今回の1曲セレクトは、「♡じかけのオレンジ 」大滝詠一です。
まずはデータなのだ。
・タイトル ♡じかけのオレンジ
・アーティスト 大滝詠一
・作詞 松本隆
・作曲 大瀧詠一
・編曲 CHELSEA
・リリース日 1982年3月21日
・発売元 CBSソニー
・オリコン最高位 70位
・売上げ枚数 1.8万枚
ここの所、ショートトピックスばかりアップしていたので、久々の1曲セレクト。
故・大滝詠一氏の不朽の名作「A Long Vacation」リリースから、今日2021年3月21日で丸40年ということで、ネット上やラジオをはじめとしたマスコミ各局では「ロンバケ」づいておりますなぁ。
一番の目玉は、やはり大滝詠一氏の曲の「サブスク」解禁ってやつでしょうか。なんか、これで、一段と火が付いたような様相があるような気もしますが。。。
たださ、もし大滝氏が生きていたら・・・、とにかく音質に煩かった大滝氏が、CDよりも音質が一段も二段も劣るサブスクリプションを許諾したかというと、ちょっと疑問ですわな。
山下達郎氏が頑なにサブスクリプションを許諾しない一番のネックはそこですから。師匠筋の大滝氏が許諾したかどうかというのは疑問だよね。
確かにサブスクリプションな世の中、恰も「ロンバケ」リリース40周年という話題に引っ掛ければ、ビジネス的な話題作りにはこれ以上にない目玉コンテンツであることは間違いないところだろうけど。。。。
ところで、ワタシが「A Long Vacation」と出会ったのは。。。 今でもよく覚えてますよ。
実は、リリースされた1981年じゃないんだよね。1981年当時、大滝詠一氏はまだ聴いてなかった。
出会ったのは、リリースから2年後、1983年の確か暮れだったと思う。
ワタシは当時14才 中2.
あのころ、クラス対抗の合唱コンクールがあって、その練習用にと、誰が持ってきたのか、教室にラジカセがあったのよ。アイワ製の真っ赤なWカセット。
で、本来は合唱コンクール用のカセットを聴くためにあったんだけども、実質は自分たちがダビングしたカセットを持ってきては、休み時間に流してたりしたわけよ。
そんなカセットの中に、この「A Long Vacation」があったんだよな。
持ってきたのは、当時、親友だった「お寺」の息子でさ



お寺の息子が大滝詠一氏・・・・。そのミスマッチングさによく覚えているのよ。
でも、実際聴いてみたら・・・・。 もうね、いっぺんで気に入っちゃった
一番の発見は、「カナリア諸島にて」でしたね。 この曲、リリースされた81年頃に、たしか紅茶のCMで使われていてさ。一発で気に入っちゃったんだ。
♪ 薄く切ったオレンジをアイスティーに浮かべて 海に向いたテラスで ペンだけ滑らす〜 ♪
絵が浮かぶじゃん。 いいなぁ、こういう体験したいなぁ・・・と。
でもさ、それまで誰の曲だか分かんなくて、ずっと探していたんだよね。 そしたらロンバケのこの曲だったんじゃん。
衝撃的だったよなぁ。
で、一もにもなく、その「お寺の息子」の家に遊びに行って、カセットをダビングさせてもらって、まあ、何度も何度も聴きましたね、「A Long Vacation」。
ウォール・オブ・サウンド という音楽にじかに触れたのもこの時が初めてだったんだけど、意外にも死んだオヤジが引っかかっちゃたんだよ、この大滝サウンドに。
オヤジ曰く、なつかしい、未だにこんな音楽やってるやつがいたんだ・・・ってことで。
意外にも古い向こうの音楽が好きで、50'S、60'Sオールディーズをタイムリーに経験していたオヤジにとっては、この60'sぽい、ウォール・オブ・サウンドは、自分の青春時代の音だったらしい。
なるほど、だからなのか、ワタシが初めて聴くのにどこか懐かしいと感じるのは・・・、なんて合点がいってしまったり。。。血は争えないんだよな。
兎も角、それ以降、オヤジの車のカーステの必須アイテムになったことは言うまでもないわけで。。
もし、あの時、お寺の息子が、「A Long Vacation」のカセット持ってこなかったら、大滝氏本人の曲との出会いもずっと後になっていただろうな、きっと。
いや、逆を返せば、それまではそのくらい、大滝氏本人の曲って聴いてなかったのよ。
たしかに、「A Long Vacation」を聴く少し前に、 薬師丸ひろ子さんの「探偵物語」を聴いていたわけだし、それ以前に松田聖子さんの「風立ちぬ」で大滝氏の音楽には接していたはずなのに、どうも、大滝氏本人の曲には触手が動かなかった。
アーティストというよりは、プロデューサー。 そんなイメージが強かったのかもしれないな。
だからね、今回、引っ張ってきた「♡じかけのオレンジ」っていう曲も、当時は全く聴いたことなかった。
ぢゃ、曲の存在を知らなかったのか・・・。 というとさにあらず、じつは、曲の存在自体は知ってたんだよね。
1982年の「ナイアガラトライアングルVol.2」。言わずと知れた、大瀧詠一、佐野元春、杉真理 3氏によるスペシャルユニット。
この「♡じかけのオレンジ」は、このアルバム「ナイアガラトライアングルVol.2」の1曲として収録。アルバムがリリースされた同日、1982年3月21日にシングルカットと言う形でリリースされた曲ですわ。
ちなみに、シングルとしてのこの「♡じかけのオレンジ 」はオリコン最高70位 売り上げ1.8万枚しかなかったけど、、アルバム「ナイアガラトライアングルVol.2」としては、 オリコンLPチャート 最高位2位 売り上げ枚数31.4万枚を記録。
当時のアルバム売上水準を考えると、十分大ヒットの部類だ、
まあ、これじゃシングルは売れなくても当然。 ただ、逆に言えば当時、7インチシングル買ってた方は貴重かもなぁ。今となっては。
1982年当時、音楽情報誌といっても、月刊・明星くらいしか読んでなかったワタシだけど、「明星」の付録の歌本「Young Song」にも、「ナイアガラトライアングルVol.2」特集として、楽譜入りでこの「♡じかけのオレンジ」も掲載されていたからさ。
だから、楽曲の存在だけはリリース当時から知っていたんだよね。
でも、丁度小学校を卒業したばかりの「おこちゃま」には、まだ触手が伸びなかったんだよな。
♪ テキーラの夢のあと〜 ♪ っていう歌詞には、どことなく興味が行ったんだけどね。 うん「テキーラ」っていうアイテムに引っかかったんだよな。
テキーラって、中南米の度が強いお酒っていうのは、どことなく当時から知ってたみたいなんだよね、ワシ。
だから、この曲、そういう中南米のラテン系の曲を、想像していたところはあったな。
で、実際聴いたのは、いつだったんだろ・・・・。 大分後、 大人になってからでしたね。
それまで想像していた曲調と全く違うんで、かなり拍子抜けしたのだけは覚えてる。
ただ、すでに「ロンバケ」とか「Each Time」で、大滝氏の曲を充分理解したうえで聴いたんで、実際聴いたときは何の抵抗もなかった。
なるほどね大滝さんらしい曲だな。 と思いましたね。
・・とともに、「あ、この曲・・・どっかで聴いてたぞ」 と言う感覚もあったんだよな。
1982年春 まだ千葉に引っ越してくる前、福島のいわきに居たころだ。
家から車で20分くらいったところにあったゴルフ練習場の喫茶コーナー。 あそこでレモネード飲んだ時の情景だ。
恐らく日曜日だったと思う。 天気がいい、レモン色の日光が振りそそいだ日曜日の午前中。
・・と一瞬にしてイメージがフラッシュバック。
そうだ、特別に意識はしてなかったんだけど、あの時、有線のBGMで、この曲が流れてたんだ。
だからなのか、この曲タイトルには「オレンジ」と入ってるけど、ワタシの中のイメージは「うすいレモン色」だったりするんだよね。
この後、突然、千葉に引っ越すことになるとは全く思って見ず、 引っ越して来てからの大変な半年が待っていようとは 想像も出来なかった、幸せな日曜日の午前中のひとときだったんだよ。
ヒット当時は意識してなくても、後年きちんと聴いてみると、情景がフラッシュバックしてくる。
ここが音楽のいいところだし、素敵なところなんだよね。
まあ、他にもこういう曲がたまにあったりするんだけどさ、この曲は、そういう曲の中でも特に、はっきり情景がフラッシュバックしてきたんだよなぁ。
・・・ということで、個人的には、なんか忘れられない1曲だったりするんだよね。
Youtubeに動画が落ちてなかったんで、 久々にニコ動にリンク。
いつ消されるかわかんないけど、どうぞ。
ちなみに音が小さいので、ボリュームを上げてどうぞ。