1981_09_ジェラシー_井上陽水









今回の1曲セレクトは、「ジェラシー」井上陽水です。


ますはデータです。


・タイトル   ジェラシー
・アーティスト 井上陽水
・作詞     井上陽水
・作曲     井上陽水
・編曲     星勝
・リリース日  1981年6月21日
・発売元    フォーライフ
・オリコン最高位 14位
・売り上げ枚数 20.4万枚
・THE HITCHART HOT30最高位 11位


 最近は、また「テレビ」を毛嫌いするアーティストも増えてきたような気がするけど、昔、ニューミュージックっていうジャンルが一世を風靡していた頃も、テレビを毛嫌いしていたアーティストって多かったよなぁ。
 テレビを毛嫌いしていた・・・というよりも、正確にはテレビに「出演」するのが嫌だっていう感じですかね。


 テレビの歌番組が全盛期を迎えていた70年代〜80年代前半。結局、コンサート中心に、直接お客さんに触れ合う活動メインにしたいというニューミュージック側としては、1日テレビ局に拘束され、1曲、2〜3分、テレビカメラに向かって歌うだけの歌番組っていうのが、生理的に耐えられない部分があったんだろうな。


 もちろん、70年代も終盤に至り、テレビの歌番組OKよ・・・っていうロック・ニューミュージックの人たちも増えたんだけどね。サザン、ツイスト、ゴダイゴ、原田真二ってあたりがそうね。


 それでもテレビには、頑なに拒否反応を示していた人たちもいたわけで。。。
中島みゆき、松山千春あたりがそうですね。


ま、今でこそ、これらの人たちがテレビで歌うっていうのも、全然普通になったわけで、当時の頃とを想うと隔世の感があるんだけど、当時はそうだったんだよね。
なにせ、松山千春が「ザ・ベストテン」に出演する、テレビに出るっていうだけで大ニュースになる時代ですから。。。


そんなテレビ出演拒否アーティストとして、当時一番「頑な」だったのが、井上陽水氏だったんじゃないかなぁ。
このヒトも今でこそ、ちょくちょくテレビには出るようになったけど、当時は、本当に頑なでしたからねぇ。


 そんな井上陽水氏が、ついにテレビに出る・・・と大ニュースになったのが1981年。

そんな大ニュースをひっさげて、リリースされたのが、今回セレクトしてきた、「ジェラシー」ですねぇ。

 この曲で、「夜のヒットスタジオ」と「ザ・ベストテン」のスポットライトに出演・・・と。

 その結果、当時はアルバム中心の活動をしていた陽水氏が、久々にシングルで20万枚強のスマッシュヒットになったわけですね。
 
 それだけ当時の歌番組の力っていうのは強力なものがあったとも言えるんだけどさ。特に「ベストテン」は常に視聴率35%以上の全盛期だったからさ、この曲の頃は。


ただね、個人的には、当時、この曲には興味なかったんだよなぁ。

大体、当時「ベストテン」オタクとして、毎週ランキングを記録していたにも関わらず、このヒトがスポットライトに出てたことさえ、全然覚えていなかったくらいなんで。。。。


 この曲を再注目したのは、実は高校卒業して、浪人生活をしていたころなんだよな。
そそそ、当時、リコーのCMで、この曲使われてたんだよな、確か。
そのCMを見るたびに、どうもへんチクリンな曲だよな・・・と引っかかりまして。

井上陽水氏が歌ってるのは、すぐ分かったんだけど「曲名」が分かんなくてね。
 恐らくサビの部分が使われていれば分かったんだろうけど、使われていたのがAメロの部分だったんだよね


♪ ワンピースを重ね着する君の心は〜 ♪

って部分。

なんだこりゃ、意味分かんねー・・・って感じだったんですよ。


で、調べてみると「ジェラシー」。。

なんと、81年にヒットしていた曲じゃないか〜・・・って感じで、改めて聴き始めたっていう次第なんだよな。


フルコーラスを聴いてみても、意味はよく分かんなかった・・・っていうのが、正直なところなんだけど、それでも曲として強烈に印象には残る・・・そんな不思議な感じなんだよね。
詞にしたって、ハッキリ言えば、分裂症気味な感じなんですよ。でも、なぜか、実際に音に乗っかると妙に立体的な絵が浮かぶ。


例えば 

♪ ハマユリが咲いてるところを見ると、どうやら、僕らは海に来ているらしい〜 ♪


とかさ。 「どうやら、海に来ているらしい」って一体どういうことなんやねん。。。
って感じじゃん。日常生活からしてみれば。。海に来るまで「目隠し」してきたのか?

・・・とかさ。


でもさ、そんなディティールな理屈はどうでもいい事なんですよ。


それよりも、
 
♪ ハマユリが咲いてるところを見ると、どうやら、僕らは海に来ているらしい〜 ♪


っていう歌詞が挟まることで、いきなり、海岸の風景が脳裏に浮かぶ。

きっと、今日のようなドン曇りなんだろう・・・とかね。

そういう行間の心理状態を読ませるような・・っていうイメージがこの曲なんだよなぁ。
結局、歌に正解も不正解もない、聴く人それぞれが感じ取ってもらえれば、それでいいってことなんじゃないかなぁ。


当時は、まだ、PVも作られていなかったし、だから、聴く人それぞれにそれぞれの絵が浮かんでくるだろうけど、それでいいんだと思いますわ。

 今はPVで、ウタのイメージを「固定」されちゃっているところがからな。それは、ある意味「罪」なことだと思うんだよな、個人的には。



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