1984_03_素直になりたい_ハイファイセット


今回の1曲セレクトは、「素直になりたい」ハイ・ファイ・セットです。

まずはデータでするんるんるん。

・タイトル    素直になりたい
・アーティスト  ハイ・ファイ・セット
・作詞      杉真理
・作曲      杉真理
・編曲      井上鑑
・リリース日   1984年1月21日
・発売元     CBSソニー
・オリコン最高位 19位
・売上げ枚数   11.0万枚
・THE HITCHART HOT30最高位 26位
・タイアップ:シチズン「19才リピエール」CM曲

いやー、いつ以来の1曲セレクトだろう? ってくらい久しぶりに新たな「文章」を書こうとしています 
ここのところずっとリアル仕事が立て込んでいまして、毎週のように締め切りがあったりして、土日も持ち帰りでの仕事が続き、なかなか「文章」を書くまでの余裕がありませんでしたわ。
でも3連休の本日、ちょっとだけ時間に余裕ができてきたんでPCに向かってたりします。

世間はコロナウイルス一色の自粛ムード一ということもあり、仕事がしたくても休みという方もいらっしゃるという中、リアル仕事で余裕がないというのは、ありがたいことなんだろうか・・・、いや、やっぱりありがたいことなんだろうな。

ところで80年代半ばのヒット曲で、未だに頭がこんがりそうになる曲がある。

ポリスの「見つめていたい(Every Breath You Take)」(1983年)に対して、フィルコリンズの「見つめて欲しい(Against All Odds(Take A Look At Me Now)」(1984年)

リアル仕事で音楽配信楽曲の著作権調査をしている関係上、未だにこれらの曲の著作権コードや権利者について調べることが時々あるんだけどさ。 「原題」で来るときはまだいいんだけど、上記のような「邦題」でくると、「あれ? どっちだっけ」なんて一瞬迷っちゃったりすることがある。

ちょっと前まではそんなこともあんまりなかったんだけども、ワタシも50を過ぎて、頭の回転がすっかり鈍くなっちゃってたんでねぇ、こういう事って最近増えてきたような気がするなぁ。

上記の2曲もそうだけど、今回引っ張ってきた、この曲もそうだったりするんだよなぁ。

ハイ・ファイ・セット「素直になりたい」

え? この曲、どの曲と混同しそうになるの? 

シカゴの「素直になれなくて(Hard to Say I'm Sorry)」(1982年)

だったりして。。。

まあ、シカゴは「洋楽」だし、ハイ・ファイ・セットは「邦楽」なんで、どうまちがえるの? っても思えるんだけど、実際、仕事で著作権調査するときは、一度に数千件、多いときは数万件、調査楽曲が来たりするわけで、それを1週間、2週間のうちに調査しなきゃいけない。1曲当たり長くても数分しかかけられない、ある種の流れ作業なんでさ。
通常時ならば「なんで間違えるの?」っていう曲もついつい、見間違えちゃったりしたりするんだよね。

ちなみに、これら混同しやすい曲

・ポリス「見つめていたい」⇔ フィルコリンズ「見つめて欲しい」
・シカゴ「素直になれなくて」⇔ハイ・ファイ・セット「素直になりたい」

いずれも「対比」的なタイトルになってたりするのが面白かったりして 

どの曲も82年〜84年の曲であったりするけど、特に対比タイトルとなるフィルコリンズ「見つめて欲しい」、ハイ・ファイ・セット「素直になりたい」いずれも84年の曲。
どうなんだろ? はっきりとはわからないけど、84年頃のタイトルって意外と遊び心があったんでしょうかねぇ。 うーん、ややこしくなっただけととも思えたりますが。。。。。


ところで、今回引っ張ってきたハイ・ファイ・セット「素直になりたい」、個人的には正直言って、ヒット当時は、あんまり引っかからなかったんだよなぁ。
まあ、だから、今まで1曲セレクトで書かないでずっと残ってたとも言えるんだけどさ。。

この曲、シチズンのCM曲だったんで、レコード音源を聴くよりもCMで耳にした方が先だったと思う。

裏から入るメロディラインがちょっと変拍子っぽくて、ちょっと変わった手触りの曲だなっていうのが印象に残り、面白い曲だな・・・。

CMで耳にしたときはそう思ったものの、少し後にレコード音源を聴いたときは、今一つピンとこなかったんだよねぇ。

たしかにCMで使われてたAメロは、印象に残るし面白かった。 でもサビがちょっとねぇ。

インバクトに富んだAメロに対して、サビが弱いっていうわけではない。 Aメロとサビの繋がりが今一つ弱い・・・そんな印象が残るんだよね。
裏から入るちょっと変わったAメロに対して、サビのメロディラインって意外と素直じゃん。その代わり様っていうのかなぁ・・・うーん、やっぱ繋がりだよね・・・がちょっと不自然かなぁ。。。

まあ、CM曲にはよくありがちなパターンではあるんだけども。 つまりさCMで使用されるフレーズは先にできてて、そのほかは後付けでメロディをつけたり。だから、CMで使用される部分とそのほかの部分では繋がりが悪い曲。
昔、1曲セレクトで書いた斉藤哲夫氏の「いまのキミはピカピカに光って」は典型的なこのパターンだよね。

この「素直になりたい」が本当にそのパターンなのか・・というのはよくわからないけど、でもそんな風にも思えたりはするんだよな。


・・・っていうのは、後付けの印象。 当時14才のワタシとしてはそこまで深く曲を聴いてなかったわけでさ

それよりも、ホーンセクションが表に出て、ビートが効いたこの曲、ハイ・ファイ・セットらしくない・・・っていうのが当時の印象だったと思う。

ハイ・ファイ・セットといえば、ユーミンの「卒業写真」「冷たい雨」であり、モーリス・アルバートの「フィーリング」であり・・・っていう印象がまずあるわけじゃん。
それ以前、赤い鳥時代には「翼をください」とかさ。

兎に角、ボーカルの山本潤子さんを中心とした、コーラスグループというイメージが真っ先に立つわけで、この曲のようなビートが効いたアップチューンっていうのは、当時のイメージからするとどうしても「想定外」だったんだよね。

聴き手っていうのは、保守的なところが強いからさあ。 一度、ある「色」に染まってしまうと、別の「色」の曲が来たときに戸惑ってしまう。

当時としては、まさにそんな印象であったわけで、なかなか受け入れられなかったんだよね、自分としても。

だださ、↑に書いたシカゴの「素直になれなくて」。
シカゴってそれまでは、ホーンセクションをフィーチャーしたブラスロックが特徴だったわけじゃん。
それが、この「素直になれなくて」では、コーラスワークをフィーチャーしたスタイルに変化した。

これらをハイ・ファイ・セットと比べてみると、真逆のスタイルに変化した・・とも見えるんだよね。

つまりさ、作品タイトルが対比になっているとともに、楽曲のスタイルも逆に意味で対比しているとも言えるわけでさ。
その辺が面白いなぁなんて思えたりしてね。

まさか、そこまで計算してホーンセクションを前面に押し出したアレンジになったのかなぁ。
そこまで計算していたならば、アレンジャーの井上鑑氏恐るべし・・・なんだけども。。。


あ、でも、個人的にそんなことに気が付いたのは最近なんだよね。。
当時、あまり触手が伸びなかった分、今になって改めて聴くと新鮮味を感じたりしてさ。
だから、タイトルと作品内容がシカゴの「素直になれなくて」と対比しているっていうのに気が付いたのも、実は最近だったりしてね。




それにしても作曲の杉真理さんっていう方は、CMタイアップとなると、面白いメロディ書くんだよね。
この曲もそうだし、この曲の前はグリコ「セシルチョコレート」のCMタイアップとして自ら歌った「バカンスはいつも雨」。最近は、石川さゆりさんの例のサントリーCMの「ウイスキーがお好きでしょ」とかさ。
非凡なメロディーメーカーですよね。 ま、だからこそ大滝詠一氏に見染められてナイヤガラトライアングルvol.2に抜擢されたんだけどさ。



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