今回の1曲セレクトは、「君は天然色」大滝詠一です。
まずはデータです。
・タイトル 君は天然色
・アーティスト 大滝詠一
・作詞 松本隆
・作曲 大瀧詠一
・編曲 大瀧詠一
・リリース日 1981年3月21日
・発売元 CBSソニー
・オリコン最高位 36位
・売上げ枚数 9.1万枚
・THE HITCHART HOT30最高位 36位
・タイアップ:ロート製薬「新Vロート」CM曲
この前に書いた、ユーミンの「やさしさに包まれたなら」って、リリース当時、シングルはほとんど売れなかったんだけども、収録アルバムは大ヒットということで、書いたんだけども、今回セレクトしてきた曲も、まさにそんな感じの曲じゃないかなぁ。
大滝詠一大シェンシェーの「君は天然色」。
もうね、この曲と言ったら、大瀧シェンシェーの大ヒットアルバム「A LONG VACATION」の、オープニングを飾るA面1曲目の曲であり、恐らく、多くの方はそのイメージが強いんじゃないかなぁ・・・と思う訳なんだけども、実はシングルでもリリースされていたんですよね。
リリースは、「A LONG VACATION」と同日の1981年3月21日。
BUT、アルバムは大ヒットしたにも関わらず、シングルの方は、オリコン最高位36位、売り上げも9万枚余りでストップしてしまう。
まあ、この曲の場合、完全にアルバムありき・・・であり、シングルはあくまでアルバムのプロモーションのためのシングルカットという意味合いが強かった訳で、シングル単独でのヒット狙いではなかったんで・・・っという事が前提だったんですよね。だから、これはこれでよかった訳なんですよね。
ちなみに、アルバム「A LONG VACATION」の売り上げは、
LP 61.6万枚
カセット39.5万本
CD 8.3万枚
計 109.4万(枚・本)
っていう、ミリオンセラーとなっていたりしますね。
この間も書いたように、LPは10万枚売れれば大ヒットと言われたこの時代で、60万枚オーバーっちゅうのは大変な数字だった訳でさ。
ただ、不運だったのは、この年は寺尾聰の「Reflections」が、LPでミリオンセラー・・・なんていう、井上陽水「氷の世界」に次ぐ「快挙」があったおかげで、その陰に隠れてしまった感があったんだけどもね。
アルバムを売る手段としてのシングルカット・・・っていう手法。まあ、これは、向こう(アメリカ)では普通にやられている訳でね。そそそ、向こうは、最終的にはアルバムを売ることが前提。シングルはそのためのプロモーションとして、アルバムからカットされるのが普通でしたからね。
それと同じ手法が日本でも普及してきた・・・っていうのは、やっぱり、多くのニューミュージック系アーティストがシングルよりもアルバムを重視してリリースしていたからっていう流れなんだろうな。
日本ではあくまでシングルとアルバムは別扱いで、アルバムよりもシングル重視っていうのは、されまでのヒットチャートの常識であった訳なんでね。 まあ、それは、今も脈々と続いている訳なんだけども。
たださ、リリース当時、小学6年生なったばかりのワタシとしては、やっぱりヒットチャートありきだったからさあ、この曲は、リリース当時は聴いた事無かったんだよなぁ。
曲の存在は知ってた。 うん、当時の月刊「明星」の付録の「Young Song」で楽譜入りで載ってたから。
だから、全く無関心ではなかったんだけども、なんか自分とは関係ない世界の音楽なんだろうなぁ・・・とかしか思ってなかったんだよね。
ただ、実際は、そんなこと思っていたも、無意識のうちに曲は聴いてたんだけども。。。。
そそそ、この曲、当時、ロート製薬の「新Vロート」のCM曲として、テレビでも結構流れてたんですわ。
ロート製薬と言えば、TBS系「クイズダービー」。もちろんそこでも流れてたわけで、当時、ずっと見てたワタシは、曲名は知らなくても、聴いてたことになるんだよね。
ちなみに、このシングルの「B面」に収録されていたのは、「A LONG VACATION」でもキラー曲となっている「カナリア諸島にて」
↓ コレ
こちらも「新Vロート」のCM曲。
うん、こっちの曲は、CMよく覚えてるんだよな。
♪薄く切ったオレンジをアイスティーに浮かべて 海に向いたテラスでペンだけ滑らす〜 ♪ っていうフレーズはなんか斬新だったんですよ。そのまま映像が浮かんでくるようで。
そう言う意味では、「君は天然色」の方も如何にも、映像的な歌詞なんですけどね。 そもそも「天然色」っていうコトバ自体が、映像的だよね。
まあ、今の若いコたちに「天然色」と言ってもなんのこっちゃ、だろうし、物心ついて頃からカラーテレビだったワタシらの世代でも、使わない言葉ではあったけども。 いわいる「モノクロ⇒白黒」に対しての「カラー⇒天然色」ってわけですね。
当時の感覚から言えば、今で言う「フルハイジビョン」的な感覚があったような気がするな。
当時はまだ、MVなんぞ、日本の楽曲ではほとんど作られなかった時代だから、歌詞から映像を各々、自由に想像する訳なんだけども、松本隆氏の歌詞がねぇ、実に映像的なんだよね。
リゾートミュージック・・・と言えばそれまでなんだけども、浮かんでくる絵ずらは安っぽくないんだよね。ユーミンで言うところの中産階級ってやつで、あくまでクオリティーが高いリゾートの絵が浮かんでくる。
当時は、国民総中流・・・と言われるくらいになっていた訳だけども、まだまだ貧しい部分は残っていた訳で、ここに出てくるような「リゾート」気分に浸れるのはなかなか難しかった訳ですよ。 だから、憧れのような部分もあったんだよね。
あ、これはアルバム「A LONG VACATION」全体に言えることなんだけども。 まあ、だから、あれだけ大ヒットしたんだろうけどなぁ。
ちなみに、個人的にこの曲を含め、アルバム「A LONG VACATION」を完全に意識して聴いたのは、アルバムリリースから2年経った、1983年だったなぁ。
ワタクシは、中学2年になってたけど、同じ組の親友だった石川君っていうお寺の倅が、大瀧氏のファンでさあ。学校にカセットもってきて、大滝氏のこと熱く語ってさあ、思わず感化されちゃったんだよな。
で、だまされたと思ってカセット借りたのが最初だったんだよな。
ワタシ、他のヒトの受け売りってあんまり信じないんだけども、BUT、このアルバムには「めざめ」てしまいましたね。 当時買ったばかりの「Wカセットラジカセ」で、思わず借りたカセットをダビングしちゃいましたから
それより嵌まったのが、ウチのオヤジだったんですよね、実は。
「A LONG VACATION」の最大の特徴である、フィル・スペクターばりの、いわいる「ウォール・オブ・サウンド(音の壁)」が、親父の青春⇒1960年代初頭と重なったようでね。いまどき、まだもこんな音楽やってる奴が居るのか・・・としきりに感心していたのを、やけに覚えてるんだよな。
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