今回の1曲セレクトは、「そんなヒロシに騙されて」高田みづえです。
まずはデータですよん
・タイトル そんなヒロシに騙されて
・アーティスト 高田みづえ
・作詞 桑田佳祐
・作曲 桑田佳祐
・編曲 若草恵
・リリース日 1983年8月21日
・発売元 テイチク
・オリコン最高位 6位
・売上げ枚数 30.6万枚
・THE HITCHART HOT30最高位 5位
・ベストテンランクイン期間:1983年10月17日〜11月21日
またまた1983年にタイムスリップ。 この間も書いたんだけど、どーも、この季節は1983年と縁が切れませんな。
個人的なもんだけど、1983年の秋の曲って印象深い曲が多いんだよね。当時14歳って、そこそこ大人になりかけていた、but、まだまだ純情だった時期、それでいて、まだ、受験の縛りもなかったし、それこそ純粋に「音楽」を聴いていた曲たちっていうところが大きいんだろうねぇ。
でもって、「そんなヒロシに騙されて」。
これはさ、オリジナルは、この年の夏にリリースされたサザン、6枚目のオリジナルアルバム「綺麗」に収録されていた、ハラ坊ボーカルの曲だったわけですよね。
この前の年のサザンのアルバム「NUDE MAN」が全体的に「サザンロック」的なデビュー当時に戻ったようなラフなロックテイストな曲が多かったのにたいして、この「綺麗」から第2期サザンが始まった・・・と思えるような、とぢらかといえば「ニューウェイブ」風な全体的な印象を残すアルバムだったわけだけども、この曲だけは、完全に「異色」だったでよわね。
上で書いたように、他の曲がラテンあり、レゲエっぽいのあり・・と、ベクトルは「洋楽」的方向にありながら、この曲だけは完全に「和風」ぢゃないですか。
和風といっても、根はロックアーティストなサザンなわけで、完全に「演歌」をやるわけにも行かず・といったところで、ギリギリの選択肢として「GS」だったんぢゃないかねぇ。
ま、GSといっても、完全に向こうを意識したGSからアイドル然としたもの、はたまたはムードコーラス的なGSといろいろな方向性をもったGSがあったわけだけども、そのなかで、この曲は、パープルシャドウズって感じの「ムード歌謡系」GSな雰囲気な曲だったよね。
そう、これが桑田としても、当時のサザンの「歌謡曲」に対してのギリギリのリスペクトだったんじゃないかなぁ。
もともと桑田選手の歌謡曲好きは有名だからね。特にムード歌謡系。クールファイブが大好きだったっていう少年だったらしいし。要は「お水」系っぽい歌謡曲ってことでしょうね。
そこからすると、この曲の雰囲気はバッチリだもんね。
で、もともと歌謡曲などほとんど知らなかったっていう、お水系とはほとんど無関係そうなハラ坊がからんできているって言うのが、面白いんだよね。
まあ、「サザン」としては、アルバムを通してのアソビ、息抜き、そして実験的な曲だからねぇ。決して本気な曲ではないんたけどね。 いや、本気ぢゃないから、この手の曲として面白かったんだけどさ。
だいたい、タイトルからして「そんなヒロシに騙されて」なんて、とぼけたタイトルじゃない!?
だから、演奏にしてもGSとしては比較的軽いんだよね。ガレージっぽいサウンド、テケテケテケテケなギターはGSだけど、100%な「本気度」は感じないんですよ。
BUT、そこを「本気」で歌ったヒトがいたわけ。
はい、高田みづえさんですね。
この曲をこのヒトが歌うと、サザンでは「遊び」だったのが、途端に真っ直ぐになるんだよね。
GSではなく、正統派な「歌謡曲」っていう雰囲気。
たださ、「お水」的な雰囲気は、もともと「歌謡曲」な高田みづえの方があると思うんだよね。
歌謡曲独特な匂い・・というか「フェロモン」的な感触っていうか。
やっぱさ、歌謡曲って健全じゃダメだと思うんだよね。最近「歌謡曲」が廃れてきた原因って、この独特なお水的なフェロモンの匂いがする曲が減ってきたからじゃないかなぁ。
演歌とは違うんですよ。演歌ってたしかに「お水」的なウタではあるけど、世界的に一杯飲み屋とか居酒屋の世界観じゃん。雰囲気的に。
じゃなくてナイトクラブとかパブ的な世界。
え? どこがちがうんだよー って言われそうだけど、ちがうの! 雰囲気は。
それで30万枚ヒットですよ! サザンのアルバムのセールスと遜色ないもんね。
うーん、やっぱし、このテの歌謡曲が好きなヒトが潜在的には多かったってことなんぢゃないかなぁ。
まあ、どっちにしろ、すでに今では廃れてきている世界だけどさぁ。
でも、今一度、こういう「お水」っぽい世界のヒット曲ももっと出てこないかなぁと思ったりするんだよね。最近。
いや、出ないから、ヒット曲の感じが子どもな世界に支配されているような気になるんだよね。
やっぱ、ムード歌謡とか、復活してほしいよなぁ。
クールファイブとか、ロスインディオスとか、あーいう世界。
最近、マジでそう思ったりするな。なんかさ、いい意味で大人の「不真面目」な感じがするんじゃん。そこがいいんだよね。
ちなみに、高田みづえさん陣営は、カバーについては、サザンに打診してなかったみたいですね。
当時のオリコンに、ハラ坊が「知らないところでいきなりカバーされてた」っぽいこと言っております。
なんてゲーノー界的なんでしょう。他の業界だったら、断りもなく他人のもんを使うってことはないですよね。
こういう、他人のものは俺のもの的な発想なゲーノー界は好きです。
まあ、著作権的にJASRACにちゃんとお金払ってれば、「基本的」には問題ないんだけどさ。原盤をそのまま使っているわけではないし。。。
ふんにゃ、おそらく、サザン所属のアミューズと、高田みづえ所属のバーニングっちゅうつながりからなわけですね。。。
あ、この辺は知ってる人だけ知ってればいいことでして。。。(爆)
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