かじやんのヒット曲&チャートレビュー

ヒット曲を聴き続けて40数年! かじやんがお送りする、「今」のヒット曲&ヒットチャートから、「あのころ」のヒット曲&ヒットチャートまで、ヒット曲について幅広くご紹介するブログ。 自主チャートサイト"THE HITCHART NOW AND THEN"の支店ページという位置づけにいたします。

シルクロード

シルクロードのテーマ / 喜多郎

1980_08_シルクロード_喜多郎







今回の1曲セレクトは、「シルクロードのテーマ」喜多郎です。

 まずはデータです。

・タイトル   シルクロードのテーマ(絲綢之路)
・作曲     喜多郎
・編曲     喜多郎
・リリース日  1980年5月21日
・発売元    キャニオン
・オリコン最高位 33位
・売上げ枚数  25.1万枚
・タイアップ:NHK特集「シルクロード」主題歌

※売上げ枚数はアルバム売り上げ(LP、カセット合算)データです。

 1980年っていう年は、今考えると、音楽界的にはいろんなことがあった年だったな。
 
 大きなところで言うと、ニューミュージックの「分化」と、代わって台頭してきたアイドルが音楽界の「政権」をとる基盤になった年といえるんだけど、もう一つ、今のオンガクに通じる、大事な要素の一つとして、シンセサイザーの台頭だろうな。

 そんなシンセな音楽では、どうしてもY.M.Oが、まず挙げられる。まあ、売上げ的に言っても、世界的な知名度から言っても、どうしてもY.M.Oは切り離せないんだけど、もう一つの流れとして、喜多郎がいるんだよね。

 喜多郎・・・といえば、この年1980年〜1981年にかけて月1回ペースで放送された、NHK特集「シルクロード」のオープニングのあの絵が浮かんでくる方も多いことでしょう。

 うん、シンセサイザー=テクノ とは100%言い切れないぞ・・・と認識させたことが、もう一つの流れとなって、時代に出てきた・・・ってことで、重要なファクターなんだよね。

 あのころのシンセサイザーを使ったオンガクにいえたことは、それまでの「等身大」に近かった音楽ってものの広さ・・・うーん、この辺は、どう表現したらいいのか、よくわかんないんだけど・・・なんていうのかな、音楽から感じる、空間の広さ・・・っていうのかなぁ・・・が、一気に広がったような感覚があったな。

 それでも、Y.M.Oの曲には、まだ「有限」的な広がりだった。でも、この喜多郎の音楽は、それが「無限大」まで広がったような感覚があったなぁ。

 無限の宇宙の壮大さ・・・・まず、これを感じるんだよね。うん、なんか、使い古したようなコトバだけど、どうしてもねそれを感じずにはいられないんですよ。

 プラスそれが、ゆりかごのような感覚に襲われるんだよね。それを感じるとき、「有限」な地球と、無限の宇宙は、やはり繋がっているだな・・っていう感覚になる。
 そこがとても心地よいのです。。。

 ・・・なんて、分かったような分かんないような文章を書いてしまったけど、要するに、「心地よい」のです。


 最近の使い倒されたコトバでいえば「癒し」なんだろうけど、そういう言葉では括れないような、もっと壮大で、儚い気分にされられるんだよね。ニンゲンなんて、本当にチッポケなもんなんだわ・・・っていう、気分。


 なに? 文章がどこかの「宗教」っぽい? ワタシは、無宗教派ですよ。 でもさ、こういう、無限大な音楽を聴いてると、そういう「無」の境地に心が洗われるんだよね。


 ところで、最近のオンガクには、どうして、こういった、「無限大」な壮大さを持つような曲が出てこないんだろう。

 最近の曲の、特に歌詞を聴いてると、メッチャ、ミクロな世界なんだよね。第三者からしてみれば、どうでもええやん・・・っていう、重箱の隅をつついたような内容の曲が多い。

 そういう意味からして、演歌の世界なんですよ。

・・・って書くと、また、反論が来るかは目に見えてるんだけど、もともと、そういう、ヒトの心の片隅の〜・・・なんていう、ミクロな世界を歌っているのが演歌なのよ。
 でしょ・・・ ♪ 大空よ〜 大地よ〜 宇宙よ〜 ♪ なんて演歌は無いじゃん。

 そういう、なんか、みみっちい世界の音楽が大半を占めている、昨今のオンガクに辟易しているんだろうな、ワタシ。

 なんで、こういうオンガクが多くなってきたか・・・。多分、そんな重箱の隅に生きているようなスケールなヒトが多くなったからじゃない?

 で、そういう曲が売れているのは、そういうちっちゃなスケールに生きてるヒトが多いからだろうね、きっと。

 単純に、なんか、そんな感じがするな。。。


 もっと、スケールが広い、おおらかな世界に生きているヒトが増えれば、こういう、スケールの大きなオンガクも出てくるようになると思うな。


 そういう意味では、1980年代初頭・・・・今から35年位前は、今に比べたら、もっとおおらかで、スケールの大きな生き方をみんなしてたって事になるんだろうな。。。

 言い方を変えれば、もっと人間らしい生き方をしてたって言えるかもしれないな。




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異邦人 / 久保田早紀

1979_12_異邦人_久保田早紀






今日の1曲セレクトは、「異邦人」久保田早紀です。

まずは、データです。

・タイトル    異邦人
・アーティスト  久保田早紀
・作詞      久保田早紀
・作曲      久保田早紀
・編曲      萩田光雄
・リリース日   1979年10月1日
・発売元     CBSソニー
・オリコン最高位 1位
・売上げ枚数   144.5万枚
・オリコンベストテンランクイン期間:1979年11月26日〜1980年3月3日付
・タイアップ   三洋電気カラーテレビ「くっきりタテ型」CM曲

 いよいよ、久保田早紀の「異邦人」の登場です!
 インパクトって言う言葉、この曲のためにあるのよね。って言いたくなるくらい、ほんとに、この曲のインパクトは強かったなぁ。

 なんていっても、イントロだよね。プロからみても、この曲のイントロは、すごい! と言わしめるような柔軟なつ、大胆なイントロ。
 もう、最初の1小説だけで、エスニックな世界へ誘われてしまうような感じだよね。
 いわんや、シロートの私らが最初聴いた時にはビックらひいたよぉ! これ、「日本の曲かい?」って言う感じ。

 かと思うと5小節目からは、ストングスによる、しなやかなオーケストレションから、ピアノへと、イントロだけでも、めまぐるしい変化する曲構成。

 ほんと、これは、たんなる「歌謡曲」の枠を完全に越えてるよね。
 作詞、作曲はもちろん、久保田早紀本人なんだけど、この曲の場合、なんといっても、萩田光雄氏のアレンジにどうしても耳が言っちゃうんだよね。

 もち、メロディラインがすばらしいから、大体にアレンジしても崩れないっていう、まさに見本のような曲ですよね。
 
 口をすっぱくして言っても、ほんとに、この時期の曲の完成度の高さには、未だに舌を巻きますね。
 ほんとに、「単なる」歌謡曲とはいえない世界がそこにあったっていうかね。
 一番すばらしいのは、全部「生楽器」による演奏ってことですね。いまだったら、完全にシンセに逃げるだろうけど、シンセ類は一切使っていない。
 それでいて、これだけの迫力を出しているオーケストレーションのすばらしさっていうのかなぁ。
 これは、今では、もう不可能なのかもしれないけど。。。

だからといってはなんだけど、いや、この時代をタイムリーに聴けたっていうのは、ラッキーだったと思いますわ。(お若い方にはもうしわけないですが・・・)

 プラス、時代がよかったんだよね。折りしも、エスニックブーム、シルクロードブームが到来しようとしていた矢先にこの曲が出現したわけで、この曲がきっかけになって、翌年80年のシルクロードブームに一気に火がついたって感じでしたもんね。

 兎に角、この曲の存在は、でかいなぁ。ワタシ個人にとってもですが。 いまでは、宝物のような存在だな。

 でも、悲しいかな、この曲があんまりにも良過ぎたため、久保田早紀は、1発屋になっちゃったんだよね。
 あんまりにも、この曲はでかすぎたっていうかね。ユーザーなんてもんは贅沢なもんで、第2弾はこれ以上のものを欲するからねぇ。
 でも、正直、これ以上の曲なんて、よっぽどのことがないと作れないよね。 それだけ、「異邦人」のインパクトが強すぎたってことなんだけど・・・・。

 いい曲を贈るのも使命なら、アーティストを長持ちさせるのも使命。これがレコード会社なのかもしれないけど、この場合は、やっぱし曲をとったってことでしょうね。

 とうの本人も、もともと、「ザ・芸能界」ってものには、興味がなかったようで、だから、逆に言うと、それでよかったのかもしれないな。

 いまは、久米明氏の子息の久米大作氏の奥さんになられて、教会で歌っているそうですね。
 それが一番、あっているんだよね。 




※2005年12月に書いたものの再掲載です。
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