今日の1曲セレクトは、「Christmastime in blue」佐野元春です。
まず、データです。
・タイトル Christmastime in blue
・アーティスト 佐野元春
・作詞 佐野元春
・作曲 佐野元春
・編曲 佐野元春
・リリース日 1985年11月21日
・発売元 エピックソニー
・オリコン最高位 7位
・売上げ枚数 13.4万枚
・オリコンベストテンランクイン期間:1985年12月2日〜12月30日付
いやー、今日は寒かった! 日中でも、「夜か」と思わせる寒さで、ほとんど1日フトンに包まって過ごしたワタクシですわ。ワタシの部屋、8畳なのにハロゲンストーブ1台しかないので、富に寒いのよ。。。 ここのところ、ずっと暖冬だったのと、PCの熱で、結構あったまるんで、それほど、暖房がいらない年が続いていたんで、ハロゲンストーブしかないんだけど、今年は兎に角「寒い」。。。 正月は「冬眠」する予定です(^^;;;;
さてさて、寒さとともに、本格的にクリスマスっていうイメージが強くなってきましたね。
今日からは、本命的なクリスマスソングと参りますかね。
まずは、佐野元春氏の「Christmastime in blue」です。
でも、この間、甲斐バンドの「安奈」でも書いたように、個人的には、土臭い曲が好きなんですわ。不器用というかね。
佐野元春って、それとは、全くの正対象ない位置に居るっていうイメージが強かったんだよね。
つまりぃ、性格的にスマートなら、曲もスマート、都会的っていうイメージが強くてね。サウンドからして、「すきっ」としてるでしょ。ムダがないっていうか、効率的っていうか・・。
最初、なんか、そういうイメージの部分が個人的に取っつきにくくてねぇ。多分、佐野元春っていう、意識を初めて持ったのは、83年春のコンセプトアルバム「No Damage」の時だったと思うけど、最初は、全く触手が伸びなかったな。
でも、83〜84年ごろから、サウンドの傾向が変わってきたんだよね。日本のヒット曲全体のさ。
それまでは、土臭い、ダサめの音が主流だったんだけど、より、都会的なハイセンスな音が主流になってきたわけで、個人的にもこの2年間で、随分、そういう音に慣れたんだよね。
で、初めて、佐野元春の「音楽」が抵抗なく聴けたのは、この「Christmastime in blue」の一つ前の「YOUNG BLOODS」からだろうな。
佐野元春ってバンドにブラスセクション入れてだゃん。あれが、結構カッコよくてね、ワタシもずっとブラスやってたから、意識するようになったんだなぁ。
で、この曲、「Christmastime in blue」。
とにかくね、、次の年のアルバム「カフェボヘミア」を聴くまで、最初の入りの
♪雪のメリークリスマスタイム 揺れる街のキャンドルライト
道ゆく人の 波に流れるまま Christmas Time In Blue ♪
のところだけしか、印象になくてね。セミバラードのメロディの美しい、ラブバラードか・・っていうイメージだったんですよ。
でも、ちゃんと聴いて、180度変わりましたね。イメージが。
この曲、おおよそ、クリスマスのイメージとは、思いつかない、レゲェなんだよね。全体的な曲の流れは。
それに気付いた時には、ちょっと衝撃的だったですわ。
それと、単なるラブバラードっていう枠を超えてるんだよね。実際は。
♪ 愛している人も 愛されている人も
泣いている人も 笑っている君も
平和な街も 闘っている街も
メリー・メリー・クリスマス
Tonight's gonna be alright ♪
ってあるように、兎に角、どんなヒトにもクリスマスは、平等にやってくる。そんなクリスマスに、みんなで歌おう、「メリークリスマス」って感じの、強烈なメッセージソングだったんだよね。
そのあたりは、ジョンレノンの「ハッピークリスマス」なんかに共通してるのかなぁ・・と思いますけどね。
それまでの日本のヒット曲ってさあ、クリスマスっていうと、とかく、カップルで過ごすクリスマスか、一人で過ごすクリスマスってどちらかだったぢゃない?
まあ、これは、今の曲もほとんどそうなんだけどさ、こういうメッセージ性のあるクリスマスソングってなかった気がするんだよね。
そこに、メスを入れた、最初の曲だったんではないかなぁ。
レゲェの一種、軽薄なリズムの裏では、結構強烈なメッセージが含まれてる曲って感じで、それはそれで、衝撃的だったな。
それと、もう一つ、忘れてならないのは、この曲、「12インチシングル」だったんだよね。
って書いてね「なつかしい」って思えるのは、やっぱ、同世代の方たちなのかなぁ。
知らない方のためにちょっと説明すると、アナログレコード
の場合、通常12インチのLP盤と、7インチのEP盤があったんだけど(正確には、ずっと昔には、12インチのSP盤もあったけど)、通常は12インチは「アルバム」で、7インチが「シングル」だったんだけど、それをわざわざ12インチで収録曲をおさえた、「12インチシングル」っていうのが、流行った時期があったんだよね。
要は、いまでいう、「バージョン違い」っていうのかなぁ。通常とは、異なるバージョンを収めたシングルって感じなんだけど、もともと、アルバム用の盤だから収録時間が長いんだよね。
だから、12インチシングルってのも、得てして、1曲あたりの時間がなかったですよねぇ。1曲、10分越えるのもざらだったし・・。
あとは、今と同じで、マスタリング、音質の問題も追ったんではないかな。これは、どっちかというと、音にこだわりをもったアーティストに12インチ盤って多かったですよね。
佐野元春の場合は、完全な後者のタイプって感じで、このころ、12インチシングルをかなり出してましたよね。
ヒット曲界全体を見ても、84年、85年って12インチシングルが全盛期で、アイドルもこぞって出してたよなぁ。
有名どころでは、中森明菜「赤い鳥逃げた」(シングル「ミ、アモーレ」別バージョン)、松田聖子「ダンシングシューズ」、小泉今日子「ハートブレイカー」、チェッカーズ「ハート オブ レインボー」あたりかな。
これ全部85年リリースなんだけど、全盛期はやっぱ、85年になるな。
ただ、このころは、いつの世にもある粗製濫造っていうところもはなはだしくてねぇ。小泉今日子の「ハートブレイカー」なんて、さいしょの4〜5分、ただの雑音が入ってるだけなのよ。よくさ、シロートがラジカセの録音ボタン押しっぱなしにしてて、わけのわかんない、雑音が録音されてたってことあるじゃん。 あれと同じような、全く意味がない音が、4〜5分永遠に流れるっていう、めちゃくちゃ、意味なし、アバンギャルドな「レコード」で。実際の曲なんかは、別に12インチにしなくて良いじゃんっていう長さなんですよ。
あとは、むりくり意味なしのアレンジを加えて12インチにしたって言う曲とかね。ほとんどが、この「12インチ意味なし」レコードだった気がするな。
そういう、風潮のなかで、この曲は、もともとコンセプトからして、しっかり作られた、12インチシングルとして、必然的な曲でしたね。
ちなみに、12インチシングルが最初ポピュラーになったのは、1979年の
親父の一番長い日 / さだまさし
では、ないかねぇ・・。これは、12分30秒って言う長さいえ、普通の7インチに収まりきれなかったんで、12インチシングルにせざるをえなかった・・という、逆にある種、必然的に12インチになった曲でして・・・。(^^;;;;;;;
まあ、曲はそれぞれいろいろあるわな。。。。
※2005年12月に書いたものの再掲載です。