1982_09_少女A







今日の1曲セレクトは、「少女A」中森明菜です。

まずは、データから

・タイトル     少女A
・アーティスト   中森明菜
・作詞       売野雅勇
・作曲       芹澤廣明
・編曲       芹澤廣明
・リリース日    1982年7月28日
・発売元      ワーナーパイオニア
・オリコン最高位  5位
・売上げ枚数    39.6万枚
・THE HITCHART HOT30 最高位 2位
・ベストテンランクイン期間:1982年9月27日〜11月27日付

 このところ、セレクト曲、アイドル寄りになってるかな・・・というキライはあったんだけど、やっぱり「この時期」って言ったら、この曲は避けて通れないよなぁ。
 それだけ、80年代アイドル界にはインパクトがあった曲ですよね。

 だけど、最初聴いた時は、ほとんど、印象に残んなかっただよね。生理的に合わなかったっていうかね。
 面白いもので、新曲を聴く場合、初見ですんなり自分の中に受け入れられる曲と、逆に、最初は「ウザイ」と思う曲ってあるじゃん。
 近田春夫氏も言ってるように、曲を聴く環境、シチュエーションの違いで、曲のイメージって変わってワケで。
 最近、新曲で「きになる曲」のレビューを自分で書いたりしてるけど、仮に当時も書いてたら、恐らく、ボロクソ書いてたと思う。それだけ印象に薄い・・・というか、逆にあんまり印象よくなかったんだよね。
 その前に、「中森明菜」っていうヒト自体よくわかんなかった・・っていうのが、正確なところかなぁ。
 はじめは、印象がうすかったんだよね。B級というかね。A級のアイドルのあのキラキラ感がなかったんだよね。先行してた、松本伊代、小泉今日子、堀ちえみ・・のほうがよっぽとキラキラしてたし。

 でも、なんども耳にしていくうちに、だんだんと「味」が出てくるんだよね。・・とともに曲のインパクトも感じるようになって来たわけです。
 この曲は、1回じゃわかんないのかもしれんね。 でも、そういう曲って一度耳に付いちゃうと、意外と飽きが来ないんだよね。逆に、何回も聴きたくなっちゃう。
 そうこうしているうちに、最初、あんなに印象に薄かった中森明菜がキラキラしてきたんだよなぁ。
 これってタレントさん自身、自信が付いてきたってことなんですかね。 これは不思議・・。 でも、70年代の山口百恵もそうだったけど、「物になる」アイドルってやっぱりいるんだよねぇ。

 今だから言えるけど、この曲、イントロのつかみからして、インパクトの塊ですよね。 最初のエレクトーンのグリッサンドからエレキとの絡みからして緊張感充分で、聴いてる方は、得々の世界に引き釣り込まれるって感じなんだよね。
 音自体は、どちらかといえば、ダサめだよね。っというか、この時代をもってしても古臭い。70年代だよね。このテの音は。
 同じ明菜のツッパリ路線で、このあとの「1/2の神話」なんかは、「少女A」に比べれば、スッキリとしてるんだよね。おなじエレキメインでも。 
こちらの方が音の面では80年代っぽい。
 ただ、「少女A」の場合は、軽めとはいえ、ブラスロックっぽい、ダサめの音にしたほうが掴みはよかったのかもしれないな。題材からして、ダサめのほうが「いかにも」って感じがするしね、
 このあたりは、アレンジの萩田光雄氏の見事な計算なんだろうなぁ。

 しかし、中森明菜のスタッフは、先見の明がある・・というか、思い切りが良いと言うかね。 普通、第1弾でバラードのソフト路線(「スローモーション」)を行けば、暫くはそのままの路線を行きますぜ。第2弾で路線変更というのは、かなりの冒険だもんね。でも、あえて、冒険のほうを選んだ。
 この辺は、計算ではないと思うんだよね。半分は「ばくち」だからさ。 でも、明菜本人ともども良いほうに転がったよね。
 このあとも、83年に「トワイライト」で、スロー路線で売れなくなってきたら、さっと、路線変更したでしょ。
「禁区」でミディアム路線に変更と、これもかなりの冒険だと思うのよ。 まず、ここが第2のターニングポイントっていうかね。
 でも、明菜ってターニングポイントを超えるたびに大きくなっていったよね。 やっぱり、のびるアーティストは、冒険をして伸びるのかなぁ・・・。
 82年、83年、84年と、どんどん大きくなっていったもんね。
 個人的にはピークは、84年だと思うんだよね。レコードセールス的にもそうだけど、この年の明菜が一番楽しそうに歌ってる気がするな。 もちろん、楽曲にも恵まれた。 変わってくるのは85年、86年でレコード大賞をとっちゃってからだよね。歌い方がガラっと変わっちゃったし・・・。表情まで変わっ
ちゃたもんね。
 やっぱり、若干20歳でのレコード大賞ってのは、相当な重石だったんじゃないかなぁ・・と今では思いますね。
 まあ、その辺に関しては、追々、他の曲を紹介しながら、書いていきたいと思います。

いずれにしても、この頃の明菜って、今見るとホント、かわいかったんだよね。




※2005年9月に書いたものを、若干、加筆しました。