1971_05_雨がやんだら_朝丘雪路


今回の1曲セレクトは、「雨がやんだら」朝丘雪路です。

まずはデータです。

・タイトル     雨がやんだら
・アーティスト   朝丘雪路
・作詞       なかにし礼
・作曲       筒美京平
・編曲       筒美京平
・リリース日    1970年10月21日
・発売元      CBSソニー
・オリコン最高位 5位
・売上げ枚数  32.5万枚
・ベストテンランクイン期間:1971年3月29日〜5月17日付

自分が記憶に残る「最古」の曲って何でしょうかねぇ〜。
あー、また、訳分かんない出だしにしてしまった。。。  うーむ、前も同じような疑問を投げかけた事があったような気がするけど、その時は確か、フィンガー5の「恋のダイヤル6700」って書いたような気がする。

うん、確かにね、「物心」ついた後の最古の記憶としては、フィンガー5だったような気がするんだけどさ。
でもね、死んだ母親にしてみると、そうじゃなかったらしい。。。

昔、「あんた、よく歌ってたんよ」って聞かされた曲が、五木ひろしの「よこはまたそがれ」と、もう1曲が今日セレクトしてきたこの曲だったんだよな。 うーん、ワタシゃ、全く記憶にありません・・・なんだけどなぁ。。

・・・ということで、今回の1曲セレクトは、そんな「物心」つく前によく歌ってた曲。

朝丘雪路さんの「雨がやんだら」。

うむ、昨日書いた、クールファイブの「長崎は今日も雨だった」が「雨」の曲だたんで、そのアンサーソングではないけど、雨上がりの曲もいいかな・・・なんておもってたら、丁度目にとまった・・・こともありまして。。。

でもねぇ、この曲、ホント記憶になかったんですよね、母親に言われるまでは。

・・・というか、初めはタイトル見て、全然曲が思い浮かばなかったモノ。 いわんや誰が歌っていたのかも全く記憶にあらず。。。。

実際に、「あーこの曲かぁ」って思ったのは、88年に放送された「レコード大賞30周年記念」で過去の各賞受賞で流れたVTRを見てですよ、確か。

うん、この曲は、1971年第13回レコード大賞で、「作曲賞」をとったんだよね、確か。 作曲は筒美京平氏ですよ。
ちなみに、筒美氏は、この年、尾崎紀世彦氏の「また逢う日まで」でレコード大賞。南沙織さんの「17才」で新人賞・・・と、レコード大賞の主要3部門受賞と・・・当たり年だったんだよね。

たださ、いまこの曲を聴くと、「え? これ、筒み京平氏?」なんて思うような曲調なんだけどさ。 うん、完全なる「歌謡曲」。
個人的には、70年代後半以降の日本の「キング・オブ・ポップス」といえるような「ポップス」な筒美京平氏しかリアルタイムでは知らないからさ。 この完全なる「歌謡曲」な曲想にはかなり違和感を感じたりしたもんなんだよな。

ただ、メロディライン、特に

♪ 雨がやんだら お別れなのね 二人の想い出 水に流して〜 ♪ っていうAメロの部分。 ココですよね。

普通の「歌謡曲」とは違うところは。

出だしの ♪ 雨がやんだら〜 ♪ っていうメロディラインからして、「うむ、これは違うぞ」っちゅう、とっかかりを感じるけど、 その後の ♪ 二人の想い出〜 ♪ っていう「半音ずつ」上がって行くメロディラインだよなぁ。

この2つのフレーズだけで、「作曲賞」を取ったっていってもいいんじゃない? って言うくらい印象深いんだよな。

兎に角、♪ 二人の想い出〜 ♪って言う部分のメロディラインのグルーヴ感が堪らないんだよな。 なんて言うのかな思わず背中が「ゾクゾクッ」とくるような。。。。 いい意味で。

これと同じように「半音階」をウマく使った曲としては、78年の大橋純子さんの「たそがれマイラブ」なんかもそうなんだけどね。 うん、この曲も同じように、いい意味で背中に「ゾクゾクッ」としたものが走ったもんなぁ。

まあ、最初に書いたように、この「雨がやんだら」の時は、ワタシ的にはまだ物心が付いてなかったんで、意識的な事ではなかったけど、結局は同じような所に引っかかったんだろなぁ。 


ただ、それにしてもやっぱり、歌謡曲なんだよなぁ、この曲は。 一体どこが、ポップスではなく、歌謡曲なのか・・・っちゅうと、やっぱアレンジなんだよね。
「むせび泣く」テナーサックスで始まるイントロ。 これを聴いちゃうと、昨日の「長崎は今日も雨だった」ぢゃないど、いやがおうにも「ムード歌謡」な印象が出てきちゃう訳でさぁ。 バックも、いかにも「ワワワワ〜」なんてコーラスが入りそうな3連ぽいリズムだしね(実際は「ワワワワー」なコーラスは無いけど)

うーん、これは、アレンジャーの森岡賢一郎氏の世界だなぁ〜・・・・と思ってたら。。。。

ありゃりゃ、この曲、アレンジも筒美京平氏なんだ。。。。

うーむ、これにはちょっとビックリ。 筒美氏がこんなモロ「歌謡曲の王道」のようなアレンジをしていたとは。。。

まあ、それだけ、当時のヒット曲界といったら、ムード歌謡な世界観が一番のヒット頭だったってことなんだろうね。筒美氏が常々言ってる事だけど、ヒット曲作家の使命はいかに「ヒット」する曲を書くかだったわけで、自分の趣味嗜好とは違ってますからね。 そう言う意味でも、この手のムード歌謡が、当時のヒットの王道だったってことなんだよね。

ちなみに、この曲の半年前にリリースされた、いしだあゆみさんの「あなたならどうする」って言う曲も、同じく 作詞 なかにし礼、作曲 筒美京平っていうコンビで書かれてるけど、この曲もモロ歌謡曲だしね。 まあ、ムード歌謡というよりは、少しタイプは違うけど。

まあ、これが昭和45年(1970年)っていう時代だったのかもな。 うん、この「雨がやんだら」は1971年のヒットということになってるけど、リリースは1970年だったしね。
そうなんだよね、リリースからベストテン入りするまで半年もかかってるんですよ、この曲。
ただね昨日の「長崎は今日も雨だった」でも書いたように、この当時は、リリースからベストテンヒットになるまでに時間がかかるって言うのはザラだったわけでさ、逆に言えばベストテン入りするような曲は、ほとんどがロングヒットと言う時代だったんだよね。 まあ、だからそれほど驚くことでもないんだけど、今のヒットパターンを中心に見ると、全く違うからなぁ、違和感は感じるところなんだよね。

この曲をプロデュースしたのが、CBSソニーの酒井政利氏で、いしだあゆみさんの「あなたならどうする」を聴いて、アダルト路線を思いつき、この曲の誕生となったようですね。

ただ、翌71年リリースの曲になると、ヒットのタイプががらりと変わってくる。そそそ歌謡曲の王道路線から、「ポップス」って言うキーワードが入って来るんだよな。 それによって筒美氏の曲調もガラッと変わってくる。

こんな時代の変化を追いかけるのもヒット曲をクロニクル的に聴く時の面白さだったりするんだけどさ。



↑で、この曲では ♪ワワワワー♪コーラスは使ってなかったけど、・・・ってかいたけど、使ってましたね。。。
スミマセヌ。。。


よろしかったら、ポチッと押してね
にほんブログ村 音楽ブログ 懐メロ邦楽へにほんブログ村