1970_07_イメージの詩_よしだたくろう


今回の1曲セレクトは、「イメージの詩」よしだたくろうです。

まずはデータです。

・タイトル    イメージの詩
・アーティスト  よしだたくろう
・作詞      吉田拓郎
・作曲      吉田拓郎
・リリース日   1970年6月1日
・発売元     エレック
・オリコン最高位 - 位
・売上げ枚数   - 万枚

東京五輪が開幕しましたね。これだけのビックイベントなわけで、本来ならば、今日あたりの1曲セレクトも「五輪」に引っ掛けた曲を持ってきたほうがいいんだろうな。。。

・・・・と思いつつ、それも、なんか当たり前だな。。。と思ったりする私が居たりして。。

ちょっと、心の葛藤を思いつつ、五輪とは全く関係ない曲を引っ張ってきましたわ。


よしだたくろう「イメージの詩」。

最近、さんまプロデュースの映画「漁港の肉子ちゃん」の主題歌として、若干10歳稲垣未來さんがカバー・・・なんてことで、にわかに再注目されてますね。

若干10歳の女の子が、50年も前の、しかもフレーズに収まり切れないほど字余りいっぱいのメッセージ・フォークを歌う。これが結構嵌ってるんだよ・・・。

なんて感じで、ネットをはじめテレビでも大分賞賛されてますね。

まあ、個人的には、その辺についてはノーコメントなんですけどね。若干10歳の女の子の歌唱だもの。まだまだ評価のしようがないしさ。

ただ、評価している人たちってワタシの世代の一回り上、 つまりは吉田拓郎フリーク世代に多いっていうのはよくわかるんだよね。

自分たちの「孫」と言える世代の女の子が、自分たちの世代のフォークの神様吉田拓郎氏の、しかも、今や知る人ぞ知る、シングルデビュー曲を歌うってことがウレシイんだろうな・・とか思ったりして。


ただ、そんな話題を抜きにしても、個人的にもちょっと注目していたのが、この吉田拓郎氏の「イメージの詩」ですわ。

この曲は、もともと吉田拓郎氏が、広島フォーク村に「年寄り」として在籍していた頃にリリースされたアルバム「古い船をいま動かせるのは古い水夫じゃないだろう」に収録されていた曲ですわ。

そのアルバムから、当時、拓郎氏が所属していたエレックレコードが、拓郎氏の承諾も得ずに、無許可でシングルリリースしたのが、この「イメージの詩」。

でも、アルバムから編集しリリースされた音自体があまりにも雑で、後に改めて再録音してリリース。正式には、こちらのバージョンがデビューバージョンということになっていますね。

なので、シングルレコードとしては、アルバムから編集した旧盤と、新たに録音しなおした新盤が存在するらしい。

もっとも旧盤の方は、すぐに回収されてしまったようで、現在、世にはあまり出回っていないようだが。。。

ただ、バージョン的にはアルバム「古い船をいま動かせるのは古い水夫じゃないだろう」に収録されているバージョンなので、、聴きたい方は、このアルバムから今でも聴くことはできますが。。。




あー、少し話がずれた。

で、今、個人的にこの曲には、少し注目してた・・・っていうのは、個人的には、この時代の曲をリアルタイムで聴いてなかったというのが大きい。

いや、生まれてなかったわけじゃないんですよ。

1970年6月と言えば、ワタシゃ、生後10か月。  さすがにリアルタイムじゃ聴けてないわけで。。。

でも、少なくともあの時代の空気は吸っていた訳でさ。
・・そんなこともあってか、あの時代の空気感を改めて感じてみたい・・なんて思っていたわけなんですよ。

少し前から、中津川のフォークジャンボリーについて堀り始めてたりしてたしさ。
現在に至る野外ロックフェスの祖ともいえる、このイベントについては、また改めて書こうと思いますが。

まあ、直接的な引き金となったのは、少し前に東京FMの村上春樹の「村上RADIO」で、拓郎の曲が流れていたことがきっかけだったりするんだけどさ。

その時流れてた曲がなんだったのか、ちょっと、ど忘れしちゃったんだけども、モロ、ボブ・ディランだった。

個人的にそれまで知っていた、拓郎氏・・・「結婚しようよ」であり、「旅の宿」であり・・・とは違っていたんだよね。

で、そんなボブ・ディランな吉田拓郎氏を少し掘っていたら、この「イメージの詩」にぶち当たったわけですわ。

いや、この曲の存在自体をそれまで知らなかったわけではない。
田家秀樹氏の「読むJ-POP」にも、その存在は書かれていたし。 でも、実際に耳にする機会は、ごくごく最近まで無かったわけなんだよね。

1970年6月といえば、時代背景的に、まだ70年安保での学生運動や過激派闘争がくすぶっていた頃だ。

この「イメージの詩」も、そんな、学生運動的な反戦フォークの匂いのする曲なのか思っていた。

いや、確かに ♪ これこそはと信じられるものが この世にあるだろうか〜 ♪

から始まる、この曲の歌詞を読む限りでは、まだそういうに匂いはする。

でも、メロディが、それまでのいわいる反戦フォークとは違うんだよね。

もろ、ボブディランと言ってしまえば、それまでだけど、匂いとか、感じる風とかが、それまでの反戦フォークとは明らかに違う。

そこには、それまでの日本のフォークにはなかった、新しい風を明らかに感じる。

ここではよく書いてるような気がするけど、1960年代と 1970年代、単なる数字上表記ではあるけど、不思議と、この時代の表記が分かる頃には、時代の転換点が来るようになってるんだよね。

そんな風に思えるほどの新たな風を感じるんですよ。この曲には。

まあ、確かに、フレーズに収まり切れないほどの字余りの歌詞には、美意識のかけらも感じないしさ、だから毛嫌いする人があるのもよく分かるんだけどね。

少し前だったら、ワタシも毛嫌いしてたかも。。。 そもそも、メロディ、サウンド重視のワタシなんで、歌詞重視のメッセージフォークって、あんまり得意じゃなかったし。。。。

ただ、そんな新しい風を感じるといっても、、1970年のこの時点では、まだ時代を動かすだけの力はなかったんだと思う。

それがムーヴメントとして時代の転換点まで昇華するのは、次の年1971年の第3回中津川フォークジャンボリーまで待たなくてはならない。



ところで、この「イメージの詩」のハイライトといえば、もともとの収録アルバム「古い船をいま動かせるのは古い水夫じゃないだろう」にかけて、

♪ 古い船には 新しい水夫が乗り込んでいくだろう 古い船を 今 動かせるのは古い水夫じゃないだろう〜 ♪

・・・っていう一連のフレーズですよね。

これ、個人的に50を過ぎたころから、めちゃくちゃ感じたりしてるんだよね。

趣味においても、リアルな仕事においても。

リアルの仕事においては、いつまでもこのままのさばってていいのか、下の世代に道を譲るべきなんじゃないじゃないのか・・とか。

それに拍車をかけたのが、先日の松本隆氏の「もう僕には居場所はないよ」っていうネットニュースだったりしたんだけど。

時代の流れと世代交代ってあるわけで、時代の流れと共に若い世代に次の時代を託す、というのも必要と、最近、私もつくづく思うようになったんですよね。 いつまでも古い人間がでしゃばる時代じゃない。政治の世界を見ればよくわかるじゃん。
エンタメの世界もそうなんじゃないかと思う。 いつまでも過去に縛られていては新しい時代は訪れませんわ。

それを思ったときに、一番初めに浮かんできたのが、この「イメージの詩」の

♪古い船には 新しい水夫が乗り込んでいくだろう 古い船を 今 動かせるのは古い水夫じゃないだろう〜 ♪

っていう一説だったりしたんだよね。





これは、↑で書いた「旧盤」バージョンだそう。

これに対して、「新盤」バージョンは↓



むむっ、Youtube上以外では、再生無効にされてしまっている。。。。もし聴きたい方は「YouTubeで見る」をクリックしてみてくだされ。

とりあえず、こちらのバージョンの方が、現状では正式なデビュー曲と扱われているようですね。


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