1977_九月の雨_太田裕美






今日の1曲セレクトは、「九月の雨」(太田裕美)です。

 まずは、いつものようにデータから

・タイトル    九月の雨
・アーティスト  太田裕美
・作詞      松本隆
・作曲      筒美京平
・編曲       筒美京平
・リリース日   1977年9月1日
・発売元     CBSソニー
・オリコン最高位 7位
・売上枚数    35.6万枚
・THE HITCHART HOT30 最高位 3位
・ベストテンランクイン期間:1977年9月19日〜11月28日付

 いや〜9月なのに日中はまだまだ、暑いよねー。 うーん。でも、朝晩はようやく涼しくなってきましたワイ。 
 9月らしくなってくると聴きたくなってくるのが、この「九月の雨」なんですねぇ。
いかにも九月、長雨の季節を思い出させる曲ですよね。

 詞にもありますよね。

 ♪九月の雨は冷たくて〜♪
 ♪九月の雨はやさしくて〜♪

うん〜、いかにも、九月・・・秋の長雨を連想されるような下りですよね。
 今年は、まだ、そういう日はほとんどないけどね。。

 でも、さすがに松本隆氏。 情景が浮かびますよね。
 うーん、なんというか、「木綿のハンカチーフ」で一山当てたアーティストへの提供とあってか太田裕美と組むときは入れ込み方が違った気がするなぁ。

 そもそも、もともとはこの曲、「こけてぃっしゅ」というアルバムからのシングルカットなんですよね。「こけてぃっしゅ」は77年7月1日リリース。で、この曲の反響が大きかったことから、タイトル通り9月を待ってのシングルリリースとなったみたいですね。

・・・みたいですねって表現使ったのは、ワシこの頃はまだ、ヒット曲の世界にのめりこんでなかったからねぇ。まだ、タイムリーでは経験していないんですよ。なので、あとから聴いた話になりますね。
この辺は。。

 曲は、松本隆といえば、筒美京平氏。 もう、いやーねー、この2人組ませたら、右に出るコンビはいないですもんねぇ。
 しかし、この曲はもともと、アルバムの曲とあってか、しっかり実験してますよねぇ。

 「ポールモーリア歌謡」

 この頃知らないことにとっては、なんじゃそれ? かなぁ。
 そもそも、最近は「ポールモーリア」ってあんまり聞かないかんねぇ。知らないヒトも多いかなぁ。
 昔、イージーリスニングというジャンルの曲が大流行だったんだよね。要は、ポップス版オーケストラなんだけど、そのなかでも、このポールモーリアは日本では大人気だったですよね。
 あ、そうそう、今でもマジックでかかるじゃん。「オリーブの首飾り」あれですよ〜。

 かく言う私も、このころはポールモーリアにはまってまして(え? ワシって何歳? 7歳の頃からポールモーリアにはまってたのよワシ・・・ 変わった奴でしょ?)、初めて買ったLPはポールモーリアの2枚組みよ。いまでも持ってるけどね。
 そのほか、この頃カーステは「8トラ」の時代だったじゃん。親父の車にポールモーリアの「グレイテスト20」の8トラテープがあって、のびるまで聴き倒したもん。 あ、これほんとに半端じゃないのよ、マジでテープのびちゃったもん。最後は音がヨレヨレで聴けなくなっちゃったんだよね。
 「涙のトッカータ」「エーゲ海の真珠」とか好きだったぁ。

 で、話は戻るけど、当時、大人気だった、ポールモーリアの曲調を、歌謡曲に取り込んだのが、いわいる「ポールモーリア歌謡」ってわけね。
 もちろん、そんな技術的に高度なパクリ戦法できるのなんて、やっぱり筒美京平氏ぐらいしかいなかっしね。 というか、ヒットを作るためには、どんな流行もいち早く取り込む姿勢はすごいですよね。

 実際、この曲はうまく出来てるんだ。この曲のオーケストレーションは、ほんとにポールモーリアみたいだもん。

 Aメロ出だしからの ♪車のワイパー 透かして見えた〜♪ からの音節に追いかけてくるチェンバロっぽい音色のキーボードは「オリーブの首飾り」をモチーフ、そのほか、全体的には「サバの女王」をモチーフにってよく物の本にはあるんだけど、個人的には、「エーゲ海の真珠」も意識してんじゃないかなぁと思うんだよね。
 バイオリンパートなんかの使い方は特にそんな印象が残るな。

 まあ、この曲を実験台に、2年後のジュディオング「魅せられて」で、筒美京平氏のポールモーリア歌謡は完成するんだけどね。

 でも、よくよく考えたら、この時代は、ヨーロッパ系っぽい音が流行りだったんだろうね。
例えば、同時期に大ヒットした、松崎しげる「愛のメモリー」はカンツォーネっぽいし、沢田研二の「勝手にしやがれ」だって、どちらかといえば、曲の「濡れ方」からして、ヨーロッパっぽい・・・あ、ジュリーはもともとヨーロッパ系ですね。音の質としては。
 この年の「勝手にしやがれ」の大ヒットを見るとやっぱり、流行だったんだよね。
 時代の流れのなかで、流行り廃りってやっぱり、どうしてもあるもんねぇ。個人的には、アメリカンっぽいのも好きだし、フレンチっぽいのも好きなんだけどね。 あ、ポップスはどっちかといえばフレンチ、ヨーロッパ系かな。 ワシ、基本的にやわらかい音が好きだからねぇ。
 昔、ワシ、トロンボーンやってるときも、ヨーロッパ系のオーケストラの音のほうが好きだったんだよね。同じトロンボーンでも、ヨーロッパとアメリカでは全然音の質が違うのよね。
 ヨーロッパ系のおとは、同じff(フォルテシモ)でも音の硬さと厚みが全然違うんですよ。 アメリカ系は音は派手だけど厚みがないっつうかね。たしかにカラっとした音ではあるけど。
 ただ、カラっとした音の分、ロックとかブルースには合うんだよね。アメリカンっぽい音って。

 あー、まとまりがなかった。今日の文も・・・。





※オリジナルは2005年に書いたものです。今回再掲載しました。