かじやんのヒット曲&チャートレビュー

ヒット曲を聴き続けて40数年! かじやんがお送りする、「今」のヒット曲&ヒットチャートから、「あのころ」のヒット曲&ヒットチャートまで、ヒット曲について幅広くご紹介するブログ。 自主チャートサイト"THE HITCHART NOW AND THEN"の支店ページという位置づけにいたします。

2020年08月

日本語を大事にしているからこそロングヒットが生まれている

少し前にかいたヒゲダンの「HELLO e.p.」にリンクした表題曲の「HELLO」の動画が削除されてしまったので改めて公式M.Vにリンクを張りなおした。

そのリンクしたM.Vのコメントに「日本語詞を大事にしているヒゲダンとか米津玄師だからこそ心に刺さる」っていうものがあった。

なるほど、そうだ。 これは目からウロコ、完全に見落としていたな。 

一時、ヒット曲の歌詞は横文字だらけの時代があった。 時代というのも大げさだけど、傾向的にそういう時がありましたよね。
やっぱり、横文字の方がカッコいいというのもあるだろうし、もしかしたら海外進出を見据えての横文字歌詞だったのかもしれない。

でも、最近の大ヒット曲をみると、むしろそういう曲の方が少ないんだよな。

件のヒゲダンにしても米津玄師にしても、あいみょんにしてもLiSAにしても、 いや、新興のYOASOBIにしても、最近大ヒットと呼べる楽曲のほとんど日本語歌詞の曲だ。

・・・なんて書くと日本の曲なんで当たり前じゃんなんて言われそうだけど。
少なくともサビのキメの歌詞も、横文字じゃなく日本語だし、楽曲全体を見ても単語としての横文字はあってもセンテンスとしての横文字歌詞は少ないんだよね。

昨年から、超ロングヒットの曲が続出してきている。その最大の要因は、ココにありそうですね。

たしかにキャッチーかつ分かりやすいメロディライン。これもロングヒットの要因ではあるだろう。

けど、それ以上に日本語歌詞。 これがより多くの方に引っかかり、浸透しているという部分では一番大きいんぢゃないかな。

日本人だから、いや、少なくとも「日本発」のヒット曲なんだから日本語歌詞で歌うのは、ある種当たり前であると思うんだよね。 これ以上日本人の心に刺さり浸透する言語はないわけだからさ。

それが一時なおざりになっていたんじゃないか。 それがヒット縮小の要因になっていたんぢゃないか。

これは、ワタシも以前どこかで書いたような気がするなあ。 日本でヒットさせるならば日本語詞で歌うのが大前提ではないかという事を。
いつだったか、「関ジャム」(テレビ朝日)でもそんなことを指摘してたような気がする。

それが再認識されてきているっていう事なんだろうね。最近の傾向として。 あ、これは、出し手側というよりも、作り手(アーティスト側)の意識としてさ。

今回のコメントは、改めて歌詞の大切さに気が付かせてもらいましたね


お先に失礼 / おニャン子クラブ

1986_08_お先に失礼_おニャン子クラブ


今回の1曲セレクトは、「お先に失礼」おニャン子クラブです。

まずはデータです。

・タイトル    お先に失礼
・アーティスト  おニャン子クラブ
・作詞      秋元康
・作曲      後藤次利
・編曲      後藤次利
・リリース日   1986年7月21日
・発売元     キャニオン
・オリコン最高位 1位
・売上げ枚数   16.0万枚
・THE HITCHART HOT30最高位 3位
・ベストテンランクイン期間:1986年8月4日〜8月18日付
・タイアップ:映画「おニャン子ザ・ムービー危機イッパツ!」主題歌

長梅雨が明けたと思ったら、一気に「夏」がやってきましたね。 先週1週間はずっと晴れ。
それまでずっと雨が続いていたわけで、ようやく気分も盛り上がってきました。
でも、時すでに遅しってところなのかなぁ。 早くも「立秋」を迎え、暦の上では、すでに「秋」ですわ。。。。
今週はお盆週間。 天気も関東地方はずっと晴れのようで、暫くは「残暑」が続きそうですな。

・・・・ということで、今回は「お盆」の頃のヒットを持ってきますか。

おニャン子クラブ「お先に失礼」。

なんで、お盆なのに、わざわざこの曲持ってきたんでしょうねぇ。。。。もっと他にあるんぢゃないの

なんて思ってしまいますが、ここんところ、結構「真面目」に書いてきた1曲セレクトなんで、たまにはぶっちゃけたい・・・と思いまして。。。


この曲、 1986年の夏休み初日リリースでしたわな。で、ちょうど今頃ヒット期間中でしたわ。

たださ、個人的にはおニャン子関係にも興味が薄くなっていた頃で、この曲も素通りだったんだよな。

いや、それは今となっては「タテマエ」だったような気がする。 本当は気になってたんだよ。
この曲、おニャン子の映画の主題歌だったけど、同時に、フジテレビ「キャンペーンCM」にも使われてたじゃん。 さすがに映画まで見るほどではなかったけど、キャンペーンCMは気になったりしてね。

なぜに「タテマエ」として、正面から曲を聴かったのかと言えば、やっぱおニャン子に興味あるってことに「恥ずかしさ」が出てきてたんだよね当時。

34年前のちょうど今頃。高校2年。17歳になったばかりの頃だ。

さっすがにね、高2にもなってアイドルを追いかけてんのかよ・・・なんて周囲から思われる恥ずかしさ。あの頃は、そういう雰囲気があったんだよね。
いや、少なくとも私の周辺ではそういう雰囲気だったんだよな。

高2にもなってアイドル追っかけてる⇒オタク ⇒ネクラ っていうような周囲の雰囲気がさ。

今でこそオタクも社会認知され、20歳になっても、30歳になってもアイドルを追いかけてる人なんて普通にいるけど、あの当時は「オタク⇒ネクラ⇒キモい人」っていう見られ方だったじゃん。
あのころ「オリコンウイークリー」の読者投稿ページにも、「オタク」を称して「暗いコクラブ」なんてコーナーもあったりして。

わたしゃ、オタクじゃない〜   ネクラじゃない〜 

なんて、必死で思ってたりしたのよ、あの当時。

だから、この曲を横目で見ながら、Kuwata Bandの「NIPPON NO ROCK BAND」聴いてたり。

あとは、さんま、しのぶの件の「男女7人夏物語」に嵌って「あんな恋愛したい〜」なんて思ったり。

今から思うと、背伸びしてまで「大人の階段」を登りたいなんて思ってのかもしれない。本心に対して素直じゃなかった。

まあ、おニャン子についても興味があったのは、メンバーに対してで、少なくともこの曲自体はそんなに興味はわかなかったんだけどさ。

この曲のメインボーカルの一人の富川春美。 個人的にあの人がちょっと気になってたんだよね。
ちょうどあの頃、好きだったコに似てたの。好きだったコっていうのが1つ年下だったから、姉妹? って感じかなぁ。 とにかく似てたんだよね。
富川春美っておニャン子加入当時は当初は全く気にならなかったんだけど、そんなことがあった、ある時から「あれ?」って思い始めちゃったんだよなぁ。それでですね、この曲意識してたの。

曲自体は、ホント「下世話」の一言でしたね。まあ、夏という事もあって、サーフィン&ロカビリーっていうノリも分かんないことはなかったけど、だからなに? って感じだったしさ。

以前も書いたんだけど、おニャン子関係の曲って86年の3月までは認めてたんですよ、個人的に。

でも、メインボーカル全交代になってからは、ダメですね。 曲があまりにも下世話になりすぎちゃって。

そもそも、おニャン子関係の曲って、特に毎週リリースになった86年4月頃からは「やっつけ仕事」の中の1曲って感じだったじゃん。
出し手側も、歌い手側も、やっつけ仕事的流れ作業の中の1曲。だから曲に対しての愛情もへったくれも感じられなかったわけでさ。音楽的な感動ってものが無かったしさ。

いつまでもそんなんでいいのかな。

っていうジレンマは、あったよね。

そんなジレンマから逃げるように、86年の夏の終わりごろから、個人的な興味はネオG.Sをきっかけとして60年代G.Sに移るんですよ。 並行して、当時はブラスに一番熱中してた頃でさ、吹奏楽オリジナル楽曲を物色してましたね。中学校の頃は曲は先生が探して来てたけど、高校では自分たちで探してたから、ずいぶんLPも購入して曲を探してたな。そそそ、まだCDじゃなくてLPね。
吹奏楽関係のLPとか楽譜とか探しにわざわざ銀座のヤマハまで行くようになったりしてね。
その類の音源ばっか聴くようになって、リアルタイムのヒット曲への興味が急激にしぼむんだよね。

おかげで、リアルタイムのヒット曲への興味から離れていた、86年夏〜88年にかけてのヒット曲の持ち音源って少ないんだよねぇ。




まあ、興味が薄くなっていたこの頃のヒット曲の音源も、最近少しずつ買い足してはいるんだけどね。
で、買い足した音源はすべて、24ビット、96KHzのハイレゾにアップグレードしてる。

あの当時はレコードはなかなか買えなかったんで、専らカセットで聴いてたわけじゃん。 でもね、ハイレゾにアップグレードすると、あの当時聴こえなかった音が聴こえるようになったりするのよ。
そうすることで、曲に対しての印象も当時とは大分変りますね。
これは、当時「下世話」と思えた、おニャン子関係の曲もしかりでさ。 

まあ、おニャン子とかアイドルの曲をCDクオリティからわざわざハイレゾにアップグレードしてる人もあんまりいないと思うけどさ。自分で音源をカスタマイズできる環境にある方は、騙されたと思ってやってみるのもいいかも。 音圧とか音の厚さとかCDクオリティとは全然違うし、結構目からうろこに感じたりするんだよね。

あの頃もカセットではなく、少なくともレコードで聴いてれば、もしかしたら当時感じてた印象も違っていたのかもしれんね。

もっとも、あの頃のような「17歳なのにアイドルかよ」なんていう周囲の目もなくなって・・・うんにゃ、気にならなくなって、本音であの頃の曲に向き合えるようになったっていうのが一番大きいんだろうな。あの頃と違った印象を受けるのは。



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他人の関係 / 金井克子

1973_08_他人の関係_金井克子


今回の1曲セレクトは、「他人の関係」金井克子です。

まずはデータです。

・タイトル     他人の関係
・アーティスト   金井克子
・作詞       有馬三恵子
・作曲       川口真
・編曲       川口真
・リリース日    1973年3月21日
・発売元      CBSソニー
・オリコン最高位  7位
・売上げ枚数    30.4万枚
・ベストテンランクイン期間:1973年7月2日〜8月20日付

一昨日の山下達郎氏の「サンデーソングブック」珍盤奇盤特集。 本当に変な曲ばっかかかりましたな。 まあヤマタツ氏曰くPCが飛んだ・・・ということで、以前の珍盤奇盤特集でO.Aした曲を再度流した曲も含まれていましたが。。。
その中で、個人的に「なんじゃ?これ」って思ったのは、やっぱ沢久美さんの「ミミの甘い生活」でしたね。
いわいる「セクスゥイー」路線の曲ですよ。「吐息」が入ってる・・・っていう。しかも女性の吐息ではなく、男性の吐息と来たもんだから。。。。
さすがこのパターンはあんまり聴いたことないなぁ、いままで。  ま、だから逆に耳に残ってしまったのかも。「気持ち悪い」っていう意味で。

いまでは、コンプライアンスだぁ、PTAのママゴンからのクレームだぁ、云々、うるさいご時世と相成ってしまった・・・・からかどうかわからないけど、この手の「セクスゥイー」路線の、いわいる「淫らな」流行歌は、今ではとんと見かけなくなりましたよね。

あの頃ー1970年代ーには、こういう、学校では教えてくれない「教育的」な流行歌もいっぱいあったんですけどね。。。 ヒット曲と言えばそれが普通だったんじゃないかなぁ。

もっとも70年代も後半になるとエロというのもかなりマイルドになりましたが。(これは娯楽の多様化のよりエロも音楽に頼らなくてもよくなった部分が大きいようです)
逆に言えば70年代前半頃までは、ストレートだったんですよね。

そういう時代をリアルタイムで経験しなかった・・・いや、そんな匂いを感じてたような気もするけどね。
大人の世界って面白そうな映った記憶もあるし。だから、早く大人になりたかっあところもある。早く大人になって酒飲みたい・・と、この頃から感じてたところってあるんだよな。



・・ということで、今回の1曲セレクトは、そんな「大人の色気」なこの曲をセレクト。

金井克子「他人の関係」

リリースは1973年。 当時私は4歳。 幼稚園の年少組の頃で、そろそろ物心がつき始めた頃かなぁ。
でも、さすがに「大人の色気」のこの曲は、リアルタイムで聴いた記憶はない。

この曲を知ったのは、後年、「レコード大賞30周年記念」など70年代を振り返るような音楽特番でだったと思う。
あとは、やっぱり「パールライス」のCMだよね。
↓ コレ

 

これには、さすがにかなりあきれ返ったな、ワタシも。
なんか、ちょっとあくどすぎる感じがしてさ。


ところで、この曲をプロデュースしたのは、CBSソニーの名物ディレクターだった酒井政利氏っていうのは、もしかすると意外なのかなぁ。
酒井氏というと、どうしてもこの直後の山口百恵、郷ひろみ、あるいは、同時期の南沙織・・といったアイドル系のディレクターっていうイメージが先行しているところがあるから。

でも、酒井氏著の「プロデューサー〜音楽シーンを駆け抜けて〜」によると、当時、アイドル系ど並行して「アダルト路線」のディレクションも氏が行っていたとか。

以前、ここでも書いた朝丘雪路さんの「雨がやんだら」を筆頭に、坂本スミ子さん、内田あかりさん、大信田礼子さん、梓みちよさん・・・といったらアダルト女性シンガーのディレクションを同時期酒井氏が行っていたりいる。

で、共通しているのが、一度売れて、少し落ち目になった人たちを再びヒットという形でヒットさせたこと。 だから、当時酒井氏は一度落ち目になったアーティストを再生させるという意味で「クリーニング屋」と呼ばれていたらしい。

この金井克子さんにしたってそうだしね。 
なんたって、元「西野バレエ団」の5人娘の一人として、由美かおる、奈美悦子らと人気を分け、1967年からは4年連続で紅白歌合戦にも出場した経験もある方なわけでさ。

そんな熱狂も一段落し、人気も低迷していた70年代初頭、酒井氏と出会い、この曲で、華々しく復活したわけなんだよね。

個人的に、この曲を聴いたのは件の通り、大分後年になってからなんだけど、曲を聴くと嫌がおうにも当時の70年代頃の空気を感じるんだよなぁ。
70年代初頭の独特のメロディラインもそうなんだけど、サウンドですよね。 特にイントロでの低音のフルート。 この低音のフルートの音色を聴くと、いつも決まってゾクゾクしてしまったり。

フルートって、高音域では、透明感のあるさわやかさを感じたりするけど、逆に低音域の音色って、どこか淫靡な感じがしません?

ワタシは、そういうイメージがあるんだよなぁ。夜に向かった〜・・・っていうかさ。 少なくとも夕方から夜に向かうような怪しい雰囲気を醸し出すんだよね。

そういえば、「なんでも鑑定団」の鑑定中の時のBGMも低音のフルートがメインになってるけど、個人的には同じように淫靡なイメージが浮かんだりして 

作詞は、有馬三恵子さん。大人の女性のとしてのポップスは伊東ゆかりさんの「小指の思い出」などの実績があったものの、ちょうどこのころは南沙織さんの一連のヒットを手掛けていたこともあり、その関係で酒井氏と繋がっていたわけですね。

作曲は川口真氏。  詞については、有馬女史ということはあまり驚きはなかったけど、曲が川口真氏っていうのは、ちょっと意外だった。
サウンド的に川口氏とはちょっと違うなというイメージがあったから。
たとえば山下毅雄氏とかさ。少なくとも、上記のように低音のフルートによる湿った淫靡な手触り感は、山下氏に近い感触だったんだけどね。



やっぱヒット当時の動画はなかなかないわけだよね。ということで、出来るだけ古めの動画をリンク。

ところで、「他人の関係」といったら、最初に書いたように金井克子さん本人による「パールライス」のCMもそうだけど、最近(といっても5年位前だが)は、一青窈のカバーも悪くなかったんだよな。
一見、マジメそうな一青さんが、懸命に大人の女を演じてるようで、あれはあれで味が出てたと思いますね。



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