1971_05_戦争を知らない子供たち_ジローズ






今回の1曲セレクトは、「戦争を知らない子供たち」ジローズです。

 まずは、データから

・タイトル      戦争を知らない子供たち
・アーティスト    ジローズ
・作詞        北山修
・作曲        杉田二郎
・編曲        馬飼野俊一
・リリース日     1971年2月5日
・発売元       東芝EMI
・オリコン最高位   11位
・売上げ枚数     19.6万枚

 プロテストソング、あるいは社会派ソング。最近の曲では、そんな単語は、ついぞ聞かなくなりましたね。
 もう完全に死語ですよね。

 だけど、70年代中盤くらいまでは、そのような「社会」を風刺した、時には皮肉った曲があちこちに存在してたんですよね。
 まあ、それだけ、今と比べると生活も豊ではなかった、便利ではなかった時代であり、だから、それらのはけ口を音楽に委ねたという部分も少なからずあったんだろうねぇ。

 そんな当時、時には闘争心を掻き立たせるために音楽を使った時代もありましたよね。
 70年代安保の時代。もちろん、ワタシは、タイムリーには経験はしていないんだけど。。。
 よく、物の本なんかで、読んだりはするんだけど、新宿西口のフォークゲリラなんかは、まさにそうだよね。

 闘争心を掻き立たせる、いわば、怒りの捌け口のための音楽。
 だからさ、この時代⇒70年前後の曲って暗い曲が多いのかもしれない。世間の風潮が重く混沌としてた時代だから。
 そういう意味では、この間書いた、藤圭子の「夢は夜ひらく」なんてのは、世間の風潮にはあってたんですよね。
 
 藤圭子が70年に大ブレイクを果たしていたっていうのは、そういう世の中の動きの中ではある意味必然だったのかもしれないですね。

 だけども、あれだけ混沌とした闘争劇がつづいた70年安保は何事もなく批准。

 そこで、ある意味、一旦、時代は終わったんだよね。
ベトナム戦争、沖縄返還闘争は続いていたものの、ほぼ怒りの捌け口を社会に向けるという闘争劇は、ここで終結したんですよね。それが70年の後半。

 モーレツからビューティフルへ

 これ、もうちょっと時代は下りるけど、あのころに流行ったキャッチコピー。
 (ワタシ、一体何歳?・・・・(爆))

 そのキャッチコピーに並行するように、音楽傾向は随分変わったんですよねぇ。
 まずもって、「明るい」サウンドに人気が出るようになった。
 もう、怒りの音楽はダサくなってしまったわけさ。
 と同時に、ブルース、ムード歌謡も衰退傾向。夜に向かった音楽からお日様の下で聴く音楽へ。

 それが1971年初頭。 だから、1970年と1971年ではヒット曲のサウンド傾向がまるで違うんですよ。

 考えてみれば、世の中の動き一つで音楽の傾向も変わるということは、それだけ当時は、生活と音楽って密接に結びついていたんですねぇ。


 この曲、「戦争を知らない子供たち」は、まさにそんな時代の端境期にリリースされたんだよね。


 まあ、みなさん、曲はよくご存知ですよね。

 メンバーは、いまでも現役バリバリのシンガー、杉田二郎と森下次郎の男性デュオ。だからジローズ。

 この曲はサウンド的に健康で穏やかなんですよね。まさに、この時代では、「これから」を見据えたサウンドとでも言いましょうかね。
 上で書いたように、もう「暗い曲」「怒りの曲」はダサいといわんばかりの曲調ですよね。


 でも、実際はプロテスタントな歌詞なんですよ。「戦争を知らない子供たち」・・・つまりは、「私たちは戦後うまれなんだ。だから、戦前生まれの「大人」たちとは価値観が違うんだ」っていう内容ですよね。

 当時の「若者」が、当時の「大人」たちに向けた、痛烈な皮肉。それがこの曲なわけですわ。
 
この辺の心情は

♪若すぎるからと許されないなら、髪の毛が長いと許されないなら 今の私に残っているのは 涙をこらえて歌うことだけさ ♪

 によく出てますね。

 それは、まだ、ちょっぴり溜まってた怒りの捌け口を「新しい」切り口で音楽にぶつけてみました・・・
というところではないんでしょうかね。


 まあ、ワタシらの年代では、もちろん、タイムリーにこの曲は聴いていないから、どうしても「音楽」の教科書で知った、っていうヒトが多いですよね。

 でもさ、冷静に考えてみると、この曲を音楽の「教科書」に選んだヒトは偉い。
 なぜなら、この曲が教科書に選ばれたのは、30数年前だよね。
 ということは、「団塊の世代」より上のヒト・・・、つまりは、この曲で痛烈に「批判されてたはず」の世代、当時の「大人」のヒトが選んで教科書に載せたわけだから。


 だけど、これだけ、「だれでも」知っている曲だというのに、オリコン最高位11位。 売上げも19.6万枚っていうのは、かなり意外と思いません?

 よく作詞、作曲家が、10万枚しか売れなくてもいいけど、その何十倍のヒトが口ずさめるような曲を作りたいといったりしてるけど、もう、そんな曲は出ないでしょうかねぇ。


 ちなみに、コノ曲、リリースは、2月5日だけど、ヒットのピークは、「今ごろ」だったので、あえて、今、引っ張ってきました。




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