1972_07_傘がない_井上陽水


今回の1曲セレクトは、「傘がない」井上陽水です。

まずはデータです。

・タイトル     傘がない
・アーティスト   井上陽水
・作詞       井上陽水
・作曲       井上陽水
・編曲       星勝
・リリース日   1972年7月1日
・発売元     ポリドール
・オリコン最高位 69位
・売上げ枚数 6.3万枚

前回のkiroro「未来へ」は、これまで書こうと思っていたんだけどもなかなか筆を上げられなかった1曲・・・と言う事だったんたけども、今回の1曲セレクトも、前回同様に、セレクトしたかったんだけども、ちょっと躊躇してた1曲ですね。

「傘がない」 井上陽水

この曲をなかなかセレクト出来ないで居たのは、その歌詞の内容がワタシにはちょっと重い内容だったから・・・ってことが大きかったんですよね。

♪ 都会では自殺する若者が増えている
 今朝来た新聞の片隅に書いていた
 だけども、問題は 今日の雨 傘がない〜 ♪

という一節で始まるこの曲。 今の50代以上、特に団塊の世代方々には、知らない方がないくらいの曲ですよね。

当時の世相を説いた本だかと、まあ、ネット上でもそうなんだけど、これは当時の世相を表した曲・・・って言う事が通説になっていますよね。

時は70年代安保闘争が下火になり、その余波から「シラケ」という風潮が広がっていた時代。

他人の事より、世間で起きている事より、今の自分の問題の方が大事

そういう、如何にもシラケ世代を表ししているようなメッセージソング。・・・として捉えられている向きが強い訳で。。。

ただね、ワタシ自身、そう言う世相を実際に体験してきた訳じゃないから、そんなワタシがあたかも見てきたようにエラソーには書けないよな・・・っていうのが正直なところで、だから、今までなかなか書けなかった1曲だったんだよね。
 当時、3才になる直前だったワタシは、当時の「空気」は吸っていても、まだ世相を感じるほど物心は付いてなかった訳だし。
 
でも、そうは言っても、あの時代の停滞している空気っていうのは、物心がついてなかったけどもどこか感じるところがあるんですよね。 だから、後付ではあるけどもこの時代を、当時の世相を含め掘り返すのが好きなんですわ。

 ここでもよく書く事だけど、 歌は世につれ、世は歌につれ ・・・ってコトバもあるように、当時の世相から、当時の歌が分かるってことは よくある事で、だからね、最初にこの曲を聴いた時は、ナルホドな・・・って言う感想だったな。
 実際は違っていた部分も多いのかもしれないけど、この曲を聴く分には、やっぱり、当時、シラケという時代があったんだ・・・という事が良く分かるですよね。

その前に、ちょっと衝撃的でしたけどね。

重ーい、印象的なイントロに続いて

♪ 都会では自殺する 若者が増えている〜 ♪

っていう出だしは、軽いおちゃらけた歌を主に聴いてきた世代にとっては、やっぱり衝撃的だったんだよね。

だから、兎に角この曲は印象に残った。

・・・と同時に、この1〜2年の間に、時代が動いている・・・っていうのも感じ取れたりね。

例えば 井上陽水氏の対極にあった、よしだたくろう氏が♪ にんげんなんて ラララ〜ラララ〜♪と、第3回フォークジャンボリーで伝説の2時間もの「人間なんて」を熱唱したのが、前年1971年。
 
まだ、ウタに「政治的」な匂いが強くしてた時代。

そこから1年で、この曲が出てきた訳ですわ。この変化が、そのまま当時の世相の変化を表しているように、少なくとも第3者的立場にあるワタシとしては感じ取れるんだよね。

でも、そんな第3者的な立場にワタシとしては、正直、あと数年早く生まれたかったとはいつも思ったりするんだけどさ。あの時代の大変動期を物心ついた立場から感じ取りたかったよな・・・っていうのは強く思ったりしてるんでさ。


ちなみに、最初に今の団塊の世代以上の方なら、誰でも知っている曲という書き方をしたけども。実際の所、当時のオリコンのシングルチャートでは、最高69位。売り上げ枚数は7万枚弱・・・・と、数字だけを見る限りでは、とても大ヒットと言うは呼べないんだよね。

それでも、みんな知ってる・・・。

それにはワケがあり・・・。そもそも、この曲は、最初からシングル曲であった訳ではなく、ファーストアルバム「断絶」からのシングルカットであった事。
ちなみに「断絶」は、アルバムチャート最高8位だったのにもかかわらず、売り上げは51.1万枚。
10万枚売れれば大ヒットと言う時代に51万枚も売れた訳だから、大変なものだったわけです。

あわせて、当時のラジオからの口コミ効果は絶大だったわけで・・・。

このような効果もあり、シングルは売れなくてもだれでも知っている・・・と言う事になった訳ですね。 




うーむ、今一つ上手くまとめられなかったな。やはり難しいなこの曲は。


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