアイテムは太田裕美さんの存在をワンランクグレードアップさせていたよなぁ。当時、ピアノを弾きながら歌う・・っちゅう、いわいるシンガーソングライタータイプの「アイドル」って居なかったから。

いや、正直、アイドルって言う範疇に入れてもいいんだろうか・・・なんて悩むんだよね。 かといってシンガーソングライターって言う訳じゃ無いしさ。

いずれにしても、ピアノが弾ける、清楚でかわいらしいお姉さんタイプの太田裕美さんって好きだったんだよなぁ、ワタシ。

キャンディーズも好きだったし・・。  

うーむ当時はナベプロ派だった・・・って言えるかもしれないな。


蛇足だけど、萩田氏は太田裕美さんをモチーフに、後年、南野陽子さんのアレンジを施したんじゃ無いのかなぁ。
その辺、自身の著書「ヒット曲の料理人」には記されていないけど、ヨーロッパ系の清楚なお嬢様タイプの曲調は、太田裕美さんの、この「最後の一葉」や「雨だれ」あたりが下敷きになってるんじゃないかな・・・なんて思えますねぇ。
特に、ナンノさんの「秋のIndication」とか「秋からもそばにいて」辺りを聴いてるとさ。。




この動画の番組、TBSの「トップスターショー〜歌ある限り〜」じゃ無いのかなぁ。
あの「ザ・ベストテン」の前番組。 ベストテンと同じく、木曜21時〜21時55分で放送してた。

いつも思うんだけど、よくVTR残してた方いらっしゃいますよねぇ。 1976年当時、もちろん、既に家庭用ビデオデッキはあったけど、ビデオテープはかなり高価だったはず。 よく取ってた方がいらっしゃるなぁ。普通は、上から被せちゃって残ってないですよ。
ホント、残してた方に感謝



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雨だれ / 太田裕美

1975_03_雨だれ_太田裕美


今回の1曲セレクトは、「雨だれ」太田裕美です。

まずはデータです。

・タイトル    雨だれ
・アーティスト  太田裕美
・作詞      松本隆
・作曲      筒美京平
・編曲      萩田光雄
・リリース日   1974年11月1日
・発売元      CBSソニー
・オリコン最高位 14位
・売上げ枚数  18.1万枚


またまたお久しぶりーな、1曲セレクトどぇす。
もうね、こんな書きだしのマクラが定番になっちゃいましたね、最近は。
相変わらず、書こう書こうと思ってなかなか筆が上がらない自分だったりしてなぁ・・・。

ここ暫くは「時代の転換点」な曲って言う感じで曲をセレクトしてきたりしてるけど、今回の曲も、そんなヒット曲の転換点な時代の1曲って言えるのかなぁ。

太田裕美「雨だれ」

そそそ、太田裕美さんの「デビュー曲」ですね。 リリースは1974年(昭和49年)11月っていうから、ワタシャ5才。
当然、リアルタイムではないよなぁ、この曲は。

でも、11月リリースなのに、なんで今頃書いてるの? とも思う方もいらっしゃるかなぁ。うん、この「1曲セレクト」は原則、「ヒットしていた時期」に書いてるからさ。
But But、ご安心あれ、この曲のヒットのピークは、1975年の丁度今頃なんですねぇ。(オリコン最高位14位を記録したのは、1975年3月3日付)。なので、リリースからヒットのピークまでは4カ月要した、いわばロングヒットでもあるんだよね。

ただ、ワタシらの世代と、太田裕美さんっていうと、どうしても次の年の「木綿のハンカチーフ」だったりするんだけどさ。。
いや、恐らくこれ読んでいただいている多くの方が、そうじゃないのかなぁ。

個人的にも、後年、時代を遡ってこの曲を聴いた訳なんだよね。

で、ちょっと迷ったのが、果たしてこの曲は、単純に「アイドルポップス」っていうカテゴリーに入れていいのだろうか・・って事なんだよなぁ。

たしかにこの曲では太田裕美さん本人がピアノの弾き語りで歌っていたこともあった。 そのスタイルからしてアイドルポップスって言う範疇では無かったように感じたところも大きい。

けどさ、それ以上に、甘美なピアノのイントロから始まるこの曲は、やっぱりアイドルポップス・・・って言うイメージじゃないんだよねぇ。どちらかと言えば、当時、広がりを見せつつあったニューミュージックの世界観に近い。
あ、これは、その時点までの一連のアイドルポップスと比べると・・・と言う事だけど。

「雨だれ」っていうとショパンのプレリュードを思い浮かべる方もいらっしゃるかと思うけど、そんな世界観を想像してしまうようなイントロのピアノの旋律は、流石は萩田光雄氏のアレンジだよなとは思わずにいられなかったりしてさ。

それまでの70年代アイドルポップス・・・いや、アイドルポップスに限らず、いわいるヒット歌謡って言う部類の曲、全般的にですね、どちらかと言えばメロディライン優先で、バックのサウンドは添え物って言うところがあった。 まあ、大まかに見るとよ。

でも、この曲あたりから、メロディラインだけではなく、バックのサウンドのクオリティも上がってきているんだよね。トータル的に音楽を感じるられる曲って言うのかなぁ

それは日本独自の流れというよりは、ヨーロッパを初め世界的にそんな流れになってきては居たんだけどね、当時は。
リズム重視というよりもサウンド重視っていうのかなぁ。そんな流れに日本のポップスも追いつきつつあった。

この曲はそんな流れの象徴の一つなんじゃないかなぁ・・・なんて思ったりするんですよね。

そんな世界的な流れのトレンドにいち早く移行したのが、後のニューミュージック勢の方たちであり、歌謡ポップスでは筒美京平氏なんじゃないのかなぁ。

筒美氏一人で・・というよりもそれを支えたブレーン達の才能って言うのもあるんだろうけどね。そのトップバッターだったのが、この曲のアレンジをした萩田光雄氏ですよね。

まあ、丁度ヨーロッパ・・特にクラシックの流れを汲んだような曲調のフレンチポップスが流行っていたって言うのも追い風だったのかもしれない。
以前も何回か書いたような気がするけど、フレンチポップスと日本の土着的なメロディって相性が良いからさあ。

なんで相性がいいのか・・・正確では無いかもしれないけどさ、日本の方言、特に東北地方の方言ってフランス語的って言われてるじゃん。
寒くてあんまりはっきりとしゃベれないんで、ボソボソっとした発音と省略語が多いところがフランス語の発音に似てるってさ。

そんなフランス語に似てる発音で歌われる民謡・・・これってやっぱりフレンチ的になるんじゃないのかなぁ・・・なんて思う訳なんだよね、個人的には。

ゆえに、フレンチソングと日本の土着的な音楽って相性がいいのも、ある意味必然的なんじゃないのかな・・・なんて勝手に思ってたりするんだけどさ。

ま、蛇足と言う事で・・・

あ〜、話が脱線した。。。。元に戻す。

それらの「いいところどり」・・っていうかさ、上手い具合に融合し発展し始めたのがこの頃の曲だと思うし、その1曲が、この「雨だれ」なんじゃないのかなぁ・・・なんて思ったりするんだよね。

筒美氏もこの曲に関しては、納得する出来だったのかもしれない。 何年か前にNHK BSの「筒美京平」ご本人が出演された特集の最後に、筒美氏本人がピアノ弾き語りで演奏した曲がこの曲だったわけだから。

ヒット曲は、納品した瞬間から自分の手を離れるって自ら語っていた本人なわけだから、その本人が自ら弾き語りで選んだ曲っていうことは、それほど納得が行って愛着を持っている曲なんじゃないのかなぁ。

そう言う意味でも印象的な曲なんだよね、この曲は。

まあ、売り上げ的には大ヒットと呼べるほどではないんだけどさ。




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しあわせ未満 / 太田裕美

1977_02_しあわせ未満_太田裕美








今回の1曲セレクトは、「しあわせ未満」太田裕美です。

まずはデータでーす。

・タイトル     しあわせ未満
・アーティスト   太田裕美
・作詞       松本隆
・作曲       筒美京平
・編曲       萩田光雄
・リリース日    1977年1月21日
・発売元      CBSソニー
・オリコン最高位 4位
・売上げ枚数   31.0万枚
・THE HITCHART HOT30最高位 5位
・ベストテンランクイン期間:1977年2月7日〜4月4日付

 最近、太田裕美さんってテレビでよく見かけるなぁ。ここのところ大瀧詠一氏のニューアルバムリリースもあって、大瀧詠一特集とか組まれてるし、去年は松本隆氏の作詞家生活45周年なんかもあったからなぁ。
で、このお二人というと、必ず太田裕美さんなんだよね。
まあ、大瀧詠一氏は例の「さらばシベリア鉄道」もあるし、いわんや松本隆氏は、初期の太田裕美さんの一連のヒット曲をずっと書いてたしね。切っても切れない縁というわけですわね。

で、そんな時歌う曲と言ったら、まあ、大体はほとんどが ♪ 恋人よ〜 僕は旅立つ〜 ♪ でしょ。そそそ「木綿のハンカチーフ」。 で、少し変化球な曲を持ってくるとしたら、「赤いハイヒール」か「九月の雨」って感じだよなぁ。

だからね、今回の1曲セレクトは、わざとらしく、これらの代表曲は、素通りして、別の曲を持ってきたりして。。

「しあわせ未満」

うーむ、太田裕美さんのヒット曲の中では、今となっては、ほぼ「死角」に入っちゃってる曲でしょう。

でもね、リリースされた1977年当時は、オリコン最高4位。売り上げも30万枚オーバーの大ヒット曲だったんだよね。

・・・と書いてるワタシもヒット当時は、良く覚えてないんだけど。。。

大学生の時、自分のランキングをシコシコ作っているときに、この曲にぶち当たって、なんか気になって音源を買ってみたのよ。

最初の感想。  わあ、めちゃくちゃ古い曲調。 もろ70年代・・・って感じだったなぁ。

太田裕美さんの曲って当時としては、意外と斬新な切り口の曲が多かったんだけどね。例えば「九月の雨」なんて、モロ、ポールモーリアを意識した、壮大なオーケストレーションが特徴だったし、いわんや「木綿のハンカチーフ」は、当時としては歌詞が長いのが特徴だったじゃないですか。

でも、この曲は、そういう特徴は、なーんも感じなかった。

ただ、もろ70年代って思わせる、今となっては古い曲調だよね、そこにダサさを感じたりしてね。 いやいやもろ77年当時のヒット歌謡ですよ。

それと、歌詞のシチュエーションだよね。 「しあわせ未満」って言うくらいだから、少なくともリッチな生活はしていない。この主人公は。

なんせ ♪あばら家に住むきみが哀しい〜♪ だもんね。

いやー、今や死語ですよ、「あばら家」なんていうコトバは。 ・・・っつうか、今の若いコに「あばら家」なんて言っても、なんのこっちゃ? ですよね。

まあ、ポロポロの家の事だよね。屋根は雨漏りしてそうだし、トイレと台所は共同だし・・・みたいなポロアパート。

でも、当時は、まだそういうボロアパートって結構あったんですよ。
ワタシ、当時7歳だったけど、記憶にあるなぁ。
当時、福島のいわきに住んでたんだけど、炭鉱が閉山したばかりの頃で、まだ炭鉱アパートって呼ばれる長屋があちこちに残ってる頃でさあ。いや、それこそあばら家ですよ。

そういう光景を見てきてるだけに、意外と、こういう曲のシチュエーションって脳裏に浮かぶんだよね。

そういうシチュエーションを絶対に経験してそうもない、「慶応」出のおぼっちゃま、松本隆氏が書くってのも面白かったりしてね。 なんかリアリティがありそうで、なさそうでさ。

ただ、そんな一見、哀しそうなシチュエーションだけと、曲は全く哀しそうじゃない、明るいポップスっていうのは救いだったりもするかもなぁ。
太田裕美さんも、当時の年齢相応の溌剌さを感じる曲だったりもするしね。




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さらばシベリア鉄道 / 太田裕美

1980_12_さらばシベリア鉄道_太田裕美






今回の1曲セレクトは、「さらばシベリア鉄道」太田裕美です。

 まずはデータです。

・タイトル   さらばシベリア鉄道
・アーティスト 太田裕美
・作詞     松本隆
・作曲     大滝詠一
・編曲     萩田光雄
・リリース日  1980年11月21日
・発売元    CBSソニー
・オリコン最高位 70位
・売上げ枚数  3.0万枚

 どうもねぇ、スカッと晴れた、12月の午後の日差しの具合を見てると、浮かんでくる曲があるんだよなぁ。

 それが、今回引っ張って来た、太田裕美の「さらばシベリア鉄道」だったりしてね。

 まあ、曲自体は、「12月の午後の日差し」とは全く関係ないんだけど、おそらく、この曲がヒットしてた、1980年の12月のスカッと晴れた日に、ワタシの頭の中で「ヘビーローテョン」でぐるぐる回ってたんでしょうふらふら

 音楽って、そういう力があるじゃん。この曲聴くと、「あ、あの時のあの風景」って思い出すことって。

 それが、この曲では、ワタシの中では、「1980年の12月の午後」のあの風景なんですねぇ・・・。

 まあ、「あの」って言っても、こりゃ、ワタシだけの風景であって、第三者には「なんのこっちゃ」なんだけどさぁ・・。 その辺がまどろっこしい所でもあったりするんだけどさぁ。


 ところで、この曲は、もちろん、大滝詠一、大センセーの、あのアルバム「Long Vacation」のラストに収録されている曲なんだけどさ。

↓コレ


個人的にも、この曲、好きでさあ、「Long Vacation」なんて、いままで何回聴いてるか分かんないもんなぁ。


でもオリジナルは、大滝センセーのバージョンではなく、この太田裕美のこのバージョンの方なんだよね。
逆に大滝大センセーの方がセルフカバーしたって事よ。まあ形上の事なんだけどね。
 いや、その前に自分で歌うつもりでレコーディングしていたんだけど、どうも女性的で、アルバムの中でも、この曲だけ「浮いた」存在になってしまっているのは、「Long Vacation」を聴いてるヒトにはわかるでしょう。
 で、「Long Vacation」の担当ディレクターだったCBSソニーの白川氏が太田裕美の担当でもあったため、太田裕美に歌わせたってのが、このバージョンなんだよね。

 で、実は、個人的にも最初に聴いたのは、太田裕美のこのバージョンなんだよなぁ。
 たしか、「8時だよ!全員集合」だったと思う。そういえば、ピアノも自分で弾いてなかったかなぁ、当時。
 
 なんかね、そういう印象が残ってるんだよね。

 もちろん、当時はまだ、大滝詠一氏の存在も知らなかったからさ、単純に、なんか印象に残る曲って思ったなぁ。
 いかにも寒さを感じるじゃん、この曲。 ま、オーケストレーションが大げさなところもあるんだけど、この辺は、大滝氏としてはいつものことだから・・。
 ・・・というか、もともと大滝氏がアレンジしたデモテープが、太田裕美バージョンをアレンジした萩田氏の手元に渡ったっていうから、基本は、大滝氏アレンジのものと変わりはないんだよね。

 プラスされているのは、バックのストリングスとティパニなどかな。スピード感も、大滝氏バージョンよりは若干、ゆっくりめになってたりする。
 ま、元々は、もっとドライブ感があって、バンドサウンドが前面に押し出されてたりするんだけどね。そのドライブ感は、すっかりなくなって、より歌謡曲になってたりするんだけど、太田裕美っていう立ち位置からすると、この位がヨカッタのかなぁ・・・とも思うけど。
  
 いや、個人的には、この年の春にリリースされた「南風」のような、ニューミュージック的なテイストはあっても良かったような気がするけどね。ちょっと歌謡曲寄りに戻りすぎてるんじゃないかなぁ・・・とも思うねぇ。

 ちなみに、イントロの入りのストリングスの使い方は、後の南野陽子の「風のマドリガル」にくりそつだよなぁ。
・・・っつか、「風のマドリガル」が、この曲のイメージに似てるんだ。あの曲もアレンジが萩田氏だしなぁ、CBSソニーだしなぁ・・。まあ、確信犯・・・ってところだろうな。ふらふら

・・・・というか、あの頃(86年)の南野陽子って、もしかして、この曲の頃の太田裕美の後釜を狙ってたんですかねぇ。
 確かに、「田舎のお嬢さん」っぽいキャラクターは、似てないこともないけど。。。あせあせ




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赤いハイヒール / 太田裕美

1976_06_赤いハイヒール_太田裕美







今回の1曲セレクトは、「赤いハイヒール」太田裕美です。

 まずはデータです。

・タイトル     赤いハイヒール
・アーティスト   太田裕美
・作詞       松本隆
・作曲       筒美京平
・編曲       萩田光雄
・リリース日   1976年6月1日
・発売元      CBSソニー
・オリコン最高位   2位
・売り上げ枚数   48.7万枚
・THE HITCHART HOT30最高位 1位
・ベストテンランクイン期間:1976年6月14日〜9月13日付

   今回も先ほどのキャンディーズ「夏が来た!」と同じく1976年の曲になっちゃったな。
 しかも、「夏が来た!」同じく、CBSソニー発で、ベストテン入りも6月14日付・・・と同じような境遇の曲であった、太田裕美の「赤いハイヒール」・・・。
 あ、ついでに言えば、同じくナベプロだ  まだ、この頃はナベプロも強かったんだなぁ。

 先ほどの「夏が来た!」よりは、有名でしょ?  そうでもないかなぁ


 先ほどのキャンディーズ「夏が来た!」は、大ヒット曲「春一番」を受けての楽曲だったけど、この曲も、同じく大ヒット曲、「木綿のハンカチーフ」を受けての楽曲でしたね。

 「夏が来た!」は、「春一番」があれだけ大ヒットしたあとなので、次はそこまでヒットしないだろう・・・と見込んでの実験的にシフトしたのに対して、この「赤いハイヒール」は、「木綿のハンカチーフ」フォーエバーを地で行ったんだよねぇ。

 作詞、松本隆、作曲、筒美京平、編曲 萩田光雄・・という布陣も「木綿のハンカチーフ」と全く同じ。
 だけど、あえてそうしたのか、よっぽど自信があったのかはわからないけど・・・・・。

 うーん、でも、おそらく自信があったんでしょうね。 

なんせ、「木綿のハンカチーフ」は88万枚も売れたし、あの「およげ!たいやきくん」とヒットチャートを渡り歩いてたからなぁ。

 ちがった所といえば、「木綿のハンカチーフ」は男の方が都会に出てきて、彼女のほうは田舎に残ってる・・・っていう視点からの構図だったけど、この「赤いハンカチーフ」は、その正反対、彼女が東京に出てきて、彼氏は田舎に残っている・・・っていう構図ですね。

 プラス、「木綿の〜」では、彼氏は都会で楽しくやっている・・・っていうかんじなんだけど、「赤いハイヒール」では、東京に出てきた彼女は、東京になじめないでいる・・・っていう、これまた正反対の構図な曲なんですよね。

 ただし、シチュエーション的には、都会⇔田舎 っていうところは同じなわけで、こういう所からも、この曲が「続、木綿のハンカチーフ」って言えるところなんだよね。


 たださ、どちらも、ほのぼのとした哀愁、独特の寂しさっていうところは感じるよなぁ。

 個人的には、どちらかといえば、この「赤いハイヒール」の主人公の女の子には共感もてるなぁ。
 
 田舎から出てきて、東京になじめてないでいる女の子・・・。

 なんかさ、自分を見ているようでさ、共感をもてるんだよね。

 こういう子っていまでも居るんですかねぇ・・・ 新幹線や高速道路が全国各地に張り巡らされ、東京も地方も、「流行り物」のタイムラグという点ではあまりなくなってきた現代だけどね・・・。

 うーん、表立っては絶滅しているようにも感じるけど、もしかしたら、アンダーグランド的には今でもいるのかもなぁ
 
 でも、39年前では、おそらくそういう子たちっていっぱいいたんだろうなぁ・・・。
 だから歌になる、それでもって、これだけヒットしたんだろうね。

 戦後30年。改めてほのぼのとした時代だったんだなぁ・・・と気持ちになるんだよなぁ。
ま、自分もその渦中にいたんだけどね(まだ7才だったが。。。)。。



 蛇足だけど、太田裕美さんのシングルではこのジャケ写が一番好きだなぁ。このジャケ写の表情がいいですわ。「◎」。




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南風 / 太田裕美

1980_03_南風_太田裕美






今回の1曲セレクトは、「南風」太田裕美です。

まずは、データでーす。

・タイトル     南風 〜South Wind〜
・アーティスト   太田裕美
・作詞       網倉一也
・作曲       網倉一也
・編曲       萩田光雄
・リリース日    1980年3月21日
・発売元      CBSソニー
・オリコン最高位  22位
・売上げ枚数    11.5万枚
THE HITCHART HOT30最高位 20位
・タイアップ:キリン「キリンオレンジ」CM曲

 昔は、レコードのリリース日って、1、5,10日以外に、21日リリースって多かったんだよなぁ。 
最近は、毎週水曜日ってリリース日が決まっちゃっているから、21日が水曜日にならない限りそうでもないんだけど、少なくとも80年代までは、毎月21日というのが、リリースのひとつの山で、とくに四半期と決算期を抱えた3/21リリースっていうのは、数が多かったんだよねぇ。
 もちろん、ここからヒットした曲も多いわけで・・。ということで、暫くは3/21リリースの曲が続きそうなので、まずは、ちょっと早めに引っ張って来ることにしましたワ。

 太田裕美 「南風」

 って、ほとんど「みなみかぜ」ってよんぢゃうんだけど、「サウスウインド」が正解のようです。本当は。

 この曲を聴くと、決まってどっかに行きたくなるんだよね。「ドライブしたい」病がムクッ。。。。
 この爽快感は、これからの季節にピッタリですよ。適度なスピードで海沿いを走りながら、この曲をカーステから流す・・・っていうシチュエーションにゃピッタリですよね。

♪From the radio 天気予報 週末は晴れそうです 
 それなら自慢の車に乗り 浜辺へ行こうか ♪

 いいじゃありませんか。 その気になっちゃいますよ。

 「南風」っていうタイトルにピッタリの温度感と、匂いですよね。

 それまで、どちらかというと、松本隆−筒美京平の強力ラインの「歌謡ポップス」よりっていう印象が強かった太田裕美だけど、70年代も終盤に差し掛かって、前の年の79年あたりからは、筒美京平の手から離れて、ちょっと方向転換が見えてきた頃ですよね。このころは。
 自分で作曲した「シングルガール」などのシングルをはさんで、この曲となるわけだけど、この曲は、網倉一也氏のプロデュース。
 どちらかというと、詞の内容、曲調から言って、ニューミュージック系の若干、大人向けの内容になってますね。
 それまでが、高校生くらいが対象だったとしたら、この曲は大学生を対象にしてるって感じね。

♪ 君は光のオレンジギャル ♪

 この言葉遣いは時代を感じるよね〜。少なくとも「ギャル」って言葉は、いまや「死語」ぢやないかなぁ。
 でも、あの時代は「イマイ」かったし、「ガール」よりは、大人びた言葉だったんだよね。

 この辺からも、そりまでよりは、上の年代を意識した曲だったんだよね。

 網倉氏も、そのまえの郷ひろみの「マイレディー」からのってきたころでしたしね。このひとのメロディは、カラっとした空気感がいかにもアメリカンポップスを下敷きにしてるぞっていう、手触りがいいんですよね。
 ヨーロッパ系、ジャパニーズアシッドのような湿り気がない。
 丁度、あのころは、そういう曲が好まれてきた時期でもあるしね。時代的に網倉氏のような曲があってたんだよね。

 ただ、サウンドは若干、古いかなぁ。既に80年代に入ってたんだけど、まだ、70年代の匂いを引きずっていたな、この曲までは。
 そして、この曲のリリースから10日あまり。同じくCBSソニーからリリースされた1曲が、この70年代を引きずった「空気」を一変させたんだよね。
 そうです! 松田聖子の登場! ・・となるんだよね。

 この曲は、そんな端境期にあった、「70年代」を髣髴させる「最後」の曲ぢゃなかったかな。

 ちなみに、この曲は、当時のキリン「オレンジ」のCM曲。キリンが提供だった「ベストテン」のCMではよくかかってましたよね。



うーん、↑で、「South Wind」が正解です・・・なんて書いちゃったけど、動画のなかで「みなみかぜ」って言っちゃってますねぇ。。。。
いずれにしても、この曲は、本当に懐かしい。聴くと、80年当時が鮮明に蘇りますわ。



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九月の雨 / 太田裕美

1977_九月の雨_太田裕美






今日の1曲セレクトは、「九月の雨」(太田裕美)です。

 まずは、いつものようにデータから

・タイトル    九月の雨
・アーティスト  太田裕美
・作詞      松本隆
・作曲      筒美京平
・編曲       筒美京平
・リリース日   1977年9月1日
・発売元     CBSソニー
・オリコン最高位 7位
・売上枚数    35.6万枚
・THE HITCHART HOT30 最高位 3位
・ベストテンランクイン期間:1977年9月19日〜11月28日付

 いや〜9月なのに日中はまだまだ、暑いよねー。 うーん。でも、朝晩はようやく涼しくなってきましたワイ。 
 9月らしくなってくると聴きたくなってくるのが、この「九月の雨」なんですねぇ。
いかにも九月、長雨の季節を思い出させる曲ですよね。

 詞にもありますよね。

 ♪九月の雨は冷たくて〜♪
 ♪九月の雨はやさしくて〜♪

うん〜、いかにも、九月・・・秋の長雨を連想されるような下りですよね。
 今年は、まだ、そういう日はほとんどないけどね。。

 でも、さすがに松本隆氏。 情景が浮かびますよね。
 うーん、なんというか、「木綿のハンカチーフ」で一山当てたアーティストへの提供とあってか太田裕美と組むときは入れ込み方が違った気がするなぁ。

 そもそも、もともとはこの曲、「こけてぃっしゅ」というアルバムからのシングルカットなんですよね。「こけてぃっしゅ」は77年7月1日リリース。で、この曲の反響が大きかったことから、タイトル通り9月を待ってのシングルリリースとなったみたいですね。

・・・みたいですねって表現使ったのは、ワシこの頃はまだ、ヒット曲の世界にのめりこんでなかったからねぇ。まだ、タイムリーでは経験していないんですよ。なので、あとから聴いた話になりますね。
この辺は。。

 曲は、松本隆といえば、筒美京平氏。 もう、いやーねー、この2人組ませたら、右に出るコンビはいないですもんねぇ。
 しかし、この曲はもともと、アルバムの曲とあってか、しっかり実験してますよねぇ。

 「ポールモーリア歌謡」

 この頃知らないことにとっては、なんじゃそれ? かなぁ。
 そもそも、最近は「ポールモーリア」ってあんまり聞かないかんねぇ。知らないヒトも多いかなぁ。
 昔、イージーリスニングというジャンルの曲が大流行だったんだよね。要は、ポップス版オーケストラなんだけど、そのなかでも、このポールモーリアは日本では大人気だったですよね。
 あ、そうそう、今でもマジックでかかるじゃん。「オリーブの首飾り」あれですよ〜。

 かく言う私も、このころはポールモーリアにはまってまして(え? ワシって何歳? 7歳の頃からポールモーリアにはまってたのよワシ・・・ 変わった奴でしょ?)、初めて買ったLPはポールモーリアの2枚組みよ。いまでも持ってるけどね。
 そのほか、この頃カーステは「8トラ」の時代だったじゃん。親父の車にポールモーリアの「グレイテスト20」の8トラテープがあって、のびるまで聴き倒したもん。 あ、これほんとに半端じゃないのよ、マジでテープのびちゃったもん。最後は音がヨレヨレで聴けなくなっちゃったんだよね。
 「涙のトッカータ」「エーゲ海の真珠」とか好きだったぁ。

 で、話は戻るけど、当時、大人気だった、ポールモーリアの曲調を、歌謡曲に取り込んだのが、いわいる「ポールモーリア歌謡」ってわけね。
 もちろん、そんな技術的に高度なパクリ戦法できるのなんて、やっぱり筒美京平氏ぐらいしかいなかっしね。 というか、ヒットを作るためには、どんな流行もいち早く取り込む姿勢はすごいですよね。

 実際、この曲はうまく出来てるんだ。この曲のオーケストレーションは、ほんとにポールモーリアみたいだもん。

 Aメロ出だしからの ♪車のワイパー 透かして見えた〜♪ からの音節に追いかけてくるチェンバロっぽい音色のキーボードは「オリーブの首飾り」をモチーフ、そのほか、全体的には「サバの女王」をモチーフにってよく物の本にはあるんだけど、個人的には、「エーゲ海の真珠」も意識してんじゃないかなぁと思うんだよね。
 バイオリンパートなんかの使い方は特にそんな印象が残るな。

 まあ、この曲を実験台に、2年後のジュディオング「魅せられて」で、筒美京平氏のポールモーリア歌謡は完成するんだけどね。

 でも、よくよく考えたら、この時代は、ヨーロッパ系っぽい音が流行りだったんだろうね。
例えば、同時期に大ヒットした、松崎しげる「愛のメモリー」はカンツォーネっぽいし、沢田研二の「勝手にしやがれ」だって、どちらかといえば、曲の「濡れ方」からして、ヨーロッパっぽい・・・あ、ジュリーはもともとヨーロッパ系ですね。音の質としては。
 この年の「勝手にしやがれ」の大ヒットを見るとやっぱり、流行だったんだよね。
 時代の流れのなかで、流行り廃りってやっぱり、どうしてもあるもんねぇ。個人的には、アメリカンっぽいのも好きだし、フレンチっぽいのも好きなんだけどね。 あ、ポップスはどっちかといえばフレンチ、ヨーロッパ系かな。 ワシ、基本的にやわらかい音が好きだからねぇ。
 昔、ワシ、トロンボーンやってるときも、ヨーロッパ系のオーケストラの音のほうが好きだったんだよね。同じトロンボーンでも、ヨーロッパとアメリカでは全然音の質が違うのよね。
 ヨーロッパ系のおとは、同じff(フォルテシモ)でも音の硬さと厚みが全然違うんですよ。 アメリカ系は音は派手だけど厚みがないっつうかね。たしかにカラっとした音ではあるけど。
 ただ、カラっとした音の分、ロックとかブルースには合うんだよね。アメリカンっぽい音って。

 あー、まとまりがなかった。今日の文も・・・。





※オリジナルは2005年に書いたものです。今回再掲載しました。
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