1998_06_夏色_ゆず


今回の1曲セレクトは、「夏色」ゆず です。

まずはデータなのだ。

・タイトル     夏色
・アーティスト   ゆず
・作詞       北川悠人
・作曲       北川悠人
・編曲       寺岡呼人 ゆず
・リリース日    1998年6月3日
・発売元      セーニャ&Co.
・オリコン最高位  17位
・売上げ枚数    27.0万枚
・THE HITCHART HOT30最高位  12位
・タイアップ:ロッテ「爽」CM曲(2017年)

仕事柄、新曲を聴いて、この曲はどのくらい売れるか・・・なんて「予測」することがあるんですね。
まあ、今は、著作権関係の仕事なんで、それほど頻繁ではないけど、以前、某C社で着メロ運用として選曲の仕事をしていた時は、新曲を聴いては、毎日のように「予測」してましたねぇ。

ネットの仕事をしている方ならば常識だと思うけども、 サイトのページの上の方にあるコンテンツほど動きがいいのね。ユーザーのつまりさ注目度が大きいわけよ。
着メロ、着うたで言えば、「注目度」が高い「ウレセン」の曲をページの上に持ってくれば来るほど、ダウンロード数の動きが倍増するわけよ。
だから、いつも、何月何日リリースの新曲のウレセンランクをいつもいつも考えていましたねぇ。

オリコンフリークならばご存じだと思うけど、「チャートバトル」っていう、いわいチャート予想企画、今でも「You大樹」(カスタマー用有料サイト)でやってるけど、あれの「実用版」ってところですかね。
なにしろ外れれば外れるほど死活問題になってくるんで、まあ、毎日が針のむしろ、胃が痛くなる日々だったんだよな。

それでも、当たる事ばかりじゃなく、もちろん予想が外れることもあるわけで。。。。

やっぱね、客観的に見ないで、自分の好みか、好みじゃないか・・・っていう「主観」が入るとダメでしたね。


新曲が売れるか売れないか。 このアーティストが当たるか当たらないか

これは、仕事として予測する以前にも、ヒット曲を聴くようになってから、当たり前のようにいつも考えてきたような気がする。特に、オリコンを読むようになってからは、顕著でしたね。

まあ、仕事として予測していた以前は、どうしても「主観」的に考えることが多いから外れることのほうが多かったですけどね。


今回引っ張ってきた、 ゆずの「夏色」って曲。

今から23年前、1998年のちょうど今頃のヒットですわ。

当時、この曲を聴いたときは、直感的に「この人たちは売れないな」って思ったんだよね。
売れても最初だけだろう・・・と。

なんせ、アコギでのフォークっぽい人たちだったでしょ。 めちゃくちゃアナクロ感を感じたわけよ。

時代は1990年代後半。世は小室ファミリーやSPEEDなどのダンス系、 はたまた、GLAY、ラルク、LUNA SEAなどのバンドサウンドの時代だというのに、めっちゃ時代錯誤だな・・・と真っ先に感じたんだよねぇ。

いや、それで素晴らしい曲であるならば分かる。 正当なフォークではないけど、山崎まさよし など独特の世界観を持っていた人たちは、アコースティックギターサウンドでもヒットを飛ばしていたわけで。 だから、アコギだから売れないというわけではなかった。

でも、この曲は、どこの「こせがれ」だから分かんない、2人組の「若者」が力任せに歌っていたわけでさ。

スタイル的には、プロと言うよりもストリートで歌っているアマチュアの匂いがプンプンだった。

まあ、実際、横浜松坂屋前でうたっていたストリートライブから大きくなってきた2人なんで、その通りなんだけども。。。。

でも、このアマチュア感がどこまでプロの世界に通じるかどうかは、どう見ても疑問だったんだよな。
アマチュア感が抜けず、消えていった人たちを、いやという程見てきていたしね。「ゆず」って人たちも、そんな風に消えていくんだろうなぁ・・・

・・・なんて思ってたわけなのよ。

そんな感じでワタシは「ゆず」って人たちを見てたんだけども、これに反して、近田春夫氏が文春で連載していた「考えるヒット」で「ゆず」の2人を大ゼッサンしてたのよ。 うん、丁度この「夏色」がリリースされたときの「評」としてさ。

具体的にどういう「評」だったか忘れちゃったけど、「ゆず」の2人対して、才能の「埋蔵量」の多さを感じる とかいう評だったと思う。

それを見て、ちょっと待てや、近田様。 このアマチュア感たっぷりこせがれの2人のどこに才能の埋蔵量を感じるんですかね・・・・。なんて、当時は憤った記憶があるなぁ。

・・・というか、80年代アナクロなフォークグループが大嫌いで、明星の「新曲激評」では、フォーク系の曲は、ほとんど、けちょんけちょんに批判していた近田氏だったからさ。

ゆずの二人に対してのこの「ゼッサン」はちょっと信じられなかったんだよね。

近田氏の新曲評について、70年代〜80年代にかけて、「気分は歌謡曲」とか月刊・明星の「新曲激評」についてはシンパシイを感じていたけど、どうも「考えるヒット」の評には、それまでもシンパシイが感じられなかったんだけどさ。

この曲程、近田氏の評と真逆に感じた曲もなかったんじゃないかなぁ。

たしかに、この曲は、オリコンでベストテン入りしなかったし、 当初はそれほどぱっとしなかった「ゆず」の二人だったんで、 そろ見ろ・・・なんて思ってたワタシだけど、3曲目の「からっぽ」で30万枚オーバーのヒットを見せると、以後、近田氏の予想していた通り才能の「埋蔵量」の多さを見つけるようになったわけで。。。。

結果的に言えば、あの時の近田氏の見立ては「あっぱれ」だったわけですよ。
悔しいけれどね、ワタシは完全に見誤っていた訳よ。

でも、この人たちが出てきたから、そのあと「19」とか出てきたんだろうな・・と思うと、やっぱりねそういう時代・・・・フォーキーなアコギサウンドの再評価な時代・・・・だったんだろうな。

そんな時代の流れを、ワタシは見抜けなかったんだけども。。。。


ただ、果たして、あれから23年がたち、こんなにも長く第一線を張れるということが、果たしてあの時点で、近田氏にも予想できたのかどうかというのは、疑問ですけどね。

・・・なんて、負け惜しみ。。。。。


それほど、才能の埋蔵量が膨大だったってことなんだろうな、この二人。
 


しかしね、「夏色」のMVは、Youtubeに上がってないんだな。
しょうがないんで、この動画で。。。。。

で・・98年当時、こせがれなこの2人を認めていなかったワタシも、もちろん、今は違いますけどね。
意識の変化の分岐点になったのは、やっぱ2004年の「栄光の架橋」だろうな。
あの曲を見せつけられたら、どうあがいても認めざるを得ないですよ。

来月から始まる東京五輪でも、ハイライトシーンには、また頻繁に使われることになるんだろうね、きっと。


ところで、先週のMステの「ゆず」北川悠人の変貌にザワザワ・・・とネット上ではざわついているようだけど、大丈夫なんでしょうかね?

実際、ワタシは、Mステ見てなかったんで、何とも言えなんだけども。。。。




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