今回の1曲セレクトは、「時をかける少女」原田知世です。
まずはデータでーす。
・タイトル 時をかける少女
・アーティスト 原田知世
・作詞 松任谷由実
・作曲 松任谷由実
・編曲 松任谷正隆
・リリース日 1983年4月21日
・発売元 キャニオン
・オリコン最高位 2位
・売上げ枚数 58.7万枚
・THE HITCHART HOT30最高位 2位
・ベストテンランクイン期間:1983年6月27日〜9月5日付
・タイアップ:映画「時をかける少女」主題歌
ここのところ、がっつり書いちゃうような曲が続いたんで、今日は、久々に軽ーく書けるアイドルの曲をもって来ようかなぁ・・・といろいろ物色したんですが、この時期って、意外と「これ!」っていう曲が浮かんでこなかったんだよねぇ。。
それでも、めげずに物色してたところ、ありましたよーん。
はい、この曲、「時をかける少女」。
この曲は、原田知世にとっては3枚目のシングルとなるんだけど、その前の2枚は泣かず飛ばずだったんだよね。
ま、ひとつは、やっぱし、このヒトの歌唱力ってところだよなぁ。。。
デビュー曲にあたる「悲しいくらいほんとの話」。当時、ヤンソンの新曲激評で、近田春夫氏が激怒りしてましたもんね。 「ひでぇヘタな歌だな」・・・と。
ま、もともとは女優さんだし、そのてんは考慮もできるところなんだけどさ。
そうこう迎えた、第3弾がこの曲。
BUT、売れたんだよね。大ブレイクだったんだよね。 歌唱力は相変わらずだったんだけど、なぜ??
うーん、まあ、大方の見方では、この曲が「主演」映画の主題歌だったから・・・ってところだろうけど、仮に映画の主題歌でなくても、曲の力でそこそこ売れたんではないかなぁ・・とは思うなぁ。
うん、曲がよかったんだよね。
なんていうのかなぁ・・・・、カラッとした透明感っていうの。なんか、実体はないんだけど、安心するような・・・。
これは、やっぱり、松任谷由実、松任谷正隆「夫妻」のマジックというべきですかねぇ。
松田聖子を手がけるのとは、また別の感覚・・・・透明性・・・があるんだよね。
松田聖子の場合は、何がしかの「カラー」って言うのがわりとはっきりしてるんだけどさ。
ただ、共通しているのは、「カラッ」とした温度感なのかなぁ。
実は、この曲の前の2曲は、来生たかお、えつこ「姉弟」が手がけているんだよね。 このヒトたちは、どっちかといえば「濡れた」感じじゃん。
ま、それでうまく行くヒトもいるんだけどさ。中森明菜のように。
でも、原田知世の場合は、松田聖子と同じ類だったわけだ。
この曲、最初にも書いたように、実体がない透明感って感じで、その上に原田知世の「語り」のようなちょこんとしたボーカルがのっかってる、かるーーーい曲なんだけど、不思議と存在感があるんだよね。
それは、やっぱし、原田知世っていうヒトが根っからの「映画女優」だからかなぁ。
不思議と絵が浮かぶんだよね。
時に2番の ♪昨夜の夢は金色 幼い頃遊んだ庭〜 ♪からの一連の歌詞の部分とかさ。
簡単でシンプルだからこそ絵になるのかもねぇ。
だけど、このころは、原田知世と松任谷由実って蜜月状態だったよねぇ。
原田知世って、このすぐ後、「ダンデライオン」をカバーしてたし、逆にこの松任谷由実は、この「時をかける少女」をセルフカバーしてたりね。
あ、蛇足だけど、松任谷由実って、自分がセルフカバーするつもりの場合は、作家の名義が松任谷由実なんだよね。そのつもりがない場合は、「呉田軽穂」になるわけで・・・
松田聖子に曲を提供する場合、セルフカバーするつもりない・・・っていうか、イメージが聖子になっちゃってるからカバーできないって言うのもあるだろうけど、呉田軽穂名義にしている場合が多いのよね。
・・・・ってこれは、有名な話か。。。
ときに、この曲は、松任谷由実名義のクレジットになっているんで、当初からセルフカバーするつもりだったんだろうけど・・・。
ちなみに、石川ひとみ(三木聖子)の「まちぶせ」もクレジットは、松任谷(荒井)由実になってたんだよね。
ま、だから、のちにカバーしたけど、まさか、96年なんていう、オリジナル発表してから20年後にセルフカバーするとは思わなんだけど。。。
話がずれた。。。。
この曲のサウンドなんだけど、上で書いたことのくり返しなんだけど、至ってシンプル。ほとんどエレピとシンセと・・・って感じで、そのほかは間奏部のサックスのからみだけの世界。
なのだけど、意外とコード進行は複雑・・・・というか、頻繁なコードチェンジで進行するんだよね。
特にサビの部分はさ。。。。
♪ 時をかける少女 ♪ は1音ずつ、F#mとEのくり返し
♪ 愛は輝く船 ♪ は1音ずつ EとDのくり返し
でも、実際に、こんなに複雑に聴こえないのは、ベースが
♪ 時をかける少女 ♪ はずっとF#の開放音
♪ 愛は輝く船 ♪ はずっとEの開放音
になっているからだろうねぇ。ま、この辺は、松任谷由実お得意の解放音を多用したコード進行なんだけど、松田聖子の場合、ここまで頻繁なコードチェンジはあまりないんだよね。
そのへんが、やっぱり、メロディラインをなぞるだけで「聖子」印の印象がある松田聖子と、きちんとサウンドを作り上げないと曲に聴こえない原田知世との違いなんだろうなぁ。。。
最後に映画「時をかける少女」は、言わずと知れた「角川映画」で、薬師丸ひろ子の「探偵物語」との併映だったんだけど、同時に大林宣彦監督の尾道三部作の中間作品だったんだよね。
1作目が前年の小林聡美と尾美としのり主演の「転校生」、最後が富田靖子と尾美としのり主演の「さびしんぼう」(1985年)なんだけど、ワタシ、映画はそんなに見るほうでもないのに、この尾道三部作は大好きでさぁ。。
セピア色が似合う映像作り・・というか、とおーーーい記憶を甦らせてくれる感情にさせてくれるよね。
本当は、「ザ・ベストテン」の1983年7月7日、七夕の日放送分に出演した時の、「時をかける少女」が演出的に一番綺麗なんだけど、落ちてないからなぁ。。。。この動画でガマンしてちょ。
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