1984_05_夏のフォトグラフ_石川秀美


今回の1曲セレクトは、「夏のフォトグラフ」石川秀美です。

まずはデータでする。

・タイトル     夏のフォトグラフ
・アーティスト   石川秀美
・作詞       竜真知子
・作曲       小田裕一郎
・編曲       入江純
・リリース日    1984年5月3日
・発売元      RVC
・オリコン最高位  8位 (1984年5月14日〜5月21日付)
・売上げ枚数    11.1万枚
・THE HITCHART HOT30最高位 15位

長年ヒット曲を聴いてくると、例えばリリースされた頃はあんまり聴いてなくても、今改めて聴いてみると、曲調やサウンドによって、その曲がいつヒットしたのか、時代が大体わかる。 

うん、事前にいつヒットしたかという知識なしに・・・という前提ですけどね。

昔、オリコンヒットチャート研究会っていう自主サークルを組んでいた時、よくこんな遊びをしてましたねぇ。

リーダーの家に遊びに行くと、いきなりマニアックなアイドルのカセットをかけて、この曲のリリース年は?  なんて聞いてくるのよ。

普段、ベストテン級の、いわいる「A級」もしくは「B級」アイドルくらいしか聴かない私は、ほとんど分かんなかったんだけども、あてずっぽうで言って見ても、大体当たってたりしたなぁ。
曲調とかサウンドで、大体いつ頃の曲か分かったのね。

特に、80年代中盤、そうね、84年、85年、86年頃のアイドルの曲って、例えばシンセの音色だったり、メロディラインだったり、はたまたバックの合いの手のフレーズだったり、似た曲が多かったからさ。

いつかも書いたんだけども、例えばYAMAHA「DX7」のプリセット音が聞こえてきたら、ほぼ高確率で84年か85年の曲・・・とかさ。
まあ、よく言えば80年代を象徴するような特有のサウンドだったわけですね。


今回の1曲セレクトは、そんな80年代アイドル独特なサウンドの1曲を一つ。


石川秀美「夏のフォトグラフ」。

石川秀美さんの84年くらいまでの、いわいる初期の曲は、これまでに大体書いた。
まあ、まだ書いてない曲も何曲かは残っているけど。。。。 でも、まあ残っている曲は、当時あんまり刺さらなかったか、あんまり聴いてなかった曲なわけで・・・。

そこから見ると、まだ書いてなかったこの曲も、リリース当時はあんまり刺さらなかった1曲なんだよね。

最も、先日、渡辺典子さんの「晴れときどき殺人」の時も書いたように、84年の今頃は、高校受験対策のため、日曜日「塾」に通うようになって、ラジオのカウントダウン番組をあまり聴けなくなったわけで。。。
その影響でこの曲もリアルタイムで、それほど耳にしてなかったというのもあるかもしれないな。

オリコンでは最高8位と健闘したものの、総合ランクが多かったラジオのベストテン番組では、この曲ベストテン入りしなかったのも多かったし、同じ理由で「ザ・ベストテン」でもベストテン入りを逃していたことも、より耳にする機会が少なくなったんだけども。

ただ、それを差し置いても、あんまり刺さらなかったんだよなぁ、この曲。

80年代アイドル曲として、オーソドックス過ぎた・・・というのが一番大きかったかもしれない。
月刊・明星のヤンソンで、近田春夫氏も指摘しているように、インパクトが弱いんだよね。

♪ 夏のフォートグラフ〜 ♪ っていう出だしは、掴みがあるとは思ったんだけども、それだけって感じがしてさ。

やっぱり、作詞・竜真知子、 作曲・小田裕一郎 っていう作家陣から生み出される曲調が、84年と言う時代から見ると古臭くなってきていたことも否めなかったと思う。

これも、当時近田氏がよく使っていたフレーズだけど、「5年前の・・・」っていうイメージなんだよね。 

・・・ってか、同じようなことを以前、同じ石川秀美さんの「バイバイサマー」の時も書いたような記憶があるんだけども・・・

お二人が紡ぎだす曲調って、80年代のそれ・・・というよりも70年代なんだよね。 84年当時から見ても古臭いような感じがしたのよ。 時代とシンクロしてない感覚があったんだよなぁ。

それでいて、アレンジャーの入江純氏が織りなすサウンドが、いかにも80年代アイドルっぽくてさあ。今聴いても、なんとなくバランスが悪いなぁ・・なんて印象を感じたりして・・・。


個人的には、この曲一つ前の「めざめ」って曲は好きだったんだよね。
ブラコンっぽいサウンドが、石川秀美っていうヒトの曲としては、新しかったし。

84年って、アイドルを含め、全体的にヒット曲ってニューウェイブに向かう傾向があったじゃない?
そういう流れにうまく乗ったな・・・なんて思ってたのよ。

そこに来て、時代を逆流してしまったようなこの曲だったんで、ちょっとがっかりした・・・と言うのが、一番の理由だったかもしれないなぁ。

さらに言えば、そのまた一つ前の「スターダストトレイン」って曲も個人的には好きだった。
メジャー系の明るい、アップチューンなポップス、この曲調がこのヒトにはフィットしてるよなぁ・・・って感じたんだよね。

まあ、このことは、それ以前、例えば83年元日にリリースされた「涙のペーパームーン」の時からも思ってたんだけども。。。

逆に、マイナー系の曲になると、途端につかみどころがない、古臭いイメージになっちゃっうんだよね、このヒト。 

当時、石川秀美さんの曲は掴みどころがない、まずは方向性を決めてから曲を作るほうがいいんじゃない? なんて、近田春夫氏からも指摘されてたわけだけど。

で、「スターダストトレイン」、「めざめ」っていうシングルから、やっとこのヒトにフィットしたような方向性が見えて来た矢先だったらさ。 個人的ながっかり感は、大きかったんだよね。




これを書くにあたって、当時のオリコンチャートを改めてひも解いてみた。
石川秀美さんの当時のチャートアクションを見てみると、この「夏のフォトグラフ」の前年の「恋はサマーフィーリング」から、ずっと、初登場時、初動は2万枚台で推移していたりするんだよね。

ただ、意外だったな・・と思ったのは登場2週目も2万枚台をキープしていたこと。
「スターダストトレイン」「めざめ」では2週目は逆に売上げを伸ばしていたりするし。。

まあ、当時は発売日が、今のようにほとんどが水曜日と曜日固定されていたわけではないんで、オリコン集計期間が、曲によってまちまちだったこともあり、一概には言えないんだけども、意外と登場2週目も健闘していたんだな・・・なんて印象を感じましたね。

後のおニャン子などと同様、初動だけ・・っていう印象が強かったんだけどもね。

逆に言えば、それ以上の週間売り上げが上積みされた曲もなかったし、結局は固定ファンだけだったんだよね・・っていう印象も改めて持ったりしたけど。。。。

これは、83〜84年にかけて累積売り上げにほとんど大きな変化が見られないっていう所からも分かりますね。

まあ、よくいえば安定した人気があったともいえるんだけども。。。。

ただ、このヒトの場合、突出したヒットが出なかったわけで、代表曲は何? と言われると困っちゃったりするんだよね。

このヒトとか堀ちえみさんとか、花の82年組の中でも、シブがき、キョンキョン、明菜に続く、第2グループに位置する人たちはそうですね。松本伊代さんだって、もし「センチメンタルジャーニー」がなかったらそうだったろうし。。。



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