1983_06_トワイライト_中森明菜






今回の1曲セレクトは、「トワイライト」中森明菜です。

 まずはデータでーす。

・タイトル    トワイライト
・アーティスト  中森明菜
・作詞      来生えつこ
・作曲      来生たかお
・編曲      萩田光雄
・リリース日   1983年6月1日
・発売元     ワーナーパイオニア
・オリコン最高位 2位
・売上げ枚数   43.0万枚
・THE HITCHART HOT30最高位 1位
・ベストテンランクイン期間:1983年6月13日〜8月8日付

 1983年が連荘になってしまいましてスンマソン。先ほどは、薬師丸ひろ子の「探偵物語」を持ってきましたが、これを持ってきたら、やっぱり、この中森明菜「トワイライト」を持ってこないとねぇ・・・って感じですよね。

 古くからヒットチャートを見てきているヒトには、1983年の今ごろのチャートって、毎週のようにデッドヒートなチャート争いを繰り広げられてたっていう記憶があるでしょうね。

・4月27日リリース決戦(5月9日付 5月16日付)
 ⇒近藤真彦「真夏の一秒」VS松田聖子「天国のキッス」

・3つ巴1位争い(5月23日付)
 ⇒近藤真彦「真夏の一秒」VS松田聖子「天国のキッス」VSラッツ&スター「め組のひと」

そして、もう一つが
・薬師丸ひろ子「探偵物語」VS中森明菜「トワイライト」頂上決戦

ってやつですね。

 まあ、それだけ、当時アーティストパワーが拮抗した中でのチャート争いが繰り広げられていたって言うところなんですけどね。

 ただ、正確に言うと、この両者はリリース日が1週間ずれているんだよね。

薬師丸ひろ子 「探偵物語」⇒1983年5月25日リリース
中森明菜   「トワイライト」⇒1983年6月1日リリース

だから、もし、これが今だったら、こんなに騒がれることはない。

 というのも、今って、売上げが最初の1週間で集中して、2週目以降は大きくセールスが落ちることがほとんどだから、1週リリースがずれると、自ずからランクも入れ替わるっていう動きがほとんどだからね。

 でも、当時は、そこまでタンパクな動きではなかったのよ。

 まず、薬師丸の「探偵物語」。これ、昨日も書いたように事前では、超大型ヒットという事前予想があって、だから、みなさんリリースをずらしたんだよね。
 現にこの曲は1位を7週連続でとってる。

 そういう事前予想でチャートを狙いに行ってるアーティストは、「前」にずらしたんですよ。ま、これはトシの「シャワーな気分」なんだけども。

 しかしながら、この中森明菜「トワイライト」だけは、当初の予定通り「6月1日」リリースで決行。

 これがさ、当時としては、「真っ向勝負」という受け止められ方をしたわけですよ。

 ハイライトは、1983年6月13日付ランキング。

1位 探偵物語    薬師丸ひろ子 81,860枚
2位 トワイライト  中森明菜     69,450枚

 案の定、中森は1位取れなかったんだよね。当時は5万5千枚程度で1位を取れることも多かったので、6万9千枚での2位は、結構レベルは高いものだったんだよね。

 この2曲での1位争いは、この週だけに終わらず、ここから4週間にわたって薬師丸が中森を2位に封じ込んだチャート争いが繰り広げられたんですよ。

 まあ、なかなか見られない1位争い劇でしたよね。


 ただね、当の中森陣営はどうだったかというと・・・それほど「1位」というものにこだわっていなかったとろこもあるんぢゃないかなぁと思うんだよね。
 証拠にこのあと「北ウイング」を、やはり当時150万枚のヒットという事前予想された、わらべ「もしも明日が・・・」の1週間後にリリースをぶつけ、しかも同様に2位止まりという経験をしているわけで・・・。



 それよりも、この「トワイライト」の場合、累積セールスが下がったことに危機感を持ったんぢゃないかなぁと思いますね。

 累積セールス43.0万枚。

ま、たしかに、この数字はスゴイ数字ではあるんだけど、前曲「1/2の神話」の57万枚よりも14万枚も落ちてる。
 「セカンドラブ」以降、85年前半までの全盛期をもってして、この数字は最低レベルなんだよね。


 このころ、明菜って、完全に楽曲パターンが決まってたんだよね。

 スローモーション   ソフト路線
 少女A        ハード路線
 セカンドラブ     ソフト路線
 1/2の神話       ハード路線
 トワイライト     ソフト路線

 つまりさ、ソフトな曲とハードな曲が交互にリリースされてたわけさ。

 さすがにね、ファンもこのリリースパターンには飽きてきたんだろうなっていうところが如実に数字に出てきたんだよねぇ。

 ただ、この結果を踏まえて、ちゃんと、路線修正をかけてくるのが、このヒトのスタッフのエライとろこで、次の「禁区」では、「ミディアム」っていう新しい路線を開拓して、84年以降の第2次NEW明菜路線に繋げていったんだもんね。


 そんでもって、トワイライト。

 この曲は、上で書いたように、ソフトなミディアムバラード路線。
 来生たかおらしい、美しいメロディラインが特徴だよね。

 ハープ プラス ストリングス っていうサウンドは、前年の大橋純子「シルエットロマンス」に通じるところもあるけど、内容的にもあそこまで刺激的ではなく、もっとソフトですね。
 でも、浮かんでくる情景はタイトルどおり、夕陽をバックに・・・まさにトワイライトって感じで・・・、そのあたりは、さすがにうまいよねぇ。

個人的には、この曲のメロディラインと対旋律にあたるストリングとのからみがたまりませんで、「1/2の神話」に比べても全然この曲のほうが好きなんだけどね。

 でも、まあ、自分の好みと一般的な好みはなかなかシンクロしませんね〜と言うところですよね。セールスの結果を見ると。

 ただ、結果的に、明菜の「清純路線」のバラードはこれにて終了ってかんじでしたね。
 「きれいな声質」のころ、もう1曲くらい、この手の曲を歌ってもらってもよかったかなとも、今となってみれば思うんだけどね。



わぁ〜、もろ1983年の今頃の感じ。この曲を聴くと、当時が脳裏に浮かぶわ〜。


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