1971_旅立ちの歌_六文銭






今回の1曲セレクトは、「出発の歌」上條恒彦と六文銭です。

 まずはデータです。

・タイトル    出発の歌
・アーティスト  上條恒彦と六文銭
・作詞      及川恒平
・作曲      小室等
・編曲      木田高介
・リリース日   1971年12月1日
・発売元     キング
・オリコン最高位 5位
・売上げ枚数   29.1万枚
・オリコンベストテンランクイン期間:1971年12月27日〜1972年2月14日付

 いかにも「ソングフェスティバル」を彷彿させるような曲・・・っていうのも、最近はとんと、見かけなくなりましたねぇ。
 ソングフェスティバル・・・うーん、別に「○×歌謡祭」っていうだけでないんだけどね。
 昔で言ったら「サンレモ音楽祭」とかさぁ。いかにも「70年代!」を彷彿させる音楽祭で歌ったら輝くぞ! って言う曲っつうのかなぁ。

 カンツォーネというか、フレンチというか・・・。静かに始まって、最後にグワッと、盛り上がって、華々しく曲が終わるって感じの曲。


 うん、ライヴの最後の盛り上げ曲ともまた、違うのよ。

 やっぱし、これも、70年代の「遺物」なのかねぇ。

しいて言えば、去年の「アナ雪」なんかは、このテに近いかもしれないな。


 個人的には、こういう、大げさで派手な曲好きなんだけどね。なんかね1曲の中に「喜怒哀楽」があるようでさ。

 もともと、クラシックとかポールモーリアとかヨーロッパ系の「音」とか「曲」から音楽に入ってきたところもあるかもしれない。

 まったく違和感なく聴けるんだよね。


 ・・・・と、前置きが長くなったけど、そんな、いかにも「ソングフェスティバル」用の曲だぞ! っつう、上條恒彦と六文銭の「出発の歌」をひっぱって来ましたぞ。


・・・といっても、知らない方のほうが多いかなぁ。なんせ、1971年・・・今から44年前の曲だもんなぁ。

 うーんとね、中学校くらいの「音楽」の教科書で知っている方も居るかもしれない。
あ、いや、今の学校の教科書には載ってないか・・・。ワシらが中学生の頃の音楽の教科書には載ってたんだけどね。 

 何分、曲調が曲調だけに、「合唱コンクール」向けの曲としてさ。

 この曲とか、赤い鳥の「翼になりたい」、トワ・エ・モアの「虹と雪のバラード」は、ウチラが中学校のころの「合唱コンクール」の定番曲だったもんなぁ。


 うーんとね、それでも思い浮かばない・・・って方は、「3年B組金八先生」のパート1の最終回の「さよなら金八先生」の中で、「ひげダルマ」の上條恒彦がギター片手に歌った唄・・・っていえば、若干わかっていただけるかなぁ。

 まあ、もともと、上條恒彦自身の「持ち歌」だったわけだけども、ヤマハ主催の「第2回世界歌謡祭」のグランプリ曲でもあったんだよね。

 「世界音楽祭」といえば、後年、ポプコングランプリアーティストののデビュー「格付け」としての位置づけが強くなったけれど、まだ、最初の頃は、プロのアーティストによる曲から選出されるっていう方向性だったんだよね。
 もちろん、ポプコン自体、このころは、プロのアーティストによるコンテストっていう感じだった。

 だから、このころ、ベルウッドっていうアンダーグラウンドなレーベル(いまでいうインディーズね)で、既にプロのアーティストとして活動していた、上條恒彦と、バックバンド「六文銭」のこの曲がグランプリをとったのも、何の不思議もなかったんだけどね。

 ちなみに、当時の「六文銭」のメンバーは

・小室等(作曲)
・原茂
・及川恒平(作詞)
・橋本良一
・四角佳子

の5人。小室等は、後にソロアーティストに、四角佳子は、吉田拓郎の1回目の結婚相手となる。(♪僕の髪が肩まで伸びて君と同じなったら〜結婚しようよ〜♪のモデルの人ね)

ちなみに、ベルウッドは、こののちに大滝詠一、細野晴臣らも一時在籍し、今でも、キングレコードのインディーズレーベルとして存在。


 まあ、兎に角、これが、全くの「ソングフェスティバル」用な曲なんだよね。

小室等によるアコギのイントロからして印象的。Aメロは静かに、Bメロから徐々に盛り上がって、サビで


♪ さぁー 今 銀河の向こうに 飛んでいけ 〜 ♪

で最高潮に達する。

 で、曲のフックとして、


♪ 銀河の向こうに (D♭) 飛んでいけ 〜 ♪

と、キーがE♭の曲で、いきなり「D♭」のコードが挿入されるのが「鍵」だよね。
 このコードの響きが、曲全体を締めている。

 で、最後、「大サビ」の


♪ さぁー 今 銀河の向こうに 飛んでいけ 〜 ♪


で大団円・・・・・・と思いきや、やおら、ドラムソロが始まり、リフレイン的に


♪ さぁー 今 銀河の向こうに 飛んでいけ 〜 ♪


で超盛り上がりの中で曲が終わる・・・

っていう流れも、いかにも「ソングフェスティバル」を意識した、憎い曲進行になっているんだよなぁ。

 まあ、この当たりは、アレンジの木田高介氏のセンスだろうな。(ちなみに、木田氏も一時期、六文銭に在籍」


 まあ、兎に角、この手の「ど派手」な演出の曲は、「宝塚」か「ミュージカル」でもない限り、一般的な「歌謡曲」ではお目にかかることが出来なくなりましたなぁ。

 それが残念でねぇ。また、だれかやんないかなぁ。大ゼッサン物なんだけど、個人的には。





うーん、最初に、このテの曲は「70年代の遺産」って書いちゃったけど、去年のアナ雪もそうだし、SEKAI NO OWARIのファンタジー的な曲が受けてるところからすると、意外と、このテの大げさな曲って見直してもいいかもしれないな。



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