1972_11_喝采_ちあきなおみ






今回の1曲セレクトは、「喝采」ちあきなおみ です。

 まずはデータです。

・タイトル    喝采
・アーティスト  ちあきなおみ
・作詞      吉田旺
・作曲      中村泰士
・編曲      高田弘
・リリース日   1972年9月10日
・発売元     コロムビア
・オリコン最高位 2位
・売上げ枚数   80.7万枚
・ベストテンランクイン期間:1972年11月6日〜1973年2月26日付

 曲のジャンル分けって難しいわけで・・・。だから、個人的には、曲をジャンル別に分ける作業って、無意味な気もするんだよね。

 でも、最近、事細かにジャンル別にわけてるサイトって結構あるじゃん。あれって意味あるんでしょうかねぇ。

 例えば、ある曲がロックのジャンルに入ってたとしても、もし、聴き手が、その曲がポップスだと思ってたら、永遠にたどり着かないわけじゃん。

大別して、邦楽と洋楽だけでいいんじゃないの・・・って思ってる主義なヒトです、ワタクシ。

 さてさて、今回ひっぱてきた、ちあきなおみの「喝采」という曲。

 これも、聴くヒトによって、分けたくなるジャンルってバラバラなんぢゃないですかねぇ。

 ヒトによっては歌謡曲。今の世の中では、一律に「演歌」に入れられちゃうかもしれない。

 でも、最近、J-POP通の間では、この曲は「ソフトロック・AOR」あるいは「アシッドジャズ」に分類するヒトが多い。 ソフトロック・・・ジャパニーズAOR、あるいはジャパニーズアシッドジャズの走りの曲って言うわけですわ。
今で言ったらJUJUあたりに近い・・・っていうイメージだったんだよね。
っつうか、JUJUがこの曲あたりの、ちあきなおみに似せてるような感じなんだよな。

 その通り、バックではオルタナ風のオルガンが永遠と流れたりしてる。ストリングスも、もろ「歌謡曲」なチープな取ってつけたようなストリングスとは違い、きちんとまとまったオーケストレーションを展開してたりする。

 まあ全体的な雰囲気からすると、純AORというよりも、ジャケ写に映っている様な「コンガ」のリズムも似合いそうな、ちょっとラテン的な雰囲気はある。

 さっき、椎名林檎のアルバム「無罪モラトリアル」を聴いた後で、この曲を聴いてみた。全く違和感がない。なんか、続きを聴いているような錯覚に陥ってしまいましたよ。

・・・ということは、少なくとも、90年代後期のJ-POPSと同化するようなサムシングが、この曲に潜んでいるんぢゃないか・・・なんて、思っちゃいました。

 そんなわけで、ワタシャ、この曲を、フォークニューミュージックのジャンルにまとめて保管しております、音源を。

 いや、絶対に、この曲は「歌謡曲」ぢゃないって。

 あのころの歌謡曲って、ちょっと誤解されている部分が多いかもしれないんだよね。

 まあ、それこそ、70年代頃って、細かなジャンル分けなんてしてなかったじゃん。ヒット曲は、一まとめに「流行歌」だったわけで・・・。

 それでいいんじゃん・・・っていう気もするんだけどね。

 だから、今の時代、レコード屋さんなんかで、「ちあきなおみ」がJ-POPの並びに入ってなくて、演歌・歌謡曲の棚に陳列しているのを見ると、なんか、ちがうんぢゃね? 

 ・・・と思っちゃたりするワタシです。

 ちなみに、最近はJUJUだけじゃなくて、大雑把に見ても、この時代あたりの曲調・・・というか「雰囲気」の曲が多くなってきたよな。
 まずもって、今年に入ってChayなんかがそうだし、サカナクションの新曲「新宝島」なんかも、雰囲気は70年代ですよね。ま、PVからして「ドリフ大爆笑」からのパロディなんで、そう言うイメージが余計に強いんだけど。
 それと、西野カナは、日本的ではないけど、時代背景的には、この「喝采」の頃の洋楽だし。まあ、ルネッサンスって感じなんだよな。


 それにしても、この曲は、悲劇な#2曲としても有名ですな。
まあ、曲内容として、亡くなった「恋人」を主題にした曲ではあるんだけど、チャート上でも悲劇な曲だったわけです。

 この曲の最高位は2位です。しかも「11週連続2位」 なんていう、単独曲としては、もっとも長く2位に留まりながら、1位を取れなかった曲として、あれから42年経った現在までも、未だに、抜かれておりません。

 これは当時、ぴんからトリオの「女のみち」(売上げ325万枚。歴代第2位)が16週連続1位の真っ最中で、抜くに抜けなかったわけですね。
 なにせ、11週間、「女のみち」とのガチンコ勝負が続いていたわけですから・・・・。

 ちなみに、「女のみち」は、この「喝采」の前に、三善英二の「雨」の1位獲得も阻止してます。

 うん、16週連続1位って言うのは、連続1位記録としては、シングルでは、未だに抜かれていない記録。
(ちなみに、単曲の1位獲得記録は、ピンキーとキーズの「恋の季節」の17週1位獲得。この時は12週連続、プラス5週連続1位)

まあ、「ネコの目」のようなチャートアクションが普通になってしまった今では、、もう、これらの記録は永遠に抜かれないでしょうね。



 それと、この曲で、ちあきなおみは、1972年度、第14回日本レコード大賞を受賞。

 この時、まさに、「大ヒット」の最中の受賞だったわけだけど、こういうパターンって、意外と珍しいよね。

 この曲と、あと、1976年 第18回日本レコード大賞の、都はるみ「北の宿から」くらいじゃないかしら、まさに大ヒット中の受賞・・・っていうのは。




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