今回の1曲セレクトは、「亜麻色の髪の乙女」ヴィレッジシンガーズです。
まずはデータです。
・タイトル 亜麻色の髪の乙女
・アーティスト ヴィレッジシンガーズ
・作詞 橋本淳
・作曲 すぎやまこういち
・編曲 すぎやまこういち
・リリース日 1968年2月25日
・発売元 コロムビア
・オリコン最高位 7位
・売上げ枚数 18.6万枚
・オリコンベストテンランクイン期間:1968年3月18日〜4月22日付
今回の1曲セレクトは、一挙に時代を遡りますぞ。今から47年前へタイムスリップ!
ハイ、時は1968年3月。オリコンもまだ、創刊して間もない頃ですね。
時はGS全盛期。なに? ガソリンスタンド? ・・・なんて、思うヒトは、よもや、ここに来ている方にはいないでしょ。。
グループサウンズね。
まあ、グループサウンズといっても、そのジャンルは幅広うございまして、ひとことでは、なかなか言い表せないんだよね。まあ、今でいう「バンド」ですよ。
その中には、ゲーノー系なのもいれば、反対に、もろ音楽系もいる。
かつ、歌謡曲系もいれば、ロック系もいる。 不良系もいれば、おぼっちゃま系もいる。。。
・・・・と、なかなか、これだ〜 といえないのも、GSっていう「ジャンル」の面白さの一つなんだよね。
そういうことで、今日は、上の書き方で言えば、おぼっちゃま系のグループの一つであるねヴィレッジシンガーズ最大のヒット、「亜麻色の髪の乙女」を引っ張ってきたりしましたぞ。
まあ、日本のポップス史を振り返ると、1960年代までは、「おぼっちゃま系」は、欠かせない存在だったのですよ。
ハイ、慶応、青学、立教、学習院あたりの、いいとこの「ご子息」です。
なんせ、バンドやるには「金がいる」っちゅうことは、今も昔も変わらないわけで・・・。
ましてや、楽器が今ほど、ぜんぜん普及していない60年代。まだまだ、一般家庭はビンボーだった時代に、音楽なぞに「ウツツ」を抜かせるのは、いいとこの「おぼっちゃま」ぐらいなもんだったわけですよ。
・・・と言う事もあり、当時は「おぼっちゃま」が流行の先端をいけたわけですね。
もちろん、ヴィレッジシンガーズも「成城大」出身の「おぼっちゃま」グループ。
育ちのよさは、やってる音楽には、もろ反映されたりするわな。
だってさ、曲のタイトルからして、品のよさを感じるぢゃないの。
「亜麻色の髪の乙女」だものね。「乙女」なんて、一般庶民は、なかなか使わない単語ですぞ。
曲は・・・・、みなさん、ご存知でしょう。 ハイ、あの曲ですね〜。
島谷ひとみが、2002年にカバーして、大ヒットしたアレ・・・です。
・・・と、書くと、「え〜、あんなハイパーな曲、47年前にあったの?」なんて、いわれそうだけど、島谷バージョンは、かなーり、今風にアレンジさせてるわけですよ。
オリジナルは、あんなにbpmも早くないし、ビートもきつくないですよ。
グループサウンズだもんね、もともとは。
オリジナルは、もっと、今で言えばガレージっぽいアレンジなんですわ。
ボーカルの清水氏も、今で言えば歌謡曲っぽい歌い方だしね。そんなところも、おぼっちゃまの片鱗なんですかねぇ。
・・・・書くと、ヴィレッジシンガーズが、この曲のオリジナルって思われがちだけど、それが違うんですねぇ。
ヴィレッジシンガーズも、実はカバーなんですよ。
オリジナルは、ヴィレッジシンガーズからさらに遡ること2年前。青山ミチさんって方が1966年11月にリリースしたシングル。
もっと、こちらは「風吹く丘で」というタイトルらしいですけどね。
しかも、すぐに発売中止になって、回収されちゃった(本人が覚せい剤で捕まった)らしいので、一般には広まらないうちにお蔵入りになったようです。
ところで、この曲は、林哲司氏著の「歌謡曲」っていう本にも、取り上げられているんだけど、どうも、ボーカルメロディが、作曲した、すぎやまこういち氏のイメージと違う部分があるらしい。
Aメロの部分の出だし
♪ 亜麻色の 長い髪を 風がやさしく包む〜 ♪
の部分の ♪ やさしく包む ♪ の部分。
この「やさしく」の部分、島谷ひとみさんの場合は、完全に「同じ音」で歌ってるけど、じっさい、すぎやまこういち氏は、「〜しく」の部分を半音上げて・・・っていうイメージだったらしい。
まあ、オリジナルのヴィレッジシンガーズの清水氏のボーカルもやや、怪しいんだけど・・・。
それでも、作曲のすぎやまこういち氏は、あれから47年経った今でも、ここの「音」の違いにこだわっているそうですね。
うーん、作曲者の感性っていうのかなぁ、コダワリだよね。単純に聴いてる方からすると、言われて見ないとわかんないんだけどさ。
それでも、すぎやま氏らしい、こだわりかな・・・とも思えるね。
なんせ、ファイナルファンタジーの着メロの音を、全社分、丹念に確認して「ダメだし」したりしてる方だったりするから。。。
でも、作者の「こだわり」っていうのは、いくら「商業音楽」でも必要だと思うのよ。だからして、面白いわけで。。。
これ、画一になっちゃったら、面白くもなんともなくなっちゃいますよ。硬ーくいえば、「著作人格権」ね。
まあ、2次使用する側とすれば、これがあるから、厄介なんだよな。。。って部分もあるんだけどさ〜。。。
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