1971_05_また逢う日まで_尾崎紀世彦






今回の1曲セレクトは、「また逢う日まで」尾崎紀世彦です。

まずはデータでーす。

・タイトル     また逢う日まで
・アーティスト   尾崎紀世彦
・作詞       阿久悠
・作曲       筒美京平
・編曲       筒美京平
・リリース日    1971年3月5日
・発売元      フィリップス
・オリコン最高位  1位
・売上げ枚数    95.6万枚
・オリコンベストテンランクイン期間:1971年5月3日〜8月9日付

 10年くらい前に、PE'Zっていうグループがカバーアルバムをリリースする際に、カバー曲の選曲を担当したことがあるんですよね。
 ま、リアルな仕事の知り合いを通して、依頼があったものなんだけど。。。その時に100曲ぐらいの候補曲を出したんですが、打ち合わせの際に、先方のプロダクションの社長さんと意気投合したのが、尾崎紀世彦の「また逢う日まで」と八神純子の「みずいろの雨」だったなぁ。
 結果的に、2曲とも採用されて、実際カバーアルバムにも収録されまして。。
 一応、「Special Thanks」ということで、ワタクシの名前もクレジットしていただだいたんだよなぁ。
あれから10年ですか。早いもんだよなぁ。
 ちなみに、そのPE'Zバージョンの「また逢う日まで」ですが、現在、ニッポン放送の日曜日12:00〜14:00で放送されている、「土田晃之 日曜のへそ」って番組のエンディングに使われていて、この番組を聞くたびに、なぜかくすぐったい気分になるワタシだったりするんですよね。。(ワタシがプロデュースした訳じゃないんだけどさ。。。

・・ということで、今回の1曲セレクトは、尾崎紀世彦「また逢う日まで」です。

 ・・とは言うモノの、まあ、ヒットチャートの1位。この年、第13回レコード大賞、第2回日本歌謡大賞受賞・・・・っていう、1971年の年度代表曲でもあり、文字通りの「大衆曲」っていえる曲を、恥じらいもなく選曲するのは、数多くいる選曲屋の中でも、私くらいなもんだよね、きっと
 
 普通、選曲屋っていったら、誰も知らないような重箱のすみのすみをつついて、ひっぱり出して来ることにエクスタシーを感じるところってあるじゃないですか。ワタシ、みんなが知らないと落ち着かないんですよね〜。大衆的というか。。そういう意味では変わった選曲屋ですよ。


でもさ、なんで選んだって言うのは別として、それまでの「演歌・歌謡曲」っていう純日本風音楽とはまったく違った角度の音楽、いわいる「ポップス」でここまで大衆性があった曲っていうのは、この曲が最初なんじゃないかとも思うんですよね。

 まあさ、たしかに、この曲以前に、ピーナッツの宮川泰氏とか、坂本九の中村八大氏などなど、それまでもポップス系で大衆性を発揮した曲を作った方って既にいたんだけど、それは、いろいろな曲を通してのポップス性で、「1曲にかける」っていう意味では、この曲が最初だったんではないかなぁと思うんだよね。

 ま、この曲の場合、上記で書いた曲よりも、たしかにそれだけのセールスはあげているんですけどね。何分、ミリオンセラー近くまで行っている訳だし。

 あ、この時代の状況を知らない方も多いと思うので、ちょっと書いときますが、このころはまだまだミリオンセラーっていうのは、年に1枚出るか・・という時代だったんですよね。
 ミリオンセラーっていうのは別次元のもの。いまだったらダブルミリオンくらいの「インパクト」はあったんだよね。

 ちなみに、オリコンの年間チャートでは、この年1971年のミリオンセラーは、小柳ルミ子の「わたしの城下町」と、加藤登紀子の「知床旅情」の2枚のみ。(アルバムはミリオンセラーなぞ夢のまた夢の時代)
 この「また逢う日まで」は年間3位でした。

 だけど、チャート的な面を除いても、やっぱり、この曲のインパクトはでかいんだよねぇ。

 まあ、尾崎紀世彦の日本人離れな超ワイルド、かつダイナミックな歌唱力もさることながら、やっぱり曲そのものだよね。

 それまでのポップスって、ポップスでありながらどっか日本人的なんだよねぇ。
 どちらかというと「演歌」から派生してきたようなポップスというか。 まあ、それを俗に「歌謡曲」っても言うんだけどさ。
 
 この曲には、その要素っていうのが、ほとんど見られないんですよね。どちらかというと洋楽的っていうかね。
 少なくとも1970年にはなかったような曲であることは確かだとおもいますよ。

 うん、なんていうかね〜、たしかにリズム体はゆったりとしていながらもシェイクっぽいノリなのも新しかったし。
 サウンドがややジャズっぽく聴こえるのは、プレイに参加しているミュージシャンがベースの江藤勲氏を始め、もともとジャズプレイヤーだったからでしょうね。

 そこに、和製トムジョーンズ(見た目はエルヴィス)っていわれる尾崎紀世彦がからむわけだから、これは、「和風」の要素は入り込む余地はないんだよね。きっと。

 でも、こういう曲⇒洋楽的要素が全面的に出てきた曲 がヒットするようになった1971年っていうのは、やっぱし日本音楽史の中でもターニングポイントの年だよなぁ。

 ここを境にして、より洋楽的でポップな曲が常にヒット曲の先端を行って、ま、これは、今でも変わんないですよねぇ。

 逆に、より「和風」な曲はどんどん時代に取り残されていく
っていう感じで・・・。
 その「逆転現象」がはっきり目に見えたのが、この1971年なんでしょうね。

 だけど、最近、こういうね天文学的というか、無限にスケールがでかい「エンターテイメント」性が強い曲ってないなぁ。
 
 まあ、ここまで「スケールがでかい」曲を歌いこなすだけの「正攻法でパンチのある歌唱力」をもったアーティストもいないってところが大きいですけどね。

 また、出てきて欲しいなあ、そういうアーティスト。そして、また、こういう曲を歌って欲しいですよ〜。




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