1973_08_他人の関係_金井克子


今回の1曲セレクトは、「他人の関係」金井克子です。

まずはデータです。

・タイトル     他人の関係
・アーティスト   金井克子
・作詞       有馬三恵子
・作曲       川口真
・編曲       川口真
・リリース日    1973年3月21日
・発売元      CBSソニー
・オリコン最高位  7位
・売上げ枚数    30.4万枚
・ベストテンランクイン期間:1973年7月2日〜8月20日付

一昨日の山下達郎氏の「サンデーソングブック」珍盤奇盤特集。 本当に変な曲ばっかかかりましたな。 まあヤマタツ氏曰くPCが飛んだ・・・ということで、以前の珍盤奇盤特集でO.Aした曲を再度流した曲も含まれていましたが。。。
その中で、個人的に「なんじゃ?これ」って思ったのは、やっぱ沢久美さんの「ミミの甘い生活」でしたね。
いわいる「セクスゥイー」路線の曲ですよ。「吐息」が入ってる・・・っていう。しかも女性の吐息ではなく、男性の吐息と来たもんだから。。。。
さすがこのパターンはあんまり聴いたことないなぁ、いままで。  ま、だから逆に耳に残ってしまったのかも。「気持ち悪い」っていう意味で。

いまでは、コンプライアンスだぁ、PTAのママゴンからのクレームだぁ、云々、うるさいご時世と相成ってしまった・・・・からかどうかわからないけど、この手の「セクスゥイー」路線の、いわいる「淫らな」流行歌は、今ではとんと見かけなくなりましたよね。

あの頃ー1970年代ーには、こういう、学校では教えてくれない「教育的」な流行歌もいっぱいあったんですけどね。。。 ヒット曲と言えばそれが普通だったんじゃないかなぁ。

もっとも70年代も後半になるとエロというのもかなりマイルドになりましたが。(これは娯楽の多様化のよりエロも音楽に頼らなくてもよくなった部分が大きいようです)
逆に言えば70年代前半頃までは、ストレートだったんですよね。

そういう時代をリアルタイムで経験しなかった・・・いや、そんな匂いを感じてたような気もするけどね。
大人の世界って面白そうな映った記憶もあるし。だから、早く大人になりたかっあところもある。早く大人になって酒飲みたい・・と、この頃から感じてたところってあるんだよな。



・・ということで、今回の1曲セレクトは、そんな「大人の色気」なこの曲をセレクト。

金井克子「他人の関係」

リリースは1973年。 当時私は4歳。 幼稚園の年少組の頃で、そろそろ物心がつき始めた頃かなぁ。
でも、さすがに「大人の色気」のこの曲は、リアルタイムで聴いた記憶はない。

この曲を知ったのは、後年、「レコード大賞30周年記念」など70年代を振り返るような音楽特番でだったと思う。
あとは、やっぱり「パールライス」のCMだよね。
↓ コレ

 

これには、さすがにかなりあきれ返ったな、ワタシも。
なんか、ちょっとあくどすぎる感じがしてさ。


ところで、この曲をプロデュースしたのは、CBSソニーの名物ディレクターだった酒井政利氏っていうのは、もしかすると意外なのかなぁ。
酒井氏というと、どうしてもこの直後の山口百恵、郷ひろみ、あるいは、同時期の南沙織・・といったアイドル系のディレクターっていうイメージが先行しているところがあるから。

でも、酒井氏著の「プロデューサー〜音楽シーンを駆け抜けて〜」によると、当時、アイドル系ど並行して「アダルト路線」のディレクションも氏が行っていたとか。

以前、ここでも書いた朝丘雪路さんの「雨がやんだら」を筆頭に、坂本スミ子さん、内田あかりさん、大信田礼子さん、梓みちよさん・・・といったらアダルト女性シンガーのディレクションを同時期酒井氏が行っていたりいる。

で、共通しているのが、一度売れて、少し落ち目になった人たちを再びヒットという形でヒットさせたこと。 だから、当時酒井氏は一度落ち目になったアーティストを再生させるという意味で「クリーニング屋」と呼ばれていたらしい。

この金井克子さんにしたってそうだしね。 
なんたって、元「西野バレエ団」の5人娘の一人として、由美かおる、奈美悦子らと人気を分け、1967年からは4年連続で紅白歌合戦にも出場した経験もある方なわけでさ。

そんな熱狂も一段落し、人気も低迷していた70年代初頭、酒井氏と出会い、この曲で、華々しく復活したわけなんだよね。

個人的に、この曲を聴いたのは件の通り、大分後年になってからなんだけど、曲を聴くと嫌がおうにも当時の70年代頃の空気を感じるんだよなぁ。
70年代初頭の独特のメロディラインもそうなんだけど、サウンドですよね。 特にイントロでの低音のフルート。 この低音のフルートの音色を聴くと、いつも決まってゾクゾクしてしまったり。

フルートって、高音域では、透明感のあるさわやかさを感じたりするけど、逆に低音域の音色って、どこか淫靡な感じがしません?

ワタシは、そういうイメージがあるんだよなぁ。夜に向かった〜・・・っていうかさ。 少なくとも夕方から夜に向かうような怪しい雰囲気を醸し出すんだよね。

そういえば、「なんでも鑑定団」の鑑定中の時のBGMも低音のフルートがメインになってるけど、個人的には同じように淫靡なイメージが浮かんだりして 

作詞は、有馬三恵子さん。大人の女性のとしてのポップスは伊東ゆかりさんの「小指の思い出」などの実績があったものの、ちょうどこのころは南沙織さんの一連のヒットを手掛けていたこともあり、その関係で酒井氏と繋がっていたわけですね。

作曲は川口真氏。  詞については、有馬女史ということはあまり驚きはなかったけど、曲が川口真氏っていうのは、ちょっと意外だった。
サウンド的に川口氏とはちょっと違うなというイメージがあったから。
たとえば山下毅雄氏とかさ。少なくとも、上記のように低音のフルートによる湿った淫靡な手触り感は、山下氏に近い感触だったんだけどね。



やっぱヒット当時の動画はなかなかないわけだよね。ということで、出来るだけ古めの動画をリンク。

ところで、「他人の関係」といったら、最初に書いたように金井克子さん本人による「パールライス」のCMもそうだけど、最近(といっても5年位前だが)は、一青窈のカバーも悪くなかったんだよな。
一見、マジメそうな一青さんが、懸命に大人の女を演じてるようで、あれはあれで味が出てたと思いますね。



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