データです。
・タイトル 834.194
・アーティスト サカナクション
・発売元 ビクターエンタテインメント
・リリース日 2019年6月19日
やおら、ブログタイトルを見て、なんでぇシングル曲じゃ無くて、アルバムタイトルぢゃんなんて言わないでね。
勤務している会社では、1日中FM東京が流れてるんだけど、先週はやたらとサカナクションのニューアルバムがかかったんだよな。
これがさあ、ワシの年代・・・というか、今の50代には引っかかる曲調ばかりでめちゃくちゃ気になった。で「休日」である昨日Spotifyで全曲視聴してみた。
なるほどぉ、これは「ツボ」ですな。
全体的に一言でまとめると「1970年代へのオマージュ」って感じですねぇ。
メインは、シンセを多用したサウンド。ただし1980年以降のYMOの完全なテクノというわけではない。むしろ1970年代終盤のゴダイゴですね。根っこの部分は。
ただ、ゴダイゴって「西遊記」でもそうだけど、ポリフォリックというよりもモノフォリックシンセを多用していたイメージが強い。
これをポリフォリックシンセでやったら・・・。
サカナクションっていう人たちのサウンドは、そんなイメージある。
特にシングル「新宝島」以降は、そのイメージがより強くなったわけだけど、今回のアルバムも、基本はその延長線上にはあるな。
このアルバムで、そのイメージを最も踏襲しているのは、もろゴダイゴの「西遊記」、いや「モンキーマジック」な3曲目の「陽炎」か。
「新宝島」の時と違うのは、もっとファッショナブルあり、ファンキーあり、ダンサブルあり・・と曲想が幅広い。 ただし、その色合いっていうのがどの曲も「1970年代」っていう時代の独特の猥雑さを感じるんだよね。
その中でも一番感じたのは「1979年」という時代性だな。
1979年って今振り返ってみると独特な年でさあ。
ウエストコーストの風ポップスがあったかと思うと、YMOのようなテクノと呼ばれるサウンドもある。
さだまさしのようなフォークタッチのサウンドもある。 フェンダーローズを多用したAORな曲もある。プログレっぽい曲もある。ディスコミュージックがある。かたや演歌もある。
一見すると、非主体性的イメージがあるけど、そうじゃない。この猥雑さが79年と言う年の良さでもあり世相を映しているように思えるんだよな。
このアルバムの曲からは、これらの要素がすべて含まれてたりするんだよな。
フロントマンの山口一郎には、今の世相が40年前の1979年と同じように見えたのかもしれない。
単純に40年前と言うキリの良さから、1979年と言う時代の音楽の要素を今の時代に甦らせたのかもしれない。
その辺り、正しい解釈はしかねるけど、少なくともこのアルバムから感じることは1979年と言う時代の空気感ですね。
ちなみに1曲目の「忘れられないの」は、ウエストコーストタッチのサウンドにギターのカッティッング、チョッパーを多用したファンキーなベースが絡んでくるアルバムのリード曲。
この曲のMVが思いっきり「杉山清貴&オメガトライブ」的リゾート風なんで、ネットを見ると下敷きは80'S・・・うんにゃ、「オメガトライブ」って言ってる方や、メディアが多いけど、ワタシは「オメガトライブ」的とは感じなかった。
そもそもオメガトライブってベースラインがここまでファンキーぢゃないし。。。 同時期で言えばC-C-Bの方がベースラインはファンキーだったよね。
・・・・というかベースの草刈女史のベースがファンキーなんだよな。ここまでチョッパーがキマるベースウーマンってそうそういないと思う。
2曲目の「マッチとピーナッツ」に於いての、ヤマタツの「BOMBER」を思わせるような強烈なベースラインなんて男でもココまでなかなか弾けないよな。
ただ、個人的に一番「刺さった」曲は、6曲目の「モス」。
もろ、山本リンダ「狙いうち」 + アン・ルイス「LAV YA」 なイントロはヤバイでしょ。
BUT、こんな事書くと、↑で書いた79年じゃねーじゃん。「LAV YA」は83年。80年代じゃんとか言われそうだけど、80年代って83年3月のヒット曲までは、70年代のオマージュだからさ。
まあ、そう感じるのはワタシだけかもしれないけど、82年の70年代カバーブームなんてモロだったじゃん。その視点からすると本当の80年代のヒット曲って83年4月以降なんだよね。
佐野元春の「グッパイからはじめよう」。この曲のリリースが1983年3月5日。この曲が70年代との本当の意味での決別に聴こえるんだよな。
それから見て、それの少し前にリリースされたアン・ルイスの「LAV YA」」も70年代のオマージュ。つまりは70年代的な曲なんだよね。