今回の1曲セレクトは、「巡恋歌」長渕剛です。
まずはデータでする。
・タイトル 巡恋歌
・アーティスト 長渕剛
・作詞 長渕剛
・作曲 長渕剛
・編曲 鈴木茂
・リリース日 1978年10月5日
・発売元 東芝EMI
・オリコン最高位 100位以内ランクインせず
・売り上枚数 −枚
えー、今回はマクラなしで直接行きますか。
久々に、「変則」曲と行きますか。変則曲っていうのもちょっとおかしいけど、後年大ヒットした曲の中で、オリジナルは全くかすりもしなかった・・って曲ですね。
長渕剛 「巡恋歌」
どうもね、「筋肉マッチョマン」になったしまった後の長渕の印象が強いだけに、ヒトによって好ききらいが激しいアーティストでしょ、長渕って。
だから・・・って言うこともありーの、ここでもあんまり書いて来なかったアーティストの一人かもしれない。
でもね、個人的には、キライじゃないんだよなぁ、長渕って。
昔、某着メロサイトで配信曲のセレクターやってるとき、ゴーインに当時のニューアルバムの全曲特集なんてやっちゃったくらいなんで。。。
まあ、プロデューサーっていう権限で半ばゴーインにやっちゃった・・・ってのもあるけど。。。
(でもそこそこのダウンロード数を稼げて、一応面目躍如だったんだよな。。。)
・・・・ってくらいだからさ。
とは言っても、個人的にも、まだ「筋肉マッチョマン」や「ヤクザ」になる前、「やさ男」だったころの長渕が好きだったんだけどね。
今回、持ってきた「巡恋歌」はデビュー曲。 まだ、もろ「やさ男」だったころの曲ですわ。
うん、そもそも↑の「ジャケ写」の写真からして、今の長渕しか知らない方には「別人」にしか思えないかもしれないもんな。
もしかしたら、誰かの「カバーか?」なんて思われるかもしれないけど、正真正銘、今から39年前の長渕本人なのよ。
線が細くてナイーヴで、それでいて、当時から少しひねくれていて・・というか、ヒトを信用していないようなところがありましたよね。
それでも、当時の長渕が好きだったんだよな。 なぜって言われると困るけど、古いようでなんか新しい匂いがしたっていうかね。
この「巡恋歌」。 初めて聴いたのも恐らくは、リリースされてそんなに月日が経っていない頃だと思う。
うん、いつ、どこで聴いたかっていうのは、全く覚えていないんだけど、少なくとも80年代の最初の頃だったと思う。
「順子」で大ブレイクしたのと同じくらいの頃かなぁ。 「乾杯」(と言っても80年にリリースされた「オリジナル」の方ね)と同時に聴いたのかなぁ。
どっちもね、いい曲や〜・・・って思ったのだけは覚えてるんだよな。
なんちゅうのかねぇ、簡単に言えばキャッチーの一言なんだけど、でも体に染みてくるんだよな。
ほら、ウイスキーをチビチビ飲ってるとき、体に染みてくる感じっていうかなぁ・・・。いい意味でトリハダが立つっていうか震えが来るんだよね。
まあ、吉田拓郎氏に憧れ、拓郎フォロワーだっただけに楽曲の形式も拓郎氏そのものだし、曲自体はそれまでいくらでもあったフォークにちょいと音を厚くしたような、いわいるフォークロックやつで。
音的には全く目新しいところは無いんだけども、でも耳に入って来ると新鮮。
これが印象的だったんだよな、デビューの頃の長渕って。
まあ、デビュー曲といっても、「2回目」のデビューなんだけどね。
・・・って書くと、「なんじゃらほい?」って感じなんだけど。。。
うん、知ってるヒトは知ってる事だけど、実際、長渕って、この曲の前に、一度、ビクターからデビューしているんだよね。 そそそ「雨の嵐山」って曲で、アーティスト名も「長渕剛(ごう)」っちゅう、本来の読みとはも少し変えられて・・・。
本人としては、アーティストとして地道にライブハウス周りをしたかったようだけど、実際は本人の思惑とは全く違い、事務所としては「芸能人」として売り出したかったらしく、デパート屋上でのキャンペーン周りの日々。
しかも、これが全く売れなかった訳で。。。。 挫折。
そんな日々に嫌気がさして、博多に戻ってしまう。
でも1年後、「再起」をかけ、再度、1978年第15回ヤマハ「ポプコン」に応募し、本選入賞したのが、この「巡恋歌」。
そのときの画像が ↓ コレ
今聴くと、めちゃくちゃシンプル。だけど、ギターの弾き方は、後年と変わんないんだよな。当時から長渕スタイル。
それにしても甘いんだよね、声が。当時から言えば、引っかかったのはここなのかもしれないし、拓郎フォロワーを自認してたけど、一番違ったのもそこかもしれない。
そして、今と一番変わってのも、体型だけじゃなく、そこかもしれないな。
今聴くと、ホントいい曲だと思うけど・・・・でも、それでも売れなかった。
オリコンでは100位にも入らなかった。 今でこそオリコンは101位以下も売り上げ枚数をだしているけど、昔は101位以下は売り上げを公表していなかったわけで。。。
だから、この曲の売り上げは、オリコン的に言えば「0枚」と言う訳なんだよな。
やっぱり時代と折り合いがつかなかったんだろうな。 たしかに時代はニューミュージック全盛の時代にはなっていた。
でも、時代が求めていたのは、新しい形の音楽。
一時代の前のスタイルの長渕は、見た目上、アナクロな存在だったんだろうな。
ところで、2度目のデビューなんて今では、ほとんど聞かないけど、昔は結構いたんだよね。 再起をかけた再デビュー、再再デビューなんてさ。
五木ひろし氏なんて有名だし、フォーク・ニューミュージック系では「アルフィー」も再デビュー組として有名だよね。
その後「大御所」となって、未だに現役を続けて来ているアーティストには、こんな風に「苦節何年」なんて浪花節ぢやないけど、苦労してきているヒトたちは多い。
そして、長渕も、そんな挫折を経験したなかで、アーティストとして大きくなってきたんだよね。
でも、そんな苦節を味わってきた中での経験からなのか、「愚痴」っぽい歌詞の曲も、この頃は多かったんだよな。
まあ、この「巡恋歌」からして、愚痴っぽい曲ではあるんだけどさ。
2番の歌詞にある
♪タバコを吸うなとか 酒を飲みなとか ワタシの勝手じゃないの〜 ♪ とかさ。
これ捉え方によっては、再デビュー前に味わった、自分の思惑とは違い、事務所に言われるがままの「営業」の日々に対する愚痴にも聴こえたりするんだよね。
いや、この曲だけに限らず、他にもあるんだよな。
例えば、80年のアルバム「乾杯」に収録されている 「暗闇の中の言葉」なんかはまさに、そんな苦い時代を吐露しているような曲だしね。
でも、そんな苦い時代を糧に長渕はビッグになって行く。
この「巡恋歌」は、その出発点になった曲なんだよね。
つづく
よろしかったら、ポチッと押してね
にほんブログ村