1985_09_メトロポリスの片隅で_松任谷由実






今回の1曲セレクトは、「メトロポリスの片隅で」松任谷由実です。

 まずはデータです。

・タイトル    メトロポリスの片隅で
・アーティスト  松任谷由実
・作詞      松任谷由実
・作曲      松任谷由実
・編曲      松任谷正隆
・リリース日   1985年8月1日
・発売元     東芝EMI
・オリコン最高位 8位
・売上げ枚数   14.5万枚
・THE HITCHART HOT30最高位 9位
・ベストテンランクイン期間:1985年9月23日付
・タイアップ:TBS系ドラマ「意外とシングルガール」主題歌

 最近の、いわいる「邦楽」のヒット曲の歌詞ってさあ、ホント横文字多いよなぁ。端から、全部「英語」って言う曲も、かなり増えてきてるし。
 まあ、日本人の横文字アレルギーっていうのが、解消してきている証拠なんだろうし、現代の「国際化」を考えると、当然の流れなんだろうけど、やっぱ、日本人としては、いくらヒット曲の歌詞とはいえ、「日本語」の比率が下がってくのは淋しいもんだよなぁ。

10年くらい前、一時期、「日本語回帰」って言う現象も見られたんだけどね。
以下、2007年に書いた文章なんだけども、そのまま引用すると・・・・


 ヒット曲の歌詞について、「日本語回帰」現象が見られる・・・っていうもんだ。
 松任谷由実と中島みゆき・・・っていう、30年選手を対象に、これまで発表されている曲、すべての曲の歌詞単語を数え、横文字(英単語)、日本語の比率を、リリース年代ごとに比較したもの。

 それによると、70年代の曲は両者、圧倒的に「日本語」が多かった。特に中島みゆきはほぼすべてが日本語だけでの歌詞で成立っている。

 ところが、80年代に入ると、両者、横文字歌詞の割合が多くなる。一見、横文字なんか使いそうもない、中島みゆきでさえ、歌詞に英単語が登場してくる。この傾向は、90年代まで続くが、2000年代に入って、英単語の割合が減ってきている・・・っていう結果だったんだけど・・・・。

 それをどう考えるか、なんだけど、70年代は、まだ「英単語」に慣れてなかったんだよね。国民全体的に。。。
 だから、必然的に「邦楽」は、「日本語」詩で・・・って事になる。
 別の見方で言えば、「英語」で逃げやがって・・・っていう風潮もあった。
 うん、ポップスもロックももともとは、向こうが元じゃん。
だから、英語の方が曲は作りやすいんだよね。リズムに乗りやすいし。そこを如何に「日本語」を乗せるか・・・っていうのが課題だった時期でもあった。
 大体、ロックに日本語は乗るかどうか、マジメに議論されてた時代でもあったし・・・。

 それが、70年代末ころから、突然風向きが変わる。
「横文字」が「オシャレ」になったのですよ。
 当然、トレンディ意識が強いアーティストは、こぞって横文字歌詞を使うようになるよね。ユーミンは、特にその意識や、臭いに敏感だったろうから、その意識は強かったろうね。

 ただ、最初は「オシャレ」「トレンディ」だった横文字がだんだん「日常的」になっちゃったんですよ。それが90年代。
 いまや日常会話でも、横文字なんて普通じゃん。ビジネス用語なんて横文字の嵐だし・・・
 正直言って、ワタシ、横文字に弱いから、意味がサッパリわかんないこともありますよ。。。。ふらふらバッド(下向き矢印)

 それが「今」

 つまりさ、いまや、横文字の歌詞の曲なんて。特別でもトレンディでもなんでもない、「普通」の曲なんですよ。

 で、逆に「日本語」歌詞だけで構成されている曲が「新鮮」に聴こえるようになってきた・・・って訳。

 考えてみればさ、秋川雅史の「千の風になって」とか、コブクロの「蕾」、去年のTOKIOの「宙船」も横文字が全然でてこないもんね。

 で、いずれもロングヒットになっている。
 ロングヒットしているってことは、浮動票も巻き込んでいるってことだし、つまりは、より多くのヒトが新鮮に聴こえている・・・ってことなんだよね。

 うん、70年までとは別の意味で、「日本語歌詞」が今は新鮮ってこと。もちろん、歌詞の意味もよくわかるしね。

 そこで、結論。。。これからは「日本語詞」回帰の時代ですexclamation ×2 横文字歌詞とかタイトルはもうダサイexclamation ×2 



・・・という事で、やっぱり、「日本語」歌詞の比率が高いほど、より多くのヒトに「ウタ」は浸透するんだよね。
まあ、そんなことで今回は前置きがめちゃくちゃ長くなっちゃったけど、1曲セレクトは、上記調査のサンプルとなった、ユーミンの曲をひとつ。

「メトロポリスの片隅で」
 
この曲がリリースされたのは、1985年。まさに横文字が「トレンディ」だった時代ですね。

 ただ、この曲の歌詞に関して言えば、あまり横文字は出てこない。

 サビ最後の

♪私は夢見るSINGLE GIRL 〜 ♪

位かな。

でも、「シングルガール」っていう単語は、当時、トレンディだったよねぇ。

 それより、サウンドだよね。このエッジのかかったサウンド。これは、当時の最先端に近いサウンドだったんじゃないかなぁ。
 最初イントロ聴いた時、ワタシ、洋楽かと思っちゃいましたもん。

 確かに、前年の大沢誉志幸の「そして僕は途方にくれる」あたりから、サウンドにエッジが効いた、洋楽っぽいヒットは出てきていた。
 そこをユーミンは、巧みに使って、この曲に生かした・・って感じなんだろうね。

 で、この曲以降に、レベッカとか、BOOWYなんかの、ホントにエッジが効いた、音の輪郭のハッキリしたサウンドが流行りだしてくる。

 まあ、その点、流行を先んじてサウンドに生かしてくるユーミンっていうヒトは、ホントに、「トレンド」感覚の嗅覚が鋭いヒトなんだろうね。

 このヒトの曲傾向が、そのまま時代のトレンドっていう感じだったもんね。長い間。
 その傾向は、今も続いているかもしんない。 このヒトの曲は、時代のリトマス試験紙・・・って思えるような。。。


 ちなみに、この曲、ドラマ「意外にシングルガール」の主題歌になってるけど、このドラマは1988年の9月に放送。
 だから、リリースから3年後ってことだよね。

 今でも、大体は、放送中か、放送直後に曲リリースするって言うのが普通だけど、3年前の曲を主題歌に・・・っていうのも、ちよっと珍しいかな・・・。そうでもないか。

 まあ、ドラマの主題歌の「意外とシングルガール」っていうタイトルと、この曲の歌詞の♪〜夢見るSINGLE GIRL♪ っていうのと、ドラマシチュエーションがぴったりあったんからなんだろうね。


動画・・・、この間、「守ってあげたい」でも書いたことだけど、ユーミンは、サザンと並んで、You Tubeに動画かないんだよな。 なんで、別のサイトへリンク。

http://www.dailymotion.com/video/x2cwnrs_%E3%83%A1%E3%83%88%E3%83%AD%E3%83%9D%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%81%AE%E7%89%87%E9%9A%85%E3%81%A7_music



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