1998_09_歌舞伎町の女王_椎名林檎


今回の1曲セレクトは、「歌舞伎町の女王」椎名林檎です。

まずはデータでする。

・タイトル     歌舞伎町の女王
・アーティスト   椎名林檎
・作詞       椎名林檎
・作曲       椎名林檎
・編曲       亀田誠治
・リリース日    1998年9月9日
・発売元      東芝EMI
・オリコン最高位 50位
・売上げ枚数   5.1万枚
・THE HITCHART HOT30最高位 43位

 天邪鬼なワタシは、基本、ヒトが「いい」って勧めてくれた曲やアーティストも、ワタシの中で納得しないと聴かないヒトなんだよね。
 一人っ子気質って言いましょうかねぇ、自分の考えが絶対・・って言うところがあるのよ。うん、これは否定しない。 

でもさ、「これいい」って勧めてもらって、大分放っておいた曲でも、ある日聴き直してみると、思わず嵌まっちゃう曲もあるんだよな。

今回はそんな1曲を持って来ましょうかね。

椎名林檎「歌舞伎町の女王」。


この曲は、1998年の9月・・・っていうから、丁度、今から20年前だわな・・・にリリースされた1曲。

ここでは、今までも書いてきた事だけど、丸40年ヒット曲を聴き続けてきたワタシだけど、その中でも一番ヒット曲から距離を置いていた時期ですね、1998年の9月って言ったら。

自分に合ったヒット曲が無い。 

そそそ、聴いてて刺さるような曲だよね。 それを感じられなくなってたんですよ、この当時。 だから・・というわけか、自然とヒット曲から距離を置くようになってたんだよな。

ただ、そんな状況下でも相変わらずオリコンだけは買い続けてたんだけどさ。というか、気持ち的にやめられなかったというか。。。

そんな20年前。 この曲、それなりに話題になってた・・・ような気はするんだよ。 なんせ能動的には聴いてなかったん頃なんで、記憶があいまいなんだけど、でも、ラジオでは、それなりに流れてたような気がする。

でも、けったいな曲だな・・・ぐらいしか当時は引っかかんなかったんだよね。

それから、数年後・・・。

ひょんなことから、mixiで知り合った一回り「下」の人たちとバンドを組むことになってさ。 
ワタシ、一応、中学高校の頃、「独学」でドラムやってたりしたんで、ドラムやることになってさ。 

10数年ぶりにドラムの前に座ったんだけど、叩けなくてねぇ。 頭では分かってんだけど体がついてかない。
手首のスナップが効かない。 おまけに次の日は全く体が言う事を効かないほどの筋肉痛。 って具合にさんざんな目にあってねぇ。。。

こりゃ、アカン・・・と、バンドは早々に辞退。。。

そんな時に、初めてスタジオ借りて練習した曲の中の1曲が、この「歌舞伎町の女王」だったんだよな。

この曲、リズム体的には、そんなに難しくないんだよ実際的に。基本の8ビートさえ叩けりゃ・・って感じだし。
なんせ、CDのトラックでは林檎嬢、直直に叩いてんでしょ。森高千里のドラムのような感じで(森高より上手い気がするけど)・・・。 だから、めちゃくちゃ高度な「技」は含まれてないんけどね。

それでも叩けなかったんだからさあ・・・ 。屈辱的だったねぇ。。。。。

でも、そんな事が、改めてこの曲をきちんと聴くようになったキッカケだったりするんだよ。

もろ60年代ガレージ歌謡ロックだよな、この曲は。
もろG.S。いや、「グループ」ではないから、一人G.Sってところか。

だから本来であれば、拒否反応はしない筈なんですよね。 

60年代ガレージ歌謡は、この当時既にG.Sとしてワタシの中にはあったし、 そもそも60年代ガレージロック、いや、サイケ的な音って嫌いじゃ無かったからさ。

たしかに、「歌舞伎町」っていう、夜の匂いと裏世界匂いがプンプンなところ、そんな世界を当時20歳そこそこの女子が、もろ「アバズレ女」風に歌うってところは、引っかかったんだけどさ。
それでも、リリース当時は、この曲には嵌まらなかった。


1998年当時、個人的に引っかかる曲が無い・・って思ったのは、この曲もそうだけど、ヒット曲全体に、なんかヤバい匂いを感じ始めてたんだよ。
裏世界の匂いって言うかなぁ。 実態が無いんでなんとも言い表せないんだけども、ドロドロとした闇世界の匂いっていうのかなぁ。

90年代前半、ワタシらがヒット曲ユーザーの中心に居た頃も、そういう闇世界って言うのはあったんだろうけど、表面上はドロドロとしたものは無かった。無論、「バブル」と言う中でみんな浮かれてたこともあり、そんな闇は見えなかっただけかもしれないけど。

90年代後半、そんな闇世界な部分をヒット曲から感じるようになった。 その象徴的な感じの曲なんだよ、この「歌舞伎町の女王」って曲は。 


でもさ、後年、きちんとこの曲を聴くようになって、「いや、待てよ」・・・って思ったんだよな。

何曲か前にも書いたような気がするんだけど、ワタシのヒット曲との接点の始まりって、いわいるゲ―ノー界の「華やかな世界」に感化された訳ではなく、夜に向かった世界だったはずなんだよ。 酒の匂いとタバコの煙が渦巻いた世界。 真っ黒な闇世界ではないけど、そんな世界に近いような。 それが物心つくか、つかないか・・っていうあの頃に聴いたムード歌謡。それがワタシの中のヒット曲の原点であり、接点だったはずだ。

うん、この「歌舞伎町の女王」に近い世界だったはずだ。 そんな風に感じるようになったんだよな。

違うのは、田舎の場末のスナックと、歌舞伎町っていう日本一の歓楽街っていう場所の違いか。

いや、この違いがワタシにはとてつもなく大きなモノに感じたんだよな。より闇が深いっていうかさ。



この曲に限った事ではないけど、椎名林檎嬢の曲ってどの曲も、絵が浮かぶんだよな。

この曲も出だしの

♪ 蝉の声を聴くたびに 目に浮かぶく九十九里浜 皺皺の祖母の〜 ♪ っところは、九十九里浜の後背の田園風景。(九十九里浜って田舎っていうイメージなんだろうね〜。 実際、田舎だけど・・・)

続く

♪ 一人訪れた歓楽街〜 ♪ で、スパッと画面が変わって、セピアがかった「歌舞伎町」の風景。ジメジメとした床と、打ちっぱなしで色あせたコンクリートのビル。

ワタシ的には、そんなイメージなんだよな。 そそそセピア色なんだよ。 それも、今の歌舞伎町ではなく、60年代の歌舞伎町。 いまよりも、もっと危ない雰囲気だった頃の。

↑の実際のMVとは、全く違うイメージがワタシの中ではあるんだけども、その方が良いだよな。

MVって、今では必須なものだけど、曲のイメージが固定化されてしまうところがある。

本来、音楽って、ヒトそれぞれ違ったイメージを感じると思うんだよね。 その点、この曲は、ワタシが感じたイメージと、実際のMVは全く違うんでさ。その分、個人的にイメージが崩されなれなくって助かるんだよね。



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