今回の1曲セレクトは、「終着駅」奥村チヨです。
まずはデータです。
・タイトル 終着駅
・アーティスト 奥村チヨ
・作詞 千家和也
・作曲 浜圭介
・編曲 横内章次
・リリース日 1971年12月20日
・発売元 東芝音工
・オリコン最高位 3位
・売上げ枚数 37.9万枚
・オリコンベストテンランクイン期間:1972年1月31日〜4月10日付
ここのところ、80年代の曲ばっかりで、70年代以前の曲って、あんまり書いてなかったのよね。
どうもね、79年より前の曲って、引きが弱いかなぁ・・・なんて感じちゃって、最近はあんまり書かなくなってたってのがあってさ。
うーん、ちょっと、ファンサービスしすぎかなぁ。
・・・なんて、感じたりして。。もうね、あんまりファンサービスばっかぢゃなくて、79年より前の曲でも、知ってるヒトしか知らない曲も引っ張ってきちゃいますぞ・・・。
ってこともありーの、奥村チヨの「終着駅」なんぞ、引っ張ってきたりして。。。
・・といっても、まあ、この曲ぐらいの曲だったら、ここに来てくれている人たちは、ほとんど知ってますよね。
60年代後半から70年初頭にかけて、今で言えば「超アイドル」だった奥村チヨさんだけど、70年後半から71年にかけての1年間は、「スランプ」状態だったんだよね。
オリコンのベストテンからも遠くはなれ、これまでか・・・と思えた、71年暮れにリリースした、「起死回生」の1曲がこの曲だったわけですわ。
まあ、売れてた時期の「アップテンポ」な曲を捨て、ぐっと「大人の女」路線で迫ったのが功をせいした・・・っていいますか、「大人の女」といっても、これが悲しい女なのですな、この曲の場合は。
♪ 落ち葉の舞い散る停車場は 悲しい女の吹き溜まり
だから今日も一人 明日も一人 涙を捨てに来る ♪
ですよ。
なんて悲しいんでしょう。この光景は。
後に山口百恵の一連のヒットを手がけることになる、作詞家の千家和也氏、乾坤一擲の出世作ですな。
このとき、千家氏、26歳。 え? 26歳? それにしてはなんて大人な詩を書くんでしょ? 昔のヒトって、みんな大人だったんだよね、こうしてみると。
BUT、実際、歌っている、当時の奥村チヨさんが、この悲しい情景なウタに実にマッチしているのですよね。
69年に「恋の奴隷」が大ヒットしてたころの溌剌とした雰囲気から、一転、細身の、いかにも恋に破れた不幸な女な風貌に一転して・・。
まさに、この曲を歌うために大胆にイメチェンしたような感覚で。。
ただ、いったん下降線をたどり始めた時の「起死回生」の復活ヒットっていうのは、負担がでかく、その後が続かない・・・っていうのは、昔からのジンクスで、結局、この曲が最後のベストテンヒットとなってしまった・・・っていうのは、歴史が証明してたりしますな。
時に、この曲がヒットした頃の社会って、ちょうど「あさま山荘事件」があったりして、世の中全体が停滞した暗ーい、雰囲気が漂っていたのよね。
この曲のイメージって、そんな暗ーい停滞した世の中を、まさに反映してたりしてね。
やっぱさ、ウタって世の中の世相を反映するんだよね。
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