202108_アポトーシス_Official髭男dism



もういっちょ 本日2曲め「キニナル曲」はこれだ

Official髭男dism「アポトーシス」

まずはデータです。

・タイトル    アポトーシス
・アーティスト  Official髭男dism
・作詞      藤原聡
・作曲      藤原聡
・編曲      Official髭男dism
・リリース日   2021年8月11日(デジタル配信)
                                2021年8月18日(CDパッケージ   アルバム「Editorial」より)
・発売元     ポニーキャニオン

先ほど書いたAdoの「会いたくて」同様、前作「Cry Baby」とはガラッと変わったミディアムバラードチューン。

正直ね、前作「Cry Baby」のヒットチャート的なチャートアクションを見てて、果たしてヒゲダンは大丈夫なんだろうか・・と一時思ったんだよね。

少し前にやはり「キニナル曲」で「Cry Baby」を書いた時、この曲は凄い、久しぶりにホームランかもと書いたんだよね。

兎に角、全編にわたる転調の嵐の曲調は、聴き手の方にぐいぐいと迫りくるような、これまでのヒゲダンには見られなかったような攻めの姿勢を感じられたし。 それでいて曲としてまとまりがあった。完成度がかなり高いように思えたからさ。

でも、いざふたを開けてみたら、思ったほどチャートアクションが伸びなかったしさ。

やっぱり、当初から配信のみの曲は、CDリリース曲よりも広がりが少ないからなのか・・とか、プロモーションが少ないのか・・・とか、マイナスの面ばかり感じられたりしたわけでさ。

ま、結果的には、時間をかけてジワリとヒットチャートの順位を上げ、未だに上位に位置するようなロングヒットにはなっているものの、やはりプロモーション的な面では、今一つ地味さを感じたりする。

そこが残念であり、個人的には少し納得いなかったからするんだけども・・・・。


もっとも、そもそもヒゲダンのアーティストパワー問題なのかというところも危惧していたんだけども。

でも、今回引っ張ってきた「アポトーシス」のヒットチャートの急上昇ぶりを見る限りでは、やはり、ヒゲダン、アーティストパワーは、まだまだ健在と思わせてくれる。


ただねぇ、この曲、個人的には、未だによく分かんないんですよ。

悪い曲ではないんだけども、今一つ、消化しきれないでいる。

難しいんだよね曲調的に。

技術的な面から言えば、前作の「Cry Baby」で見せたような転調の嵐のほうが難しいんだろう。

この曲は、あのような転調の嵐ではないし、パッと聴き、表面的にはこれまでのヒゲダンのメロディラインを受け継いでいるような印象がある。

でも、細かく見ると藤原氏の曲をクリエイトする能力レベルが、どんどん上がってきているのか、メロディラインは確実に複雑に難解になってきているんだよな。 

この曲を消化するには一筋縄ではいかないような印象を受けるのよ。

長年「ヒット曲」を聴き続けているワタシとしても、付いていくのはかなり辛いですよ〜、最近のヒット曲は、難しくて。

あー、ロートル オヤジを感じる瞬間。。。。。

もっとも、前作「Cry baby」のように全編転調だらけのメロディラインを見事にまとるきった手腕は、驚きを感じるわけで。 あれから見ると、今回のこの曲の難解なメロディラインも頷けるところなのかもしれないなぁ。

ただ、もっと驚くべきなのは、そんな難解な曲にもかかわらず、この曲のヒットチャートの動きの良さなんだよな。

果たして、聴き手のユーザーのかたたちは、この曲を理解しきって支持しているのかなぁ。
もし、そうであれば、今の聴き手として音楽的な消化レベルは、かなり高いと思う。

いや、millennium parade の「U」がこれだけヒットしているということは、やっぱり、今の聴き手としてのユーザーレベルは確実にかなり高いってことが言えるんだろうな。

凄いですよ、今の聴き手の方たちは。




ところで、アポトーシスとは、多細胞生物の体を構成する細胞の死に方の一種で、個体をより良い状態に保つために積極的に引き起こされる、一種の自殺的な細胞死 の事。

藤原氏が、現在のタイミングでこのようなタイトルを、歌詞内容の曲を書いたのかはよく分からない。
密着ドキュメントによると、「29歳を迎え、残された20代があと1年になった時に、自分の大切な人たちはいつまで元気でいてくれるだろうか」とある。

この言葉の意味としては、コロナ禍の収束の光が見えず、世界に目を転じれば紛争が絶えず、先が見えない不透明なこの世の中を感じてからなのではないだろうかと思えてならないですね。
この曲の詞もメロディラインの難解さ同様、内容は深い。