1978_02_いにしえ_日暮し








今回の1曲セレクトは、「い・に・し・え」日暮しです。

まずはデータです。

・タイトル      い・に・し・え
・アーティスト     日暮し
・作詞       武田清一
・作曲       武田清一
・編曲       星勝
・リリース日   1977年11月25日
・発売元     ビクター
・オリコン最高位  14位
・売上げ枚数  21.9万枚
・THE HITCHART HOT30最高位 15位
・タイアップ:日本テレビ系ドラマ「恋歌」挿入曲

 特別大ヒットした訳じゃないのに、なーんか気になってしまう曲が時々あるんだよね。
曲をちゃんと聴いた訳でもないのに、例えば雑誌でタイトルの「文字列」を見ただけで、なんか引っかかっちゃうとかね。
ハイハイ、今回セレクトしてきた曲も、そんな1曲だったりします。

日暮しの「い・に・し・え」。

タイトルを見て、「なーつかしいなぁ」って言う方と、「全然分かんない」って言う方と、恐らく完全に2つに分かれちゃう曲だろうなぁ。

・・・と書いてるワタシも、実はリアルタイムの頃は、全く存在すら知らなかったんだけどね。

これよりずっと後、ワタシが自分のランキング作りに夢中になっていた大学生の頃、1977当時の「コンフィデンス」を国会図書館で見てて、どうも気になるグループが居たのね。それが、この「日暮し」っていうグループ。

当時は、まだ曲も知らないから、70年代当時よくあった、フォーク系のグループだろう・・と思ってたんだよね。
あの頃、いっぱいありましたよね。フォーク系のグループって。

でも、さらに数年経って、「歌謡曲完全攻略本」っいう本を手に取ると、この曲が取り上げられていたんだよね。
しかも「ロック系」のカテゴリーで紹介されている。

なんかねぇ、ものすごいギャップを感じたんだよね。そそそ、上で書いたように、個人的にはフォークグループだと思ってたから。。。

それとともに、なんかこの曲に興味が出てきてさ、中古レコード屋を駆けずり回ってこの曲のEP盤を購入。

聴いてみると・・・・。うんにゃ、当たり障りはフォークっぽいなぁ・・・って言う印象。
それよりも。ボーカルの榊原尚美さんの、ファルセットボーカルが強烈なんだよよね。 

今じゃファルセット唱法の歌手なんて、とっくに絶滅したもんなぁ。 いや、それは、この曲を聴いた頃もすでに絶滅だったから、逆に新鮮に感じたんだよね。

ただ、フォークはフォークでも、流石に斬っての「流行歌愛好家」達が「ロック」のカテゴリーに入れただけあって、ただのフォークじゃねぇぞ。
 重いんだよね。リズムが。なるほど、これはフォークというよりロックと言った方がいいかもしれない・・・と納得するような。

そんな重いリズムと、ボーカルのファルセットとのアンバランスさがね、面白いんだよね。

アレンジは、それまで井上陽水と組んでいた、星勝氏が担当。なるとぼ、この辺りは星勝氏のアイデアだよね。

井上陽水氏が、「氷の世界」で大フレイクしたのも、フォークというよりニューミュージックの旗手といわれたのも、星勝氏の「4畳半」然なフォークではなく、よりロックに近付けたアレンジのフォークだったからだしね。

その手法はそのまま、この曲でも感じ取ることが出来たりするんだよね。

まあ、その前に、この曲を中心とした、同時期にリリースした「ありふれた出来事」っていうアルバムのバッキングミュージシャンを見ると、これが至極豪華なんだよね。

Drums 村上"ポンタ"秀一 etc
Bass  小原礼、後藤次利 etc
Electric Guitar 大村憲司, 高中正義, 椎名和夫 etc
Keyboard 深町純 etc

このメンツを見て、単純にフォークとカテゴライズするのは、やっぱり、間違ってるようなぁ・・・なんて感じたりして。

それと、作詞作曲した、武田清一氏は、中学高校時代に後のRCサクセション、忌野清志郎氏(まだ、本名の栗原清志だった頃)、ベースの小林和生氏とフォークグループを結成していた・・という、いわば「RC」人脈の一人でもあるんだよね。

今回、これを書くにあたって、ちよこちょこネットで調べたりしたんだけど、「歌謡曲完全攻略本」で、この曲を「ロック」に分類したヒトは、実際の曲以前に、これらの流れを分かっての上のカテゴライズだったのかもなぁ・・・なんて妙に納得しちゃったりもしてね。

ちなみに、この曲がヒットしてた頃は、RCサクセションは、まだロックのメジャー戦線には浮上していない。全く持ってインディーな存在でしかなかった頃。
 したがって、忌野清志郎氏と、旧知の仲である、武田清一氏のほうが一足早く「ヒット」を出した事となる。

ただ、「日暮し」のヒットは、この1曲のみ。俗に言う「一発屋」で、このヒットから2年後の1979年に解散。
で、RCがメジャー戦線に浮上し、ロックの王道をバクシンし始めるのが翌1980年。
こんなの見ると、時代ま流れは皮肉だよね。

あ、それと、蛇足だけど、ボーカルの榊原尚美さんは、その後、杉村尚美と改名して、1981年に「サンセットメモリー」を大ヒットさせましたよね。
そそそ、あのファルセットボイスの杉村尚美さんが、「日暮し」のボーカルだったんですよね。




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