1980_11_風は秋色_松田聖子






今回の1曲セレクトは、「風は秋色」松田聖子です。

 まずはデータです。

・タイトル    風は秋色
・アーティスト  松田聖子
・作詞      三浦徳子
・作曲      小田裕一郎
・編曲      信田かずお
・リリース日   1980年10月1日
・発売元     CBSソニー
・オリコン最高位 1位
・売上げ枚数   79.6万枚
・THE HITCHART HOT30最高位 1位
・ベストテンランクイン期間:1980年10月13日〜12月29日付
・タイアップ:資生堂「エクボ ミルキィフレッシュ」CM曲

 最近、やたらと松田聖子書いてるな・・・・。とお思いの方、お許しくだされ。
 いやいや、この時期って、松田聖子って毎年のようにリリースしてきてるんだよね。
・・・で、今まで、書いてなかったもんで、曲が溜まっちゃってまして。。。あせあせ


・・・ということで、今回は、デビューした1980年の「秋」の曲です。

 「風は秋色」

 正直言って、この曲、「青い珊瑚礁」の焼き直しだよねあせあせ

・・・って思いませんでした?

 いや、あのころ、周りの大人の人は、みんなそんなこと言ってたような気がする。
 当時、ガキだった私でさえ、あざといな・・・と思ったもの。どう、聴いても、「青い珊瑚礁」の続編としか、思えなかったの。

 なんか、そういうやり方に、ガキなりにちょっと嫌悪感を感じたりしてさ。
 まあ、と、いっても、ガキの頃だからね。何回も聴いてるうちに好きになってたりして。。。まだ、移り気が早かったのよ。 よく言えば、柔軟性があったっていうかな。

 でもさ、いま、客観的に考えれば、これは、完全に戦略だよね。
 前も書いたけど、当時は「大ヒットしたら3曲目までは、同じ路線で行く」っていう、暗黙の不文律のようなもんが、業界にはあったんだよね。

 それを忠実に守ったのが、松田聖子・・・っちゅうわけですわ。
 ただ、これほど「型」にはまったのも、恐らく、今に至るまで、松田聖子だけじゃないかなぁ。

 つまりさ、1曲ごとに売上げを上げたってこと。

・裸足の季節  28.2万枚  最高12位
・青い珊瑚礁  60.2万枚  最高 2位
・風は秋色   79.6万枚  最高 1位

・・・・と、まさに右肩あがり〜・・・の売れ方を見せてきていて、売り上げとしては、この曲が「第1期」目の頂点だったんだよね。

 これも、松田聖子の人気、実力の賜物って言うんですかねぇ・・・。
当時、河合奈保子派だったワタシも、こればかりは認めなきゃなんないところだったもんなぁ。

 オリコンでは、この曲は、初登場1位を飾ったわけだけど、これ以後24作連続1位獲得・・・という、80年代としては空前絶後の偉業を成し遂げることになる。その先駆けとなった曲でもありますね。

 ただ、この曲を最後に、作曲の小田裕一郎氏をスッパリ切って、数あるニューミュージックシンガーからの曲提供を受けるようになる・・・っていうのは、このヒトのスタッフのしたたかな所だよね。

 それまで、考え付かなかったと思うもの。アイドルにニューミュージックのアーティストからの曲提供を長期にわたって受けるって言う発想は。

 うん、単発ではあったんですよ。例えば、吉田拓郎氏から曲提供を受けてたキャンディーズや石野真子、さだまさしや谷村新司から曲提供をうけた山口百恵・・・など。

 でも、長期にわたって連続して、ニューミュージックの大物たちから曲提供を受けてたのは松田聖子ぐらいなもんでしたからね。

 ちなみに、松田聖子側からのオファーを断り続けたアーティストは、小田和正ぐらいなものと言われてますね。いまだったら、書いちゃうんだろうな。。。なんせKAT-TUNに書いちゃうくらいだから。。。


 まえ、菊池桃子が、戦略的に「大学生が小脇に抱えてても恥ずかしくないアルバム作り」って書いたけど、それを先んじて実践したのは、実は松田聖子なんですよね。

 コンセプトとして、大学生がカーステレオでかけても恥ずかしくない楽曲作り・・・っていう大前提が、この「風は秋色」を含んだ、2ndアルバム「North Wind」から始まってましたからね。

 うん、まあ、本人は、次の「チェリーブラッサム」(財津和夫 作曲)は、最初の頃、歌うのもいやだったくらいキライだったらしいけど。

 それでも、本人の「好き嫌い」を押し切っても、アーティストコンセプトを押し切ったスタッフは、シタタカだと思うねぇ。

 考えて見れば、この辺から、楽曲の時代から、アーティストそのものの人気を大事にする、「アーティストの時代」が始まったような気もする。

 ただ、まだ、このころは、ヒット曲は世代を越えた「共有物」であり、チャート自体に「重み」があった時代だったから、その辺には気がついてなかったんだよね。
 
 まだ、主導権は「作り手」側のほうが一歩進んでた・・・っていう時代だったのかなぁ。今考えると。



それにしても、すげぇ斬り方だな、いきなり1番から2番に歌詞が飛んでるぞ〜。


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