今回の1曲セレクトは、「19:00の街」野口五郎です。
まずはデータです。
・タイトル 19:00の街
・アーティスト 野口五郎
・作詞 伊藤薫
・作曲 筒美京平
・編曲 川村栄二
・リリース日 1983年1月25日
・発売元 ポリドール
・オリコン最高位 16位
・売上げ枚数 17.7万枚
・THE HITCHART HOT30最高位 7位
・ベストテンランクイン期間:1983年4月4日〜4月25日付
それまで、紅白に連続出場してて一度落選すると、再び紅白に戻ってくることは、ヒット曲を出すよりも難しいって言われてた時代があった。
まだ、紅白の視聴率が60%以上あって、文字通り大晦日の「国民的行事」といって憚らなかった時代の事だけど・・・。
今日は、そんな「紅白落選」から見事復帰させた、1曲を持ってきましたぞ。
19:00の街 /野口五郎
1982年、野口五郎は、それまで1972年から10回連続で出場してた紅白から漏れた。
当時の記事を見ると、本人はかなりショックだったようだね。
で、そんなショックを振り切るかのようにリリースされたのが、この「19:00の街」だったんだよね。
ぢゃ、さぞかし、気合を入れてこの曲にかけたのか? ・・・って思って、当時のオリコンウイークリーをひっくり返してみた。
1983年4月1日号(表紙:松任谷由実)のオリコンウイークリーにインタビューが載ってたりする。
それを読むと、意外にも、まったくヒットを意識せずに、肩の力を抜いて、この曲をリリースしたようなんだよね。
それが、結果的にいい方向に向かったっていうのかなぁ。
たしかに、野口五郎独特の「ビブラート唱法」は、この曲では、影を潜め、ストレートに歌ってる印象が強いな(それでもビブラートがかかってるけど。。。)。
作曲は、筒美京平氏。 久々の野口五郎−筒美京平っていう、デビュー当時のコンビがタッグを組んだ曲だけど、正直言って、筒美氏らしい、洋楽的な匂いは、この曲に限って言えば、あんまりしないんだよね。むしろ「歌謡曲」的な匂いが強いな。
これは、アレンジの川村栄二氏の影響かねぇ。川村氏といえば、今も堀内孝雄のアレンジとかやってるし、そっち方向のヒトだからねぇ。
ただ、バックのコーラスが「気持ち悪く」て、これが、この曲を引き立ててるよねぇ。
バックコーラスはBUZZっていうコーラスグループ プラス 女性コーラスを絡めているらしいけど、最初はなかったらしいね。
でも、あまりにもさっぱりしすぎてるんで、アクセントにコーラスをつけたようだけど、その気持ち悪さが、かえってアクセントになった・・・と。
それと、この曲は「絵」が浮かんでくるんだよねぇ。出だしの2行。
♪ 霧雨降る ガラス越しに19:00の街 低い雲 立ち込めて 摩天楼つつんで〜 ♪
うん、完璧に、新宿の高層ビル街だよなぁ。
・・・でもって、あれから32年たってるけど、今でもこの曲を聴いた時に浮かんでくる、風景は32年前の西新宿の高層ビル街の情景だったりする。
うん、まだ、都庁もない、オペラシティータワーもない、NTTビルもない頃の高層ビル街。
今の都庁が建っているところは「空き地」で、高層ビル街の一番外側は、新宿NSビルだった頃の風景。
なんか、個人的には、新宿の「高層ビル」街っていったら、その頃の印象が強くて、逆に、いまの風景が戸惑うね。
うん、この曲の頃の高層ビル街の風景。
ちょうど、福島から千葉に出てきて、その環境変化に順応した頃だ。人間、やっぱし、環境に最初に順応した頃の風景がいつまでも脳裏に焼きつくのかなぁ。。。
鳥の「刷り込み」のようにさ。
この曲を聴くと、なんか、そんな24年前の今ごろの風景が、妙に脳裏に思い出されたりするんだなぁ。
そんな意味もあって、個人的には、「THAT'S 1983」な曲です。
ところでさ、この曲、オリコンでは最高16位までしか行かなかったのに、「ザ・ベストテン」では最高5位まで行ってる。
この「差」は何? と思いまして、調べてみましたよ。
参考として、1983年4月14日放送分。この週が最高の5位を記録した週なんだけど、各要素、レコード売上げは10位外。有線8位、ラジオ6位、ハガキ3位。
・・・と、やっぱしハガキが強かったんだよね、この曲に限っては。
新御三家では、西城秀樹のハガキランクが強かった印象が強いけど、この曲はハガキに限っては、ハガキが強かったのが、ベストテンでは5位まで行った大きな要因になってるねぇ。
ちなみに、ワタシのランクでも7位まで行ってます。レコード売上げが必ずしも「絶対条件」ではないのですぞ。ヒットは、いろいろなメディアに広く支持されてこそ・・・なんだよね。
まあ、それがプラスとなって、この年の紅白に返り咲けたんだしさぁ。
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