今回の1曲セレクトは、「不自然な君が好き」C-C-Bです。
まずはデータなのだ
・タイトル 不自然な君が好き
・アーティスト C-C-B
・作詞 松本隆
・作曲 関口誠人
・編曲 大谷和夫 C-C-B
・リリース日 1986年8月27日
・発売元 ポリドール
・オリコン最高位 2位
・売上げ枚数 14.5万枚
・THE HITCHART HOT30最高位 5位
・ベストテンランクイン期間:1986年9月8日〜10月20日付
涼しくなってくると、脳裏をかすめる曲がある。 うん、1曲や2曲ではないですね。 各年にそんな曲があるからもう何十曲もあるわけで。 それらの曲を聴いただけで、それぞれの年の夏の終わりの風景がフラッシュバックするな。同じ夏の終わりでも、それぞれの年によって風景が変わるからねぇ。
まあ、これも年を重ねてきたせい・・・いやいや、これは年を重ねなきゃ味わえない風景ですな。
今回は、そんな夏の終わり、うん、1986年の夏の終わりを感じさせてくれる1曲を引っ張ってきますか。
C-C-B 「不自然な君が好き」。
まあ、夏の終わりを感じると言っても、当時、この曲を好んで聴いていたわけでもないんだけどね。
むしろ、あんまり聴いてなかったんじゃないのかなぁ。
あの当時、毎年今頃になると決まっておふくろがどこかからスズムシをもらってきて水槽で飼ってたんですよ。これが夜になると一斉に鳴きだしてさ。秋を感じたものですよ。
いつだったか詳しい日時は覚えてないけど、たしか「ベストテン」でこの曲が流れてた時、件のスズムシが一斉に鳴きだしてさ、一気にシミジミとした気分になったのを未だに覚えてるんだよね。
その記憶のせいなのかなぁ、この曲を聴くと夏の終わり〜秋を感じるのは。
いや、正確に言えば夏の終わりじゃないんだよね。時期的にもう少し秋が深まってたような記憶があったんだんだけどね。
逆に言えば、この曲が9月の今頃のヒットだったとは思ってなかったんだよね。10月のヒットだったような・・・って記憶してたんだけど。。。
あ、いや、でもベストテンランクイン期間をみるとあながち間違ってもいないのか。。。
C-C-Bという、一時代を築いたバンドの曲なのに、今まで1曲セレクトで残っていたのは、やっぱり、当時、個人的にあんまり引っかからなかったというのが大きいな。
この曲、ブレイク後初めて筒美京平氏から離れ、メンバーの関口氏が作曲。
だから、どうしてもメロディに戸惑うんだよね。特にAメロのメロディラインの流れは尖ってるし、それでいて無機的でね。当時は違和感いっぱいだったなぁ。
この頃になると、特にバンド系の曲ってエッジが効いた無機質なサウンドが増えたんだよね。
いわいるニューウエイブ系な音。 簡単に言えば80年代以降の洋楽、特に当時のブリティッシュ系っぽい音っていうのかなぁ。
当時、個人的にはこれが生理的にダメでね。ま、それもあって当時ヒット曲から意識的に距離を置いてたんだよね。
ニューウェイヴ系なロックサウンドばかりじゃなく、おニャン子一辺倒な状況に加えて、急激にオタク的マニアック化したアイドル系にも辟易して、86年のちょうど今頃からヒット曲そのものに距離を置いてたわけなのよね。
もちろん、当時オリコンは定期購読してたし、ベストテンも毎週見てたんたんで、完全に距離を置いてたというわけではないけど。
まあ、オリコンもベストテンもこの頃「惰性」で見てたんだけどね。 ベストテンは毎週ランクを記録してたのもあって、やめるにやめられない状態だったし。
そそそ、歌を聴くというよりもランクを記録するのが一番の目的になってたのよ。。。



だからね、この当時以降、ベストテンでの実際の歌の場面ってほとんど覚えてないんですよ、ワタシ。
歌の場面になると、オリコンの記事やランキング、あと、明星の歌本読んでたりして、テレビほとんど見てなかったんで。。。



ニューウェーヴ系には引っかからなかったけど、この「不自然な君が好き」と同時期にベストテン入りしてたアルフィーの「ROCKDOM〜風に吹かれて〜」って曲には引っかかったんだよな。
曲そのものというよりも、歌詞の内容に。
いや、それ以前にこの曲で歌われていた1969年、新左翼運動、学園紛争、ロックアウトっていう、ちょうど私が生まれた当時の世相に。
恰も、当時17歳になったばかりのワタシには、私はいったい何者なのだ? っていうアイデンティティも生まれて来ていたのかもしれない。
それと、アルフィーの「ROCKDOM〜風に吹かれて〜」で歌われていた、ワタシが生まれた時代という世界観が丁度リンクして引っかかったのかもしれないけど。
丁度この年の10月からTBS系で「テレビ探偵団」が始まったりして、時代を回顧すること自体が流行りのようになってきたようなところもあった。
そんな機運にのっかったというのもおかしいけど、いずれにしろ個人的に1960年代っていう時代に傾倒してたんだよね。
もちろんヒット曲への興味も時代をさかのぼり始めたわけで、東京・蒲田の中古専門店「えとせとらレコード」に足しげく通いだしたのもこの頃だったと思う。
そんな流れの中で音楽に関してはG.Sが見直されて来ていて、ちょっとしたブームになってたんですよこの頃。いわいる「ガレージ」なサウンドだよね。
個人的には80年代のニューウェーブな音よりも、60年代のガレージのほうが生理的に合ったんだよなぁ。
どこか不良っぽいし、なにより夜に向かった音じゃん、ガレージなサウンドって。
この間のゴールデン・カップスでも書いたように、酒とタバコと・・・っていう夜の匂いと不良な音楽が個人的に音楽の記憶の原点だったりするんでさ。 そこにはガレージなサウンドがあったんだろうね。だからさ、初めて意識してG.Sを聴いたときは「これだ」と思ったのよ。これが私の原点だと。
生理的に嵌ったのも当然だったかもしれないな。
そんなわけで、最新ヒットについては、すっかり疎かになっていましたね、この頃。
1986年の後半、特に今頃で一番記憶にあるのはそんな時代の流れなんだよね。
あ、話がかなりずれたな。。。。メンゴ




件の「ザ・ベストテン」。
この時も絶対に見てた(ハズ)なんだけども、↑のように理由で、今動画を見ても全く記憶になかったですわ。。。。
この曲、ベストテンでは一度「中継」で歌ったことがあったと思うんだけど、その時の記憶はあるんだけどなぁ。
たださ、当時、聴き込んでなかったこともあり、今聴くと結構新鮮だったりしますね。
例えば「Romanticが止まらない」なんてのは、「懐かし番組」ぢゃ未だに頻繁に流れるし、だから新鮮味は感じないけど、この曲なんか、いまとなっちゃまず流れないしな。その分、新鮮なんだよね。
当時、あれだけ嫌だった、ニューウェーヴ系の音も、今は全く違和感なく聴けるしね。
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