今回の1曲セレクトは、「BOMBER」山下達郎です。
まずはデータです。
・タイトル BOMBER
・アーティスト 山下達郎
・作詞 吉田美奈子
・作曲 山下達郎
・編曲 山下達郎
・リリース日 1978年12月20日
・発売元 RVC
・オリコン最高位 75位
・売り上げ枚数 0.6万枚
(売り上げデータは、この曲が収録されているアルバム「GO AHEAD!」のもの
今回の1曲セレクトは、かなりの変化球です。
通常、シングルのタイトル曲しかセレクトしてこないんだけどね、「この時期」のアルバムの曲として、拾っておきたい曲が1曲あるんですよ。
それが、今回セレクトしてきた、山下達郎の「BOMBER」。
・・・とは書いたものの、ほとんどの方は、「なんじゃ、そりゃ」かなぁ。
なんせ、アルバムの1曲だし、しかも、そのアルバムにしたって、オリコン最高75位。売り上げ6千枚ですから・・・。
でも、逆に、ヤマタツの「BOMBER」と聴いて、うわっ懐かしい! っていう方は、昔からのヤマタツファンか、当時、ディスコでかなり遊んでいた方じゃないかなぁ。
この曲は山下達郎の3枚目のオリジナルアルバム「GO AHEAD」(1978年12月20日リリース)に収録された曲なんだけど、今の山下達郎しか知らない人には、悶絶もんですよ。
今の山下達郎氏は、日本音楽界の重鎮的な地位を築かれ、自分のスタジオでの多重録音を駆使したハイソサエティな音楽が首領となってしまいましたが、昔昔、まだ20代だった頃のヤマタツは、今じゃ考えられないような、超ファンキーな音楽やってた・・・ことを知らないよねぇ。
・・というか、ワタシもそれは知らなかった。
いや、幾分かは知ってた。意外と忘れられてるかもしれないけど、「3年B組金八先生」でバックのBGMで「FUNKY FLUSHIN'」が流れる回があったんだよね。
それを聴いて、ちょっと目からウロコだったんだよね、個人的に。
私らの世代では、ヤマタツのリアルタイムとしての「入口」は、1980年の「RIDE ON TIME」以降だからさ。
それ以前に、こんなにファンキーな音楽が日本にもあったんだ・・・と分かった時、やっぱり、衝撃だったんだよね。
で、いろいろ探してたら、この「BOMBER」にぶつかった。
いやー、衝撃でしたね
なんせ、ヤマタツっていったら、「クリスマスイブ」で聴かせるような、神経質に多重録音した洗練された音楽っていうイメージがこびりついた私にとっては、このぶっきらぼうながら「熱い」、ライブ感あふれるサウンドは。
チョッパー中心の重たいベースを中心に繰り広げられるファンキーなサウンド。
なんじゃこりゃ〜 ・・・ですわ。
兎に角、ミュージシャン達のテクニックが桁外れに凄い。アマチュアには「難解」と言われるこの曲を、ここまで情熱的に弾きこなしているわけで。
こういう音楽を聴くと、やっぱり、プロのミュージシャンは凄い! って思っちゃうんだよね。
最近、そういう曲がねほんとに少なくなったからな、日本の音楽シーンは。
このミュージシャンのテクニックはめちゃくちゃ凄いっていうヒトたちって少なくなったよね。
そんなバックのアーティスト達に負けないくらいの、タツロウのボーカルがこれまた熱い。 一発採りじゃないか・・と思わせるような限界ぎりぎりまで張り上げるようなボーカル。すべてが熱い。
とかく、日本のファンクは、久保田利伸以降っていうのが、定説のような感じだけど、ウソだよね、この曲を聴くと。
それよりも、10年も前にこれだけ熱いファンクサウンドが日本にもあったんだから。
この曲は、関西のディスコにプロモ盤を配布したところ、関西のディスコシーンから火がついた。
当時、大阪、神戸から火がついた曲は、全国区につながるっていう伝説があったんだけど、まさにそういう感じで、全国区になったナンバーですね。
ちなみに、これが3枚目のオリジナルアルバムである山下達郎は、1枚目、2枚目のアルバムがセールス的に泣かず飛ばずで、「これが最後」のつもりという背水の陣で、このアルバムを制作したとのこと。
もちろん、楽曲クオリティは高かったんだけど、そこまで日本の音楽キャパシティがついていけなかったんだよね。
それが、この「BOMBER」を中心にアルバム「GO AHEAD」がそこそこ売れたことで、首がつながり、次のアルバム「MOONGLOW」を経て、翌80年の「RIDE ON TIME」で大ブレイク!という流れになるわけです。
80年代に入って、やっと大衆が、ヤマタツの音楽に追いついたって形になったんだよね。
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