かじやんのヒット曲&チャートレビュー

ヒット曲を聴き続けて40数年! かじやんがお送りする、「今」のヒット曲&ヒットチャートから、「あのころ」のヒット曲&ヒットチャートまで、ヒット曲について幅広くご紹介するブログ。 自主チャートサイト"THE HITCHART NOW AND THEN"の支店ページという位置づけにいたします。

2020年07月

【キニナル曲】裸の心 / あいみょん

202007_裸の心_あいみょん


まずはデータです。

・タイトル    裸の心
・アーティスト  あいみょん
・作詞      あいみょん
・作曲      あいみょん
・編曲      トオミヨウ
・リリース日   2020年6月17日
・発売元     ワーナーミュージックジャパン
・タイアップ:TBS系ドラマ「私の家政夫ナギサさん」主題歌

今年はいつまでたっても梅雨が明けませんな。 こういつまでもグズグスした天気だと気が晴れませんわ。ましてや今年は件のコロナ禍の真っ只中でもあり、一層気が晴れない夏ですわ。
本来、夏本番間近の今頃ならば、「夏!」を連想させる曲を聴きたくなるわけだけど、今年はどうもそういう気分にもなれない。

もっとも、最近は季節を連想させるヒット曲も少ないし、だから、ヒット曲で季節を感じるってことも少なくなってきてるけどさ。
昔は、季節を感じる曲って多かったからさ、特に夏はさ。 ただ、だからこそヒットするかしないか、実際の天気次第ってところがあったんだよね。
天候不順な年は、いくら夏っぽい曲でも思ったよりヒットしなかったり、逆もしかりでさ。

最近はヒット曲に季節感が少なくなってきたと言えど、ワタシゃ、何分、古い人間なんでさ、未だに夏に夏っぽくない曲を聴いたりするとどうも違和感を感じちゃったりするのね。

今回キニナル曲に持ってきた、あいみょんの「裸の心」。
 
これ最初に聴いたときに、真っ先に感じたのが、なぜに夏に、こんな「晩秋」っぽい曲  っていうギモンだったんだよね。

上で書いたように夏にゃ、夏っぽい曲・・・っていう頭があるからさぁ。

だから、最初は、コリはあんまり売れないだろうな・・・なんて思ったわけよ。

少し前、そそそ、前曲「さよならの今日に」も「キニナル曲」で書いたんだけど、あのとき「ことしのあいみょんは勝負の年になるだろうな」と書いた。

昨年あまりにもリリース頻度が高かったんで、場合によっては飽きられるかもな・・っていう意味でそう書いたんだけども。 個人的にはシングルに対してはもっと「インパクト」重視、あるいは、あらたな、あいみょんを見せるべきと感じているし、期待もしてたんだよね。

その上でのこの曲のリリースだったわけじゃん。 どうも肩透かしを感じたんだよなぁ。

そもそもが初夏なのに「晩秋」っぽい曲調ってどうなのよ

あー、ダメかも。。  ってさ。

でもさ、何回もこの曲を耳にしてるうちに、ここにきて、「これはこれでアリかも」と思えて来たんだよな。

考えてみれば、ここまで素直な「あいみょん」を見せてきた曲は、少なくともこれまでのシングルにはなかったし。

ここまでのあいみょんって、何処かけだるかったり、少しドスの聴いたような低音だったり、どこか構えたような、妙に肩の力が入ったような曲が多かったような気がするのよ。

この「裸の心」、そんな肩の力が入っていない分、素直に歌っている分、あいみょん特有の、少し不安定な子音の響きが感じられる曲なんじゃないかなぁ。

そそそ、あいみょんの良さって、ドスの聴いた太い低音ではなく、中音〜高音域の少し不安定な子音の響きにあると思うんだよね。

この曲、力が抜けてる分、そんな不安定な子音の響きがよく出てると思う。 本当のあいみよんなんだよな、これが。


・・・・とは言うものの、本音を言えば、天候不順なここまでの今年の夏。「晩秋」なイメージの強いこの曲は、今年のここまでの夏のイメージとシンクロしてるんじゃないかなぁ・・なんて感じたりるんだけどさ。

それが、ここまでのこの曲のヒットにつながっているんじゃないか。

もし、これがさ、猛暑の夏だったら、コロナ禍がなかったら、果たしてここまでヒットしていたか・・・この曲とイメージが合わないんじゃないかなぁなんて思えたりするんだよね。
そしたら、果たして現在のここまでのようなヒットになっていないかったんぢゃないか・・とかさ。

まあ、あくまで「たられば・・」の話ではあるんだけども。





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【キニナル曲】HELLO ep / Official髭男dism

2020_07_hello_ep_ヒゲダン



・タイトル  HELLO.EP
・アーティスト名 Official髭男dism
・リリース日 2020年8月5日
・発売元 ポニーキャニオン


いつ以来のキニナル曲だろう? 2か月ぶりくらいかな?

ま、その間、新曲を聴いてなかったわけでも、刺さった曲がなかったわけでもないんだけどね。如何せん「生業」が忙しく、なかなかこちらに手を回す余裕がなかったんだよね。

で、この4連休。 ようやっと手が空いた・・・ってことでPCに向かっておりまする。

書かなかった2か月の間、ヒットチャートも大分様変わりしてきましたな。 この前書いたときはヒゲダンの「I LOVE...」とかLiSAの「紅蓮華」がトップ争いを繰り広げ、そこに瑛人が割って入りかけたころですわ。

その間、個人的にはヒゲダンの新曲「Laughter」がやっぱ、気になってはいたんだけどね。

何分、前曲「パラボラ」が、期待していた程ヒット面で伸びなかったというのもある。

まあ、この曲は(当初)配信のみだったこともあり、やっぱCDリリースない曲は、そんなものなのか・・・という半ばあきらめもあったり。。

そんな中で、ヒゲダンのCDニューリリースが情報が。。。

新曲「Laughter」は、映画「コンフィデンスマンJP プリンセス編」の主題歌ということが早々と情報リリースされていたし、当然次のシングルタイトル曲はこの曲だろうなんて思ってたんだよね。
CDシングルリリースのある「
I LOVE...」の大ヒット。さらに、前作の映画「コンフィデンスマンJP」の主題歌だった、「Pretender」の超ロングヒットを考えると、いやがおうにも「Laughter」に期待してた私だったりして。。。

でもさ、先日、いざニュー「シングル」情報が発表になって拍子抜けした。 いや大分拍子抜けした。。

8月5日リリースのCDは、シングルではなく「e.p」であること、 しかもタイトルも「Laughter」ではなく、「HELLO」であること。

●HELLO e.p   track

1.HELLO  
作詞 藤原聡  作曲 藤原聡 編曲 Official髭男dism

2.パラボラ 
作詞 藤原聡  作曲 藤原聡 編曲 Official髭男dism

3.Laughter     
作詞 藤原聡  作曲 藤原聡 編曲 Official髭男dism

4.夏模様の猫   
作詞 藤原聡  作曲 藤原聡 編曲 Official髭男dism

うーん。。。。なんともはや。

まあ、「HELLO」も「めざましテレビ」の現在のテーマソングとして毎朝流れている定番曲と言えば定番曲ではある。

でも、昨年、大ヒットの実績をつくった映画「コンフィデンスマンJP」の主題歌をタイトル曲から外してくる

しかも「Laughter」は、「HELLO」「パラボラ」につづく3曲目というトラックになる。

この曲順にも、めちゃくちゃ肩透かしを食らってしまった。


ま、サブスクを含めたネット配信、Youtubeなどの動画配信では「神」的な再生回数を誇るヒゲダンなわけで、パッケージは軽視という向きも考えられなくもない。

ただ、タイトル曲としてのCDリリースがあった「I LOVE...」と、これまでCDリリースがなかった「パラボラ」のヒット言う面での動きの違いを見る限りでは、やっぱりタイトル曲としてのCDリリースの有る無しではヒットという面で差がつくな・・・っていうのは実感なんだよね。

これは、昨年リリースの「Pretemder」「宿命」「イエスタディ」を含めてそう感じますね。


・・ということは、この先「ヒット」という意味での本命はタイトル曲となる「HELLO」になってくるんかなぁ・・・なんて思える。



ま、実際の曲調面から見て「Laughter」は、初聴での印象は思ったよりも「インパクト」が薄いなとは感じた。
昨年の「Pretender」のような初聴から、イントロからして思わず引き込まれてしまうようなインパクト、サビ前の例の♪Good-bye〜♪のようなフックとなるようなフレーズ、それは感じなかった。その点、不安感を覚えなかったわけではない。

しいて言えば、雑味が有る太い音色のギターサウンドから始まるイントロ。 いつものまとまりの有るサウンドのヒゲダンではなく、どちらかと言えば他のラウド系バンドのようなラフさ。
これは、ここのところのヒゲダンにはない味だなという印象を受ける。

でも、それだけなんだよね、残るのは。  

ま、噛めば噛むほど味が出るスルメソングがヒゲダンの持ち味でもあり、この後聴き込めば味が出てくのかもしれない。。

今の時点では、毎日のように流れ、すでに耳になじんでいる「HELLO」の方がインパクトは上だよね。 っていうイメージ。 それは、どうしてもあるんだよな。 

ちなみに、「HELLO」は、速い3連調テンポのこれまでのシングルにはなかったような曲調。
サビがリズム体的にスティービーワンダーの「パートタイムラバー」を連想してしまった私だったり。。
ラフで音の輪郭の太いサウンドは「Laughter」のイントロ出だしのギターサウンドと同じような印象も受けるけど、こちらの方がロック色が強いし、バンド色も強い。

これは個人的なイメージなんたけども、ここまでのヒゲダンのシングルを見ると、ホーンセクションを多用したソウルテイストな曲や、ストリングスを多用したサウンドよりも、あくまで、キーボードを前面に出し、バンドサウンドを強調した素直なポップ・ロックテイストの曲の方がこの人たちには、よりフィットしているような印象が強い。

昨年の「Pretender」や、個人的にヒゲダンに注目したインディーズの頃の「LADY」にしてもそうだし、今回リリースのタイトル曲となる「HELLO」にも2曲目の「パラボラ」でも同じように感じる。
その印象から見て、ストリングスをフィーチャーした「Laughter」は上記2曲よりも印書的に弱いのかもな。決して悪い曲ではないんだけど。

もしかすると、「出し手」の方も同じようなことを考えての上でのニューepの曲順なんじゃないか・・・なんて思えてきたりするんだよな。

ただ、実際トラック順に聴いてみると「HELLO」は、まとまりとインパクトという点で一番シングル向きではような気がするな。
果たして、これまでのヒゲダンの実績通り、タイトル曲となった「HELLO」は売れてくるのか。
タイトル曲とはならなかった「Laughter」の今後のヒットの動き共々注目したいね。


track.1   HELLO

 


track.2  パラボラ



track.3  Laughter





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「シュミ」で書いてるからこそ言いたいことが書ける

子供のころからウ〇コが長いんで、本を持ってトイレに入るんだけど、ここのところは近田春夫氏著の「気分は歌謡曲」を再度読み返してる。

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やっぱ、この本はワタシにとっちゃバイブルのひとつですねぇ。一筆書き的に書かれてるし、だから文法的に変な文章が多い。(近田氏自ら「文法的に変な文章」とか書いてるし。。。)
でもだからこそ勢いがあるんだよね。
私的にはある意味理想。。というか、ワタシも同じように勢いだけで文章書いてるんで。。。

ま、あとは内容ですね。 特に80年〜81年にかけてあたりに引っかかりますね。
たのきん、松田聖子、筒美京平、決定!全日本歌謡選抜、オリコンウイークリー、クイズドレミファドン!、レンタルレコード・・・etc  とあの頃、我々が引っかかったような内容が次々に出てくるんでねぇ。


その中でも「シュミで音楽評論をやってるからこそのいいかげんなピンク・レディー評」(ポパイ1980年11月10日号掲載)っていう回には特に引っかかった。

まあ、別にタイトル通り、いい加減に音楽評論をしているんではないって内容なんだけどさ。
つまり「生業」ではなく「シュミ」として音楽評論をやってるからこそ、お金が絡んでいないからこそ本当に言いたいことが書けるという内容ですね。

あ、これはよくわかる。

個人的にも、これまで、例えば「1曲セレクト」とかさ、1700曲くらいレビューとか書いてきたけど、なんで、ここまで書けたかと言えば、「シュミ」でやってるからなんだろうな。近田氏と同じで曲のレビュー書きでメシ食ってるわけではないんでさ。
文章書きで飯食ってたら正直こんな何百曲もレビュー書けないですよ。気が重くて。 


「大人の事情で」とか「お金が絡んでいるんで」・・なんてしがらみいっぱいの中で、本当に書きたい様に文章なんて書けないじゃないですか。

それと気が重いってのは「校正」ですね。

公式なサイトとか冊子に書く文章って、校正ってあるでしょ。
まあ、文章が変とか、文法的に変とか、誤字脱字があるなどのチェックのために行うわけなんだけど。
場合によっては、出し手の都合に合わなくて内容がボツになったり、書き直しさせられたりするじゃん。
あれがどうも苦手でね。


最初に書いたように、一筆書き的に勢いだけで書くのが好きなんで。 言ってみりゃアドリブなんだよね、私の文章。
なんで、後で読み返すと、なんでこう書いたんだろ? って自分で分かんなくなることがあるのよ。 なんせアドリブなんでさ。 アドリブってその場の勢いが面白いわけで、後から振り返っても覚えてないことがあるじゃん。 あれと基本同じなんだよね。

公式な文章に「校正」があるっていうの、初めて知ったのは、以前書いた小学4年の時に「文集いわき」という文集に私の作文が載った時ですね。
 実際載った文章は、最初に書いた文章とかなり違うのよ。最初に書いた文章は、例のごとくアドリブ的に書いたからさあ。 きちんと文集に載せられるように、何回も書き直ししたの覚えてるんだよなぁ。
10歳にして早くも「校正」の煩わしさを知ってしまったのよ、ワタシ。

まあ、少しでも文章のグレードを上げていただけるようにと校正していただけるのはよく分かるんだけど、根が「ものぐさ」で面倒くさがり・・・という井上陽水氏とおんなじ性格なもんで、どうもね・・・。

そんなわけで、世の中に「校正」というシステムがある限り、ワタシゃ物書きで飯食うことはないだろうなぁ・・・。

なんて「気分は歌謡曲」のこの回を読むといつも感じちゃうわけです。

HIT SONG MAKERS 筒美京平編

先日購入した、2005年にBSフジで放送された「HIT SONG MAKERS」の「筒美京平編」のDVD、ようやっと見れた。

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後年NHK BSプレミアムで放送された「希代のヒットメーカー 筒美京平」よりも突っ込んだ内容になっていますね。
生演奏で披露する曲も何曲か含まれているけど、数ある筒美作品の中でもマニアックな選曲。
さすがにBSということで、本当に興味がある人向けの内容になっている。
そのあたりは、NHKBSで放送された内容とはかなり対照的だと思う。NHKの方は、皆様のNHKらしく「大衆向け」って感じでしたからね。
その分、見ごたえはあるとは思うけど、筒美"大ヒット"作品を期待してる方にはちょっと拍子抜けかも。

いずれにしても、NHK BSの「希代のヒットメーカー」と併せて、大分、筒美京平氏について分かってきた・・・とは思うものの、やっぱり榊ひろと氏著「筒美京平ヒットストーリー」を全網羅するほどの内容には程遠いなぁ。

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ただ山口百恵を手掛けた酒井政利氏のインタビューで「南沙織さんは筒美氏と合うと思ったけど、山口百恵は筒美メロディを殺してしまうと思えたので、敢えて依頼しなかった」というコトバと、「松田聖子は南沙織にタイプが近いので、筒美作品には合うかもしれない」というコトバは印象に残ったな。
これは、私もそう思う。

これはどういう意味かと言えば、洋楽的な南沙織さんと、日本的な山口百恵さんというタイプの違いだよね。
その点、洋楽的な筒美氏のメロディは南沙織さんには合ってるけど、山口百恵さんには合わなかっただろうってことだよね。

そのタイプの違いから言えば、松田聖子さんは南沙織タイプに近いってこと。

それにしても松本隆−筒美京平−大村雅朗で松田聖子の曲を作ってたらどうなってただろう?  

やっぱミポリンの「ツイてるねノッてるね」みたいになってたのかしらね?

リップスティック / 桜田淳子

1978_07_リップスティック_桜田淳子


今回の1曲セレクトは「リップスティック」桜田淳子です。

まずはデータでする。

・タイトル    リップスティック
・アーティスト  桜田淳子
・作詞      松本隆
・作曲      筒美京平
・編曲      筒美京平
・リリース日   1978年6月5日
・発売元     ビクター
・オリコン最高位 10位
・売上げ枚数  19.6万枚
・THE HITCHART HOT30最高位 8位
・ベストテンランクイン期間:1978年6月19日〜7月24日付

後付けで知った曲。 こういう曲も数限りなくあるわけなんですよね。
私の場合、リアルタイムでヒット曲を聴き始めたのが、1978年9月頃だったかなぁ。 実際的には1978年11月2日に初めて「ザ・ベストテン」を見始めて以降っていうのが、より正しいんだけど。
うん、この場合、「意識して」ヒット曲を聴き始めたのっていった方が正しいかもしれん。 
もちろん、それ以前にも、なんとなく聴いてた曲もあるわけなんでね。
特にこれらの端境期にあたる1978年っていう年は、意識してヒット曲を聴き始めては無くても、なんとなく聴いてた曲も多いんだよね。
 反面後年まで全く知らなかった曲も多かったりして。。。  今回はそんな曲を一つ。

桜田淳子 「リップスティック」

いや、そう書くと結構意外がられますかね。

桜田淳子さんの1978年リリース曲の中では、代表曲と言ってもいいですし、ヒット曲評論家の間でも「受け」がいいこの曲なんでね。
でも、私は耳にしてなかったんだよなぁ。理由はよくわかんない。
まだ、積極的にヒット曲を聴いてなかった時期ではあるものの、この前曲の「追いかけてヨコハマ」は、リアルタイムで知ってたんだけどね。

もちろん、歴代の「ザ・ベストテン」のランクイン曲の一つとして知ってはいたけどさ。あくまで「知識」と知っていたまでで、曲は後年まで聴いたことなかった。。 というか、ずっと忘れてたと言った方がいいかもしれん。

再び、この曲を意識しだしたのは、1995年に刊行された「歌謡曲完全攻略ガイド」で取り上げられたのを読んでからですね。

それでも、それから実際に曲を耳にするまで、さらに何年もかかったんだけどさ

曲を実際耳にしたの、実は、いまから数年前なんですわ。。。

実際曲を聴いてみて、「歌謡曲完全攻略ガイド」で読んだ印象とは大分違ったんたんだよね。それでがっかりしたような何とも言えない気分になったりして。

「歌謡曲完全攻略ガイド」を読む限りではもっとポップでスピード感があるようなイメージを持ってたんだよな。
Aメロ前の 例の ♪フッフッ♪ っていうコーラスも「歌謡曲完全攻略ガイド」を読む限りでは、もっとスビート感があるのかと思ってたんで、実際に曲を聴いてちょっと拍子抜けだったんだよな。

ただ、一番感じたのは、それまで感じていた1978年の「初夏」っていうイメージとちょっと違うなってところかなぁ。

これまで自分で所有していた音源から感じる1978年初夏って、もっとロックなイメージが強いんだよね。といっても、汗臭いロックというよりは、ポップスよりのさわやかなロックっていうのかなぁ。
いかにも初夏を思い浮かばせる緑が、このころのイメージカラーなんだよね、個人的な中では。

でもねこの曲は、ちょっとこのイメージカラーからは離れてるかなぁ・・・っていうのが真っ先に感じたところでさ。

そうだ、この曲はポップスというよりも「ソウル」なんだよね。といっても、「ソウルドラキュラ」のような重くてジメっとしたソウルではなく、ディスコっぽいダンスナンバー寄りのソウル。
スリーディグリーズの「ソウルトレイン」とか、あの類に近いよね。
そういえば、スリーディグリーズといえば「にがい涙」とか、浅野ゆう子さんの「セクシー・バス・ストップ」って筒美氏が手掛けたわけで、この手のディスコ寄りのソウルナンバーって得意なんだよね。

で、いずれの曲も、なんていうのかなぁ、ヒューミディティ的っていうのかなぁ、どことなく、湿度を感じるサウンドだったりしてね。
っていっても、なかなか伝わらないかなぁ・・・。 そうね、昨日今日の関東地方の天気のような「蒸し暑さ」っていうのかなぁ。 そんな温度感を感じたりして。

この「リップスティック」にしてもそうだなぁ。

この湿度感は、筒美氏のアレンジ特有なサウンドなんだよなぁ。 良く筒美氏のアレンジはバタ臭いっていわれたりするけど、個人的にこの言い方はなんかちょっと違うなって思えたりしてたんだけどさ。そそそ、ヒューミディティ的なんだよね。

恐らく、筒美氏が自らのアレンジする際、 特にソウルナンバーの時のややしつこいくらいの「ストリングス」の使い方から湿度感を感じるのかなとも思ったりするんだけどさ。

ただ、同じ筒美氏でも、太田裕美さんの「九月の雨」や、ジュディ・オングさんの「魅せられて」で聴かせてくれるような、いわいるポールモーリアサウンドの場合は、ソフィケートされた清涼感のあるストリングスを聴かせてくれたり。
曲調によって、全く違うストリングの使い方を魅せるっていうのも筒美氏の特徴だし、そういう使い分けができるっていうのも筒美氏サウンド幅の広さなんだよね。

もっとも、筒美氏自らアレンジをほとんどしなくなった80年代以降は、なかなかこのサウンドを聴く機会も少なくなるんだけども。

ただ、この「リップスティック」の場合、そうは言っても、件のコーラスにしても清涼感があるし、なんと言ってもサビとは全く異なるスローなイントロは蒸し暑さどころか、秋風を感じさせたりして、夏の汗臭さを払拭させていますね。
さすがに、当時トップアイドルであった淳子さんに、そこまで汗臭さを感じる曲はマズいっていう配慮なんでしょうかね。



それにしても「ベストテン」落ちは突然にやってくるなんて言いたくなるくらい、まさか、この曲が淳子さんにとって最後のオリコンベストテン入りなんて、よもや思わなかったんじゃないのかなぁ。

たしかに、20才を迎え、当時アイドルから大人のシンガーに脱皮する途中だったんだろうっていうのは、今になってみればよく分かんだよね。
 少なくとも、この曲のちょうど1年前にリリースした「気まぐれヴィーナス」と比べても、ぐっと大人っぽい曲調だしさこの曲は。

ただ、そんなアイドルから大人への脱皮っていう変化は、このヒトの場合は受け入れられにくかったんだろうね。
それだけ、このヒトの場合は根っからの太陽のようなアイドル気質だったんだろうし、永遠のアイドルをみんな望んでたんだろうな。
そこが陰と陽といわれ「菩薩」だった山口百恵さんとは違ったというわけで。。。



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