1979_02_燃える秋_ハイ・ファイ・セット


今回の1曲セレクトは、「燃える秋」ハイ・ファイ・セットです。

まずはデータです。

・タイトル     燃える秋
・アーティスト   ハイ・ファイ・セット
・作詞       五木寛之
・作曲       武満徹
・編曲       田辺信一
・リリース日    1978年11月5日
・発売元      東芝EMI
・オリコン最高位 23位
・売上げ枚数  8.5万枚
・THE HITCHART HOT30最高位 27位
・タイアップ:映画「燃える秋」主題歌

今回セレクトしてきた曲は、前々から書こうとは思っていたんだけども、なかなか実際に書く決断が出来なかった曲なんですよね。
個人的には好きな曲なんだけども、レビューのとっかかりが難しくてねぇ。

その曲は、ハイ・ファイ・セット「燃える秋」

リリースは1978年11月。 同名映画の主題歌としてリリースされた訳でね。タイトルからして、如何にも「真っ赤な秋」を連想させられる訳で、実際にリリース時期もそう言う季節だった訳なんだけども、映画の公開が、年が明けた79年1月だった事もあり、実際のヒットのピークは、2月の今頃だったんだよね。

だから、この一番寒い季節に「燃える秋」と言われてもねぇ・・・なんて少しピントハズレな部分があることもある。

ただねぇ、オリコンでも最高23位と、必ずしも「大ヒット」した曲ではない訳で、あれから38年も経った今となっては、「知る人ぞ知る」って感じの曲になっちゃってますかねぇ。

ま、そんなことで、こんなの曲のタイトルを見て、どの程度の方が反応してくださるのか・・・っていうのはちょっと心配ではあるんだけども、前回までの2曲がミリオンセラー近くの大ヒットだったんで、今回はこういう曲でもいいよね・・・と自分に言い聞かせて。。


この曲すきだっていうのは、やっぱり普通の「歌謡曲」からは外れた曲調であるって事が大きいよなぁ。
なんだかんだ言っても「歌謡曲」っていのうは、「下衆」な音楽だからさあ。
・・・っなんて書いちゃ、元も子もないって感じもするけど、だから良いって言う部分もあるからねぇ、完全に否定する訳じゃないんだけども。

でもね、この曲のような「歌謡曲」って言う部分から離れた、ハイソサエティな雰囲気の音楽も、また良いんだよな・・って事なんだよね。

そう、まずもってこの曲から受ける印象は「ハイソサエティ」の一言なんですよね。

イントロからAメロにかけては、「メロドラマ」のBGMかっていう印象が残るけど、 

♪ Oh, Glowing Autumn〜 ♪ と言うサビの部分から、いっきにハイソサエティな世界が広がる。

まあ、映画の主題歌という事が大きいけど、このサビの特にコード進行、響きは、完全にクラシック的な流れ、いや、一時代の前の映画音楽の流れなんだよな。

60年代の映画音楽って、一重にゴージャスであり、現実空間とは別世界な空間を思い浮かばせてくれる・・・そんな曲が多いじゃないですか。

この曲は、まさにそんな感じなんだよね。

まあ、作曲者がクラシックの武満徹氏っていうところが大きいですけどね。 そうじゃなきゃ、この曲のサビのようなクラシック独特のグルーヴ感は出せないよなぁ、普通の歌謡曲の作曲家では。
うん、さしもの筒美京平氏でも、書けないと思うますわ。

作詞は作家の五木寛之氏。 まあ、この曲が主題歌の映画の脚本が五木氏って言う事もあって、作詞もやられているんだと思うけど。。。。
例のサビの部分が、英語詞だったり、「愛の蜃気楼(ミラージュ)」という言葉を使ったり、コトバもいちいちハイソラエティなんだよな。
 五木寛之氏って、この年1979年の秋に、松坂慶子さんの例の「愛の水中花」の作詞もやられたりして、意外とヒット曲と関係があるんですよね。


今でこそ、歌謡曲どっぷりなワタシだけど、もともとの個人的な音楽のルーツはクラシックであり、映画音楽を含むイージーリスニング系なんでさ、この手のストリングスがさんざめくような音楽って大好きなんだよね。

というか、自分の原点に返るような気分になれるんですよ。

まあ、クラシックだ映画音楽だ・・・って言う以前に、ハイ・ファイ・セットのコーラスも素晴らしいんだけどね、この曲。というか、これはハイ・ファイ・セットだからこそ、醸し出せるグルーヴ感だよなぁ・・とも感じさせてくれるしさ。

今じゃ、バンドサウンドであったり、シンセなどのいわいる「人口音」がデフォルトの音楽になっちゃったしさあ、このテの「生楽器」のみの音楽ってとんと聴かなくなっちゃったからねぇ、それが淋しい限りなんだよなぁ。

だれか書きませんかねぇ、人口音がデフォルトの音楽の時代、逆にこの手の「生音」だけの音楽って新鮮だと思うんだけどなぁ。

まあ、その前にこういう抒情的な曲が書ける方が、今じゃ、なかなかいなくなっちゃいましたけど。。。。




奇しくも、この曲、昨今騒がれてる「東芝」EMIのリリースなんだよな。
当時は、「東芝」は良い音楽の宝庫だったよなぁ。 ハイ・ファイ・セットを初め、ユーミン、オフコース、チューリップ、アリス、甲斐バンド、長渕剛・・・みんな東芝だった。
あれから数十年がたち、まさか、そんな東芝EMIはユニバーサルに吸収され、親会社も青息吐息になるとはな。。。




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