1992_01_ほっとけないよ_楠瀬誠志郎


今回の1曲セレクトは、「ほっとけないよ」楠瀬誠志郎です。

まずはデータでする。

・タイトル    ほっとけないよ
・アーティスト  楠瀬誠志郎
・作詞      並河祥太
・作曲      楠瀬誠志郎
・編曲      楠瀬誠志郎
・リリース日   1991年11月15日
・発売元     ソニーレコーズ
・オリコン最高位 6位
・売上げ枚数  61.9万枚
・THE HITCHART HOT30最高位 6位
・ベストテンランクイン期間:1991年12月9日〜2月3日付
・タイアップ:TBS系ドラマ「ADブギ」主題歌

twitterで別途つぶやいたんだけども、今週のオリコンシングルチャートの週間売り上げ、酷いね。
1位で2万枚台。5千枚弱でベストテン入りだもんね。
まあ、曲の購入はCDパッケージからネット配信へ移行が進んでいるんで、こうなるのも当然と言えば当然の成り行き・・・・と頭では分かっているんだけども、80年代からオリコンチャートの推移を見続けているワタシからしてみれば、やっぱ違和感は感じるわな。

 オリコン見始めた頃といえば、週間売り上げで、大体2万枚前後がベストテン入り水準。5千枚前後で、いわいる業界用語で言う「左ページ」(50位)、2千枚前後で100位・・・って感じだったからさ。そう言う数字の並びが、頭にこびりついてるんだよね。

うん、だからね。オリコンの今週10位の曲なんてさ、そう言う基準からしてみると「50位」くらいの価値しか感じないんだよね。

まあ、これも時代の流れということで、だから、どうだ・・っていうことを言うつもりもないんだけどさ。

でも、逆に言えば90年代。 あの未曾有の「メガヒット」の時代も、違和感いっぱいだったのも間違いない。
なんせ、逆に週間5万枚前後売れないと、ベストテンに入れない・・・って言う時代もありましたからねぇ。
これはこれで、おかしな時代になったもんだ・・・と思ったもんなんだけどね。

昔、筒美京平氏が、自身が作家デビューした頃の60年代終盤を例えて、「どんなイモな曲でも10万枚売れた。こんな曲が10万枚!?」ってインタビューに答えていた事があったけど、まさにそんな感じでしたね、90年代のメガヒット時代は。

今回は、そんな「メガヒット」時代に突入した頃の1曲を持って来ますかね。

楠瀬誠志郎「ほっとけないよ」

この曲、覚えてますか?  うん、あの時代を知ってる方なら恐らく覚えてる方、多いですよね。

91年の10月期のTBS系金9ドラマ「ADブギ」の主題歌として、大ヒットしたあの曲ですね。
そそそ、永遠の「爽やかボーイ」な印象が強い、90年代前半特有のストレートなアッパーチューンポップスですわ。

メガヒットの時代・・・なんてことで、この曲選んじゃったけど、この曲自体は、売り上げは60万枚なんだよね。。
でもさ、そんなに売れてたのか・・・って言うイメージもあるんだよね。
ま、その辺がメガヒット時代と80年代までの感覚の差・・・なんだけどさ。


上で思わず「90年代前半特有の〜」って書いちゃったけど、あの時代、このテのなんのてらいも悩みも無いような、言ってみれば「能天気」なポップスって多かったですよね。サウンドも大体、キーボード主体の、やや硬質な音でさ。

91年暮れから92年初頭というと、経済では「バブル」が崩壊し不況に転落し始めていた頃だ。

そんな時代なんで、さぞかし「暗い曲」だらけだったんだろうな・・・と思いきや、世間一般的には、まだそんなにバブル崩壊っていう深刻な状況ではなかったように感じてましたよね。
現に、バブル崩壊・・・って言われても、それまでの数年間と、なにもかわったような実感はなかったもんな。この頃は。

だから、この曲とか、ZOOの「Choo Choo TRAIN」とか、能天気な曲が、まだまだ巷では流行っていたんだよね。

ま、それから1年後・・・・バブル崩壊の実感を感じるようになった93年の今頃は、THE虎舞竜の「ロード」とか森田童子の「ぼくたちの失敗」とか、「暗黒系」の曲が流行りだったりしたんだけども。。。。

ここでは何回も書いてるけど、「歌は世につれ 世は歌につれ」とはよく言ったもんで、ヒット曲の曲調と世間の栄衰って、リンクしてるもんなんだよね。


ところで、この「ほっとけないよ」、上で書いたように永遠の「爽やかボーイ」な印象が強い1曲なんだけども、歌ってる楠瀬誠志郎氏からして、永遠の爽やかボーイっていうイメージだったもんなぁ。

歌っているときに、いつも白い歯が覗いてた笑顔を絶やさない・・・というか。。。
うん、見方によれば、ちょっと怖かった・・・というか。。。
ま、このヒトにして、この曲あり・・・という印象が強かったよね。

この曲で突然、ヒットストリームに躍り出てきた、楠瀬氏だったわけで、当時は「新人」なのかな・・と思ってたけど、91年当時で、既にデビュー6年目と言うベテランアーティストだったんだよね。

だから、当然ワタシよりも年上なんだけど、当時は同年代? なんて思ったもんだよな。それだけ「爽やか」さがいっぱいだったもん。


ちなみに、この曲が主題歌だったドラマ「ADブギ」は、あの「加勢大周」が主演。浅香唯さんがヒロインでしたよね。 この二人は同年代・・・というか、二人とも同い年だったからさ。そんじゃ楠瀬氏も同年代なのか・・・と思ったもんなんだけどね。
ドラマは、「ママハハブギ」「予備校ブギ」に続く「ブギ」シリーズ第3弾でしたよね。
前作から引き続けて出演していたのは、的場浩司氏と、石田ひかりさんだけだったかな・・・。

うん、個人的には、このシリーズ大好きで、「ママハハ」も「予備校」も欠かさず見てたんだけども、この「ADブギ」だけは、あんまり見てなかったんだよな。

ま、この時期、91年末〜92年初頭にかけては、前年に引き続き、郵便局で夜間の仕分け作業のバイトやってたからなぁ。だから、見られなかったんだよね。
 でも、この「ほっとけないよ」を聴くと、あんときのバイトの様子が脳裏に浮かんできますわ。バイトと、新宿のカラオケバーと、ボーリングと・・・兎に角、ワタシにとっては「徹夜」のイメージなんだよな、この曲。

なんか、「爽やか」な曲のイメージとはまったく違うけど。。。 

いや、この91年暮れ〜92年頭頃のヒット曲って一律で、そんなイメージなんだよな。 それだけ、あのときのバイトと、カラオケバーと、ボーリングっていうのが強烈な印象だったのかなぁ。。。




少し画像が悪いけどメンゴ。
カラオケのバック映像っぽい作りだけど、これこの曲のPVらしいね。いや、初めて見ました。。
もちろん、歌ってるのは楠瀬誠志郎氏本人だけど、ほらね、歌ってる最中も笑顔と白い歯は絶やさないでしょ
これが爽やかでもあり、味方によってはちょっと「怖く」もあり。。。

ちなみに、楠瀬誠志郎氏って、トップドラマー、村上"ポンタ"秀一氏の、元ボーヤなんですよね。このPVでも分かるように、自身はピアノ弾いてたんで、ドラマ―のボーヤだったってのは意外だったし、全く知らなかったんだけどさ。
あ、いや、そう言えば、ポンタ氏の著書にも書いてあったっけな、楠瀬誠志郎氏が、元ボーヤだった事は。


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