今回の1曲セレクトは、「想い出の樹の下で」岩崎宏美です。
まずはデータです。
・タイトル 想い出の樹の下で
・アーティスト 岩崎宏美
・作詞 阿久悠
・作曲 筒美京平
・編曲 筒美京平
・リリース日 1977年1月25日
・発売元 ビクター
・オリコン最高位 7位
・売上げ枚数 23.3万枚
・THE HITCHART HOT30最高位 9位
・ベストテンランクイン期間:1977年2月14日〜3月14日付
またまた、久々の1曲セレクトです。
・・・って、前回はここから長々とマクラを書いちゃったんだよな。



なので今回は、すんなり本題に入りますぞ。
さてさて、今回引っ張ってきた曲は、岩崎宏美さん、1977年1月にリリースされた8枚目のシングル
想い出の樹の下で
この曲さあ、いっつもヒット時期間違えるんだよな。
曲の内容からして、卒業、新たな旅立ちを想像させるし、曲調からも「春」を連想させるんで、3月頃のヒットだとばっかり思ってたのよ。
でも、実際は、リリースが1月で、ヒットのピークは2月なんだよね。
曲のイメージからすると、実際は1か月ほど早い。 で、3月の今頃はヒットのピークは過ぎて下降線に入ってた頃なのよ。
だから、いっつも書く時期を逸するんだよな。
まあ、今回もややヒット時期からすると、ずれ気味ではあるけど、ここで書いとかないと、また書く時期を逸するんじゃないかと思いーの、ひっぱってきちゃいました。。。
個人的に、この曲嫌いじゃないんですよ。 むしろ、宏美さんの初期の曲の中では好きな曲の部類なんだよな。
この曲も、デビュー以来携わってきていた、筒美京平氏の作曲だけど、明らかにここまでの曲とはサウンドが違ってたからさ。
モノの本では、初期の宏美さんの曲は、ディスコサウンドと言われる。まあ、これは、当の筒美氏も公言しているから間違いないところなんだけども。
そそそディスコといっても、70年代終盤のサタデーナイトフィーバーではなく、バンプを経た後の、フィラデルフィアサウンドがベースとなったディスコですね。ヴァンマッコイの「ザ・ハッスル」などの黒っぽいサウンドのディスコ。
榊ひろと氏の「筒美京平ヒットストーリー1967-1998」によると、これらのディスコサウンドがベースとなっているが、うわもののストリングスなどは、それまでの歌謡曲を踏襲した・・とある。
そそそ、だから、ぱっと聴きは、それまでの70年代のヒットポップスと大きくは変わらないんだよね。
でも、リズム体は明らかにそれまでのポップスとは一線を画す。それを榊氏は「過渡期」と書いてるけど、まさにそんな感じですね。
いつかも書いたけど、70年代って前半と後半では、サウンドが全然違うって書いたことがあったけど、宏美さんの初期の一連のヒットって、まさにそんな時代の変革期真っ只中の時期のヒットなんだよね。
ただ、個人的には、大ゼッサンしたくなるほどではなかった。まあ、もともと70年代中期のディスコサウンドって、大得意ってわけじゃないからなぁ。
たしかに、大ヒットの「ロマンス」は別格だけども、その他の初期のヒットはそれほど引っかかってこなかったんだよね。
でも、この曲では、ディスコから、ソウルへ、本格的なフィリーソウルを見せてくれたじゃん。 それが良かった。
いや、個人的には、フィラデルフィア・ソウルのほうが、ディスコよりも全然好きだったから。
あ、これは、子供頃から。
透明感のあるストリングスに、キラキラとしたブラスが絡まってくる。
ヴァンマッコイのディスコサウンドは、黒っぽさが際立っていたけど、ソウルになると、黒っぽさは薄れ、もっと洗練されたサウンドに昇華してくるというかさ。
そんなフィリーソウル・サウンドが大好きだったんだよな。
77年は個人的には、ポールモーリアな嵌ってた頃なんだけども、そんなフレンチ・ヨーロッパ系のサウンドに対しての、もう一つの心のよりどころだったのが、実は、フィリーソウルだったりするんだよね。 多分、その二つのサウンドが個人的な音楽の根っこに今でもなっていると思うんだけども。。
うん、わが心の70年代ですよ。これらのサウンドは。
ちなみに、筒美京平氏は、この年1977年、この「想い出の木の下で」でフィリーサウンドを、秋には太田裕美さんの「九月の雨」でポールモーリアを下敷きにしてきている。
個人的な音楽の根っこのサウンドを両者とも取り入れている。だから、筒美サウンドはやめられないのよ。
・・・で、この「想い出の樹の下で」は、そんなフィリーサウンドを取り入れたっていう所が、それまでのシングルとは違うし、だからこそ、新鮮味も感じるんだよなぁ。
取り入れたというか、イントロ出だしのホルンの響きは、バリーホワイトの「愛のテーマ」の間奏部のホルンの響きを彷彿とさせるし。 「愛のテーマ」は下敷きにしてるよね、間違いなく。
↓ コレ
ただ、個人的な思いとはウラハラに、どうも、一般的な評価は、それほど高くなかったりするんだけどさ、この曲。
B面の「わたしの1095日」のほうが、業界的な評価が高かったりするし、こっちの方が好きだっていう人も多くて、ちょっと悲しいかな・・と個人的には思ったりするんだけどさ。。。





そんな業界的な評価の低さが、売り上げにも反映されているのか、売り上げを見ても、大ヒットとは言い切れなかったんだけどね。
やっぱり、間奏のトランペットは気持ちいいよね。
榊ひろと氏は、フィリーソウルから、スタイリスティックスの「愛がすべて」のイントロのトランペットを彷彿とさせるとおっしゃっているけど、個人的にはメイナード”・ファーガソンの「Theme From Star Trek 」を思い起こしちゃったりして・・・。
そそそ、「アメリカ横断ウルトラクイズ」のテーマ曲の。。。




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