まずはデータから〜
・タイトル 優しさ
・アーティスト 藤井風
・作詞 藤井風
・作曲 藤井風
・リリース日 2020年5月20日
(ネット配信は 2020年4月17日先行配信)
・発売元 ユニバーサルミュージック
先週、今サブスク中心にネット配信で注目の的になっている瑛人の「香水」をキニナル曲として書いた。
なにしろ、つい最近まで無名のアーティストだったところ、tik tok中心に口コミで急成長したってところがこれまで無いヒットということで話題になっている。
ただ、業界的に言えば、今回ひっぱってきたアーティストの方が、注目度という点では先行していたんではないか、そんなイメージが、個人的には強いですね。
藤井風 「優しさ」。
CDパッケージとしては先日20日に、自身のファーストアルバム「HELP EVER HURT NEVER」のリード曲として収録されているが、ネット配信ではすでに先月4月17日から先行配信されている。
その時点で、すでにこのヒトは凄い! っていう下馬評が広がっていたわけで、個人的にも次のブレイカーとして推していたんだけどね。
ただ、ここ1か月の瑛人が予想外の急成長で、ちょっと影が薄くなりかけていたんだよね。
このヒトの何が凄いのか・・といえば多くの業界関係者の方々が言っているように、すでに「出来上がった」アーティストなんだよなぁ。
今回引っ張ってきた「優しさ」って曲を聴いてみても、本当に曲調に隙がない。これが22歳の若者が書いた曲なの? と思えてしまうような。
いや、22歳の若者っていうのは後付けに分かったんだよね。 どう聴いても少なくとも20代後半のような貫禄を感じる。
その上でまず感じたのが、「うわっ、ホンモノだ」っていう印象かなぁ。
隙が無い曲作りっていうのは、この曲のコード進行からみても感じますね。 サビから始まるこの曲、サビのキーはFなんだよね。 でも、サビ終わり1小節dimコードを挟んた、Aメロでは、いきなりキーがDに転調。 ・・かと思ったらBメロではさらにG#mに転調。。
・・・と目まぐるしくキーが変化する。ちょっと突っ込んで聴くと複雑な曲展開なんだよな。
普通転調が繰り返されると、それとともに曲のイメージも変化してくることが多い。 でもこの曲の場合、転調していても一貫してイメージが変わらないんだよな。 だから、ぱっと聴き複雑な展開な曲のような印象はない。
それは、ち密に計算されたコード進行の賜物なのかなぁ。 この曲のち密さ、これが本当に22歳が作る音楽なのかと思えた所以ですね。
先週書いた瑛人の「香水」は大部分が3コードの循環コードというシンプルに曲が成り立っているんだけども、この曲は、それとはかなり異なる曲の作りなんだよね。
そういう意味でもこのヒトにはホンモノのアーティストの匂いを感じたわけなんだけどね。
・・とともに、昨今のニューカマーアーティストの質の高さに改めて驚いてしまったわけなんだけども。
しかもイケメンと来てる。。 神様は二物を与えないなんて嘘だよなぁ・・・なんて嫉妬を覚えてしまったりして。。。



やっぱり、音楽に接する環境が我々の時代とは根本的に違うんだろうね。今の10代後半〜20代前半の世代の人たちは。
僕らの時代は、生でレコード音源を聴くと言ったら主にはラジオしかなかった。レコードは高くてなかなか手が出なかったし。 だから、耳にできる音源の数もおのずから決まっていたわけじゃん。
でも、今はYou tubeもあるし、サブスクリプションもある。 小さなころから耳にできる音源数もワタシらの時代とは根本的に違うわけで。しかも、wikipediaを読む限り、この藤井風の実家は、徹底した音楽教育の家庭で育ったようで。家庭環境からして違うんだよね。
ただ、若くして「出来上がった」アーティストは、得てして期待した結果が残せない・・っていうのは業界の常。
これまでも若き天才といわれて、消えていった人たちが何人もいたわけでさ。
正直、瑛人が出て来て、この人の存在が少し薄らいだ印象があったここ1か月は、このヒトもそうなるのかな・・・っていう思いもあったんだけどさ。
この曲が収録されたアルバム「HELP EVER HURT NEVER」のリリース日以降のオリコンデイリーランキングを見る限りでは好調な出足を見せてきている。
デイリーランクを見る限り、さだまさし氏の新譜「存在理由」、Girl2「チュワバネ」との競合にはなってきているが、初登場でベスト3入りは間違いなしの動きを見せてきている。
ここまではまずはいい動きを見せてきているようだ。
あとは、ここ最近、ヒット動向のキーとなっているネット配信でこの先どういう動きを見せてくるか、既存メディアでどう注目されてくるかだろうな。
最近の若いアーティストには珍しく、ネット配信ではあまり強さを見せて来てないっていうのは、ちょっと珍しい存在だけに。
瑛人「香水」が誰でも歌えるし、弾けるシンプルな曲であるがゆえにネット配信で強さを見せているのとは、真逆の傾向ですわ。
これは、逆にすでに出来上がったアーティストとして、本物の「音楽」を聴かせるアーティストのある意味宿命でもあり、もしかすると、このヒトのウイークポイントなのかもしれないが。。。
ここがエンターテイメントビジネスとしての難しさなんだけどさ。
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