1968_08_小さなスナック_パープルシャドウズ

今回の1曲セレクトは「小さなスナック」パープルシャドウズです。

まずはデータです。

・タイトル     小さなスナック
・アーティスト   パープルシャドウズ
・作詞       牧ミエコ
・作曲       今井久
・編曲       林一
・リリース日   1968年3月25日
・発売元     ビクター
・オリコン最高位 2位
・売上げ枚数  47.0万枚
・ベストテンランクイン期間:1968年6月24日〜9月9日付

いやー、今日は最高に暑い。 昼間の家のダイニングの室温計は35℃を指しておりましたわ。。。。
チケケチ生活のワタシは、クーラーは自分の部屋しか入れてないんで、自分の部屋以外、他の部屋は熱帯なのよ。そんな訳で、今日は1日部屋でダラダラ。。。。 外になんか全く行く気無しですわ。。。
まあ、考える事はみんな同じなのか、日中、外を歩いてるヒトもほとんど居なかったし。。。静かな日曜でしたわ。

それはそうといつまで続くんですかね〜、この暑さ。 来週末はもう9月なんですけど。。。。
「夏の終わり」の兆しが見えないですねぇ。

本当はね、そろそろ夏の終わりを想定して1曲セレクトを書きたかったんだけど、そんな雰囲気じゃねーよなー。


・・・っつうことで、曲を変更。

で、引っ張ってきた曲がこの曲。


パープルシャドウズ「小さなスナック」。

しかし、なんで、この曲が「夏の終わりの兆しが見えない」曲なんやねん ってところなんたけど・・・。

先週、ビリーバンバンの「さよならをするために」の時に、ヒットまで時間がかかった曲って言うお題で書いたんだけど、この曲もそうなんだよね。

リリースは1968年3月25日。 ・・・っちゅうことはちょうど50年前ですわ。 半世紀前になるんですねぇ。
ワタシもまだ生まれてない。。。。

だけど、ヒットのピークは、50年前の丁度今頃、8月だったんですねぇ。 リリースから約5カ月かけてのヒットと言う訳ですわ。

まあ、今のヒットチャートからすれば、ちょっと考えられないようなロングヒットなチャートアクションではあるけど、当時は、こういったヒットまで時間を要した曲なんてザラにあった訳で、この曲が特段珍しいヒットの仕方と言う訳ではないんだけどさ。

結局さ、50年前は、日本の隅々まで曲が認知されるまで、それだけ時間を要したって事でもあるんだよね。
まだ、インターネットがある訳じゃないし。。。日本全国即時に情報が広まる・・・って言う時代じゃ無かったんだよね。

ちなみに当時のテレビの普及率は、白黒テレビが96%に対し、カラーテレビは5.4%っていう数字が残ってたりする。 

そんな時代なんですよね50年前は。 


ところで、この「小さなスナック」は、いわいるG.Sに分類されている訳だけどさ。。うむ、パープルシャドウズ自体、ギター2本、ベース、ドラムっていう、今でいえば4ピースバンドだったわけで、立派にグループサウンズだった訳なんだけども。

ただ、立ち位置としては、他のG.Sと比較してもかなり特殊だったんだよね。

・・・というのも、G.Sではあっても、やってる音楽は、もろ「歌謡曲」だったから・・・なんだけど。

G.Sは、現在に続くロックの源流・・っていうのが、一般的な見方だろう。 そりゃそうだ、G.S⇒グループサウンズ、いわば「バンド」であり、エレキを掻きならすような音楽であった訳だから。

でも・・・ですよ。実際は、その裾野はめっちゃ広いんだよね。 その名の通り、もろ・ロック系統のグループもいれば、アイドルバンドなグループもいる。 その中でも歌謡曲系の最右翼だったのが、このパープルシャドウズだったんじゃないか。

だったんじゃないか・・・って、ワタシ、まだ生まれる前の話なんでさあ、、実際に体験した訳じゃないんで、はっきりとは言えないんだけどモノの本からすれば、そんなイメージですよね。

ちなみに、G.Sを体系的にまとめた、黒沢進著「日本の60年代ロックのすべて」によると、ロック的な観点から見ると、G.S史上、最も「駄作」だった曲がこの「小さなスナック」・・・と言われていたようだ。

70年代初頭のころが一番顕著だった事なんだけど、ロック側の人間からすると、「歌謡曲」は最もダサい音楽だった訳ですよ。 いわいる「体制側」(⇒あっち側)の音楽ってことで。 ロックの精神は自由だ・・・これこそがナウイ音楽だ・・見たいなところがあったんだよね。

たださ、歌謡曲っぽかったからこそ、売れたともいえるんだよな。
↑のデータによると、この曲の売り上げ枚数は47万枚となっている。 この売り上げ枚数って、1968年当時のG.S全体の売り上げ枚数でも、トップクラスなんだよね。 この曲を上回っているのはタイガースくらいなんですよ。

さしもの、テンプターズの「エメラルドの伝説」でさえ、これより下回っていた訳で。

1968年っていうのは、G.Sブームが最高潮の年だった訳なんだけども、とは言っても、やっぱり歌謡曲の時代なんだよね一般的な傾向は。

そもそも個人的に言っても、G.Sと言われる曲で一番最初に覚えたのは、この曲だったと思う。 
いや、まだG.Sとかなんとか、そう言うしがらみが全然分かんなかった頃。 恐らくまだ物心がつくかつかないかの頃から知ってましたねぇ。

どこで覚えたのか、最初はどこで聴いたのかは全然覚えてないけど、いつの間にか知ってたもんなぁ。

「スナック」っていうタイトルが如何にも昭和40年代を彷彿させるんだよね。 

いつかも書いたんだけど、当時(昭和40年代)、ワタシの幼馴染で家族ぐるみで付き合ってたオヤジさんが、(常磐線)湯本駅前で「スナック」をやってて、夜な夜な、ウチのオヤジ、オフクロがここに入り浸ってたんだよね。
とうぜん、ワタシもよく連れてかれてた。 で有線から流れていたのが、当時の歌謡曲でさあ。 恐らくこの曲もそこで初めて聴いたんだと思う。

兎も角、この曲のタイトルもそうだけど、曲自体を聴くと、あの「スナック」の匂いが鼻腔に漂ってくるんだよな。
お酒とコーヒーが入り混じったような独特の匂い。ジントニックを始め、いろいろな種類のお酒の瓶。 緑色のソーダー水と浮かんでる真っ赤なチェリー。

ワタシの物心つくかつかないかの頃の「昭和の原風景」がこれなんだよな。

いまリアル仕事で働いているのが神田神保町。 今はだいぶ少なくなっちゃったけど、ごく僅かに、こんな昭和40年代の原風景そのままの一角があるんだよね。
それこそ、この曲のタイトルちゃないけど、小さなスナックが数件並んでいる一角。 昭和40年代にタイムスリップしたようでね、個人的にこの一角が大好きなんだよな。
そこを通るたびにどこからとなく浮かんでくるのが、この「小さなスナック」だったりもするんですよね。 



リードギターで、この曲の作曲者の今井氏は、もともとハワイアン・バンド出身なんで、
この曲のイントロのギターソロは、如何にもハワイアンっぽいですよね。
G.Sっていうと、イコール、ガレージロックって言う印象が強い。
この曲も、まあ、サウンド的にはガレージ的なんだけど、そんなガレージなサウンドとハワイアン的なギターソロのマッチングが結構新鮮だったりするんだよね。
この曲に引っかかるのは、その辺なのかもしれないな。

・・・というか、後年、G.S的な・・・っていうとこのイメージだったりするんだよね。

80年代中盤、ネオG.Sブームってことで一時ワタシもこの手の音に嵌まった事があったし、その頃、堀ちえみのシングルで「夏咲き娘」って、もろガレージな曲があったんだけども、結局はこんな感じだったもんね


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