かじやんのヒット曲&チャートレビュー

ヒット曲を聴き続けて40数年! かじやんがお送りする、「今」のヒット曲&ヒットチャートから、「あのころ」のヒット曲&ヒットチャートまで、ヒット曲について幅広くご紹介するブログ。 自主チャートサイト"THE HITCHART NOW AND THEN"の支店ページという位置づけにいたします。

コンサート

筒美京平の世界 in コンサート

もしあの時、あの場所で君に出会わなかったら・・・ 

どっかで聴いたような文章(歌詞?)だよな。。
でも、もし2月、朝日新聞朝刊広告で、このコンサートの広告を見ていなかったら、 もしかしたら、ちょっと展開が変わっていたかもしれない。。。

ザ・ヒット・ソング・メーカー 筒美京平の世界 in コンサート 開催予告の一面ぶち抜き広告。

筒美京平のトリビュートコンサートだけでも凄いと言うのに、出演するアーティストの面々、だけでなく、バッグバンドの面々を見て、びっくらこいてしまった(・・・っていつの時代の表現だ

往年の超一流スタジオミュージシャンの名前がずらり。。 そして、音楽監督 兼指揮は船山基紀氏。

萩田光雄氏と並んで、70年代から80年代の筒美作品にはなくなてはならない、名アレンジャーですわ。

それでいて、チケット代は15,000円也。 

え? ですよ。 この面々を見れば、チケット代30,000円でもおかしくないのに15,000円。

以前、同じ東京国際フォーラムで開催された松本隆トリビュートの時、チケット購入をちょっと考えていたら、売り切れになってしまったという苦い思いをしていた事もあり、「やっべえ広告を見つけてしまった」と思うと同時に、早速「チケットぴあ」からチケット予約をする私が居た。。。。

そんな思いまでして、めちくちゃ楽しみしてもしていたし、 事実、実際のコンサートも素晴らしかったのに、なんでコンサートから3週間近く、ライブレビュー書いていなかったのか

これだけのコンサートでしたからね、デレビ・ラジオなど各メディアでもかなり取り上げられていたし、twitterなどのSNSでもかなり書かれていたんで、ちょっと躊躇していたとのうのが表向きな理由ではあるんだけども、本音を言えば、素晴らしいコンサートであったがゆえに、少し冷却期間を設けて、冷静にコンサートを再度見つめながら書こうと思ったからなんだよね。

鉄は熱いうちに打てとも言うし、ライブ終わりすぐに書けば臨場感も伝わるような内容も書けたかもしれないけど、歴史的なコンサートであったからこそ、ここは冷静に書きたいなと思ったのが実際のところでしたかね。
ちょっと冷静になって、もう一度、頭の中で整理して書こうかと。。。

ぢゃ、ここに来て書いているということは、頭の中整理できたの? と言われれば、正直、まだ整理しきれていないんだけども、あんまり時間置きすぎるとコンサート内容忘れそうなんで、このタイミングで書いてみたいと思います。




4/17(土) 16時過ぎ。 会場の東京国際フォーラム ホールA到着。 


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すでに人であふれている。さすがに年齢層はシニアの方々ばかり。ワタシよりも年上と思しき方が大半。 
行き慣れている野外ロックフェスとは全く客層が異なる。 いや、昨年の斉藤由貴さんのデビュー35周年コンサートとも、だいぶ異なるな。 あの時も年齢層は上だったけど、一見して私と同じくらいの年齢層と思えた。けど、今回はワタシよりも年上と思える方が大半ですね。
さすがは1960年代から音楽界を引っ張ってきた巨匠だけはある。 まあ、チケット代が15,000円ってのもありますかね。 個人的には安いと思ったけど、若い方には早々手が出そうもない金額とも思えるし。

コロナ対策ということで、出入り口は一か所に集約。 これにより、一か所の入り口に列ができる。
密状態。 大丈夫か ・・・少し心配になる。 
しかも外に向かって長い列が・・・・。 おまけに雨まで降ってきた。。 東京駅と直接つながっている国際フォーラムなんで外に並ばされるとは思っても見ず、傘持ってきてなかったのよ。泣きっ面に蜂。

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ただ、待たされることは少なく すぐに会場内に入ることが出来た。

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まずは公式サイトで確認していた、パンフレットを一部購入。なるほど、前評判通りに中身が濃いパンフレットだ。

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ちなみに、このパンフレット。ヤフオクでは現在も定価よりも高値で取引されている。まあ、一時よりは大分落ち着いてきたけども。。

指定された席に着く。 1F15列35番。

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事前に確認していた通り、舞台に対して「ど真ん中」。 前から15列ということで目の前が舞台・・と感じるような近さ。
さすがに予約開始直後にチケットを購入しただけあった。 こんな絶好の位置でのライブ鑑賞なんぞ、いままで味わったことないですわ。

ただ、コンサート開始後改めて気が付いたんだけども、 音の「芯」が頭の上をかすめて行くんだよね。後ろを振り向いてみれば、6列後ろに「PA」ブースがあった。

ライブでは「PA」を中心に音響設定をしているわけで、「PA」の位置から聴くのが一番音がいい・・・というのはライブの常識。 つまりさ6列後ろが一番音が良かったんだよね。
行き来自由の野外ライブでは、極力PA前に陣取るワタシだけど指定席のコンサートは運しだい。
しゃーない・・・と言うか、欲を出せばキリがない。。。
前から15列、しかも舞台に向かって「ど真ん中」なんて、早々当たらないわけで・・・と自分に言い聞かせて納得。

もう一点予想外だったのは、コロナ対策ということで、当然、座席は一つずつ開けての使用だと思っていた。昨年11月の「斉藤由貴35周年コンサート」の時もそうだったし。
東京国際フォーラムホールAの座席数は5000。 コロナ対策として当然前売りは1日当たり2500程度かと思ったんだよね。だから、すぐに売り切れ必至と思って販売直後にチケット予約を入れたということもあったんだけども。。。
でも、いざ会場に入ってみると、1つ飛ばしではなく全席使用であった。 
これは考えてなかった。コロナ対策として、大丈夫なんだろうか・・という一抹の不安も感じたのは本音のところですね。

でもまあ、考えてみればこれも苦肉の策ではあったんだろうね。 
なんせ、超一流のアーティスト、 超一流のバックバンド、 それでいて、チケット代が15,000円では、もしかすると5000人超満員でも儲けは出ないかもしれない。1つ飛ばしの2500ではとても開催できない・・というのは、冷静に考えればそうなんだろう。

だから「まん延防止」期間である17、18日開催でよかったのかもしれない。
これが1週遅く、「緊急事態宣言」が決まってからだったら、5000人規模のイベントなぞ開催できなかったと思う。


兎も角も・・・・。

17時。開演 さあ、いよいよ夢の世界へ

本来なら、1曲1曲細かく解説込みの感想を書くべきところなんだろうけど、SNSを読んでると、みんな1曲1曲細かい感想や解説を書いてたりするんでね。
私はあえて1曲ずつ細かい感想は割愛しようかと・・・・。その代わり総論的に、個人的に感じたことを書いていこうと思いまする。

まず、兎に角、音がいいんだよね。 まあ、「生」のライブでの音が、昨年11月の「斉藤由貴35周年コンサート」以来5か月ぶりということもあったのかもしれない。
でも、それを差し引いても素晴らしいものだった。 さすがに超一流のスタジオミュージシャンの面々ですわ。 どの曲もグルーヴ感が素晴らしい。

それと、音楽監督の船山氏が公言していた通り、レコードを忠実にアレンジということだったんだよね。
ワタシ、いちいち、指でカウントとりながら聴いていたんだけども、アレンジだけでなく、音の「間」や呼吸がレコード音源そのものなんですよね。 これは凄いと思った。

個人的には、1曲1曲かなり聴き込んだ曲ばかりだったんで、どの曲もどのタイミングで、どういう音が入ってくるというのは体にしみ込んだ曲ばかりだった。レコードを聴いてるのと、ほとんどジャストのタイミングで、音が入り込んでくる。
一流アーティストはやっぱり違うんだよね、と言うのをまざまざと感じてしまった。これだけでもチケット代払った価値があったなと感じましたね。

一流ミュージシャンの「本気」のセッションに、アーティスト側も本気でしたね。
いや、まさか、遊びでステージを行うアーティストは居ないと思いますが、バックがバックだけに、アーティスト側の本気度も違う。

いや、バックの演奏クオリティだけでなく、どの曲も「オリジナルキー」で演奏されたのも、アーティストを本気にさせたのかもしれない。

少し前に、小泉今日子さんの配信ライブで、どの曲もオリジナルキーで歌っていた。
そればかりでなく、昨年の斉藤由貴さんの35周年ライブも、全曲オリジナルキーで歌っていた。
 通常経年でアーティスト側も声のキーは変わってくるはずで、だから、リリースから時間が経っている曲はキーを下げることが普通。

でも、最近の傾向では↑で書いたように、昔の曲でもオリジナルキーで歌うアーティストが増えてきている。
先日配信リリースされた松田聖子さんの「青い珊瑚礁」だってオリジナルキーだったしね。かなり頑張って出していたように感じるけど。

そんなこともあって、今回の「筒美京平の世界 in コンサート」でも、全曲オリジナルキーでやるのかどうかと言うのも、見どころの一つだったのよ。

まあ、個人的にだけど・・・・。

やっぱりさ、聴いてるこちらとしてはリリース当時のイメージを崩したくないという思いが強いわけじゃん。
でも、そこでキーを下げちゃったりされると、なんだかなぁ・・・なんて残念な気分になっちゃうわけですよ。

結果的には、今回のコンサート実質、全曲オリジナルキーでの演奏だった。 
で、分かったことは、オリジナルキーでやるってことはアーティストにとっても奮起材料になるんじゃないかってこと。
最近、ライブでの演るときにオリジナルキーでプレイが多い理由も分かりますね。

これに加えて、一流のバックバンドによる一流の演奏。 これがさらに各アーティストの本気度を高め、素晴らしいグルーブ感を生んだんではなかったか・・ということ。これは大いに感じましたね。

なによりも、それぞれの曲は、オリジナルキーでの演奏が一番引き立つようにチューニングされているんだよね。 それは今回のコンサートで一番感じたことですね。


今回のコンサートでこれは・・と思ったアーティスト。
NOKKOさんなんかは凄かった。声質は全盛期のレベッカ時代から比べると細かったけど、声の伸びは全盛期を思わせるほどだった。

野口五郎氏も歌唱力と言う点では本気度感じた。文句なしに素晴らしかったな。

そうそう、当初、ホントに声が出るんだろうか・・・と危惧していた松本伊代さんが、結構ちゃんと歌っていたのにも、ちょっと驚きではあったな。

でも、考えてみれば、松本伊代、早見優、森口博子の三人で、今もちょくちょくコンサート開いてるんだよな。いわば「現役」で歌っているってこと、ずっかり忘れていたわ。


逆にオリジナルキーだったからこそ、苦しいなぁ・・・と思えるアーティストも見られたんだけども。

麻丘めぐみさん、ジュディ・オングさんはそんな感じに映りましたね。

いや、現役というならば、麻丘めぐみさんも、「夢」グループのコンサートで今もちょくちょく歌っているはず。
どうなんだろう? 他のステージでは原曲キーでは歌っていないのかしらん? 良くわからないけど、でも、原曲キーだった、このステージではちょっと厳しかったですね。

心配だった点と言えば、C-C-Bのリュウ氏は、少し前NHKで放送された筒美氏の追悼番組で体調が悪そうだったんで、大丈夫か? なんて思っていたんだけども、今回のコンサートでの全盛期同様のドラムプレイと、ドラムを叩きながらの歌唱を見せてくれ、心配を払しょくしてくれましたね。

個人的に一番感激したのは、公式サイトに事前に公表されていなかった曲も聴けたことかなぁ。
公式サイトでは「and more」になっていた曲ですね。

その「and more」の曲が悉く、個人的なツボにはまったりして。

・麻丘めぐみさん 「私の彼は左きき」
・太田裕美さん 「九月の雨」
・庄野真代さん 「モンテカルロで乾杯」
・野口五郎氏 「グッドラック」
・郷ひろみ氏 「裸のビーナス」

まさか、これらの曲が聴けるとは思っても見てなかったし。

特に庄野真代さんの「モンテカルロで乾杯」なんて、まったく予想もしていなかった。

太田裕美さん、郷ひろみ氏は、もしかしたら数曲、歌うのかな・・と言う予想もしなかったわけではないけど、庄野真代さんは、全然予想もしていなかったから。

そもそも「モンテカルロ〜」なんて、今からすれば、「死角」に入っているようにも思えるしさ。
何分、庄野真代さんと言ったら「飛んでイスタンブール」のインパクトがデカいですからね。

私としても、ヒット曲の世界には足を踏み入れた丁度、そのころのヒットだったんで、
期せずしてきけて「生」歌に、感激もひとしおだったな。

これ、野口五郎氏の「グッド・ラック」にも同じことが言えるんだけどさ。

コンサート全体を通して感じたのは、、今回のコンサートを一言でまとめれば「1978」というキーワードだったかな・・・と。

そう、1978年のヒット曲の割合が多かったんじゃないかと・・・。

・東京ららばい 
・リップスティック
・青い地平線
・グッド・ラック 
・時代遅れの恋人たち
・海を抱きしめて 
・たそがれマイ・ラブ
・飛んでイスタンブール
・モンテカルロで乾杯 

アンコールを含めて全42曲中、9曲が1978年のヒット曲だった。特に「グッドラック」から「モンテカルロで乾杯」まで6曲続けて1978年のヒットだったし。

偶然だったのかもしれないけど、やっぱり1978年と言う年は筒美京平氏にとっても特別な年だったんだろうね。
世間一般的には「ザ・ベストテン」が始まり、1970年代アイドルが成熟し、ニューミュージックが台頭した年。 そんなヒット曲界としては、ものすごく中身が濃い年であり、アイドル、ニューミュージック問わず、ジャンルを超えた幅広いアーティストに、文字通り大車輪の活躍だった年でもあったわけですわ。

ただ、逆に言えば、筒美氏の第2の黄金期ともいえる1980年代の曲は、やや層が薄かったんじゃないかな・・・というキライも感じたなぁ。

まあ、確かにC-C-Bの「Romantic〜」や松本伊代さん「センチメンタルジャーニー」、早見優さん「夏色のナンシー」、斉藤由貴さん「卒業」、トシちゃん「抱きしめてTONIGHT」などの、筒美氏の80年代の「代表曲」と言える曲は聴けた。

でも、「スニーカーぶる〜す」をはじめマッチの一連の筒美作品は聴けなかったし、船山基紀氏の代表アレンジ曲ともいえる少年隊の「仮面舞踏会」も聴けなかった。

筒美氏作曲、船山氏アレンジということで言えば榊原郁恵さんの「ロボット」や、沖田浩之氏の「E気持」、柏原芳恵さんの「ト・レ・モ・ロ」なども聴けなかった。

音楽監督が船山氏ということであれば、当然この辺の曲もやるんじゃないか・・という思いもあっただけに、これらの曲がセットリストから漏れたことはちょっと意外でしたね。

それらを含めて、今回のコンサートは1980年代が少し手薄だったような印象があるな。

でも、今回やらなかったってことは、もしかして、今回聴けなかった曲を含め1980年代中心の「筒美京平の世界コンサートVOL.2」も視野に入れているんでしょうかねぇ。

今回のコンサートの出発点は、「ブルー・ライト・ヨコハマ」だったけど、それ以前のヴィレッジ・シンガーズやジャガーズ、オックスなどのG.Sの曲も1曲もやらなかったし。
今後はそれらG.Sの曲中心のコンサートも考えられる。

そう考えると、第2弾、第3弾・・というのも期待できる・・いやいや、期待したくなるんですよね。

それだけ筒美氏のヒット曲は膨大だし、今回のコンサートで終わらせるのはいかにも勿体ない。
コロナ対策としての席の売り方など考えてほしい点はあったものの、是非とも第2弾、第3弾と続けてほしい、そう思わずにはいられないコンサートでしたわ。


蛇足。先日のマッチのジャニーズ退所。 これで先にジャニーズから抜けていたトシとのジョイントがかえってし易くなったんじゃないですかね。
もし、第2弾があったなら、80年代の旗手でもあるマッチ、トシ中心でやってほしい。
今回の、郷ひろみ氏、野口五郎氏という新御三家の二人がジョイントしたように。
期待は膨らむんだけどね。

しかしさ、野口五郎、郷ひろみという二人の大物が、今のこの時代に同じステージにいるとはね。奇跡に近いですよね。これで西城秀樹氏が居い新御三家がそろい踏みだったら、さぞかし盛り上がったろうなぁ・・・。筒美氏は新御三家三人とも曲提供してましたからね。



●筒美京平の世界 in コンサート 4/17セットリスト
▽第1部
1.
ブルー・ライト・ヨコハマ (原曲:いしだあゆみ)/伊東ゆかり 1969年
2.
誰も知らない / 伊東ゆかり 1971年
3.
雨がやんだら (原曲:朝丘雪路)   /夏木マリ 1971年
4.
真夏の出来事 / 平山三紀 1971年
5.
芽ばえ / 麻丘めぐみ 1972年
6. わたしの彼は左きき / 麻丘めぐみ 1973年
7. 赤い風船 / 浅田美代子 1973年
8. にがい涙 (原曲:Three Degrees) /AMAZONS 1974年
9. セクシー・バス・ストップ (原曲:浅野ゆう子)  / 野宮真貴 1976年
10. 木綿のハンカチーフ / 太田裕美 1975年
11. 九月の雨 / 太田裕美 1977年
12. 東京ららばい (原曲:中原理恵) / 森口博子 1978年
13. リップスティック (原曲:桜田淳子) / 森口博子 1978年
14. 青い地平線  / ブレッド & バター 1978年
15. 哀愁トゥナイト (原曲:桑名正博) / 大友康平 1977年
16. セクシャルバイオレットNo.1 (原曲:桑名正博) / 大友康平 1979年
17. ドラマティック・レイン / 稲垣潤一 1982年
18. センチメンタル・ジャーニー / 松本伊代 1981年
19 夏色のナンシー / 早見優 1983年
20. あなたを・もっと・知りたくて (原曲:薬師丸ひろ子) / 武藤彩未 1985年
21. 卒業 / 斉藤由貴 1985年
休憩20分 
▽第2部
22. Romanticが止まらない / C-C-B 1985年
23. Lucky Chanceをもう一度  / C-C-B 1985年
24. WAKU WAKUさせて(原曲:中山美穂) / AMAZONS 1986年
25. Oneway Generation(原曲:本田美奈子) / Little Black Dress 1987年
26. 抱きしめてTONIGHT(原曲:田原俊彦) / 藤井隆 1988年
27. 人魚 / NOKKO 1994年
28. AMBITIOUS JAPAN! (原曲:TOKIO) / ROLLY 2003年
29. 17才 (原曲:南沙織/森高千里) / 松本伊代, 早見優, 森口博子, 武藤彩未 1971年
30. 男の子女の子 / 郷ひろみ 1972年
31. よろしく哀愁  / 郷ひろみ 1974年
32. 甘い生活 / 野口五郎 1974年
33. グッド・ラック / 野口五郎 1978年
34. 時代遅れの恋人たち / 中村雅俊 1978年
35. 海を抱きしめて  / 中村雅俊 1978年 (「時代遅れの恋人たち」c/w)
36. たそがれマイ・ラブ / 大橋純子 1978年
37. 飛んでイスタンブール / 庄野真代 1978年
38. モンテカルロで乾杯  / 庄野真代 1978年
39. さらば恋人(原曲:堺正章) / 松崎しげる 1971年
40. 魅せられて / ジュディ・オング 1979年
アンコール
40. 雨だれ / 太田裕美 1974年
41. 裸のビーナス / 郷ひろみ 1973年
42. また逢う日まで (原曲:尾崎紀世彦) / 松崎しげる +全員でコーラス(原曲キー+1) 1971年


▼バックバンドメンバー
Co :  船山基紀
G : 土方隆行、増崎孝司
A.G :  吉川忠英
B :  高水健司
Dr :   山木秀夫
Key :  中西康晴、安部潤
Per  :  斉藤ノヴ
Tp :  ルイス・バジェ、竹内悠馬
Tb  : 鍵和田道男
Sax :  アンディ・ウルフ
Str  : 石亀協子Strings
Cho :  AMAZONS


  

斉藤由貴35th anniversary concert THANKSGIVING

コロナ禍真っ只中のご時世、今年はまだ一度もライブへ参戦してなかったのよね。
参戦以前に、そもそもリアルライブ自体自粛政策がとられ、長い事開催されていなかったわけだし。
その間、「代替え」としてオンラインライブが盛り上がってきているわけで、ワタシも、これまでオンラインライブは何回か参戦してみた。

たしかに、これまでのライブには無い視点からライブを見ることでき、それなり臨場感を体験することができる。なにより、チケット代の安さと、チケット完売の心配がないため見たいアーティストのライブをほぼ「確実」に見ることができるのは魅力的だ。

そんなことで初めは手放しに絶賛していたし、新しいライブのスタイルとして今後も発展していくと思う。

ただね・・・。

やっぱりなんか物足りないんだよね。どうなんでしょうねぇ、距離感と言うか、一体感と言うか・・・。「リアル」ライブならではの、あの高揚感、独特な雰囲気ですわな。 あれは、リアルにライブ会場に足を運ばなきゃ味わえない。

ただ、ここにきて、各種イベントの再開、ライブツアー再開が増えつつある。
それとともに、「ライブ会場のあの高揚感・・そろそろ味わいたいっ!」、ワタシの中のライブ熱がムクッ!

そんな折、たまたまニッポン放送を聞いてた時に流れた、「斉藤由貴35周年コンサート」のCM。
初めは「ふーん」と言うくらいだったけど、「シングル中心でやります」っていう一言に引っかかってしまった。

気が付いたときには、チケットぴあに申し込んでいる私が居たり。。。

正直、斉藤由貴さんのコンサートは、「現役」のアイドル時代を含め、一度も見たことない。
たださ、ここの所「ビルボートライブ」などの大人向けのライブハウスでたまにライブを開いており、告知を見ては、ちょっと興味をもったりしていた。
料金も9000円近く取ったり、なかなかの「高額」であるのにも目が付いていたんだけども。
今回のライブも10,000円と決して安くない。それでも、シングル中心で行くという事ならば、高くはないかな・・とも思えたのよね。

なにより「ビルボードライブ」でライブを開くということは、少なからず「大人の雰囲気」のライブになるはずだ。
アイドル現役の頃のようなバリバリ親衛隊コールに紙テープが飛び交ういわいる80年型アイドルのコンサートではないはず。(というか、そんなコンサート今でもあるのか? だけど・・・)

・・ということは、こんなコロナ禍でもゆっくり唄を聴けるライブになるんじゃないか、久々のリアルライブの「リハビリ」にはちょうどいいんじゃないか・・という思いもあったりしてね。


11月14日(土) 3日間のライブの最終日。

コロナ禍でのオンラインワーク勤務といえど、平日参戦はやや気が引ける・・ということで、休日の最終日をチョイス。

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場所は池袋の「東京建物ブリリアホール」。 初めての「ハコ」ですわ。

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指定された席は3階D29番。 舞台に向かってほぼ真下に見下ろす角度だけど、ライブ開催間際にチケットとったんでしょうがない。
コロナ禍対策として席はひとつ飛ばし。なので、実質席の埋まり具合は半分なんだけども、それでもほぼ満席状態。うーむ、リアルライブを待っていた方は、多いようだね。
この日は、同時にネット配信も行われたハイブリット型ライブであり、舞台下には、配信用のカメラと、撮影用のレールが敷かれている。
ただ、最近はDVDリリース用のカメラが入っていることも多く、ライブ会場にカメラが入っていることに違和感はない。どちらかと言えば当たり前の光景ですね。

周りを見渡せば、50代と思しき男性がほとんど。同世代やね。 まあ、当たり前と言えば当たり前か。
でも、ライブ中に斉藤さんがMCで呼びかけたところ、20代っていう方もチラホラ。
この反応に斉藤さんもびっくりしていたけど、昨今の若いコへの「昭和歌謡ブーム」を考えば、不思議ではないですかね。
ただ20代で10,000円のコンサートへの参戦。ワタシが20代の頃は、清水の舞台から飛び降りても考えられなかったけどなぁ。 最近の若いコはお金をかけてもライブに参戦するコいるんだなぁ。

15時ちょうど。ライブスタート。
ライブで5分、10分スタートが遅れることは普通にあることだけど、1分も狂わず、15時ちょうどのスタートにはちょっと驚いた。これも配信を考慮してのことですかね。

いきなりニッポン放送「斉藤由貴、猫の手も借りたい」をモチーフにした朗読からスタート。
まあ、ニッポン放送後援ならではの演出でありますね。
そんな「斉藤由貴、猫の手も借りたい」、ワタシも聴いてたような。 と言っても自分の車を持った20代の頃、番組の最終盤あたりカーラジオで聴いてたんだ。でも10年近くも続いた番組だけあって、同世代にとっては懐かしい番組だろう。

ちょっと気になったのは、デビュー間もなくから通ったニッポン放送、 土曜日夕方からのこの番組。デビューしたてで、行くところ行くところで気を使っていたあの頃、唯一ホッとできる番組だったと語っていたけど・・・。

調べてみたら、「猫の手も借りたい」の前に「斉藤由貴 見えますか?青春輝き色」っていう番組やってたんですよね。同じ土曜日のニッポン放送で。
なので、デビュー直後・・・っていうのは、「猫の手も借りたい」ではなく「見えますか?青春輝き色」ぢゃないのかなぁ・・・なんて思ってしまった私だったり。。。
まあ、どうでもいいことではあるんですが…。

ラジオ番組をモチーフにした朗読につづき、デビュー曲「卒業」のイントロが流れる。
丁度、中学校卒業と同時に大ヒットしたこの曲。 どうしても思い入れが大きくなってしまう。
あれから35年、果たして当時のような声が出るんだろうか・・というのは危惧したくなってしまうが、杞憂だった。
それどころか、キーが当時のまんま。 いや、この曲だけでなく、この日のセットリストで歌った曲はすべて、オリジナルキーのまんま。 これは、ちょっとビックリしましたね。
35年も経てば、普通、キーも下がるもんですぜ。 もっとも、そこにがっかり感を感じてしまったりするんだけども。。。

「卒業」につづき、3rdシングル「初戀」、4thシングル「情熱」と、先日お亡くなりになった筒美京平3部作。
「情熱」が主題歌となった、初主演映画「雪の断章-情熱-」で監督の相米慎二氏にしごかれた事、ゴミのように扱われた話に花が咲く。
それ以上にやはり、斉藤由貴さんにとってもデビュー時の筒美作品には思い入れが強いんだろうか。 筒美さんの曲を歌う時は今でも緊張してしまう。力が入ってしまうとのコメント。

この時、デビュー曲の「卒業」を筒美京平さんが作曲した時のデモテープを当時のレコーディングディレクターだった長岡和弘氏がもっていたということで、このデモテープを会場に流す。

昨年、編曲家の船山基紀氏のトークライブの際にも話が出た、クリック音に続いて始まる打ち込みベースのデモテープのクオリティの高さにビックリ。リズム体もすでに出来上がっているし。
何と言っても、学校のチャイム音を模した、あのイントロ出だしのあのフレーズが、筒美さんのデモの段階ですでにあったんだ・・というのが驚きでした。

まあ、このことは「ニッポンの編曲家」と言う本でもアレンジャーの武部聡志氏も薄く語っているし、16日のテレビ朝日「関ジャム」の「筒美京平特集」で武部氏本人からも直に証言があったんで、見た方も多いと思うけど、実際のデモテープが聴けたのはライブに行った人の特権でしたね。
この部分だけでも10,000円のライブ代の価値があったなぁ。 少なくとも私にとっては。

でも、思うにそうやって筒美氏自ら完成度の高いデモを作って、当時目をかけた若手アレンジャーを育ててたのかもなぁ・・と思いましたね。武部氏も「卒業」当時はまだまだ駆け出しでしたからね。


筒美京平氏のコーナーに続いてては、谷山浩子さんの作詞曲コーナー。
筒美さんの曲から解放され、ここから自由にできると語る由貴さん。

小ネタを含めた「土曜日のタマネギ」。なるほど開放感がでてきた。 そしてシングルとなった「MAY」。 うん、私にとっての1986年だ。 このイメージ。
斉藤さんがよくやってたポニーテール姿によく似てたあの子を好きだった1986年。
あの頃のイメージ「土曜日のタマネギ」とか「MAY」で歌われているイメージそのものだ。

どうでもいいけど、「MAY」のテレビバージョンは、なぜに2番から始まるんだろう? なんてくだらないことを考えてしまうけど、さすがにこの話までは出てきませんでしたね。

そして、最後は「数少ないアップテンポ」の曲です。というMCを挟さみ、「砂の城」をはじめとしたアップチューンコーナーで締め。

アンコールを含め17曲のセットリストは、サザンの20数曲、3時間越えのライブを体験している身からするとちょっと、物足りなさもあったりするけど、リアルライブの「リハビリ」と考えると、丁度良かったかもしれない。

ただ、心残りだったのは、確かに「シングル」中心のセットリストではあったけど、「白い炎」、「青空のかけら」が聴けなかったこと。

この日のゲストコーナーは上白石萌歌だったけど、前日が武部聡志氏、初日が「白い炎」を作詞した、森雪之丞氏と、3日間とも違うゲストだったんですよね。もしかすると「白い炎」は初日、森雪之丞氏がゲストの時やったのかもしれないけど。。。
それと、↑で書いた筒美京平さんのデモテープも、3日間とも違った曲を披露したみたいで。
そんな感じで、3日間で異なる演出の部分あったみたいで、斉藤さんMCが大変だったみたいですね。
訳が分かんなくなったところがあったのか、ところどころMCに詰まったところがあったりして。。。

それを差し置いても「青空のかけら」は個人的には聴きたかったですねぇ。 タップダンスを踏む斉藤さんなんて一番斉藤さんらしくないけど、曲は斉藤さんらしくて、個人的には好きだったんだよなぁ。

そんな残念な部分はありましたが、総括するとアットホームなライブでしたわ。
80年代アイドルの今の姿を体験するライブも悪くない。 そう思えるライブでしたね。



斉藤由貴35th anniversary concert THANKSGIVING 11月14日セットリスト

〜朗読〜
1. 卒業    (1985年 1st シングル)
2.あなたの声を聞いた夜  (1986年 3rdアルバム「チャイム」より)
3.初戀   (1985年 3rd シングル) 
4.情熱   (1985年 4th シングル)
5.土曜日のタマネギ  (1986年 6th シングル ※12インチシングル)
6.Doll House  (1989年 8thアルバム「age」より)
7.MAY  (1986年 8th シングル)
8.少女時代(with  上白石萌歌)    (1988年 6thアルバム「PANT」より)
9.ナラタージュ(上白石萌歌)
10.なぜ  (1994年 14thシングル)
11.AXIA〜かなしいことり〜  (1985年 1stアルバム「AXIA」より)
12.予感  (1986年 3rdアルバム「チャイム」より)
13.砂の城  (1987年 9thシングル)
14.悲しみよこんにちは  (1986年 5thシングル)
15.夢の中へ  (1989年 12thシングル)

アンコール
1.Moon Waltz〜月の輪舞〜  (1991年 10thアルバム「LOVE」より)
2.THANKS!   (1988年 6thアルバム「PANT」より)



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かじやん